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投資戦略レポート

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2009年8月24日号

 材料株が集中的に買われる相場つきに

 東京市場は高値圏で方向感のない動きが続いています。海外要因や先物主導で上下する動きが続いており、主体的な相場形成が出来ていません。国内に買い手掛かり材料がないうえに、政権交代の可能性が高い衆院選を控え、売り買いどちらにもスタンスを傾けにくい状況が続いています。
 売買代金も低調。日経平均株価は3月のバブル崩壊後の安値から5割も戻した後だけに、高値圏でこうした動きになったら調整してもおかしくありませんが、そうした動きにもなっていません。市場エネルギーからみれば低水準の相場が続いていますが、不思議なことに物色意欲は衰えていません。先々週の鉄道車両関連に続いて新型インフルエンザ関連銘柄が先週、集中的に買われる展開になったのはその表れでしょう。大きく捉えれば世界景気は快方に向かっているとの認識が背景にあるからではないかとみられます。上場企業の4~6月期決算発表が終了し、市場が物色難に陥っているときだけに、好材料の出た銘柄は今後も集中的に買われる展開が続きそうです。 

 当面は大きく上げないがそんなに下げもしない相場展開か

 21日発表された7月の米中古住宅販売件数は前月比7.2%増の524万戸(年率換算)と市場予想を大幅に上回りました。4ヵ月連続のプラスで、前年同月との比較でも5.0%増と2005年11月以来3年8ヶ月ぶりにプラスに転じています。米住宅市場は中古物件については底入れした可能性が強まっており、全米不動産協会も 「住宅市場は好転しており、中古住宅については販売が底入れした」との認識を示しています。
 これを受け21日のNYダウは前日比155ドル高の9505ドルと急伸、昨年11月4日以来9ヶ月ぶりの高値となっています。ハイテク株比率の高いナスダック指数も31ポイント高の2020ポイントと1週間ぶりに2000ポイントの大台を回復しています。CMEの日経平均先物が10500円と大証終値比150円高で終わっていることから、今週の東京市場はこれにサヤ寄せする形で始まりそうです。
 市場参加者が増えていないため東京市場は盛り上がりに欠ける動きが続いていますが、ここへ来て外国人が日本株買いを本格化してきたのではとみられる動きも出ています。3月以降の日本株の上昇は外国人買いを背景にしたものですが、外国人の日本株買越額は7月には1兆101億円と1兆円を超えるまでになっています。8月第1、第2週も買越額は2864億円、2449億円と高水準。世界景気が底入れすれば外需依存度の高い日本企業の収益回復に弾みが付くとの期待がそういう投資行動を取らせているようです。
 外国人買いが本格化すれば東京市場にはかなりのインパクトになります。日経平均はグローバルに事業展開している主力銘柄を中心に再び上値追いの動きになると見ていいでしょう。
 ただ、いまの乏しい市場エネルギーでは一段高を見込むのは困難。当面は材料の出た銘柄が個別に買われる個別株物色が続くのではないかとみられます。相場の方向性としては大きく上げないがそんなに下げもしない。押し目待ちの投資家が多いためそのような動きではないかと予想します。また物色面には方向性がなくなっていますが、これまで物色の圏外にあった非外需系の銘柄にも目を向けた方がいいように思います。

2009年8月17日号

 物色意欲は旺盛

 堅調な相場が続いています。先週は5営業日中、4営業日にわたって日経平均株価が上げ、うち3日が年初来高値を更新するという展開でした。相当な強さと云っていいでしょう。ただ売買代金は低調で、躍動感が感じられるような相場ではありません。海外株高を映して上げている面もあり、足踏み状態が続いているといってもおかしくない相場となっています。
 主要企業の4~6月期決算発表が一巡し、主力企業の業績底入れが市場全体を押し上げるような動きが一服したことや、景気の先行きに強気になりきれていないことなどが響いているのでしょう。国内の事業環境は依然厳しく、先高観が持てないこともこうした相場の一因になっているようです。ただ、日経平均が心理的なフシ目である1万円の大台を維持して底堅い動きを見せているため、投資家心理は徐々に良くなって来るとみていいのではないかと思います。
 市場エネルギーからは低レベルの相場となっていますが、不思議なことに物色意欲は衰えていません。13日付の日経新聞が、国営ベトナム鉄道が首都ハノイとホーチミンを結ぶ「南北高速鉄道」(約1560キロメートル)に日本の新幹線方式を導入する方針を明らかにしたと報じたとき、鉄道車両メーカーなど新幹線関連銘柄が一斉に買われたのはその表れでしょう。いいものがあったら積極的に買おうという物色意欲は依然旺盛で、好材料の出た銘柄は今後も大きく買われる展開になると見られます。 

 当面は調整含みの展開か

 米FRBが14日発表した7月の鉱工業生産指数(2002年=100)は96.0となり、前月比0.5%上昇しました。前月比プラスとなるのは08年10月以来、9ヶ月ぶり。在庫調整の進展に加え、政府の低燃費車への買い替え支援策もあって自動車メーカーが増産に動くなど、鉱工業生産に底入れの兆しが出る形となっています。FRBは12日のFOMC後の声明でも景気の下げ止まりを指摘していましたが、07年12月から後退局面に入った米景気が底入れしつつあることが、企業の生産面からも裏付けられた形となっています。
 14日のNYダウは8月の消費者態度指数(ミシガン大学調べ)が予想に反して低下したことから160ドル超売られる場面がありましたが、鉱工業生産指数の発表を受けて急速に下げ幅を縮小、前日比76ドル安の9321ドルで引けています。CMEの日経平均先物も155円安の10430円まで下げた後、引けは25円安の10560円(14日の大証終値は10600円)。いい形の引けになっています。
 市場参加者が増えていないため東京市場は盛り上がりに欠ける展開が続いていますが、ここへ来て外国人が日本株を本格的に買い始めてきたのではとみられる動きも出始めています。世界的に景気が底入れすれば外需依存度の高い日本企業の収益回復に弾みが付くとの期待から、自動車や電機など主力株への買いが増えています。投資主体別売買動向で外国人は4週連続日本株を買い越しており、買越額は7月第4週(21~24日)から8月第1週(3~7日)までの3週間、3526億円、4452億円、2864億円と一段と膨らんでいます。
 このところ先物高から日経平均が上昇するケースが続いていることも外国人が買いを入れているからと見れなくもありません。外国人買いが本格化してくるようであれば東京市場にはかなりの朗報。日経平均はグローバル企業の主力株を中心に再び上値追いの動きを見せる可能性もあります。
 ただ騰落レシオが警戒ラインの120%を越えてきたこともあり、ここからの一段高は困難とみるべきでしょう。当面は調整含みの相場が続くと見た方がいいのではないでしょうか。大きく上げないがそんなに下げもしない。押し目待ちの投資家が多いためそのような動きではないかと予想します。また物色面には方向性がなくなったように思いますが、相場は一定のリズムで動きます。物色の圏外にあった非外需系の銘柄にもそろそろ目を向けた方がいいように思います。

2009年8月10日号

 投資家のマインドは徐々に良くなる方向に

 東京市場は堅調な相場が続いています。先週は5営業日中、3営業日にわたって日経平均株価が年初来高値を更新するという動きで、普通に考えれば相当な強さと云っていい動きでした。ただ週後半にかけては株価指数へのまとまった買いが現物株を引っ張った面が強く、実感としては連日の年初来高値更新-躍動感が感じられるような相場-という状況ではありません。
 売買代金も低調で、騰落銘柄数を見ても値上がり銘柄と値下がり銘柄がほぼ拮抗している状態で、ある意味では方向感の感じられない相場となっています。チャートからは足踏み状態が続いているといっても過言ではない相場となっています。
 主要企業の4~6月期決算発表が一巡し、グローバル企業の業績底入れが市場全体を押し上げるような相場が一服してきたことや、投資家が景気の先行きに強気になりきれていないことなどが響いているようです。国内の事業環境は依然厳しく、海外要因で上昇しているだけだと考え、先高観が持てないことも一因になっているのでしょう。ただ、日経平均が心理的なフシ目である1万円の大台を維持しているだけに、投資家のマインドは今後、徐々に良くなってくると見ていいのではないかと思います。

 外国人の日本株買いが本格化か

 米労働省が7日発表した7月の雇用統計は市場の予想に反し、大幅な改善を示しました。非農業部門の雇用者数は前月より24万7000人減少、減少幅は6月の44万3000人から改善し、リーマンショックが起きた昨年9月以降、最も少なくなりました。失業率も9.4%と6月より0.1ポイント低下。失業率が低下するのは1年3ヶ月ぶりです。どちらも市場の事前予想を大きく上回っており、雇用情勢の悪化に歯止めがかかり始めてきた可能性が出てきました。
 これを受け7日のNYダウは前日比113ドル高の9370ドルと上昇、昨年11月4日以来9ヶ月ぶりの高値となっています。ハイテク株の比率が高いナスダック指数も27ポイント高の2000ポイントと8月4日に付けた年初来高値にあと11ポイントと迫っています。CMEの日経平均先物が10590円と7日の大証終値比170円高で終わっていることから、今週の東京市場はこれにサヤ寄せする形で堅調に始まりそうです。
 市場参加者が増えていないため東京市場は盛り上がりに欠ける展開となっていますが、ここへきて外国人が日本株を本格的に買い始めてきたのではとみられる兆候も出始めています。外国人は4月以降日本株を買い超してはいますが、これまでは買い越すというよりは大きく売り越した日本株を多少買い戻しただけという感じでした。
 しかし最近は米国株の上昇で投資余力が増してきたうえに、世界的な景気底入れ期待から「世界景気の先行指標」といわれる日本株に興味を持ち出したのではないかとみられる動きも散見されます。投資主体別売買動向で外国人は3週連続日本株を買い越しており、7月第4週(21~24日)と第5週(27~31日)には買越額が3526億円、4452億円と一段と膨らんでいます。手っ取り早く日本株を取得するため株価指数先物にも買いを入れているようで、実際の買越額は上記数字を上回っている可能性もあります。
 このところ先物高から日経平均が上昇するケースが続いているのも外国人が買いを入れているからと見れなくもありません。外国人買いが本格化しているようであれば東京市場にはかなりの朗報。日経平均は輸出主導型の主力株を中心に再び上値追いの動きに転じる可能性もあります。
 ただ当面は好決算発表銘柄を個別に買う動きが続くとみるべきでしょう。このところ物色の中心は業績変化率の高い輸出関連株に集中しているように見えますが、中には好決算を発表しても材料出尽くし感から売られる銘柄も散見されます。相場は一定のリズムで動きます。非外需系の銘柄にもそろそろ目を向けた方がいいように思います。

2009年8月3日号

 市場環境は今後も徐々に良くなる方向に

 ここへ来て日経平均株価は連日で年初来高値を更新しています。4~6月期決算で業績底入れを示唆する企業が相次いだのを支えに買いが入る展開が続き、31日の日経平均は前日比191円高の10356円と昨年10月6日以来の水準を回復しました。堅調なアジア株などを受けてこの日の高値で引ける強い動きとなっています。
 日経平均は今年3月に付けたバブル崩壊後の安値から4ヶ月半で3302円(上昇率46.8%)も上昇した計算になります。調整を入れたあと6月12日の年初来高値を更新してきただけに、日経平均は上値を試す展開に入ったとみられます。
 東証1部の売買代金が34日連続でフシ目の2兆円を下回るなど相場には力強さはみられませんが、投資家心理は徐々に良くなっているように思います。心理的なフシ目である1万円の大台を日経平均がキープする状態が続けば投資家の株式市場に対する見方も変わってきます。市場を取り巻く環境は今後、徐々に良くなってくると見ていいのではないかと思います。

