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投資戦略レポート

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2010年4月5日号

 相場は過熱状態に

 相場付きが随分と変わってきました。日経平均株価は連日のように昨年来高値を更新、市場では先高期待も広がっています。売買代金は活況の目安とされる2兆円には届いていませんが、それでも1兆5000億円を超える日が相次ぐなど一時より膨らんでいます。為替相場が円高・ドル安の流れから円安・ドル高の動きに変わりつつあること、EC首脳会議でギリシャ支援策が決まったことなどを受け、不安心理が後退したこと、3月の日銀短観で、製造業だけでなく、非製造業の景況感回復も鮮明になったことなど、株式相場を取り巻く環境が総じていい方向に変わってきたことが背景。
 ただ騰落レシオが過熱ゾーンとされる120%を大きく上回る149.5%まで上昇してきたこともあって相場の過熱感を指摘する声も強くなっています。騰落レシオが149.5%となるのは1998年2月以来、約12年2ヶ月ぶりのことで、99年のIT相場や2003年4月からの大上昇相場を凌ぐ記録的な水準。25日移動平均線からのカイリ率も5.5%となっているほか、RSI(相対力株価指数)も90.1%と買われすぎとされる80%を超えています。
 このことから相場下落を心配する向きもいますが、ここで弱気になる必要はないと思います。過熱状態といってもそれは「短期的」なものであり、買い意欲の強さから、調整があったとしても下値は限定的でしょう。今回も相場上昇に乗り遅れた投資家は多く、下がった局面では押し目買いが入るとみられますし、2月第2週から7週連続で売り残が増えており、下がった局面では売り方の買い戻しも期待されます。騰落レシオが記録的な水準まで上昇したことは、見方を変えれば尋常でないことが起こり始めていると解釈しなければならないのかもしれません。尋常でないことといえば相場が上へ行くことでしょう。日本人の多くは日本経済や相場の先行きを悲観的にみすぎています。そうした見方が覆されるのではないかとも考えられます。

 物色対象は輸出関連及び内需関連の出遅れ株

 2日発表の3月の米雇用統計で非農業部門の雇用者数は前月比16万2000人の大幅な増加となりました。増加幅は07年3月以来3年ぶりの大きさで、雇用面でも底入れした形となっています。増加幅は市場予想の18万4000人を下回ったものの、国勢調査に従事する一時雇用者数が4万8000人と一部で言われていた10万人より少なかったことを考えると、上方修正とも云える内容。単月の振れをなくするため1~3月期を月平均でみれば5万4000人の増加となっており、1年前からは劇的な改善となっています。2日の欧米株式市場が復活祭で休場だったため、米雇用統計を受けて始まる最初の市場は東京市場ということになりますが、東京市場は好感して始まるのではないかと思われます。
  外国人は昨年12月の日銀の追加金融緩和をきっかけに日本株買いを積極化しています。3月第4週(23~26日)も370億円の買い越しになっており、昨年12月以降の買越額は早くも3兆1200億円と3兆円を上回っています。昨年1年間の買越額が1兆7775億円(うち12月が1兆3021億円)でしたから相当な金額です。これだけ大量の買いが長期にわたって続くということは、回復しつつつある世界景気を背景に、外需依存度の高い日本企業がその恩恵を最も受けるとの判断があるからでしょう。事実、JPモルガン証券では「ほとんどの外国人投資家が日本株に強気になった」と話しています。
  外国人が買い姿勢を強めているため、狙い目となるのは世界を相手にビジネスを展開している輸出関連株でしょう。ただ相場に過熱感が出ていますので、物色対象は上がる前の銘柄か、調整一巡感の出た銘柄に絞ったほうがいいように思います。また非製造業の景況感も急速に改善していますので、出遅れの内需株も狙い目といえます。

2010年3月29日号

 不安心理が後退、買い安心感が広がる

 先週号で「早ければ今週中に新値更新も」と指摘しましたが、日経平均株価は26日に前日比167円高の10996円となり、1月15日以来、約2ヶ月ぶりに昨年来高値を更新しました。高値圏で膠着感の強い動きが続いていましたが、チャート上、上に抜けた形となっています。円高・ドル安の流れに歯止めがかかり、円安の動きに変わりつつあること、EC首脳会議でギリシャ支援策が決まったことなどを受け、不安心理が後退、買い安心感が広がってきたためです。
 ただ騰落レシオが過熱ゾーンとされる120%を上回る134.0%まで上昇していることもあって、市場では高値警戒感も広がっています。25日移動平均線からの上方乖離率は4.56%で、買われすぎとされる5%を超えてはいませんが、信頼性の高い指標として人気の高い騰落レシオが買われすぎ状態を示しているため、短期的な過熱感を指摘する声が多くなっているわけです。売買代金も低調で、過熱している状況とはなっていません。
 日経平均は2月第2週から7週連続で上昇が続いており、この間、939円(9.3%)上昇しています。それなりの上昇(率)とはなっていますが、上げ過ぎといわれるほどの上昇率ではありません。日経平均の日中値幅が100円以下の膠着相場が続いていた関係で、騰落レシオを算出する値上がり銘柄数と値下がり銘柄数が拮抗した状態が続き、日経平均が大きく上昇したとき騰落レシオが上がるという技術的要因が影響しているように思われます。
  昨年11月27日の安値から今年1月15日高値までの日経平均の上昇幅は1901円で、上昇率は20.9%に達していました。当時の騰落レシオの最大値は1月6日の127.6%。安値からある程度上昇してきたのでそれなりの調整があってもおかしくありませんが、東京市場は上値追いの動きに拍車がかかる可能性も残しています。どちらに動いても対処できるよう、投資戦略を立てていたほうがいいように思います。

 物色対象は輸出関連株

 日経平均が昨年来高値を更新したことで投資家心理はかなり好転しそうです。世界景気が緩やかに回復しているため、通常なら「世界景気の敏感株」とされる日本株は有卦(うけ)に入ってもおかしくありません。そのような日本株がいまだリーマンショック前の株価を回復できず、危機前の水準を回復した英国や、ドイツ、米国、フランスに比べても出遅れが顕著になっています。政権交代で政策運営が不安定になっているうえに、デフレ脱却の道筋が見えないことが重荷になっているとみられますが、そのうち少なくとも後者については、日銀の追加金融緩和をきっかけに懸念は大きく後退しています。
 外国人は昨年12月の日銀の追加金融緩和をきっかけに日本株買いを積極化しています。3月第3週(15~19日)も1667億円の買い越しになったことから、昨年12月以降の買越額は早くも3兆830億円と3兆円を上回っています。これだけ長期にわたって大量の買いが続くということは、回復しつつつある世界景気を背景に、外需依存度の高い日本企業がその恩恵をもっとも受けるとの判断があるからだと思われます。
  外国人が買い姿勢を強めているため、狙い目となるのは世界を相手にビジネスを行っている輸出関連株でしょう。物色に当たっては上げている銘柄よりも、調整一巡感の出た、上がる前の銘柄を狙ったほうがいいように思います。新興銘柄を中心に小型株人気が続いていますが、東証1部が活況になれば新興株人気は沈静化しますので、注意が必要です。

2010年3月23日号

 早ければ今週中に新値更新も

 東京市場は高値圏で膠着感の強い動きとなっています。先週の日経平均株価の騰落幅はプラス73円(0.68%)。米国市場の動きを受けて上下どちらかに寄り付いた後はそのままという状態で、日経平均の日中値幅も100円を下回る日が多くなっています。売買も盛り上がりまん。
 しかし地合いは悪くありません。新興市場や低位株を中心に循環物色が続いており、先高期待が高まっているからです。先週末の日経平均株価は10824円。今年1月に付けた昨年来高値まであと158円と迫っており、きっかけ次第では1日で上抜ける水準になっています。ただ騰落レシオが128.5%まで高まっていることもあって高値警戒感も広がっており、一気に新値更新へと進むかは微妙な情勢。
 企業業績が想定超のペースで回復しているうえに、円高一服、米景気の先行き不安後退と外部環境が好転しているため、今週中にも新値更新となる可能性は充分あります。年度末の持ち合い解消売りや決算対策売りはピークを越し、株式需給が改善しているだけに、新値更新となれば上値追いに拍車がかかる可能性も大。

  狙い目は電機・精密・自動車・機械などのセクター

 決算期末を控え国内機関投資家は動きにくくなっていますが、市場のメインプレーヤーになっている外国人はここへ来て日本株買いを再開しつつあります。3月第2週(8~12日)は3586億円の大幅売り越しとなりましたが、これはSQ算出に伴う一時的な持ち高調整などの特殊要因が影響したもので、日本株の先行きについて弱気に転じたからではありません。現に寄り付き前の外国証券経由の売買動向は3月4日から12日連続で買い越し基調が続いています。注目すべきは外国人が3586億円売り越しても株価が下げなかった点でしょう。
 業績面では1年前は「先がまったく見えない」状況でしたが、今期は期初の大幅減益予想が増益に転じる見通しとなっています。野村証券金融研究所によれば、上場400社(金融除く)の2009年度の経常利益は前年度比7.4%増の予想。2010年度は同57.9%増予想となっています。株式市場は「変化」を最大の買い材料としますから、中長期的にみれば今年は強気で臨むべきでしょう。
 ただ前にも触れたように市場では高値警戒感が広がっていることも事実。調整場面が来ても即、対応できるよう、当面は半身の構えが必要でしょう。狙い目となるのは来期の収益をけん引する電機、精密、自動車、機械などのセクター。

2010年3月15日号

 当面は足元を固める展開か

 前週号で「少し動きが変わってきたような感じです」と指摘しましたが、まさにそのような動きでした。先週は日経平均株価が383円(上昇率3.7%)上昇し、戻り高値を一気に更新しました。12日の日経平均の終値は10751円、今年1月の昨年高値まであと231円と迫っています。売買代金は低調で、膠着感の強い側面も見られますが、相場の地合いは確実に好転しているようです。 
 国内外とも景気の回復を示す指標が相次いるうえ、円高の流れにも歯止めがかかり、買い安心感が広がったことが地合い好転の背景。今週は日銀金融政策決定会合や米FOMCが開催されます。追加金融緩和を検討している日銀が新たな金融緩和策を打ち出せば好感される可能性はありますが、市場はそれを先取りして上昇した面もあり、内容いかんでは材料出尽しになる可能性もあります。
  ナスダック指数がリーマンショック前の2008年9月以来の高値に進んできたうえ、NYダウも今年1月に付けた昨年来高値まであと101ドルに迫るなど日本株を取り巻く環境は次第に良くなっています。ただ東京市場は2月9月に付けた年初来安値から約1ヶ月で819円(上昇率8.2%)も上昇し、高値警戒感が強まっているだけに、一段高に進むのは困難。テクニカル指標もやや過熱気味になっていますので、当面は足元を固める展開になるとみられます。

  狙い目は輸出関連株

 欧州問題を巡るギリシャの財政再建策は今週、正式発表されますが、すでにその内容は明らかになっていますので、市場が動揺することはないと思います。東京市場の懸念要因となっていた米新金融規制案も当初の不安は大きく後退、円高懸念も米景気回復期待の高まりなどから和らぎつつあります。中国の金融引き締め懸念はなお残りますが、マーケットの重荷になっていた懸念要因は徐々に薄れています。
 決算期末を控え国内機関投資家は動きにくくなっていますが、市場のメインプレーヤーになっている外国人はここへ来て日本株買いを再開しつつあります。外国人は2月第2週から4週連続で日本株を買い越しており、3月第1週(1~5日)の買越額は前の週に比べ倍以上の2325億円と1月第3週以来の高い水準に達しています。膠着ムードの強かった相場が上放れたのはこれが原因だったわけです。世界経済が回復基調にあるだけに、外需依存度の高い日本企業がその恩恵を最も受けるのとの判断から買っているのだと見られます。
 外国人が買い姿勢を強めているため、狙い目となるのは輸出関連株。物色に当たっては、買われている銘柄よりも調整一巡感の出た、上がる前の銘柄を狙ったほうがいいように思います。

2010年3月8日号

 相場つきが変わった可能性も

 東京市場は膠着感の強い動きになっていましたが、先週末になって少し動きが変わったような感じです。「日銀が追加金融緩和の検討に入った」と報じたことで円高・ドル安の流れが一服したほか、中国政府が5日の全国人民代表大会(日本の国会に相当)で、積極財政と金融緩和を維持する姿勢を表明したことが契機となりました。5日の東京市場で日経平均は223円(2.20%)高と急伸しました。ドバイショックを受けて昨年12月に日銀が金融緩和に踏み切った後、円高修正が進み、日経平均が約1ヵ月半で2割超上昇した経緯があり、これを連想した買いが広がる展開となりました。
 売買代金は1兆2700億円と低調で、後場の日経平均の値幅は55円と鈍い動きでしたが、利益確定売りをこなしながら終日、高値圏を保った動きとなっており、相場の基調としては悪くありません。それまでの膠着感の強い、外部要因に左右される主体性のない相場とは違うような動きでした。
 PIIGS(ポルトガル、アイルランド、イタリア、ギリシャ、スペイン)諸国の財政不安は残るものの、ギリシャ政府が打ち出した追加財政再建策や、その後の国債消化が順調だったことで、欧州の財政不安はひとまず後退しています。
 こうしたなか、5日発表した2月の米雇用統計で、非農業部門の雇用者数の減少幅が市場予想よりも小幅にとどまり、米景気回復に対する不透明感が後退する形となっています。これを好感し、5日のNYダウは122ドル(1.17%)高、ナスダック指数は34ポイント(1.48%)高となっています。NYダウは1ヵ月半ぶり、ナスダック指数は2008年9月3日以来、1年半ぶりの高値に進んでいます。

 輸出関連株が物色される可能性も

 先週号で厳しい経済環境のなか日経平均が下値を切り下げないのは、テクニカル面からいつ反転してもおかしくない状態になっているからだと指摘しました。上場企業の収益は想定超のペースで回復しており、東証1部上場企業の2010年3月期の連結経常利益は12.5%増加する見通しです(新光総合研究所調べ)。来期は増益幅がさらに拡大、今期予想比43%増となる予想。
 こうした業績の回復を背景に東京市場は上(=業績相場)に行きたがっているように見えますが、一方では、対ドル、対ユーロでの円高がそれを許さないねじれた構図にもなっています。このため相場は膠着。行き場を失った資金は円高などの影響を受けにくい新興銘柄や低位株などに流れ始めています。新興3市場が底堅い動きを見せ、マザーズ指数やヘラクレス指数、JASDAQ平均が方向感の分かるしっかりしたチャートを描いているのはそれが背景にあるからでしょう。
  ただ日銀の金融緩和検討、ギリシャの追加財政再建策発表、米雇用統計発表を受け、円高の流れが変わる可能性もあります。円は対ドル、対ユーロで高止まったままですが、円高・ユーロ安の動きはすでに一服しており、対ドルに対しても先週末にNY市場で1ドル=90円台に押し戻される円高修正の動きもみられます。こうした動きが続けば大きく調整していた輸出関連株が見直される公算が大きいだけに、日経平均(=東証1部)が膠着状態を脱する可能性もあります。
 今週以降は物色の流れが新興銘柄に来ても東証1部にきても即、対応できるよう、半身の構えが必要でしょう。