 外国人が日本株買いに転じてきた可能性も

 米商務省が31日発表した4~6月期の実質GDPは前期比1.0%の減少となりました。4四半期連続のマイナス成長ですが、1~3月期(6.4%減)からは大幅に改善し、市場の事前予想(1.5%減)も上回りました。マイナス幅縮小は民間設備投資など企業活動の復調と政府支出増が主因。民間設備投資は前期の39.2%減から8.9%減に、輸出は29.9%減から7.0%減まで持ち直したほか、公共事業など景気対策で官公需が5.6%増加したことが大幅な改善を支えています。個人消費などにもろさは残るものの、米景気は最悪期を脱し、年内の回復をうかがう動きになってきたとみられます。
 4~6月期のGDP発表を受け31日のNYダウはしっかりした動きでした。NYダウの7月の上昇率は8.6%と2002年10月以来の大きさとなっています。米国市場はここへ来て上値の重い動きになってはいるものの、投資家の買い意欲は強く、先行き期待から売りも出にくい状態になっています。
 市場参加者が増えていないため東京市場は盛り上がりに欠ける展開となっていますが、先週あたりから外国人が日本株を買い始めてきたのではとみられる兆候も出始めています。外国人は4月以降日本株を買い超してはいますが、これは買い越すというよりは大きく売り越した日本株を多少買い戻しただけという動きだったように思います。
 しかし最近は米国株の上昇で投資余力が増してきたうえに、世界景気の回復期待から、「世界景気の先行指標」といわれる日本株に興味を持ってきたのではないかとみられる動きに変わっているように思われます。寄り付き前の外国証券経由の売買動向はこのところ買い越しになる日が多く、投資主体別売買動向でも外国人は2週連続買い越しており、7月第4週(21~24日)には2ヵ月半ぶりに3000億円を超える買い越しを行っています。先週も東証1部の売買代金は週末にかけて膨らむ展開となり、31日の売買代金は1兆7430億円と2兆円にあと少しというところまで回復しています。これも外国人買いが入っているからでしょう。
 外国人買いが本格化するようであれば東京市場にはかなりの朗報。輸出主導型の主力株を中心に日経平均が上値追いの動きを強める可能性も充分あります。ただ当面は決算発表がたけなわで、好決算銘柄を個別に物色する動きが続くとみるべきでしょう。このところ物色の対象は業績変化率の高い輸出関連株に集中しているように見えますが、中には期待値の高さから投資尺度からは買えないような水準まで買い上げられている銘柄も散見されます。相場は一定のリズムで動きます。非外需系の銘柄にもそろそろ目を向けるときではないでしょうか。

2009年7月27日号

世界的に業績や景気回復に対する期待が広がる

堅調な相場になってきました。米ハイテク企業の4~6月期決算が相次いで市場の予想を上回ったことをきっかけに、世界的に企業業績の改善期待や景気回復に対する期待が広がる形になっています。世界の主要市場でも中国やドイツなどが年初来高値を更新しているほか、米ダウ工業株30種平均も約半年ぶりに9000ドル台を回復、ハイテク株の比率が高いナスダック総合指数も昨年10月以来の高値に進んでいます。
米ハイテク株の堅調な業績を受け、日経平均も24日には約3週間ぶりに9900円台を回復、心理的なフシ目とされる1万円まであと46円と迫っています。この間、日経平均は8連騰。8日続伸するのは2005年11月以来、3年8ヶ月ぶりで、1、2週間前には考えられなかったほどの動きとなっています。
ただ売買代金は低調。東証1部の売買代金は1兆5000億円を下回る日が多く、市場のエネルギーが膨らんでいるという感じではありません。躍動感のようなものもなく、「低いレベルで均衡しつつあった需給が徐々に買い方優勢になりつつある」といった状態になっています。

外国人買いが復活する可能性も

東京市場は昨秋の金融危機以降、悲観論と楽観論の間で大きく揺れ動いてきました。それだけに上昇局面にあっても警戒感は根強く、上値を買い上げられないのでしょう。このため物色の中心は出遅れ株になりがちで、材料性の高い中小型株が循環的に物色される展開が続いています。
米新規失業保険申請件数が減少傾向にあるほか、6月の米中古住宅販売件数が8ヶ月ぶりの高水準を記録するなど、米国では労働市場も住宅市場もこれ以上悪化しないということが共通認識となりつつあり、株式市場の楽観論につながっています。ただ根本的な問題が解決されたわけではないので揺り戻しはありそうですが、今後の焦点は米景気の回復スピードがどうなるかに移るのではないかと思われます。
こうした局面では日本株が注目される可能性があります。日本株は世界景気の先行指標とも云われているだけに、米国株の上昇で投資余力の増した海外勢が日本株買いに転じる可能性があるからです。24日の東証寄り付き前の外国証券経由の売買動向で、売り2940万株に対し、買いが5820万株と大きく膨れたのはその表れかもしれません。
外国人買いが復活すると物色の流れが変わる可能性がありますが、来週からは上場企業の4~6月期決算発表が本格化します。当面はそれをみながらの個別物色の動きではないかと思われます。

2009年7月21日号

7月21日号はお休みします。

2009年7月13日号

 投資マネーが安全志向を強める

 東京市場は完全な調整局面になってきました。先週は5営業日下げが続き実に8日連続安。8日続落となるのは昨年7月以来、1年ぶりのことですですが、7月に入ってずっと下げっぱなしという状態が続いています。
 6月の米雇用統計で非農業部門の雇用者数が予想以上に減少したことを受け、米景気の先行き不透明感が強まり、世界景気に対する市場の楽観ムードが後退したことがこうした相場を演出しています。米雇用統計の発表をきっかけに世界経済の回復を期待して株式や商品、高金利通貨などに流れていた投資マネーが 「安全志向」 を強めており、これまでとは逆の投資行動を取る動きも強まっています。
 世界的に株価が軟調な動きになり、原油など国際商品が一斉に下げに転じているのもこれが原因。円キャリートレードの巻き戻しから外国為替市場では円が買われる展開となり、長期金利は日米ともに低下傾向が鮮明になっています。先週号で東京市場は 「低レベルで売り買い均衡している状態」と指摘しましたが、均衡状態が一段下に下がった感じです。
 
 そろそろ反転も

 国内にこれといった買い手掛かりになる材料もなく、海外経済に左右される日本企業の業績を客観的に考えたら、とても株を買えるような状況ではありません。ただ株価と実体経済は別物であり、株価が実体経済に半年から1年近く先行することを考えると、景気が良くなってから買っては遅すぎます。
 いまの東京市場は景気の先行き不透明感が強まるなかで円高が進み、買い意欲が薄れるような状況になっています。外国人は新興国に比べて成長力が見劣りする日本株には投資妙味はないと見ているようであり、外国人の日本株買いも当面、見込めない状況となっています。
 こうしたなか外国人に代わる相場の牽引役と期待された個人が息切れしそうな状況になっています。GSユアサなどこれまで物色の中心となっていた自動車電池関連株が揃って急落し、損失が膨らんできたためです。信用取引の追い証も発生しているようで、買い手不在といういまの地合いは改善しそうにありません。
 ただ世界景気は底割れするような状況ではありません。早期回復期待が後退したとはいえ、徐々に回復するという見通しは変わっていません。日経平均がボリンジャーバンドのマイナス2σを突き抜けて下がっていることや、日経平均のサイコロジカルラインが売られすぎを示唆する25%まで低下してきたことからも、日経平均の反騰は近いと見られます。反騰局面に入ったら市場のセンチメントも変わってくるはずです。ここは弱気になるところではないと考えます。

2009年7月6日号

 低レベルで売り買い均衡した状態が続く

 東京市場は高値圏で方向感のない動きが続いています。一時のような米国株の写真相場からは抜け出していますが、国内にこれといった買い手掛かり材料がないため自律的な相場形成は出来ていません。大きく動き出すとすればこれまでどおり外部環境の変化を受けてということになりそうです。
 ただ先週は意外に強いのではと思わせるような動きも見られました。予想を上回る雇用統計の悪化を嫌気してNYダウが223ドル(2.6%)安と急落したのを受けた3日の動きがそれです。当日の日経平均の下落幅はわずか60円(0.6%)。米国の写真相場から抜け出しつつあるとはいえ完全に抜け出したわけではないので、ある程度の下落は仕方がないというのが当日の一般的な見方でした。ところが大きく下げたのは寄り付き直後だけで、その後は徐々に戻し、引けはこの日の高値。テクニカル的には強い動きといっていいような動きでした。
 とはいえ売買代金はいまいち。このところ東証1部の売買代金は1兆5000億円を下回る日が多くなっていますが、この日も売買代金は1兆3545億円と低調。日経平均が10000円を前に足踏みしている状態が続いているため相場に躍動感みたいなものがなくなって来たからでしょうか。ただそうした状態でも下げない、となれば、いまの相場は「低レベルで売り買い均衡している状態」ということになります。

 エコ関連が交代で物色される展開か

 3月中旬以降の今回の大反騰相場に乗れた投資家はほとんどいません。外国人を含めほとんどの投資家は懐疑の目で眺めていました。それは売買代金がほとんど増加しないで株価だけが上がる異例の動きとなっていたことからも明らかです。
 先週2日の米国株は非農業部門の雇用者数が予想以上に減少し、米景気の先行きに対する慎重な見方から急落しましたが、世界景気が最悪期を脱して回復傾向にあることはいまやほとんどの投資家が知っています。買いそびれた投資家は下がったら買いのチャンスと考えているはずですから、今後も株価が大きく下がることはないと思います。まして日本株は世界景気の先行指標とも云われているだけに、先行きは悪くなるより良くなる方向にあると考えていいでしょう。
 投資主体別売買動向で個人が4月から3ヶ月連続で買い越していることからも明らかなように、いまマーケットの主役になっているのは個人投資家です。個人は「下がれば買い、上がれば売る」傾向が強いため全体相場の牽引役にはなり得ませんが、外国人の日本株買いが本格化するまでは相場のリード役となる可能性大でしょう。
 従って今後も狙い目となるのは個人投資家好みの中小型株でしょう。物色基調としては個別材料株。エコカーや太陽電池などエコ関連には買い疲れ感を指摘する向きもありますが、決算発表が本格化するまでは特段の買い手掛かり材料もなく、主役銘柄が交代する形で物色されるのではないかと見られます。

2009年6月29日号

 相場は目先の底を入れた可能性も

 東京市場は高値圏で方向感のない展開が続いています。一時のような米国株の写真相場からは抜け出していますが、国内にこれといった買い手掛かり材料がないだけに自律的な相場形成は出来ていません。動き出すとすればこれまでどおり外部環境の変化を受けてということになりそうです。
 先週末の日経平均株価の終値は81円高の9877円。23、24日と割り込んでいた25日移動平均線を回復して引けました。週間の変動幅は91円(0.9%)で狭い範囲での値動きとなっています。ただ23日に日経平均が276円安と急落し、25日には205円高と急反発したことは今後の相場を考えるうえで重要でしょう。
 23日の急落はみんなが望んでいた下げだったと思います。下げそうで下げない相場が続いていたため、今回は値幅ではなく日柄での調整になるだろうとみていた市場の一般的な見方が急落を受けて一段安もあり得るとの見方に変わったあと、急騰を受けてその考えをまた修正せざるを得ない状況になったからです。
 25日の急騰は株価指数先物に仕掛け的な買いが入ったのが原因です。ただ多くの市場参加者が軟調な相場になると予想しているときに逆の方向に大きく上昇するということは株価の基調が弱いと出来ません。相場の基調は我々が想定しているよりも強い可能性があるのです。日経平均が1万円の大台に乗せるまでは9500円が大きな関門となっていました。23日の急落でもこのラインを割り込まず反騰してきたということは、すでに底入れ反転の動きになってきた可能性さえあるのです。

 
 狙い目は中小型株

 3月中旬以降の今回の大反騰相場に乗れた投資家はほとんどいません。外国人を含めほとんどの投資家は懐疑の目で眺めていました。それは売買代金がほとんど増加しないで株価だけが上昇する異例の動きとなっていたことからも明らかです。
 世界銀行が2009年の世界景気見通しを下方修正したことを受け先週、世界的に株価が下落する場面がありましたが、世界景気が最悪期を脱して回復傾向にあることはいまやほとんどの投資家が知っています。買いそびれた投資家は下がったら買いのチャンスと考えているはずですから、今後も株価が大きく下押すことはないと見られます。まして日本株は世界景気の先行指標とも云われているだけに、客観的に考えれば先行きは強気相場になる公算大でしょう。
 騰落レシオが過熱ラインとされる120%を超えるなど相場の過熱を指摘する向きもありますが、東京市場は出来高や売買代金といった従来の指標で見れば、一度も過熱状態になったことはありません。昨年の下落相場では過去の経験則がまったく通用しない相場と云われましたが、今回の反騰局面でも同じことが起こっているのかもしれません。
 投資主体別売買動向で個人が6月第3週(15~19日)に4928億円買い越したように、いまマーケットの主役になっているのは個人投資家です。個人は「下がれば買い、上がれば売る」傾向が強いため全体相場の牽引役にはなり得ませんが、外国人の日本株買いが復活するまでは相場のリード役になると考えた方がいいと思います。従って狙い目となるのは個人投資家好みの中小型株でしょう。ただ信用取引の評価損益率が12日時点でマイナス5.55%と07年6月以来、2年ぶりの水準まで回復しているため、過熱感のある銘柄は避けたほうが賢明でしょう。

2009年6月22日号

6月22日号は都合によりお休みにします。

2009年6月15日号

 日経平均の1万乗せで市場環境はガラッと変わる

 日経平均株価が昨年10月7日以来、8ヶ月ぶりに1万円の大台を回復しました。売買高や売買代金などボリューム面にやや問題は残りますが、市場を取り巻く環境はガラッと変わったように思います。
 先週末(12日)の日経平均株価は後場になって一段高の展開となり前日比154円高の10135円で引けました。5月下旬からじわじわ上げていた株価が週の後半から一気に上げ足を速め、あっという間に1万円の大台を回復する不思議な上げでした。週間の上昇幅は367円(上昇率3.7%)。3月10日に付けたバブル崩壊後の安値(7054円)からの上昇率は43.7%にもなります。3ヶ月という短期間で指数(=平均株価)が4割強も上げるのは尋常ではありません。
 昨年の相場急落局面で東京市場は過去の経験則が通用しない相場になっているとよく云われましたが、反騰局面でも同じような状況になっているように思います。騰落レシオや移動平均線からのカイリなどテクニカル指標からは4月以降、いつ調整があってもおかしくない状況にあったのに調整らしい調整がないというのはその表れでしょう。
 日経平均が1万円を前に足踏みしていた10日頃まで市場では強気派と弱気派の攻防が繰り広げられていました。強気派は世界景気が最悪期を脱して回復に向かうとの期待感から1万円回復を予想、弱気派は相場の過熱から来る高値警戒感に加え、実体経済悪から調整が避けられないと予想。どちらの見方も的を射ているような内容で、当社もどちらに振れても対応できるように半身の構えでいましたが、漸く答えが出てきたように思います。

 個人が相場の主役に浮上

 先週号で指摘したことを思い出してください。今回の大反騰相場に乗れた投資家はほとんどいません。外国人を含めほとんどの投資家は懐疑の目で眺めていたはずです。そのことは売買代金が盛り上がらない中を株価だけが上昇する異例の動きとなっていたことからも明らかでしょう。
 しかし各国政府が危機対応の政策を総動員した結果、一部の経済指標が上向き始め、景気底割れの懸念が後退。在庫調整の進展で企業の生産活動が回復しつつあることもあり市場心理は徐々に正常化しています。調整しそうで調整しない相場は、市場心理の好転を背景に今回の上昇相場に乗り遅れた投資家が、下がった局面で買いを入れているからと捉えるべきではないかと思います。
 東京市場はテクニカル的に見ればまだ過熱状態にあります。騰落レシオやカイリ率から見れば確かにその通りなのですが、一方では相場には盛り上がりというか躍動感みたいなものはまったくありません。こういう状況では例え調整があったとしても深押しはないと考えるべきでしょう。下がった局面では相場に乗り遅れた向きの押し目買いも予想されます。
 日経平均の1万円乗せで買い遅れた向きはいま居てもたってもいられないはずです。13日付けの日経新聞もそうした顧客が証券会社の店頭に戻ってきたと報じていました。外国人は4月、5月と2ヶ月連続で日本株を買い超していますが、これまで売った分の買い戻しが中心で、本格的な買いには至っていないとみられます。いまマーケットの主役に浮上しつつあるのは相場上昇で投資余力の増した個人投資家。当面の投資対象としては個人が好む中小株に狙いを定めたほうが賢明でしょう。ただ市場に高値警戒感があることも事実ですので、高騰している銘柄には手を出さない方がいいと思います。

2009年6月8日号

 東京市場は過去の経験則が通用しない動きに

 東京市場は堅調な相場が続いています。上値は重いけれども少しずつ水準を切り上げ、結果として新値を更新する動きとなっています。ただ出来高や売買代金はほとんど増えておらず、過去の経験則では理解しがたい動きとなっています。
 先週末(5日)の日経平均株価は前日比99円高の9768円。先週は5日の立会いで3回、今年の高値を更新する動きが続きました。週間の上昇幅は246円(2.6%)になりますが、逆に1日の値動きを示す日中値幅は極端に小さくなっています。5日の日中値幅は55円84銭と3日の55円85銭を下回り2日ぶりに今年の最小を更新しました。因みに4日の日中値幅は89円01銭。日経平均の日中値幅が100円未満になるのは4日連続で、これは07年7月以来のことになります。株価がどんどん新値を更新しているのに不思議な現象です。
 騰落レシオが過熱ラインといわれる120%を上回って127.4%(6月4日)まで上昇してきたため、市場で高値警戒感が強まってきたことは事実でしょう。相場が過熱化してきたという声もよく耳にします。こういう雰囲気の中で5日(米時間)に米雇用統計の発表を控えていたことが投資家の様子見ムードを強め、値動きを小さくしているのでは見方も出ています。

 個人が好む中小型株が狙い目

 東京市場は米国市場を見ながらの動きになっていますので、米国株も日本株と同じような動きになっています。5日のNYダウは8763ドルと1月7日以来、約5ヶ月ぶりの高値で取引を終えましたが、上値も重くなっています。GMの連邦破産法適用申請で市場を覆っていた重しは取り除かれましたが、景気の底入れ時期や住宅市場の回復がいつになるか読めない状況では、こうした動きはある意味では当然なのかもしれません。
 ただ悲観一色だった世界の市場が各国の危機を乗り越えるための政策発動で、「金融システムが安定し、世界経済が持ち直す」との期待を抱くようになったいま、きっかけさえあれば米国株の一段高もあると頭の片隅には入れておくべきではないかと考えています。
 翻って日本です。騰落レシオから調整直面入りする可能性はありますが、調整しない可能性もまた充分あります。そもそも今回の相場反転に乗れた投資家はそうはいません。外国人を含めほとんどの投資家は不信の目で眺めていたはずです。売買代金が盛り上がっていないことからも明らかでしょう。
 しかし世界景気の先行きに対する見方が悲観から希望へと変わってきた現在、下がったら買おうと思っている投資家は3月当時より相当増えてきていると考えるのが当然でしょう。下げそうで下げない相場が続いているのはそうした投資家が買いを入れているからではないでしょうか。また上値の重い動きになっているのは高値警戒感が出ていることが最大の原因ではないかと思われます。
 外国人は4月、5月と2ヶ月連続で日本株を買い超していますが、これまで売った分の買い戻しが中心で本格的な買いには至っていないとみられます。いまマーケットの主役に浮上しつつあるのは株価上昇で余裕の増した個人投資家。新興市場や東証2部指数などの10連騰以上の上昇はそうした資金が向かってきたからでしょう。いまの相場環境では個人が好む中小株に狙いを定めたほうが賢明ではないかと思います。

2009年6月1日

 日経平均は新値を更新

 上値が重く調整局面入りが避けられないと見られていた東京市場ですが、先週半ばから流れが変わってきたようです。日経平均株価は27日から3日続伸し、29日には9522円と7ヶ月ぶりに9500円台を回復しました。5月11日に付けた今年高値(9451円)を更新しただけでなく、昨年11月に付けた戻り高値9521円も更新。あれよあれよという間に新値更新という結果になってしまいました。減少傾向が続いていた売買高も増加に転じ、29日には売買高26億株、売買代金1兆7000億円と活況といわれる水準の一歩手前まで回復しています。
 先週半ば以降の上昇については月末特有の「お化粧買い」との見方もあるものの、下げそうで下げない(=調整しそうで調整しない)相場が続いていましたので否定的には考えない方がいいのではないかと思います。日経平均株価が200日移動平均線を超えてきたことで投資家の先行きに対する期待が高まっているときに、4月の鉱工業生産指数が予想以上の回復を示し、景気が最悪期を脱したのではないかとの観測が広がってきたことが上げにつながったようです。
 米調査会社コンファレンス・ボードが26日発表した5月の消費者信頼感指数が54.9と4月の40.8から大幅に上昇したほか、先行きの景況感を示す期待指数が72.3と4月の51.0から21.3ポイント上昇したことを受け、米国株も堅調。NYダウは先週末に18日以来となる8500ドル台を回復、月間では332ドル高と3ヶ月連続の上昇となっています。NYダウが3ヶ月連続で上昇するのは07年8月から10月にかけて記録して以来のこと。ハイテク株の比率が高いナスダック指数は22ポイント高の1774ポイントと半年振りの高値になっています。

 今週は流れが変わる可能性も

 ここへきて米国景気の回復に時間がかかりそうな経済指標も発表されていますが、米景気の悪化ペースが鈍化しているのは事実。米経済の7割を占める個人消費や今回の金融危機の発端となった住宅市場が回復に向け一進一退の動きになっているのは底入れ前によく見られる現象でしょう。どういう形の回復になるかは別として、まだら模様の経済指標の後に米経済が底を入れたことを示す指標が出てくると考えた方が自然ではないでしょうか。
 決算発表の一巡で東京市場は買い手掛かり材料がなくなっています。今3月期の上場企業の経常利益は8%程度減少しそうですが、これは株価にはすでに織り込まれています。何を手掛かりに買っていったらいいかはっきりしない状況ですが、一方では機関投資家の個人のリスク許容度が増すなど投資心理はかなり良くなっています。
 いま株式市場で最大の焦点となっているのは米GMの連邦破産法適用申請とその後の動向でしょう。メディアは6月1日までに破産法申請の可能性が一段と強まったと伝えており、株価もそれを受けて1ドルを割り込む水準まで下げています。同社の破綻はすでに織り込み済みといえますが、実際に破綻したときの影響がどう出るかは破綻した後でなければ分かりません。
 その意味で今週は流れが大きく変わる可能性があります。悪材料出尽くしとなって米国株が上昇したら、先高期待が高まっている日本株は一段高する可能性大とみていいでしょう。逆に実体経済への懸念から米国株が売られるような場合は、日経平均の9500円台回復という目標達成感もあって調整色の強い相場になる可能性が大でしょう。重要なことはどちらに動いても対処できるよう頭の中を整理しておくことでしょう。