2010年3月1日号

 膠着感の強い動き

 東京市場は膠着感の強い動きになっています。上値は重く、下値も固いという相場状態。ただ商いは低調で、通常の下値は固いというレベルの固さではなく、ネガティブな材料が出れば日経平均の1万円割れも避けられない、頼りない固さと云った方がいいかもしれません。米国など海外株の動向と為替相場と株価指数先物によって相場が決まる方向感のない動きになっています。
 米国では予想を下回る経済指標が相次ぎ、景気の先行きに強弱感が対立しています。欧州ではギリシャの財政問題解決が喫緊の課題となっていますが、同様の問題は今後、PIIGS(ポルトガル、アイルランド、イタリア、ギリシャ、スペイン)諸国へも波及する可能性があります。そうなれば通貨としてのユーロの価値が下落し、国際経済に深刻な打撃を与えかねません。ユーロの先行きには不透明感が強く、外国人投資家を中心に株式に対するリスクを取りにくくする要因となっています。
 こうした状況でも東京市場が下値を切り下げないのは、テクニカル面からいつ反転してもおかしくない状態になっているからでしょう。騰落レシオは2月12日から11日連続で70%台で推移しています。足元の株価は200日移動平均線(26日時点で10031円)が下支えするとみられますが、悪材料でいったん、1万円を割り込む局面があれば、そこは絶好の買い場と見た方がいいように思います。

 新興株人気が再燃する可能性も
  
 上場企業の業績は予想を上回るペースで回復しており、東証1部の2010年3月期経常利益は前期比12.5%増加する見通しです(新光総合研究所調べ)。そして来期は増益幅が一段と拡大、今期予想比43%増加する予想。今期のコスト削減による増益から、本業が回復して売り上げ、利益とも伸びる見通しです。
 こうした業績の回復を背景に東京市場は上(=業績相場)に行きたがっていますが、対ドル、対ユーロでの円高がそれを許さないというねじれた構図になっています。こうした相場の膠着を嫌い、円高などの影響を受けにくい新興銘柄や低位株などに資金は流れ始めています。新興3市場が底堅い動きを見せ、マザーズ指数やヘラクレス指数、JASDAQ平均が方向感の分かる堅調なチャートを描いているのは資金流入が背景にあるからでしょう。
 新興銘柄も業績面での底はすでに入れています。投資家の信頼感はいまいちですが、売買代金が膨らみつつあるので、今週から始まるIPOをきっかけに人気が再燃する可能性も出てきたように思います。市場が業績相場に移行しつつありますので、狙い目となるのは好業績銘柄でしょう。材料出尽しや織り込み済みで売られた銘柄も、今後、見直される可能性大でしょう。

2010年2月22日号

海外要因に左右される展開

 東京市場は海外要因に左右される展開から抜け出せません。米国の新金融規制案や中国の金融引き締め懸念、ギリシャの財政不安に加え、先週は米国の公定歩合引き上げ(0.25%)が市場を直撃しました。週末の19日には日経平均が212円(2.05%)下落。市場の自信のなさが裏付けられた結果となりました。
 米金利引き上げは円安につながるため日本株にとっては必ずしも弱材料ではありませんが、中国市場と関連の深い香港市場が2%超下げたため、春節明けの22日の上海市場に対する警戒感が広がったほか、19日の米国株の下落を警戒した売りに押される動きとなりました。市場では米公定歩合の引き上げが政策金利の引き上げに直結するとの見方は少ないものの、外部要因に変化が起こった場合、日本にとっての2大市場となりつつあるNY市場と上海市場がどう反応するか確認してからでないと動けないような状態になっています。
 このことは日本の機関投資家が株式投資に対していかに自信を喪失しているかを如実に表しています。東京市場は今後も海外要因、とりわけ外国人動向に左右される相場展開から抜け出すことは不可能と考えざるを得ません。世界屈指の運用資金を持ちながら自国市場の主導権さえ握れない状況ですが、肝心の米国株は19日、上昇しています。NYダウは9ドル高の10402ドルと約1ヶ月ぶりの高値となり、ナスダック指数も2ポイント高の2243ポイントと6日続伸、1月21日以来の高値で引けています。公定歩合引き上げは米金融市場や経済が正常化してきた証しだと好意的に捉えられたようです。

 株価は戻り歩調に 

 19日のCMEの日経平均先物が大証終値比135円高の10275円で引けていることもあり、今週の東京市場は売られすぎた分の修正から始まりそうです。市場の懸念材料とされているもののうち、米国の新金融規制案はかなり薄らいでおり、ギリシャの財政不安も、EU財務相理事会がギリシャの財政再建計画を承認したため、実施計画提出期限である3月16日まで混乱はひとまず回避される見通しとなっています。残るのは中国人民銀行が春節休暇入り前の12日の取引終了後に発表した今年2回目の預金準備率引き上げが中国株にどう影響するかです。金利水準の引き上げではありませんが、銀行の融資ペースを鈍らせるため、企業の設備投資意欲を抑制する効果があります。中国経済が過熱化しバブルになるのを防ぐための措置だけに株価にはプラスにはならないものの、大きマイナスにもならないと考えるのが一般的でしょう。
  19日に急落したとはいえ、東京市場は戻りを試す展開に入ったと見られます。移動平均線からのカイリ率やボリンジャーバンドなどテクニカル指標からはいつ反転してもおかしくない状態になっていました。127.6%まで上昇した騰落レシオが70.3%まで低下していることからみても、一段安は考えにくい状況になっています。
 1月下旬以降の相場調整局面で売り越しを続けていた外国人が2月第2週(8~12日)に3週間ぶりに買い越しに転じるなど、需給面にも明るさが出ています。企業業績が予想以上のペースで回復しているため、売り基調が強まる可能性は乏しくなっています。米国の利上げを契機に円安・ドル高の流れが鮮明になれば、世界的にも高い業績回復が期待されるだけに、日本株買いが膨らむ可能性もあります。
 決算発表の一巡で買い手掛かり材料がなくなっていますが、こうしたなかで狙い目となるのは売られすぎた銘柄でしょう。昨年11月末からの相場上昇を引っ張った自動車やエレクトロニクス関連などの外需関連株の多くは、1月中旬以降、大きく売り込まれ、テクニカル的にも売られすぎ状態になっています。そうしたなかから業績面でも期待できそうなものが狙い目となります。

2010年2月15日号

海外要因に左右される展開が続く

 東京市場は引き続き海外要因に左右される展開となっています。米国の新金融規制案や中国の金融引き締めに対する懸念はやや薄らいでいるものの、欧州の財政不安の高まりをきっかけに、金融証券市場では不安定な動きが続いています。かつての金融危機時のような厳しい動きではありませんが、株式だけでなく、金や原油など国際商品も売られていることから、投資マネーがリスクの高い資産を減らそうとする姿勢を鮮明にしており、それが日本株を揺さぶる構図になっています。
 今回はギリシャの財政不安がドルと並ぶ機軸通貨と期待されていたユーロの信認問題に発展しているため、ユーロ圏16カ国だけの問題ではなくなっています。EUは11日の臨時首脳会議で、「ユーロ圏の安定を守るため、必要ならば断固とした協調行動をとる」との声明を発表しましたが、ギリシャ支援についての具体策はなく、資金繰り難が現実味を帯びるまで支援は先送りされた形になっています。ギリシャの財政危機は一時的な支援で解決する問題ではないため、当事国が痛みを伴う歳出削減策を受け入れなければなりません。同様な問題はスペインやポルトガルでも起きており、ギリシャが国債の償還が相次ぐ4~5月までに市場の信認を取り戻せるかが焦点となっています。
 EUの臨時首脳会議でギリシャへの支援を表明した後も、ユーロ売りは止まっていません。受け皿となるのがドルと円ですが、現状ではドルが受け皿となりにくいため、消去法的に円が買われる展開となっています。結果的に円が対ユーロ、対ドルで強基調となり、これが日本株の足かせとなっています。

 狙い目となるのは売られすぎた外需関連株

 海外要因に左右される展開とはいえ、東京市場は下値抵抗力を備えてきたように思います。先週は日経平均の週間の騰落幅がプラス35円。終値では10092円と再び10000円の大台を回復して引けました。移動平均線からのカイリ率やボリンジャーバンドなどテクニカル指標からも売られすぎ状態にありましたので、反転の動きに転じてきた可能性もあります。127.6%まで上昇した騰落レシオも79.4%まで低下しており、売られすぎに近い状態になっています。1月中旬以降の下げで中国の金融引き締め懸念や米金融規制案、欧州の財政不安はかなり織り込まれたとみられるので、ここからは売りではなく、買いを先行させるべきでしょう。
 ここへ来て外国人の日本株買いに一服感も見られますが、世界景気が回復傾向にあることを考えると、売り基調が強まる可能性は乏しいと思われます。上場企業の業績回復も目立ってきましたので、円安傾向が鮮明になれば再度、外国人買いが膨らむ可能性もあります。
 決算発表が一巡したため、今週以降、買い手掛かり材料がなくなりますが、こうしたなか狙い目となるのは売られすぎた銘柄群。昨年11月末からの相場上昇を引っ張った自動車やエレクトロニクス関連などの外需関連株の多くは、1月中旬以降、大きく売り込まれ、テクニカル的にも売られすぎ状態になっています。そうしたなかから業績面でも期待できそうなものが狙い目でしょう。

2010年2月8日号

 海外要因に左右される展開

 東京市場は引き続き海外要因に左右される展開となっています。米国の新金融規制や中国の金融引き締めに対する懸念はやや薄らいでいるものの、欧州の財政不安の高まりをきっかけに、株安連鎖の波が世界に広がっています。かつての金融危機時のような厳しい株安連鎖ではありませんが、株式だけでなく、金や原油などの国際商品も大きく下げていることから、投資マネーがリスクの高い資産を減らそうとする姿勢を鮮明にしており、それが日本株を揺さぶる構図になっています。
 今回はギリシャの財政不安がポルトガルやスペインなど南欧諸国に波及し、欧州全体の懸念材料となっています。結果としてユーロ売りが加速。ドルが受け皿となりにくいため、消去法的に円が買われる展開となっています。先週5日は日経平均株価が前日比289円(2.89%)安と急落しましたが、下げに拍車をかけたのはこの円高だったと見られます。
 1月中旬以降の日経平均の下げはこうした外部要因を背景としたものですが、それについては事態の好転を待つ以外、手はありません。財政不安が喫緊の問題になっているギリシャについては、欧州主要国がユーロ防衛のため、何らかの手を打つはずです。

 東京市場はいつ反転してもおかしくない状態に

 海外要因に振り回されている東京市場ですが、先週1週間の下げは141円と大きくはありません。5日の急落で日経平均は直近安値を更新する形となりましたが、先週号でも指摘したとおり、いつ反発してもおかしくない状態にあるとみています。ボリンジャーバンドの-2σを下に突き抜けており、25日移動平均線からのマイナス乖離率も4.95%に広がっています。チャート上も、昨年11月27日の直近安値から今年1月15日の昨年来高値までの上昇幅の半値押し水準(10031円)近くまで下げています。経済の実態が回復の方向にあることを考えると、すでに下値を付けた可能性もあります。従ってここからは下がった局面があれば押し目買いの好機と考えるべきでしょう。
 5日発表した1月の米雇用統計は明暗入り混じる内容でした。失業率は9.7%と4ヶ月ぶりに10%を下回りましたが、非農業部門雇用者数は前月比2万人減少。市場では1.5万人の増加を予想していましたのでNYダウは売り先行で始まりました。ただ単月で数十万人以上が減少したかつての局面からは抜け出しており、減少幅も昨年12月の15万人から大きく縮小しているため、引けにかけては戻す展開。一時160ドル安まであったものが10ドル高で引けています。長い下ヒゲを引いて切り返してきた動きからみて、プラス基調に転じきれないもたもたした雇用情勢や欧州の財政不安はかなり織り込まれたように思います。
 東京市場はテクニカル的にはいつ反発してもおかしくない状態にありますが、外国人の日本株買いに一服感が出ていますので、1月15日に付けた昨年来高値を更新するまでには至らないと思います。更新するとすれば米国市場の調整一巡を待ってからでしょう。それまでは好材料の出た銘柄を個別に買う個別株物色が続くとみられます。決算発表が本格化しているため、物色対象は好業績銘に絞るべきでしょう。ただ好業績銘柄イコール株価上昇とは限らないので、好業績を期待して上昇している銘柄には注意が必要です。

2010年2月1日号

 東京市場はいつ反発してもおかしくない局面に

 東京市場は海外要因に左右される動きが続いています。中国の金融引き締め観測やオバマ米大統領の新金融規制案発表で、米国株が不安定な動きになっているのを受け、それに振り回されるような展開になっています。先週末の日経平均株価は10198円。週間の下落幅は392円(下落率3.7%)で、今年1月15日に付けた昨年来高値からは784円(同7.1%)の下落となっています。
 一方、先週末のNYダウは10067ドル。週間では105ドル(下落率1.03%)の下落となり、昨年11月6日以来、約3ヶ月ぶりの安値となっています。今年1月19日に付けた昨年来高値からは658ドル(6.14%)の下落。ハイテク株の比率が高いナスダック指数も同日の昨年来高値から173ポイント(7.45%)下落し、約2ヶ月ぶりの安値で引けています。好業績を発表しても好感されない動きや、昨年3月の金融危機後の安値から調整らしい調整もなく、ほぼ一本調子で上げてきたこれまでの動きから、米国株は本格的な調整局面に入ったと見られます。
  東京市場もこの影響を受けると思いますが、米国株と違い昨年7月と11月に調整を入れていますので、現水準から大きく下押すことはないとみています。テクニカル的にみれば日経平均はボリンジャーバンドの-2σを下抜けており、25日移動平均線からのマイナス乖離率も4.09%に広がっています。チャート分析上も、昨年11月27日の直近安値から今年1月15日の昨年来高値までの上昇幅の3分の1押し(10347円)を下回る水準まで下げています。半値押し水準が10031円ですから、値幅調整は終わった可能性が強く、いつ反発してもおかしくないところまで来ています。あとは日柄だけだと思います。ここからは下がった局面は押し目買いの好機と考えるべきでしょう。