2009年5月25日号

 こう着感の強い相場展開

 東京市場は上値の重い展開となってきました。連休中の米国株の大幅上昇を受けて急伸した後は利益確定売りが先行する展開が続いています。18日には取引時間中に心理的なフシ目の9000円を割り込む場面もありましたが、米国株の上昇を受けてその後は戻し、22日の日経平均の終値は9225円。1週間の変動幅はマイナス40円とこう着感の強い動きになっています。市場のエネルギーは衰えてはいませんが、先週末に東証1部の売買代金が1兆3008億円と4月27日以来の低水準を記録するなど盛り上がりは感じられません。 
 頭の重い動きになっているのは米国株が軟調な動きになってきたことが背景。米国景気の悪化ペースは鈍ってきているものの、一方では4月の小売売上高が2ヶ月連続でマイナスとなったり、住宅着工件数が予想に反して2ヶ月連続で前月を下回るなど景気の回復に時間がかかるような指標も相次いでいます。それまで底入れを示唆する経済指標ばかりが相次いだため、市場には実体経済の回復に対して過度な期待があったといわれています。
 米経済の7割を占める個人消費や今回の金融危機の発端となった住宅市場の回復に不透明さが増したことで早期の景気回復が望めないことが、いまの調整色の強い軟調な動きを演出しているようです。

 9000円を維持できるかがポイント

 決算発表の一巡で東京市場は買い手掛かり材料がなくなっています。今3月期の上場企業の経常利益は前期比8%程度の減少と予想ほど落ち込まない見通しですが、これは株価にすでに織り込まれています。前期のようなどこまで落ちるか分からないような恐怖感から解放されたとはいえ、何を手掛かりに買っていったらいいか分からない状態になっています。
 こうした中、世界経済の回復期待や米財政赤字への懸念から為替が再びドル安・円高に振れてきたことが見通しを難しいものにしています。22日には1ドル=94円台後半まで円高が進んできましたが、輸出企業の収益計画の前提となる「想定為替レート」が集中している水準が95円。さらに円高が進めば輸出企業の収益が悪化し、設備投資の減少や雇用調整を通じて内需を傷める可能性があるだけに、年度内の景気底入れを見込む政府・日銀の「景気回復シナリオ」にも水を差しかねない状況となっています。
 今週は米GM問題が最大のヤマ場を迎えますが、メディアの報道では破産法申請が避けられないとしています。同社の破綻は米・日の株価にはほぼ織り込まれていると思いますが、破綻したときの影響がどう出るかは破綻した後でなければ分かりません。今週はGMの動向が焦点となり、米・日とも動きにくい展開になるのではないかと思います。
 日経平均は5月14日の9038円で当面の底を付けた可能性はありますが、いまはまだ9000円の攻防と考えた方がいいでしょう。9000円を死守できれば相場が大きく調整する可能性は乏しくなり日経平均が再度上値を取ってくる可能性も考えられます。反対に9000円を割り込んで25日線を下回ったときは本格調整局面入りと見なければならないでしょう。

2009年5月18日号

 上値の重い展開

 東京市場は上値の重い展開になってきました。連休中の米国株の大幅上昇を受けて急伸した後は、売りが先行する展開が続いています。先週は週間で日経平均が167円(1.8%)下落。一時は心理的なフシ目である9000円まであと52円という場面もありました。連休明け後の急伸で市場には過熱感も出ていましたので当然の押しといえなくもありません。ただ東証1部の売買高は32日連続で20億株を越え、08年度以降の最長記録を更新するなど市場のエネルギーは衰えてはいません。
 頭の重い動きになっているのは米国市場に変化の兆しが出てきたことが背景。13日に発表した4月の米小売売上高が前月比0.4%減と予想に反して2ヶ月連続のマイナスとなり、景気の底入れ期待に警戒感が広がってきたからです。それまで底入れを示唆する経済指標が相次いだため、市場には実体経済も回復に転じるのではとの過度な期待があったといわれています。米経済の7割を占める個人消費に不透明さが増したことで早期の回復が望めないことが認識され、米国株も調整色の強い動きになっています。
 日米とも今年後半にかけて景気が回復するとの期待は強いものの、改善を示す経済指標は在庫調整の進展に伴う生産の持ち直しを受けたもので、最終需要の回復を反映したものではないだけに、先行きについて確たる判断はいまは下せないのが実情。日米とも景気は回復の方向にはあるものの、V字回復はまずありえず、「W字回復」も含め紆余曲折の回復になると考えざるを得ません。

 9000円を維持できるかがポイント

 先週末で決算発表はピークを超えました。集計はまだ出ていませんが、全体では今期は2割近い経常減益となりそうです。2期連続の減益となるわけですが、前期のようなどこまで落ちるか分からないような減益から、許容されるというか、当然視される減益へと落ち込み幅は大きく縮小します。このため回復しつつある市場のセンチメントは今後もいい状態で推移するのではないかと思われます。
 大手金融機関のストレステストが終了したため、米国の当面の課題はGM問題だけになりますが、これについてはクライスラーが連邦破産法の適用を申請したことで最悪のケースを想定した株価形成がなされたと思います。再生案提出期限の今月末までにGMが連邦破産法の適用を申請する可能性はありますが、例えそうなっても動揺は一時的で長引かないとみられます。
 先週号で「日経平均がボリンジャーバンドの+2σを大きく突き抜けたため、調整場面が近づきつつあると考えた方がいいかもしれません」と指摘しました。東京市場は確かにそのような動きになっていますが、先週末に心理的なフシ目の9000円を下回ることなく反発したことで市場には安心感みたいなものも広がっています。
 日経平均は5月14日の9093円で当面の底を付けた可能性はありますが、いまはまだ9000円を前にした攻防と考えた方がいいのではないでしょうか。9000円を死守できれば相場が大きく調整する可能性は乏しくなります。そうなれば13週線と26週線がゴールデンクロスしていることから、日経平均が一段高に進む可能性もあると考えます。

2009年5月11日号

 市場のムードは一段と好転

 市場の雰囲気は随分と変わってきました。上値の重い展開が続いていたこれまでも市場の雰囲気は悪くはなかったものの、連休が明けて一段と好転してきた感じです。売買代金も7日には2兆円を超えるなど市場のエネルギーも膨らみつつあります。
 先週は立会い日数が2日間だけでしたが、日経平均は4日続伸し、連日で年初来高値を更新しました。終値では昨年11月5日以来の水準まで回復しています。4日間の上昇幅は実に939円(上昇率は11.1%)。バブル崩壊後の安値を付けた3月10日からみれば上昇幅は2378円(上昇率は33.7%)に達します。まさに全面高の相場展開とも云える状況となっています。連休中に米国株が大幅高したことや米大手金融機関のストレステスト(資産査定)が無事終了し、米金融システム不安が後退したことが市場のムードを明るくしています。
 米国株は日本株を上回る上昇となっています。直近安値を付けた3月9日からの上昇率はNYダウこそ31.0%と日本株を下回っていますが、S&P500指数は37.4%、ハイテク株比率が高いナスダック指数は36.8%といずれも大幅な上昇を見せています。
 米国株の堅調な動きは金融システム不安の後退に加え、景気や企業業績に底入れ期待が高まったのが背景。現に7日発表されたストレステストの結果は事前の想定ほど厳しいものではなく、市場に安心感を与えるものでした。大型連休中に発表された4月のISM製造業景況感指数や住宅関連指標などの経済指標も市場予想を上回っており、経済が正常化しつつあることを示す内容となっています。

 堅調な相場が続くも、買いの勢いは今がピークの可能性も

 米労働省が8日発表した4月の米雇用統計で非農業部門の雇用者数は前月比53万9000人減となりましたが、減少幅は今年1月をピークにやや緩やかになっています。雇用は景気の遅行指標といわれているだけに、米景気が底入れに向かっていることを示す内容とみていいのではないでしょうか。
 大手金融機関のストレステストが終了したことで米国の当面の問題はGMが救済されるか否かだけになりますが、これについてはクライスラーが連邦破産法の適用を申請したことで最悪のケースを想定した株価形成がなされたと思います。再生案提出期限の今月末までにGMが連邦破産法の適用を申請する可能性はありますが、例えそうなっても動揺は一時的で長引かないとみられます。
 東京市場は堅調な米国株を背景に当面、しっかりの展開が続くとみられます。最近の株価急伸で日経平均株価はボリンジャーバンドのプラス2σを突き抜けるなど異常な状態になっていますが、これは、これまでの相場が過去の経験則が通用しない異常な相場だったことの裏返しではないかと思われます。
 日経平均などの指数がボリンジャーバンドの±2σを大きく突き抜けることはめったにありません。昨年は相場が急落した3月と10月に2回あるだけです。こういう事態が出現した後はこれまでとは逆の方向に動きますから、一方では調整場面も近づきつつあると考えた方がいいかもしれません。市場の買い気が旺盛なため、いまは買いの勢いがピークに差し掛かっているところ云ったらいいでしょう。
 物色に当たっては大きく上がっているものは避けたほうが賢明でしょう。外国人の日本株買いも復活しつつありますので、狙い目は東証1部の主力株ということになります。

2009年4月27日号

 東京市場は日柄調整局面

 東京市場は上値の重い展開となっています。日経平均株価は心理的なフシ目とされる9000円を前に足踏みする展開。先々週までは9000円の大台を回復する場面が何度もありましたが、先週は一度もありませんでした。足取りはめっきり重くなったようです。しかし売買高は常時20億株を上回っており、売買代金も1兆5000億円を超える日が多くなっています。こう着感の強い相場ではありますが、市場のエネルギーが減退しているわけではありません。
 4月10日までの上昇相場で東京市場は過熱気味になっていましたので、先々週以降の上値の重い動きは調整局面入りしたせいだとみられます。3月10日に付けたバブル崩壊後の安値から短期間で3割近くも上昇したため本来なら調整が避けられませんが、今回は値幅の調整ではなく、日柄の調整となっているようです。
 過去の経験則が通用しない相場になっているのは空売りが溜まりすぎているのが原因。4月17日現在の3市場の信用倍率は1.04倍と拮抗した状態。空売りはヘッジファンドなど海外勢も貸し株を利用して盛んに行っていました。貸し株は4月17日現在で46億1900万株(前週末比1億5800万株増)に達しています。これは全上場株式を合計したものですが、3市場の売り残16億6900万株と合わせ64億8800万株が空売りされている計算になります。金融不安の後退など好材料が発表されるたびに売り方が動揺し、買い戻しに動いていることがこうした下げそうで下げない異常な相場を現出しています。

 マザーズ銘柄など値動きの軽い小型株が狙い目

 日本株を支えているのは米国株の回復。先週のNYダウは7週ぶりの反落となりましたが、週間の下落幅は55ドルと小幅。ハイテク株の比率の高いナスダック指数は7週連続の上昇となり、今年の高値で引けています。
 株価回復を後押ししているのは米政府やFRBが打ち出した景気対策や金融安定化対策。足元の経済指標はまだら模様とはなっていますが、景況感には下げ止まりを示唆するものが相次いでいます。底の見えない急激な景気悪化には歯止めがかかってきたと見ていいでしょう。
 調整局面入りしている東京市場ですが、今週は大型連休を控えていることや連休中の5月初めに米銀大手のストレステスト(資産査定)の結果が発表されること、主力企業の決算発表が本格化することなどから、様子見ムードの強い動きとなりそうです。米自動車大手、クライスラーが週内にも連邦破産法の適用を申請するとの観測が強くなっていることもそれに輪をかけるのではないでしょうか。
 こうした中、浮かび上がってくるのがシコリ感が薄く、値動きの軽い小型株や低位材料株。先週末にかけてのマザーズなど新興市場のしっかりした動きは物色の流れが変わりつつあることの先触れではないかと思われます。
 マザーズ指数は先週末に25日線と75日線がゴールデンクロス。終値は342ポイントと1月6日に付けた年初来高値343ポイントに肉薄しています。東証1部に比べた出遅れ感を解消する動きになってきたと見れなくもありません。戻り相場の中心だった東証1部の主力株にこう着感が強まっているだけに、狙い目ではないかと思います。なお次回は5月11日号からとなります。

2009年4月20日号

 下げそうで下げない相場が続く

 東京市場は上値の重い展開になっています。日経平均株価は心理的なフシ目とされる9000円を回復する場面が何度もありましたが、引け値では押し戻される形が続いています。下押す場面はあまりなく、9000円を前に足踏みしている状態が続いているといっていいでしょう。売買高は20億株を上回るようになり、売買代金も1兆5000億円を超える日が多くなっています。
 市場参加者があまり増えていないので迫力は感じられませんが、いまの相場はある意味では異常な相場と云えなくもありません。テクニカル指標からは東京市場は過熱状態にあり、調整しなければならない局面にあるのに調整しないのです。
 3月までの相場下落局面では過去の経験則がまったく通用しない相場といわれました。そういう相場が3月で終了した(当社はそう見ています)あと始まった今回の反発相場も従来とは違うものになる可能性は充分あります。
 経験則が通用しない相場になっているのは空売りが溜まりすぎているのが主因。4月10日現在の3市場の信用倍率は0.93倍と1倍を割り、買い方より売り方が多い状態になっています。こうした売り長状態になるのは7年ぶり。空売りはヘッジファンドなど海外勢も貸し株を利用して盛んに行っていました。貸し株は4月10日現在で46億6100万株(前週末比2550万株増)に達しています。これは全上場株式を合計したものですが、3市場の売り残17億3300万株と合わせ64億株近くが空売りされている計算になります。金融不安の後退など好材料が発表されるたびに売り方が動揺して買い戻しに動いていることが、こうした異常な相場を現出しています。

 決算発表が本格化、当面は好業績銘柄中心の物色に

 日本株を支えているのは米国株の回復。先週もNYダウは上昇し、2月9日以来の高値で取引を終えています。週足では6週連続の上昇で、これは07年4~5月以来のこととなります。3月9日に付けた直近安値からの上昇幅は1584ドル(上昇率24.2%)になり、ブル相場入りしたともいわれています。
 株価回復を後押ししているのは米政府やFRBの打ち出した景気対策や金融安定化対策。超低金利政策で金融機関の利ザヤが広がったのに加え、住宅ローン金利が過去最低水準まで低下。住宅減税の下支えもあって2月の住宅販売が新築・中古とも上向くなど改善の兆しが出始めています。
 足元の経済指標はまだら模様ではありますが、大型景気対策や金融緩和効果も手伝い、景況感には下げ止まりを示唆するものが相次いでいます。底の見えない急激な景気悪化には歯止めがかかってきたと見ていいと思います。米金融機関の中で不良資産の処理が遅れていたシティグループも1-3月期に6・四半期ぶりに黒字転換するなど金融機関の業績悪化にも一服感が出始めていますす。GMなどの救済がどうなるかの問題はありますが、過度な悲観の後退で米国株は戻りを試す展開に入ったとみていいのではないかと思います。
 東京市場は上値が次第に重くなっています。今週も足踏み状態が続く可能性大でしょう。空売りが相当溜まっているので調整があったとしても押しはあまりないと思います。売り方の買い戻しはまだ道半ばと見られるので、過熱感が消えた段階で再び上値を取ってくる経験則の通じない相場になる可能性も充分あります。 

2009年4月13日号

 下げそうで下げない相場が続く

 凄い相場になってきました。劇的とまではいえないまでも市場の雰囲気は一変した感があります。1ヶ月前までの悲観一色の相場がウソのような動きです。売買高も常時20億株を上回るようになり、活況の目安とされる30億株に迫る日も見られるようになって来ました。
 何よりも凄いと感じられるのは下げそうで下げない点。日経平均は1ヶ月で3割近く上昇しており短期的な過熱感も意識されてはいますが、未だ調整らしい調整がありません。空売りが溜まりすぎているのがこうした相場を現出しています。
 4月3日現在の3市場の信用倍率は0.88倍と1倍を割り、買い方よりも売り方が多い状態になっています。こうした売り長状態になるのは7年ぶり。空売りは個人だけでなく、ヘッジファンドなど海外勢も貸し株を利用して積極的に行っていました。貸し株は4月3日報告分で46億3500万株(前週末比6500万株減)にも達しています。これは全上場株式を総計したものですが、3市場の売り残17億2700株を合わせた63億株超が空売りされている計算になります。金融不安の後退など好材料が発表されるたびに売り方が動揺し、買い戻しに動いていることが下げそうで下げない相場に背景になっています。

 追加経済対策関連や売り残の多い銘柄が狙い目

 堅調な日本株相場を支えているのは米国株の回復。9日のNY市場でダウ工業株は続伸し、2月9日以来の高値を付けました。3月9日の直近安値からの上昇幅は1536ドル(上昇率23.5%)になり、ブル相場入りしたともいわれています。
 株価回復のきっかけは米政府やFRBが矢継ぎ早に景気・金融安定化策を打ち出したこと。金融緩和が住宅ローン金利を押し下げ、住宅市場を下支えしているほか、景気対策で打ち出した減税効果が4-6月期から表れるとの見方も心理改善につながっています。
 足元でも米経済の下げ止まりを示唆するような経済指標の発表が相次いでいます。2月の個人消費支出が小幅ながら2ヶ月連続で前月比プラスになったほか、設備投資の目安となる耐久財受注(2月)も前月比3.4%増と7ヶ月ぶりにプラスに転じています。住宅市場でも2月の住宅着工件数や中古住宅販売件数がプラスに転じたうえ、1月の住宅価格指数が1年ぶりに上昇に転じるなど下げ止まり感が出つつあります。
 米銀大手ウェルズ・ファーゴが発表した1-3月の業績予想が市場予想を大幅に上回ったことで金融不安も一服しています。GMなどの救済がどうなるかの問題はありますが、米国でも悲観論は後退しており、株価は戻りを試す展開に入ったとみていいのではないかと思います。
 東京市場はテクニカル的には過熱状態にあり上値も次第に重くなっています。今週は調整する可能性大と見ていいのではないでしょうか。ただ空売りが相当溜まっていますので値幅の調整はあまりないと考えた方がいいかもしれません。売り方の買い戻しはまだ道半ばと見られるので、過熱感がなくなった段階で再び上値を取ってくる過去の経験則が通じない相場になる可能性も充分あります。
 GDP比3%の15兆4000億円の財政支出を伴う事業規模56兆8000億円の追加経済対策が打ち出されたので、その恩恵を受ける銘柄は当然狙い目となります。そのほか売り残の多い銘柄。需給相場が続いているだけに当然でしょう。外国人もリスク許容度が高まり日本株買い転じつつありますので、投資対象は東証1部銘柄に絞るべきでしょう。

2009年4月6日号

 世界的に過度の悲観ムードが後退

 いい動きになってきました。劇的とまではいえないまでも市場の雰囲気は相当良くなっています。1ヶ月前の悲観一色の相場がウソのような動きです。売買代金も膨らんで来ました。3日の東証第1部の売買代金は約1兆8900億円とSQ算出日を除くと1月7日以来、約3ヶ月ぶりの高水準。売買高も連日で30億株に迫る大商いとなっています。
 米国経済の下げ止まりを示唆するような経済指標の発表が相次ぎ、世界的に過度の悲観ムードが後退しているのが原因。米国株の急伸を受け世界的に株価が急回復する動きが続いています。
 米国では雇用や所得などを示す指標は低迷が続いていますが、米政府が景気対策や金融対策を打ち出したことで景気の底割れ懸念は後退しています。ミシガン大学の3月の消費者信頼感指数は57.3と前月を1ポイント上回りました。昨年9月の70.3をピークに急落してきた局面が変わりつつあるような数値です。3月のISM製造業景況感指数も36.3と前月を0.5ポイント上回り、3ヶ月連続で改善を示しています。
 設備投資の目安となる耐久財受注(2月分)もマイナス予想を覆して前月比3.4%増と7ヶ月ぶりにプラスに転じました。住宅市場でも2月の住宅着工件数や中古住宅販売件数がプラスに転じたほか、1月の住宅価格指数が約1年ぶりに上昇に転じるなど下げ止まり感が出つつあります。今回の金融危機の原因となった住宅市場で、販売・価格の両面で改善の兆候が出てきたのは、景気対策や住宅ローンの借り手保護など一連の経済対策で、先行きへの期待感が広がってきたことが背景にあるからでしょう。

 売り方の買い戻しはまだ道半ば

 米国株(NYダウ)は3月9日の最安値から先週末には22.4%上昇。ハイテク株の比率の高いナスダック指数も同期間に27.8%上昇とブル相場入りといわれる20%を上回る上昇を見せています。想定される悪材料はほとんど織り込んだと見られるため、景気の底入れを示唆する指標を前向きに評価する動きが広がりつつあるように思われます。いわゆる「金融相場」。将来の業績好転を見越した「理想買い相場」になってきたのではないでしょうか。
 東京市場も同じ局面に入ったと見られます。日経平均はバブル後最安値を付けた3月10日から3月26日までの11日間で1582円(22.4%)上昇しました。その後、スピード調整し、先週末には24.0%高の8749円までさらに上昇。大上昇相場となった2005年の年間上昇率でさえ40.2%に過ぎません。この約6割をわずか17日間で上げたことを考えれば、今回の反発が尋常の反発ではないことは明らかです。
 これまで過去の経験則がまったく通用しない相場が続いて来ました。今回の反騰局面でも同じことが起こらないとはいえません。3月26日までの急反発局面で市場は極端な過熱状態にあったのに調整はわずか3日間だけで、値幅の調整はあまりありませんでした。調整らしい調整もなく再び急伸してきたため、先週末時点でも騰落レシオが126.7%を示すなど過熱状態は解消されていません。
 今回の反騰は売り方の買い戻しによって加速されたことは間違いありません。株数ベースの3市場売り残は直近(3月27日申し込み現在)で16億9142万株。昨年10月10日のボトム時に比較し58%も増加しています。このほかに大量の「貸し株」が出されていたことを考えると、売り方の買い戻しはまだ道半ばといったところでしょう。今後、こうした買いが入ってくるとみられるため、市場が過熱状態になっても調整らしい調整がなく、過熱感がなくなった段階で再び上値を取ってくる(経験則が通じない)相場が続く可能性も充分考えられます。
 こうした局面では需給面を中心に売り残の多い銘柄を狙うのが賢明でしょう。世界的な株高を背景に外国人買いが復活する可能性も高いので、投資対象は東証1部銘柄に絞るべきでしょう。