 狙い目は好業績銘柄

 東京市場は本当は上に行きたいような動きになっているように思います。10~12月期決算発表が本格化しており、中国など新興国だけでなく、米国の需要底入れも見える好決算となっていますが、上述したような外部環境がこれに影を落とす形になっています。円高懸念がくすぶり、中国の金融引き締め懸念があるなか、米国の新金融規制案の中身が判明しない状況では、先行きへの不透明感は消えません。
 ここからの見通しについては東京市場のメインプレイヤーになっている外国人投資家がどう動くかを考えなければなりません。外国人は出遅れ感や世界景気の回復期待から日本株を9週連続で買い越していますが、怒涛の買い越しは今年1月の第2週で終わった感があります。日本には世界景気の回復で恩恵を受ける企業が多いため、世界景気回復期待のある間は日本株買いは継続する可能性はありますが、昨年12月から今年1月第2週までのように相場を大きく押し上げるような買い方は当面しないと見た方がいいように思います。
 東京市場は値幅調整が終了しつつあるとは云っても、外国人買いが細っているため、1月15日に付けた昨年来高値を更新することは当面、ないと見ます。更新するとすれば米国市場の調整一巡を待ってからでしょう。それまでは好材料の出た銘柄を個別に買う個別株相場が続くと見なければなりません。決算発表が本格化しているため、当面は好業績銘柄に物色の対象を絞るきでしょう。

2010年1月25日号

 米国の新金融規制案で市場に衝撃が走る

 オバマ米大統領21日に新たな金融規制案を発表したことで、世界の株式市場に動揺が広がっています。金融危機の再発防止を狙ったものですが、詳細が公表されていないため、金融業界や市場は衝撃を受ける形になっています。
 現在までに分かっていることは、新金融規制は商業銀行にヘッジファンドなどの所有・投資を禁じ、自己資金による高リスク投資を制限することと、金融機関全般に対し市場からの借り入れ(負債)に上限を設けるということ。預金を原資にした無謀な投資を防ぐとともに、借り入れに頼った巨大化を食い止めるのが狙いとされています。1999年に銀行業務と証券業務を分離するグラス・スティーガル法を廃止して弾みが付いた金融自由化が、金融危機をきっかけに方向転換することになります。
 規制案が実現すれば金融機関は融資などを手掛ける商業銀行部門と、証券引き受けや資産運用などを行う投資銀行部門の分離を迫られる可能性があります。ヘッジファンドや未公開株を手掛けるファンドなどを傘下に抱える金融機関は事業の売却を迫られる事態も予想されます。現在は両部門を抱えて自己勘定の取引で稼ぐ大手金融機関が多いため、大手各社は事業の選択を迫られるほか、収益モデルの再設計が必要になると見られています。
 規制案では負債の市場シェアを一定に抑え、金融機関が巨大化するのを防ぐ方向にあるため、金融機関が負債の圧縮を進める過程で企業や個人向けの融資を手控える「貸し渋り」が起きる恐れがあり、経済活動の圧迫要因ともないかねない要素を孕んでいます。

 新規買いは業績の見極めがついた後で

 マーケットは規制案をネガティブと判断したようです。発表を受け米国株は21、22日と急落、2日間でNYダウは4.06%、ナスダック指数は3.75%下落しています。2日間の下げがすべて規制案によるものとはいえないまでも、突然の新規制案に市場が衝撃を受け、金融株を中心に利益確定売りが広がったのは事実です。ただ22日の欧州株が前日比マイナスとはなっていますが米国株ほど下げていないことから、今回の下げは過剰反応だった可能性もあります。米国株は昨年3月の金融危機後の安値から調整らしい調整もなく、ほぼ一本調子で上昇していました。この間の上昇率はNYダウで63%超、ナスダック指数で82%超にもなっていましたので、調整局面入りする格好の材料を提供したとも考えられます。
 新規制案の詳細が明らかになるまでは米国株の方向感も定まらないとみられるので、今回の急落をきっかけに米国株は調整局面に入ったとみられます。東京市場もこの影響を受けると思いますが、米国株と違い昨年7月と11月に調整を入れていますので、値幅面での大きな調整はないと考えます。信用取引の売り残が増加し、信用倍率が1.47倍と6ヶ月ぶりの水準まで低下、売り残高も9154億円まで膨らんでいますので、下がった局面では売り方の買い戻しも期待されます。
 外国人の日本株買いも継続しています。1月第2週までの買越額はすでに1兆2000億円に達しており、月間ベースで2年8ヶ月ぶりの高水準だった昨年12月実績(約1兆3000億円)に迫っています。このところの積極的な買い越しで買越額のピークは過ぎた感もありますが、世界景気の回復局面で上昇しやすい傾向がある日本株を買う動きは今後も続くとみられます。
 ただ米国株の急落を受け、為替が再び円高に振れるなど投資環境は目まぐるしく変わっています。一段安する場面があれば押し目買いの好機と考えていますが、主要企業の決算発表が今週から本格化するので、新規買いは決算発表を受けて業績の見極めがついてからでも遅くはないとみています。

20010年1月18日号

 日本経済の回復期待を織り込む動きに

 東京市場の雰囲気は一段と良くなっています。投資家心理は格段に好転しており、悲観一色だった昨年11月ごろが信じられないような感じです。日経平均の25日線からの上方乖離率が5%を超えたり、騰落レシオが127.6%に高まるなどテクニカル的な過熱感を指摘する声も聞こえますが、需給動向から株価が大きく下押すような感じはありません。
 15日の日経平均株価の終値は10982円。週間の上昇幅は184円(上昇率1.7%)にとどまっていますが、昨年11月に付けた安値からは1901円(上昇率20.9%)も上昇した水準にあります。1ヵ月半という期間を考えたら驚異的な上昇です。昨年3月の相場回復のときも同じでした。当時は3月10日(7054円)から4月10日(8964円)までで1910円(上昇率27.1%)も上昇しました。あまりの速さにほとんどの投資家は付いていけなかったと云われていますが、今回も同じです。
 「強気相場は悲観の中で生まれ、懐疑とともに育ち・・・」と云われますが、まさにそのような上昇。1ヵ月半で2割超も上昇するにはそれなりの理由があります。相場は半年から1年先の実態経済を織り込みながら動くといわれますから、景気が徐々に良くなってくることを織り込みつつある動きと捉えるべきでしょう。国内の厳しい経済実態から景気の2番底、延いては株価の2番底懸念が散々云われていましたが、世界的な景気回復期待を背景に日本経済も徐々に回復に向かうとの投資家の認識が株高を支えているように思います。

 狙い目は出遅れ感の強い銘柄群

 日経平均が昨年来高値を更新してきたことで、民主党政権の政策運営に対する市場の不信感は株価に織り込まれたと考えられます。このほかマーケットを覆っていた円高懸念や大型公募増資懸念も後退。民主党の小沢一郎幹事長の元秘書、現衆院議員らの逮捕で、今週から始まる国会審議が混乱する可能性はありますが、景気の先行き(=企業業績)がどうなるかという点を除けば株価の重しとなる要因は見当たりません。
 とはいえ日経平均は11月の安値から短期間で2割超も上昇、心理的なフシ目の11000円に接近していることもあり、ここからの一段高は困難。東京市場はテクニカル的にも調整局面入りが避けられない状況になっていますが、一方では投資家心理が好転し、買い意欲が高まっているため、値幅的な調整は大きなものにはならないとみられます。昨年4月がそうでした。信用取引の売り残が増加し、信用倍率が1.53倍と約5ヶ月ぶりの水準まで低下していますので、下がった局面では売り方の買い戻しも期待されます。主要国の株式市場の多くがリーマンショック前の水準を回復していますので、東京市場もそうした動きになると見た方がいいように思います。
 すでに外国人は日本株を7週連続で買い超しています。1月第1週(4~8日)の買越額は7080億円で、5年10ヶ月ぶりの高水準。そうした買いが今回の株価上昇を牽引していますが、背景には日本株の「出遅れ」だけでなく、前述の「世界景気の回復」があるからだと考えられます。従って、ここからは強気で臨んだ方がいいように思います。ただ短期間で2割超も上昇した後だけに、狙い目となるのは出遅れ感の強い銘柄群。それも世界景気回復の恩恵を受けられる外需関連がいいと考えます。

2010年1月12日号

 市場心理は大きく好転

 東京市場は昨年末からの好地合いを引き継ぎ、いい雰囲気になってきました。市場心理はかなり良くなっており、昨年11月ごろとは一変した感があります。日経平均の25日線からの上方乖離率が5%を超えたり、騰落レシオが127.6%に高まるなどテクニカル的な過熱感も指摘されますが、足元の株価は昨年来高値を更新するなど堅調な動きが続いています。
 先週末の日経平均の終値は10798円。昨年11月27日に付けた安値から1717円(上昇率18.9%)上昇した水準にあります。指数が年間に20%上昇したら大相場といわれることを考えたら、1ヶ月ちょっとの上昇率としては驚異的な上昇です。昨年3月の相場回復時も同じでした。当時は3月10日(7054円)から4月10日(8964円)まで1ヶ月間で1910円(上昇率27.1%)上昇しました。あまりの速さにほとんどの投資家は付いていけなかったと云われています。
 「強気相場は悲観の中で生まれ、懐疑とともに育ち・・・」と云われますが、まさにそのような動きです。約1ヶ月で2割近くも上昇するにはそれなりの正当な理由があります。相場は半年から1年先の経済を織り込みながら動くといわれますから、景気が徐々に良くなってくることを織り込みつつあるのではないかと考えられます。国内の厳しい経済実態から景気の2番底、延いては株価の2番底懸念が散々云われていますが、中国やインドなど新興国の景気回復や米国景気の先行き不安の後退から世界経済が徐々に好転、それに伴い日本景気も回復するというシナリオを織り込んでいるように思われます。

 狙い目は出遅れ感の強い外需関連株

 8日発表された12月の米雇用統計は市場予想を下回るものでした。12月の非農業部門の雇用者数は8万5000人の減少となりましたが、11月の改定値が前月比1万1000人の減少から4000人増に上方修正されたため、雇用の回復基調に変化はないと捉えられ、ダウ、ナスダック指数とも上昇。NYダウは10618ドルと2008年10月1日以来の高値に、ナスダック指数は2317ポイントとリーマンショック前の2008年9月3日以来の高値に進んでいます。これを受けCMEの日経平均先物も堅調で、今週も強基調で始まりそうです。
 日経平均が昨年来高値を更新してきたことで、民主党政権の政策運営に対する不信感は完全に織り込まれたと考えられます。このほかマーケットを覆っていた円高懸念や大型公募増資懸念も大きく後退、景気の先行き(=企業業績)を除けば株価の重しとなる要因は見当たりません。今週から米国で本格化する主要企業の決算発表で業績回復を期待させるような発表が相次げば、投資家心理は一段と好転する可能性もあります。
 とはいえ日経平均は11月安値から短期間で2割近くも上昇しているため、ここからの一段高は困難。東京市場はテクニカル的には調整局面入りが避けられない状況になっていますが、投資家心理が好転し、買い意欲が高まっているため、値幅の調整はあまりないと見た方がいいように思います。昨年4月がそうでした。主要国の株式市場の多くがリーマンショック前の水準を回復していますので、日本株もそうした動きになるのではないかと考えられます。
 すでに外国人は日本株を6週連続で買い超しています。それが今回の株価回復を牽引していますが、背景にあるのは主要国の株価に対する日本株の「出遅れ」だけでなく、前述の「世界景気の回復」があるからだと考えられます。従って、ここからは強気で臨んだ方がいいように思います。ただ短期間で2割近くも上昇した後だけに、狙い目となるのは出遅れ感の強い銘柄。それも世界景気回復の恩恵を受けられる外需関連がいいと考えます。

2009年12月21日号

 円高懸念や大型公募増資懸念が後退

 今年の立会日も今週の4日と来週の3日を残すだけとなりました。「掉尾(とうび)の一振」を期待したいところですが、景気の2番底懸念などがくすぶり、盛り上がりはまったく感じられません。先週は急反発した後の調整局面だったといえます。週間の日経平均の騰落幅はわずかにプラス35円。10月30日から11月7日にかけて日経平均が記録的な上昇(上昇率12%)を見せたものの、今後の方向性らしきものはまだ出ていません。
 ただ公募増資への警戒感が軽減してきたことや、極端な円高に歯止めがかかったことから、今月前半に比べて市場参加者の投資心理は好転しています。マーケットにとっての最大の好材料は、日米欧の金融監督当局で構成するバーゼル銀行監督委員会が、大手銀行を対象とする新自己資本規制の導入を実質的に延期すると17日に正式発表したこと。これにより大手銀行の大型公募増資懸念が和らぐことになりました。
 また米国の雇用情勢の悪化が和らぐとの見方から、米金融緩和の長期化観測を背景にした円買い・ドル売りの流れにブレーキがかかってきたことも好材料。雇用統計だけでなく、小売売上高や鉱工業生産、消費者信頼感指数などの主要統計も市場予想を上回る改善を示しており、これらが米経済に対する市場の見方を前向きなものに変える要因になっています。円高はまだ終わっていないとの指摘もありますが、ドル安局面が転換点に差し掛かっている可能性は充分あります。

 地合いは徐々に好転の方向へ

 手掛かり材料が見当たらない東京市場ですが、大型公募増資懸念と円高懸念というマーケットを覆っていた2大懸念が後退したため、相場の地合いは徐々に良くなるとみられます。先週18日の動きにその兆候が出ていたように思います。18日は前場に10000円近くまで下げる場面がありました。ただ下げた局面では買いが増え、大台割れを回避すると今度は底堅さが意識され、徐々に下げ幅を縮小する展開でした。動きとしては悪くはありません。むしろ以前のように下げなくなったのを評価すべきではないかと思います。前日の米国市場でアナリストの業績下方修正を受けて金融株が大きく下げていなかったら、国内の大手銀行株もしっかりした動きになっていたはずで、日経平均も上げていた可能性もあったように思います。
  景気の先行き懸念や民主党政権の政策運営についての不信感は残ったままですが、相場の地合いは実感出来ないまでも、じわりじわり好転しているように思われます。今週以降は外国人投資家がクリスマス休暇入りするため閑散相場になるとみられますが、いいものを物色しようという流れは変わらないでしょう。米国の景気回復期待を買おうという動きも予想されるため、物色されるのは外需関連株が中心となりそうです。また年末特有の個別材料株物色の動きも強まってきそうです。
なお次回は1月12月号からとなります。