2009年3月30日号

 相場はもう大丈夫だろうとの見方も

 先々週号で「相場の雰囲気が急変した1週間でした。劇的とまではいえないまでも、市場の不安は随分、和らいだように思います」と指摘しましたが、先週の相場はそれよりさらに好転しました。市場の雰囲気は相当良くなったように思います。28日付け日経新聞の株式欄に、「東証では安くなってホッとした市場関係者も多かった」と書いてありましたが、そのことがそれを端的に表しているように思います。
 日経平均株価の25日移動平均線からの乖離率は26日時点で13.5%に広がっていました。5%を超えると過熱状態と云われる中にあっては異常ともいえる値です。1990年以降、日経平均株価が10%以上プラス乖離したのは今回を除い6回しかありませんが、今回は92年8月の14.89%に次ぐ水準。そのときは直前の安値14309円(8/18)から18908円(9/10)まで32%上昇したあと11/7に15993円で2番底を打ち、93年6月に21076円まで上昇しました(上昇率47%)。
 乖離率は24日から10%を大きく越えていましたが、騰落レシオも26日には過熱状態とされる120%を超える水準まで上昇、この面からも相場の過熱が指摘されていました。セオリーに従えば下げなければならないのに下げない。このことが市場関係者を焦らしていましたが、それがやっと下げた。株価が下げて喜ぶ市場関係者はいませんが、今回の急騰はそれだけ異常だったわけです。ホッとした背景には相場はもう大丈夫だろうとの考えがあったからにほかなりません。

 相場は青信号を示唆している可能性も

 日経平均はバブル後最安値を付けた3月10日から3月26日までの11日間で1582円上昇しました。上昇率は実に22.4%。大上昇相場となった2005年の年間上昇率でさえ40.2%に過ぎません。この半分以上をわずか11日間で上げただけに尋常の上げではありません。
 今回の記録的な乖離率は相場が「青信号」になったことを示唆しているのではないかと考えられます。相場がトレンド転換するときは常に異常値が現れます。今回は米国株の急伸を受けた株価上昇だけにその可能性は小さくはないはずです。
 FRBによる長期国債の大量購入に続いて、ガイトナー米財務長官が金融機関の不良資産買い取り策と金融安定化に向けた施策を相次いで発表したことで、株式市場を覆っていた最大の不安材料は一掃されました。米政府によるGMやクライスラーの救済問題についても支援の方向で30日に正式発表されるはずです。日本株と同様、米国株も最悪期は脱したみていいのではないかと思います。
 東京市場は短期間で大きく駆け上がってきたため、暫くは調整が必要でしょう。ただ以前と違い買い物が入ってくるため大きな押しはないと思われます。外国人の日本株売りも和らぎつつあり、3月第3週(16-19日)は6000万円ながら今年に入って初めて買い越しに転じました。世界的に株価が回復基調にあるときだけに、外国人が買い越しに転じて来る可能性は充分あります。
 前週号でも触れたように米国株はきっかけ次第で一段高になる可能性を秘めています。急伸する場面があったら迷うことなく付いて行くべきだと考えます。

2009年3月23日号

 最悪期を脱出したとのムードも

 相場の雰囲気が急変した1週間でした。劇的とまではいえないまでも、市場の不安は随分、和らいだように思います。立会い日数は4日でしたが、週間の上昇幅は376円(5.0%)。先々週の5.5%上昇よりは劣りますが、日経平均の「7000円割れやむなし」の空気に満ちていた先々週半ばまでとは一変、最悪期を脱出したとのムードも広がっています。弱気見通しや懐疑的な見方は依然根強いものの、先週号でも指摘したとおり、先行きには光が射してきたのではないでしょうか。
 日経平均はバブル後最安値をつけた10日の7054円から18日には7972円まで918円(13.0%)上昇。18日、19日と8000円台を回復する場面もありました。今回の株価急伸で昨年9月以降続いていた下降トレンドラインも突破(日足、週足両方で)。上昇ピッチの速さから株価には過熱感さえ見られる状況になっています。
 この背景にあるのが米国株の回復。NYダウは3月10日以降、急回復、18日には7486ドルまで上昇しました。この間の上昇幅は939ドル(14.3%高)。半端な上げ方ではありません。シティグループなど米大手銀行3社の収益急回復報道で金融不安がやや和らぎつつあること、自動車を除いた2月の小売売上高が前月比0.7%増になったり、2月の住宅着工件数が前月比22%増になるなど、悪い悪いと思っていた米経済が実はそうではないのではないか、こういう見方が広がってきたことが急伸を支えているようです。
 長短の金利差が大きいため米銀では確かに利益が膨らみやすくなっています。利下げ効果が出てきたということでしょう。車社会の米国ではガソリン価格の下落は大型減税をしたのと同じ効果をもたらします。絞りに絞った企業の生産活動も限界まで来ているのかもしれません。

 日本株は暫くは調整場面か

 似たようなことは日本でも起こっています。自動車の減産には歯止めがかかりつつありますし、注文が増えてきたと発言する企業経営者も増えています。記録的なペースで落ち込んでいた様々な経済活動がこれ以上落ち込みようがないところまで達したということでしょう。生産活動には漸く底が見えてきたという印象ですが、こうしたことがこれから株価に反映されるのではないかと思います。
 先週、米FRBが大規模な国債買い切りを含む追加金融緩和を行うと発表しました。これを受け米長期金利は急低下。劇薬ともいえる手法で、ドルの信認低下などの懸念もはらみますが、長期金利の低下を通じた住宅市場のテコ入れにもつながるとして市場では評価されています。
 こうしたなか米政府からビッグスリーは救済の方向で進んでいるとの発表がありました。工場従業員の給与を日系自動車メーカー並みに削減することで労組と合意に達したこと、債務の株式化で膨大な債務の削減が進みつつあることなどを受けたものでしょう。
 あと残っているのは金融安定化法案だけです。詳細が決まらないので不安を増幅する要因にもなっていますが、中身が詰まった法案は近いうちには発表されます。詳細が分かれば市場の不安は払拭されるだけに、米市場も最悪期は脱したとみていいのではないかと思います。
 日本株は短期間で大きく駆け上がったため暫くは調整が必要でしょう。過熱感を冷ます必要もあります。外国人の日本株売りは続いていますが、米国市場が落ち着けばそれは止まるとみられるので、ネガティブに考える必要はないと考えます。米国株はきっかけ次第で一段高になる可能性を秘めていますので、先行きについては対処法を整理していたほうがいいかもしれません。きっかけになりうるのは金融安定化法案か米政府による自動車大手救済だと思います。それらを背景に米国株が急伸する場面があったら迷うことなく付いて行くべきだと考えます。

2009年3月16日号

 米市場の回復を受け市場には安心感も

 先週の東京市場は週初に昨年10月に付けたバブル崩壊後の安値を下回る水準まで売り込まれたものの、その後は順調に戻す展開。市場の不安心理は高まっていたものの、株価が一段と下押すような相場地合いではなかったため、週後半からの戻りで市場には安心感みたいなものも出ていたように思います。
 週間を通した日経平均の騰落幅は396円(5.5%)。13日の終値は7569円と、1月9日以来、約2ヶ月ぶりに25日移動平均線(13日時点で7488円)を上回って引けました。3月10日に付けた7054円で日経平均が大底を付けたとはまだいえませんが、上値メドとして意識されていた水準を上回ってきたことで、これまでとは違った新しい何かが始まる可能性も出てきたのではないでしょうか。
 背景にあるのが米国株の急伸。NYダウは3月9日以降、急回復しており、13日も53ドル高と4日続伸で引けています。この間の上昇幅は676ドル(10.3%高)。半端な上げ方ではありません。シティグループなど米大手銀行3社のCEOが今年に入って収益が大きく伸びていると社員向けに表明するなど、金融不安がやや後退したのではと受け取られるような状況になってきたことや、変動の大きい自動車を除いた2月の小売売上高が前月比0.7%増になるなど、悪い悪いと思っていた米経済が実はそうではないのではないか、こういう見方が広がりつつあるのが株価急回復の要因になっているようです。
 実質ゼロ金利で調達した資金を高い金利で運用するため米銀では利益が膨らみやすくなっています。利下げ効果が出てきたということでしょう。車社会の米国ではガソリン価格の急落は大幅減税をしたのと同じ効果を与えます。絞りに絞った企業の生産活動も限界まで来ているのかもしれません。

 先行きにはわずかながら明かりも

 似たようなことは日本でも起こっています。内閣府が13日発表した消費者心理を示す消費者態度指数(2月分)は26.7と前月に比べ0.3ポイント上昇。2ヶ月連続の上昇となったことから、内閣府は悪化が続いていた消費者心理に歯止めがかかってきた可能性が出てきたとして、基調判断を17ヶ月ぶりに上方修正しました。街角の景況感を示す2月の景気ウオッチャー調査でも判断指数が2ヶ月連続で改善するなど、最悪の水準にあった消費者心理は上向き始めています。
 自動車の減産にも歯止めがかかりつつありますし、注文が増えてきたと発言する企業経営者も増えています。様々な経済活動が記録的な落ち込みを見せていたので、これ以上落ち込みようがない水準にまで達したということでしょう。漸く底が見えてきたという印象ですが、こうしたことがこれから株価に反映されるのではないかと思われます。
 先日、米ビッグスリーの一角であるフォードと全米自動車労組(UAW)が工場従業員の給与を日系自動車メーカー並みにカットすることで合意に達しました。これによりGMやクライスラーとも合意にこぎつけられる可能性が高まってきました。米政府によるビッグスリー救済はいい方向に向かって進んでいるのではないでしょうか。
 あと残っているのは金融安定化法案だけです。詳細が決まらないので疑心暗鬼を呼ぶ要因にもなっていますが、中身が詰まった法案は近いうちには発表されます。詳細が分かれば市場の不安は払拭されます。米経済も底が見えそうになってきただけに、先行きにはわずかながら明かりが見え始めてきたのではないかと思います。 
 日本株は想定される悪材料はほとんど織り込んでいるとみられるので、基本的にはここからの一段安はないと考えます。もしあったら、そこは格好の買い場と捉えるべきでしょう。外国人の日本株売りが続いているので本格反転も基本的にはないと考えます。ただ米国株はきっかけ次第で一段高になる可能性があります。きっかけになりうるのは金融安定化法案や米政府による自動車大手救済だと思いますが、それらを背景に米国株が急伸する場面があったら、迷うことなく付いて行くべきでしょう。想定される悪材料は織り込んでいるわけですから。

2009年3月9日号

 米市場が落ち着けば新たな動きも

 先週末の日経平均株価は昨年10月27日に付けたバブル崩壊後の安値(7162円)にあと10円余りに迫ってきました。米欧で金融不安が再燃し、金融株が主導する形で株安が進んでいます。世界的に景気が一段と悪化するとの懸念も広がり、グローバルに事業展開している主力株も売られる展開になっています。週間の日経平均の下落幅は395円(5.2%)。
 市場の不安心理は高まったまま。自律的な相場形成が困難なため、前日の米国株がその日の株価動向の決定要因になるというこれまでとあまり変わらない相場が続いています。ただ先週号で「写真相場に変化の兆しも」とコメントしたように、米国株が上昇したら上がり、下落したら下がるというこれまでの完璧な形の写真相場からは抜け出しつつあるように思います。
 外為市場で円相場が1ドル=99円台後半まで円安が進んでいることや政府の株価対策への期待、追加的な景気刺激政策などが支援材料となっているからです。このうち株価対策については20兆円の資金枠を用意。今週10日以降、「銀行等保有株式取得機構」が速やかに保有株の買い取りを再開することが6日、決まりました。銀行や企業が保有している株の受け皿になるだけでなく、ETF(上場投資信託)を直接市場から買い付けることを可能にする案も浮上。今後、同機構の機能拡充を軸に追加的な株価対策の検討を急ぐとしています。
 米株安から6日の日経平均株価は260円安と大きく売られましたが、その裏側は株価とは違うような気もします。株価対策を意識してマーケットは売り込みにくい雰囲気に変わりつつあり、売り急ぐ投資家も減ってきているように思われます。6日を除くと東京市場は打たれ強い動きになっていました。米国市場が落ち着けば新たな動きが期待できるのではないでしょうか。