2009年12月14日号

 日経平均は2番底を付けた可能性も

 今年も残すところ半月。「掉尾(とうび)の一振」を期待したいところですが、いまの相場地合いではその可能性は高くはなさそうです。来年1~3月期に景気が2番底をつけるのではとの懸念がくすぶり続け、企業経営者も警戒感を強めているためです。ただ株価は経済実態を映して動いているのではなく、半年から1年先を織り込みながら動いているわけですから、現況の経済が悪くても先行きを悲観視する必要はありません。
 リーマンショック後、日経平均株価は4回下値を付けました。最初の底が昨年10月27日(日経平均7162円)、2回目が今年3月10日(同7054円)、3回目が7月13日(同9050円)、そして4回目が11月27日(同9081円)です。例え来年1~3月に景気の2番底が来たとしても、今年7月か11月の下げですでに織り込んでいるとみられます。
 株価的には日経平均は7月13日に2番底を付けた格好になっていますが、全体相場の動きを示すTOPIXの動きから考えれば、2番底は11月27日に付けたのではないかとみられます。当時の日経平均株価は一部の指数構成銘柄の上昇でかさ上げされていました。そうしたなか、テクニカル指標の多くが記録的水準に落ち込んだ昨年10月に迫る水準まで低下し、TOPIXから逆算した実質的な日経平均株価も8500円前後まで下がっていました。その後の急激な相場上昇を考えると、2番底を付けたと考える以外、考えようがありません。

 今週は米景気回復を評価する動きか

 先週の東京市場は戻り高値を付けた後の調整局面でしょう。たった6日間で日経平均は1086円、12.0%も上昇しました。あまりに急で大幅な反発です。テクニカル的にはそれなりの調整があっておかしくありません。経済の先行きに横たわる難問の大きさから楽観的な見方はなかなか出来ませんが、短期間でこれだけ上がるにはそれなりの理由があります。単なる売り方の買い戻しだけではないでしょう。足元の株価を2番底を付けた後の調整場面と捉えると(当社はそう考えています)、先行きへの展望も開けてきます。つまり、いまの株価は想定される悪材料をほとんど織り込んでいると捉えるのです。これが正しければ例え上値の重い動きであっても下値も固いそれなりも相場が続きます。
 こうしたなか、11日に市場予想を上回る米小売売上高が発表されました。11月の小売売上高は前月比1.3%増と2ヶ月連続で増加。これは今年5~6月以来のことで、前年同月比でも1.9%増となっています。前年同月比でプラスとなるのは金融危機発生前の昨年8月以来、1年3ヶ月ぶり。11月の雇用統計や12月の消費者信頼感指数(ミシガン大学調べ)に続く予想以上の回復で、米景気が緩やかに回復していることを示しています。これを受け11日のNYダウ平均は上昇、外為市場ではドルが買われる展開となっています。
 日経平均は先週末に大幅高し10107円まで戻していますが、今週は米国景気の回復期待を買うような動きになるのではないでしょうか。日経平均の上昇余地は乏しいとは思いますが、出遅れの輸出関連株などを中心に物色される可能性は充分あります。また年末特有の個別材料株物色の動きも強まってきそうです。

2009年12月7日号

 政府・日銀の経済運営に対する過度の不安が後退

 相場の動きがガラッと変わってきました。先週は5営業日中、5営業日上昇する連続高の展開で、チャート上の「五連陽」(ローソク足が5日連続で陽線を形成すること)を形成しました。週間の日経平均株価の上昇幅は941円、上昇率は10.4%にもなります。バブル崩壊後の日経平均の年間上昇率の最高が“郵政選挙”が行われた2005年の40.2%(上昇幅4623円)ですから、期間的にみれば凄い上昇です。売買代金も活況の目安とされる20億株を6日連続で上回り、売買代金も一時より膨らんできました。週間の上昇率は主要国の中では恐らくトップではないかと思われます。
 短期間にこれだけ上昇したのは、ドバイショックを受けて政府と日銀が協調して危機回避策を打ち出したのが背景。日銀は10兆円にのぼる追加金融緩和策をいち早く打ち出し、政府も7~8兆円の追加経済対策を週明けに発表することが決まりました。経済対策に不熱心とみられていた政府と日銀が景気対策に協調して取り組む姿勢を示したことで、政府・日銀の経済運営に対する過度の不安が後退し、これまで慎重姿勢だった投資家の買いを呼び込む形になっています。
 日銀の追加金融緩和の発表を受け円高の流れも一服、先週末の海外市場では1ドル=90円台まで円安が進んでいます。円相場はまだ高い水準に止まったままですが、日本株が低迷していた一因が円高懸念だっただけに今週以降のマーケットにはプラスに作用しそうです。

 日経平均は底を付けるも、ここからは上値の重い動きに

 4日発表した11月の米雇用統計は予想を大幅に上回る改善を示しました。失業率は10.0%と前月から0.2ポイント低下、非農業部門の雇用者数も1万1000人の減少にとどまり、前月の改定値(11万1000人減)からマイナス幅が大きく縮小しました。米雇用者数は23ヶ月連続で減少していますが、この間、減少幅が最も小さかったのが先月。雇用環境は予想以上のペースで回復しており景気回復に向け明るい材料になっています。これを好感し4日のNYダウは一時150ドル超上昇し、取引時間中の今年の高値を更新しました。
 日経平均の急ピッチの戻りを受け、市場には安堵感が芽生えています。わずか1週間で相場付きがガラッと変わったため、投資家の心理が強気に変わった感じではありませんが、それまでの弱気心理は和らいだはずです。当社は先週号で11月27日の9081円で日経平均は底を付けた可能性があると指摘しました。先週の急激な戻りからその可能性はかなり高まったのではないでしょうか。
 今回の相場反転は売り方の買い戻しとも云われますが、下落相場の反転は常に売り方の買い戻しを嚆矢とします。今年3月の回復時もそうでした。ただ日経平均が底を付けたとはいえ、ここからは上値の思い展開になるとみるべきでしょう。その背景には今回の相場上昇で主要国に比べた日本株の出遅れがかなり修正されたこと、日経平均の10000円乗せで戻り待ちの売りが増えてくるとみられること、経済の先行き不透明感が増していることなどが挙げられます。
 こうした局面では上がった銘柄に付いたら負けてしまいます。狙い目となるのはやはり売られすぎた銘柄群。先週までが戻りの第1弾とすれば、今週以降は2番手の銘柄群に第2弾の戻りがあっておかしくありません。増資発表で売り込まれ銘柄なども狙い目でしょう。