 一段安する局面があったら格好の買い場

 雇用統計が発表された6日の米国市場がどう動くか注目されましたが、NYダウは32ドル高と小幅高、ナスダック総合指数は小幅安の5ポイント安で終わりました。2月の非農業部門の雇用者数が前月から65万1000人も減少、失業率も25年ぶりの水準となる8.1%に悪化したものの、織り込み済みと評価されたようです。
 最近の米国株の軟調な動きは金融不安が原因。膨大な公的資金を投入してもなお損失の底が見えないだけでなく、ガイトナー米財務長官が民間の資金を呼び込むと意気込んだ金融安定化策が1ヶ月が経過しても詳細が発表されません。これが不安を呼び、金融株中心に売られる原因になっています。
 しかし中身が詰まった金融安定化法案は近いうちには発表されます。詳細が分かれば市場の不安は払拭されます。米国株もこれでもかこれでもかというくらい叩かれ、12年ぶりの安値まで下げているだけに想定される悪材料は相当程度織り込んでいるはずです。先行きをそう悲観する必要はないと思います。 
 いまの東京市場で買いの主体となっているのは公的年金ですが、これは上値を買ってくる投資主体ではありません。従って外国人売りが止まらない限り日本株の本格反転はないと考えた方がいいでしょう。昨年10月に付けたバブル崩壊後の安値も目前に迫っていますが、日本株も想定される悪材料はほとんど織り込んでいます。一段安する局面があったら、そこは格好の買い場と捉えるべきでしょう。

2009年3月2日号

 写真相場に変化の兆しも

 安値更新もと囁かれていた東京市場ですが、終わってみれば比較的しっかりした動きでした。週間の日経平均の騰落幅はプラス152円(2.0%)。取引時間中に昨年10月につけたバブル崩壊後の安値を下回る場面もありましたが、まずはひと安心といったところでしょう。ただ昨年10月安値とはのりしろがわずか406円しかなく予断は許されません。
 東京市場のこうした動きは米国株の動きを反映したものですが、先週はこれまでとはちょっと違う動きもみられました。リーマンショック以降、日本株は米国株の写真相場のような動きになっており、日経平均とNYダウのチャートは見分けが付かないほどになっています。1月の最終週以降は米国株が上昇したときは日本株も上がり、下落したときは下がるというほぼ完璧な動きになっていますが、27日は違ったのです。前日のNYダウが88ドル(1.2%)安、ナスダック総合指数が33ポイント(2.4%)安と大きく下げたにもかかわらず、寄り付きから高く始まり110円(1.5%)高の大幅高で引けたのです。しかも引け値はこの日の高値圏。
 午前中に進んだ為替の円安や政府の株価対策への期待感などを背景に先行き不安が後退したことが大幅高の理由と思われますが、東証1部の1105銘柄が値上がりするほぼ全面高の展開だっただけに何かの兆しかもしれません。自律的な相場とまではいかないまでも、米国の写真相場からは多少なりとも抜け出せるのか注目されます。

 森よりも木というスタンスで

 27日の米国市場はNYダウが119ドル(1.7%)安、ナスダック総合指数が13ポイント(1.0%)安と下値を切り下げる展開が続いています。注意すべきことはここへ来ての米国株の下落が金融システム不安を反映したもであるという点。今月発表した金融安定化策が具体性に乏しかったことから市場で不安が広がり、マーケットが疑心暗鬼に陥っているのです。リスクを取って買い向かう投資家がいない、いまの日本と同じ状態になっています。
 27日の下げはシティグループが事実上、政府管理下に置かれたことで金融株が軒並み下落したことが主因ですが、これはネガティブではなくポジティブに評価すべきでしょう。政府管理下に置いたことで米政府の「シティはつぶさない」との意思表示は明確になりました。前例が出来たことで次があったとしても市場は過剰な反応はしないのではないでしょうか。 
 いずれにしても今月中旬までには金融安定化策が発表されます。米政府はすでに大手金融機関の資産査定に着手するなど新たな段階に踏み出しています。これは横並びで公的資金を注入したものの金融システムの動揺が収束せず、金融当局による厳格な資産査定を実施して再度資本注入した日本の1999年の段階に相当します。失望売りを呼んだ金融安定化策ではありますが、不良資産の買い取りなど政策の詳細が見えてくれば市場の不安は払拭されます。先行きを悲観視する必要はないと考えます。
 いまの東京市場で買いの主体となっているのは公的年金ですが、これは上値を買ってくる投資主体ではありません。従って外国人売りが止まらない限り日本株の本格反転はないと考えた方がいいと思います。昨年10月に付けた安値も目前に迫っていますが、日本株は想定される悪材料はほとんど織り込んでいるとみられるので底割れする可能性は乏しいと考えられます。一段安する局面があったら、そこは格好の買い場と捉えるべきでしょう。
 全体相場を見通すのは困難な状況ではありますが、個別でみたら下げ余地のない水準まで下げた銘柄がゴロゴロしています。従って今は「森よりも木」というスタンスが必要でしょう。買う銘柄は大底を入れたと見られるものの中から探すべきだと思います。避けるのは外国人持株比率の高い銘柄。業績が良好でテクニカル面からも注目されそうなものが狙い目となります。

2009年2月23日号

 新たな下げ波動に!

 東京市場はジリジリ下値を切り下げてきました。先週末の日経平均の終値は前日比141円安の7416円。昨年10月に付けたバブル崩壊後の安値(7612円)まで250円あまりに迫っています。市場のムードが悪くなったのはフシ目とみられていた昨年11月21日の7703円を割り込んできた17日から。これにより日経平均は昨年11月5日の9521円でリバウンド相場が終了、新たな下げ波動に入ったことが確定的になりました。
 東京市場のこうした動きは米国株の動きを反映したものです。日本株は昨年9月以降、米国株の写真相場のような動きになっていますが、今年に入りそうした傾向がより強くなっています。日経平均とNYダウのチャートは見分けが付かないほど似通っていますが、1月の最終週以降は米国株が上昇したときは日本株も上がり、下落したときは下がるというほぼ完璧な動きになっています。対米輸出を中心とした輸出依存型の経済構造がこうした相場を演出しているのでしょう。
 先週末の米国市場でダウ工業株30種平均は100ドル安の7365円となり、直近の安値だった昨年11月20日の7552ドルを割り込み、02年10月以来6年4ヵ月ぶりの安値になりました。ハイテク株の比率が高いナスダック指数も小幅ながら5日続落。ここまで下げると、あとは日・米ともどこで下げ止まるかが焦点となってきます。

 森よりも木というスタンスが必要に

 ここへ来ての米国株の下落は景気後退による業績悪化を懸念したというよりは、金融不安を懸念したものとなっているのが特徴。不良債権買い取りなど米政府の包括的な金融安定化策の詳細が固まらないため、不安感から不良資産問題を抱え込んだ銘柄群が売り込まれる状況が続いています。米政府は、住宅ローン返済が重荷になっている借り手を対象に、借り換え支援や融資条件見直しを進めるための新たな法案も準備中ですが、詳細が分からないため疑心暗鬼が渦巻き、銀行の国有化が取りざたされるまでになっています。
 しかし最大900万世帯を対象とした750億ドルの住宅ローン支援策は悪くはないと思います。オバマ政権が最優先課題としていた総額7870億ドルの景気対策法案はすでに成立、実行に移されました。来月中旬までには住宅市場の安定化を目指した上記の法案や金融安定化を目指した法案も提出されます。不良資産の買い取りなど政策の詳細が見えてくればマーケットは評価してくれるはずです。
 あと残っているのは自動車業界の救済問題。同問題については17日にGMとクライスラー社から再建計画が提出されましたが、再建可能な計画かどうかはいまのところ不明。米政府が再建計画を審査して3月末までに救済するか否か発表することになっていますが、市場の反応からは期待は薄らいでいるようにみえます。
 東京市場が下値を切り下げているとはいえ急落しているわけではありません。投資心理が冷え込み買い物が入らない中を少しずつ下げるような形の下げです。売りの主体は外国人。年初から2ヶ月足らずで1兆2000億円売り越しています。GDPの歴史的な落ち込みや政局の混迷などから見切り売りが止まらない状況になっています。
 買いの主体となっているのは公的年金ですが、これは上値を積極的に買ってくる投資主体ではありません。従って外国人売りが止まらない限り日本株の本格反転はないと考えた方がいいと思います。昨年10月に付けた安値更新も目前に迫っていますが、日本株は想定される悪材料はほとんど織り込んでいるとみられるので、底割れすることはないと思います。一段安する局面があったら、そこは格好の買い場と捉えるべきでしょう。
 全体相場を見通すのは困難な状況ではありますが、個別でみたら下げ余地のない水準まで下げた銘柄がゴロゴロしています。従って今は「森よりも木」というスタンスが必要でしょう。買う銘柄は大底を入れたと見られるものの中から探すべきだと思います。避けるのは外国人持株比率の高い銘柄。業績が良好でテクニカル面からも注目されそうなものが狙い目となります。

2009年2月16日号

 米国の写真相場が続く

 相場には方向感が感じられません。国内に買い手掛かり材料がないこともありますが、輸出主導型の経済構造になっている関係で自律的な相場形成が出来なくなっています。昨年9月以降、日本株は米国株の写真相場のような動きになっていますが、ここへ来てそうした傾向がより強まっています。
 日経平均とNYダウのチャートは見分けが付かないほど似通っていますが、1月の最終週以降は米国株が上昇したときは日本株も上昇し、下落したときは下がるというほぼ完璧な動きになっています。先週は週間の下落幅が297円(3.6%)。
 上場企業の第3四半期決算発表は先週でほぼ一巡しました。惨憺たる内容です。金融を除いた全産業の08年4-12月期の連結経常利益は前年同期比43%減、年度では62%減とさらに減益幅が拡大する見通しになっています。売上高も世界的な景気後退から6%減と7年ぶりの減少となる見通し。とりわけ悪いのが製造業で、今期は通期ベースで売上高は10%減、連結経常利益は82%減少する予想となっています。

 米GMなどの再建計画が最大の焦点

 日経平均は昨年10月安値から617円(8.6%)上方にありますが、リバウンド相場が終了して下落局面に入っているのか、もう一段の戻りが継続するのかはっきりしない状況ですが、当社はリバウンド局面はまだ終了していないと考えます。
 米国では総額7890億ドルの景気対策法案について上下両院が基本合意に達しており、13日午後には下院で可決されました。来週早々には上院でも可決・成立の見通しになっています。オバマ政権が最も注力していた法案だけに、マーケットはネガティブには反応しないはずです。新たな金融安定化策については具体的内容がなく株価が売られる原因となりましたが、ガイトナー財務長官は詳細の発表にはあと数週間は必要と発言しています。
 現在の金融不安や景気悪化の元凶は住宅ローンの大規模な焦げ付きですが、これを放置すれば差し押さえられた住宅が市場に放出されて住宅市況がさらに下がるという悪循環から抜け出せません。ガイトナー長官は差し押さえ回避のため住宅ローン向け補助金を500億ドル投じるとも表明しています。期待が高かった分、失望売りも出ましたが、同法案の詳細が詰まるにつれマーケットは好感するのではないでしょうか。
 こうした中、来週17日にはGMとクライスラーの経営再建計画が提出されます。米政府はその再建策を審査しし、再建可能な内容か否か判断して3月末までに支援するか否か結論を出すことになっています。GMでは債務の株式化で600億ドルを超える債務を3分の1まで圧縮することが求められています。もう一つの焦点である割高な労務コストの引き下げが出来るか、マーケットは固唾を呑んで見守っています。
 政府が承認しなければ経営破綻が現実味を増して来ますが、両社の再建策が再建の可能性が見えるものであったら、市場はきっと好感すると思います。米国株も日本株と同様、想定される悪材料はほとんど織り込まれているはずです。
 東京市場が下げそうで下げず、上げそうで上げずの状態が4ヶ月近くも続いているのは、上がるきっかけがないということもありますが、ビッグスリー救済を巡る「もやもや」が市場を覆っていたからではないかとも考えられます。全体相場は見通し難の状況ですが、個別では下げ余地がない水準まで下げた銘柄がゴロゴロしています。従って今は「森よりも木」というスタンスが必要でしょう。買う銘柄は大底を入れたと見られるものの中から探すべきでしょう。業績が良好でテクニカル面からも注目されそうなのが狙い目となります。

2009年2月9日号

 米国の写真相場が続く

 東京市場には方向感が感じられません。国内に買い手掛かり材料がないこともありますが、輸出主導型の経済構造になっている関係で自律的な相場形成が出来なくなっていいます。昨年9月以降、日本株は米国株の写真相場のような動きになっていますが、ここへ来てそうした傾向がより強まっています。
 日経平均とNYダウのチャートは見分けが付かないほど似通っていますが、先々週以降は米国株が上昇したときは日本株も上がり、下落したときは下がるという完璧な動きになっています。
 決算発表がピークを迎えマーケットは企業業績に神経質になっていますが、減益や赤字決算を発表した企業に対しては先月までのように売り一辺倒という動きではありません。下方修正が想定の範囲内というか許容される範囲内なら、むしろ買いが優勢となる展開となっています。高収益を誇ったトヨタ自動車の大幅赤字転落などもあり、業績悪化はかなりの程度まで織り込まれているからでしょう。業績の大幅下方修正を受けても主力株のなかでストップ安する銘柄が出なくなったことは、下がったところは格好の買い場と思っている投資家が増えていることを意味しています。

 「森よりも木」というスタンスが必要

 日経平均は昨年10月安値から914円(12.7%)上方にありますが、昨秋からのリバウンド相場が年初で終了して下落局面に入っているのか、もう一段の戻りが継続するのかはっきりしない状況ですが、当社はリバウンド局面はまだ終了していないと考えます。
 米国株は金融不安・景気悪化・下げ止まらない住宅市場などが重しになり頭の思い動きになっていますが、オバマ新政権のスタートで経済再生に向け様々な対策を打ち出されようとしています。2年間で実施する8000億ドル規模の景気対策に加え、週明けには新たな金融安定化策も発表されます。
 こうした中、今月17日までにはGMとクライスラーの経営再建計画が提出されます。米政府はその再建策が本当に再建可能なものか否か判断して3月末までに正式支援するか否か決めることになっています。再建の障害になるとみられていた全米自動車労組(UAW)が、1月にレイオフ中でも給料がもらえる「ジョブズ・バンク」制度の廃止でビッグスリーと合意したこともあり、割高とされる労務コストを日系メーカー並みに引き下げることを受け入れる可能性も出て来ました。
 GMとクライスラーの再建策が再建の可能性が見えるものであったら、市場は好感すると思います。米国株も日本株と同様、想定される悪材料はほとんど織り込まれているはずです。6日発表された雇用統計は1939年の統計開始以来、最悪となる内容でしたが、同日の米市場は政府の景気対策や金融安定化策への期待から逆に上昇、織り込み済みの動きになっています。
 東京市場が下げそうで下げず、上げそうで上げずの状態が4ヶ月近くも続いているのは、上がるきっかけがないということだけでなく、ビッグスリー救済を巡る「もやもや」が市場を覆っていたからではないかと思われます。マグマは相当溜まっているでしょう。全体相場は見通し難の状況ですが、個別では下げ余地がない水準まで下げた銘柄がゴロゴロしています。従って今は「森よりも木」というスタンスが必要でしょう。

2009年2月2日号

 米国の写真相場が続く

 東京市場には方向感が感じられません。国内にこれといった買い手掛かり材料がないこともありますが、輸出主導型の経済構造になっている関係で自律的な相場形成が出来なくなっています。日本株は昨年9月以降、米国の写真相場のような動きになっていますが、ここへ来てそうした傾向が一層強まっています。
 日経平均とNYダウのチャートは見分けが付かないほど似通っていますが、先週は米国株が上昇したときは上がり、下落したときは下がる完璧な写真相場となっていました。1週間の変動幅はプラス248円。先々週より3.2%上昇しているとはいえ、上がったという実感はなかったように思います。
 決算発表が本格化し、マーケットは企業業績に一段と神経質になっています。業績の大幅下方修正を発表したところは売り込まれる動きが続いていますが、それでもかつてのような恐怖心を呼び起こすような下げになっているわけではありません。下方修正が許容できる範囲内であれば逆に買われたり、業績予想を据え置いた企業はそれだけでポジティブサプライズと評価され上昇したりと様々。高収益を誇ったトヨタ自動車の赤字転落報道などもあり、業績悪化はかなりの程度まで織り込まれていたからでしょう。主力株でストップ安する銘柄が出なくなったことは、下がったところは買いと思っている投資家が増えたことを意味します。

 今月下旬から流れが変わる可能性も

 日経平均の先週末の終値は7994円。昨年10月安値7162円より832円(11.6%)上方にありますが、昨秋からのリバウンド局面が年初で終了して下落局面に入っているのか、2月にかけてもう一段の戻りが継続するのかはっきりしない状況ですが、当社はリバウンド局面はまだ終了していないと考えます。
 いまの米国株の重しになっているのを集約すれば、金融不安・景気悪化・下げ止まらない住宅市場の3つに尽きると思いますが、オバマ政権のスタートで経済再生に向け様々な対策が打ち出されようとしています。2年間で実施する8000億ドル規模の景気対策に加え、金融機関の不良資産を買い取る銀行(バッドバンク)の設立構想なども浮上しています。バッドバンク設立には1兆~4兆ドルの巨額の費用がかかるとも云われ、技術的な問題から設立が困難との見方も出ているようですが、金融機関のバランスシートから不良債権を切り離さない限り金融機関の信用供与は進みません。どういう形であれ似たようなものは設立されるはずです。
 こうした中、ビッグスリーが全米自動車労組(UAW)とレイオフ中でも給料がもらえる「ジョブズ・バンク」制度の廃止で合意したと発表しました。同制度の下ではレイオフ中も給与の85%以上を支払う必要があっただけに、自動車メーカーには大きなコスト負担減となります。
 経営危機に陥っているGMとクライスラーの経営危機は米政府の緊急支援でひとまず回避されましたが、正式に支援するか否かは今月下旬までに両社から提出される再建策をみて米政府が3月に決断すると発表しています。今回の件で割高とされる工場従業員の労務コストを日系メーカー並みの水準まで引き下げることをUAWが受け入れる可能性が出て来ました。
 今月下旬までに提出されるGMとクライスラーの再建策が踏み込んだ内容で再建の可能性が見えるものであったら、市場はきっと好感するのではないでしょうか。米国株も日本と同様、想定される悪材料はほとんど織り込んでいるはずです。下げそうで下げず、上げそうで上げずの状態が3ヶ月以上も続いているのは、上がるきっかけがないということだけでなく、このビッグスリー救済を巡る「もやもや」が市場を覆っていたからではないかと思います。マグマは相当溜まっているでしょう。従って今は弱気になるときではありません。来る米国株の反転に備え、準備しておくときだと考えます。

2009年1月26日号

 下値警戒感が広がる

 東京市場はここへきて下値不安が広がる相場展開になってきました。23日の日経平均株価は前日比306円(3.8%)安の7745円と大きく下落、2ヶ月ぶりの安値に沈んでしまいました。昨年10月に付けた安値よりまだ582円上にありますが、市場では下値警戒感も広がっています。
 金融不安の再燃、下げ止まらない住宅市場、景気悪化に伴う企業業績懸念などから米国株が不安定な動きになっていることが響く形になっています。
 金融危機に端を発する世界同時不況があらゆる産業に波及、いまやマイクロソフトやインテル、ヤフーまでもが人員削減を発表しなければならない状況になっています。世界経済を牽引した携帯電話世界最大手のノキアや韓国サムスン電子が昨年10-12月期に赤字転落しただけでなく、グーグルでさえ同期の増収率が初めて2割を割り込むなど変調が表れています。
 国内でもトヨタ自動車に続いてソニー、日立製作所が大幅赤字に転落すると発表するなどグローバルに事業展開している主力企業の業績不振が際立っています。想定以上のペースで需要が落ち込んでいることが主因ですが、これに円高進行も加わり、先週の東京マーケットでは主力株が総崩れの状態となっていました。規模別の大型株指数は昨年10月の安値をすでに下回り、1984年10月以来、約24年ぶりの水準に下落しています。

 環境激変で狙い目は消去法で
 
 今週から本格化する10-12月期決算発表を前に日経平均の一段安を警戒する向きも増えていますが、ソニーや日立製作所の赤字転落を嫌気して急落した先週末の下げで、業績不安はかなり織り込まれたと考えています。
 現在の日経平均の理論上の1株利益は約482円。09年3月期の業績見通しが出揃った昨年5月末時点の859円より43%少なくなっています。日経平均も当時から46%下げており、市場は今期の43%減益をすでに織り込んだとみることも出来るからです。移動平均線からの乖離率やボリンジャーバンドなどテニカル指標からも東京市場は売られすぎ状態になっており、基本的にはここからの一段安はないと思われます。
 とはいえ国内には買い手掛かりになるような材料はありません。日本株は昨年9月以降、米国の写真相場の様相を呈しており、日経平均チャートとNYダウのチャートは見分けが付かないほど似た形になっています。米国経済が底入れしない限り日本経済も浮上しないと読んでいるのでしょう。
 オバマ政権がスタートし、米国では経済再生に向け総額8000億~1兆ドルの景気対策法案が打ち出されようとしています。この法案への期待感があるうちは米国株が大きく崩れることはないと思われます。そうしたなか来月下旬までに提出されるGM、クライスラーの再建策が「再建の可能性が見える内容」だったら、市場はきっと好感するのではないでしょうか。いまはビッグスリー関係の「もやもや」もあって米国株は動けない(少なくとも上には)とみるべきではないかと思います。
 決算発表の本格化で当面は好業績を発表した銘柄が買われる展開となるでしょう。ただ経済環境の激変から予想を上回る業績を発表するところがそうあるとは思えません。狙い目は消去法で考えるべきでしょう。業績が悪くても下げ余地のないところまで下げている銘柄とか、減益ながらも予想ほど落ち込まなかったものとか、そういうものも狙い目に入れていいと思います。ただ業績回復の見込みのない輸出関連セクターは反発力に問題があると見られるため、投資の対象からは外したほうが賢明。当面は上がった売り、下がったら買いスタンスがいいと考えます。

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