2009年11月30日号

 ドバイの資金繰り懸念の影響は限定的

 東京市場に激震が走りました。11月24日号で「下値模索の展開に」と指摘しましたが、模索ではなく、急落の展開となりました。日経平均の週間の下落幅は416円(下落率4.38%)。率的には大した下げではありませんが、4営業日中、3営業日が下げる展開で、27日の下落幅は301円(3.2%)と3ヶ月ぶりに3%を超える大きなものとなりました。民主党政権の政策運営に対する不信感が日増しに強まっていたところに、1ドル=84円台後半まで円が急伸、これにアラブ首長国連邦ドバイ首長国の資金繰り懸念が加わって下げが加速する展開となりました。
 27日は東証1部の76%に当たる1283銘柄が下落。年初来安値更新銘柄も9日連続で100を超える重苦しい動きになっています。ドバイ首長国の資金繰り懸念については26日の昼ごろ伝えられていましたが、その時、東京市場は目立った反応はしませんでした。しかし中東とつながりの深い欧州の株式市場が急落したことを目の当たりにして、改めて売られるという動きになりました。こうした動きは香港や韓国など他のアジア市場でも同様。米国市場が休場だったため、欧州株の下げをそのまま引き継いで下げた感もありました。
 ドバイの資金繰り懸念については27日の米国株の動きで判断するしかありませんが、27日の米国株はNYダウが25日比154ドル(1.47%)安の10309ドル、ナスダック指数は37ポイント(1.73%)安の2138ポイントとなっています。ともに1%を超える大幅下落ですが、大きく売られたあと下げ幅を縮小しており、金融不安が再燃するような下げ方ではありません。27日の欧州株も反発しており、同問題については深刻に考える必要はなくなったのではないかと思います。もともと欧州は中東と歴史的につながりが深く、欧州銀行の中東での取引は米銀を凌ぐといわれているだけに、この件は欧州独自の問題と考えた方がいいように思います。

 東京市場はいつ反転してもおかしくない状況に

 東京市場は円高懸念、民主党政権の政策運営に対する不信感、増資ラッシュによる需給悪化懸念に覆われたままで世界市場から取り残された形になっていますが、テクニカル的にはいつ反発してもおかしくない状況になっています。騰落レシオはすでに57.6%と今年最低を更新、昨年10月の54.4%に迫る水準まで低下しています。
 日経平均がチャート上のフシ目である200日移動平均線を下回ったり13週線と26日週線がデッドクロスを形成するなど、下降局面入りを示すサインが相次いでいますが、ここは弱気になるところではないと考えます。その最大の理由は実勢相場は日経平均に先行して大きく下落しているからです。
 TOPIXの27日の終値は811ポイント。これは今年4月ごろの水準です。当時の日経平均株価は8490円前後でしたから、実質的な日経平均は8500円前後まで下がっているといっても過言ではありません。今後、日経平均が下がったとしてもそれは指数が下がるだけで、日経225に採用されていない多くの銘柄が同じように下がるわけではありません。基本的には日経平均はいつ反転してもおかしくない状況にあるわけですから、第2の下値メドとされる今年7月の安値水準(9050円)まで下げた27日の終値(9081円)で底を入れた可能性さえあるわけです。
 底入れを確認するには時間が必要ですが、ここからは下がったら絶好の買い場と考えるべきでしょう。物色セクターがないとの声も聞きますが、物色対象は数え切れないほどなります。それは売られすぎた銘柄群。追い証発生による投げ売りやパニック的な売りからオーバーシュート気味に下げた銘柄はいくらでもありますので、当面はそうした銘柄に照準を合わせるべきではないかと思います。

2009年11月24日号

 下値模索の展開に

 方向感のない動きが続いていた東京市場ですが、先週から日経平均株価は下値を切り下げる展開に変わってきました。先週は5営業日中、4営業日、日経平均が下落。週間では313円(下落率2.79%)安となり、終値は9497円と約4ヶ月ぶりに9500円を下回りました。東証1部の全銘柄の値動きを表すTOPIXは7月につけた安値をすでに下回っており、今週は日経平均が200日移動平均線を(20日現在で9344円)を死守できるかが焦点となりそうです。
 上場企業の業績見通しは悪くないのに、NYダウや欧州、アジアの主要な株式市場が軒並み年初来高値を更新している中にあっては信じられないくらいの弱さです。日本株だけが世界から取り残されている感じですが、その理由は以下の3点に尽きるのではないかと思います。
 その第1は、民主党政権に対する投資家の不信感が日増しに強まっている点。マクロの経済環境が悪化しているのに経済政策は迷走気味で、市場に打ち出すべきメッセージも打ち出せない状態になっています。外交・安全保障に対する戦略も決まっておらず、最も重要な国家の基本スタンスさえ決められない異常な事態になっています。こうした状況では外国人が日本株を買う気にならないでしょう。
 第2は増資ラッシュによる需給悪化懸念が一段と強まっている点。売買代金が1兆2000億円ほどしかない市場で1000億円~1兆円規模の巨額なファイナンスが相次げば需給は崩れ、株価の重しになることは明らかです。第3は円高進行に対する懸念。1ドル=88円台まで円高が進み、極端な円高には介入も辞さずとの財務相の強い態度表明もあって同問題は株価にはかなり織り込まれたとみられますが、米国の超低金利政策が今後も続くとみられるため、円高再燃への懸念は払拭されないままとなっています。
 総括すれば、世界経済の2番底懸念がささやかれている中で、円高懸念や増資による需給悪化懸念、民主党政権の政策運営に対する市場の不信感が絡み合い、日本株だけが世界から取り残されているというか、逆の方向を向いているような格好になっています。

 照準は売られすぎた銘柄群に

 日経平均がフシ目の9500円を割り込んだため、今週も日経平均の下値が意識される展開となりそうですが、下がったとしても下値は9000円前後ではないかとみられます。日経平均はTOPIXの10~11倍(NT倍率といわれます)が過去の平均的な水準ですから、実質的な日経平均株価はすでに8400円~9200円まで下がっています。10月下旬以降、体感的には全面安相場が続いているといっておかしくない状態になっていましたので、騰落レシオも売られすぎとされる70%を下回り66.6%まで低下しています。これは10月5日の63.7%に次ぐ今年2番目の水準。
 ファーストリテイリングや日経平均株価を押し上げた一部の銘柄が下落したとしても、225に採用されていない多くの銘柄は先行して大きく下がっていましたので、日経平均につられて一緒に下がる可能性は乏しいように思われます。今後は日経平均が下落しても値下がり銘柄より値上がりする銘柄が多い先週20日のような動きが相次ぐ可能性もあります。
 物色セクターがないとの声も聞こえますが、物色対象は数え切れないほどなります。それは売られすぎた銘柄群。追い証発生による投げ売りやパニック売りからオーバーシュート気味に下げた銘柄が相当ありますので、そうした銘柄に照準を合わせるべきではないかと思います。

2009年11月16日号

 円高と新政権の政策運営能力などが重しに

 東京市場は方向感のない動きが続いています。先週は日経平均株価の騰落幅がわずか19円という状態で、前日比の騰落幅も5営業日とも70円に達していません。売買代金も低調で、活況の目安とされる2兆円を40営業日連続下回ったまま。13日は株価指数オプションのSQ算出日にもかかわらず、売買代金が1兆2000億円と前日を下回るしまつで、相場にはうねりみたいなものはまったく感じられません。膠着感の強い動きが投資意欲を削ぎ、これが薄商いに拍車をかける悪循環に陥っています。
 発表される7~9月期決算は悪くありません。日本経済新聞社の報道では今3月期の上場企業の連結経常利益(金融や新興3市場を除く)は前期比1.4%増と8月時点の9.1%減益見通しから改善しているものの、それが株価には反映されていません。NYダウを始め、欧州や、中国・インドなど日本を除くアジアの主要な株式市場が軒並み年初来高値を更新している中にあっては弱さが際立っています。
 この理由は色々考えられますが、突き詰めれば以下の2点に集約されるのではないかと思われます。第1は円高進行に対する懸念、第2が新政権の政策運営に対する懸念です。このうち円高懸念については1ドル=88円台まで現実に円高が進んだこと、極端な円高には介入も辞さずとの強い態度表明もあってかなり織り込まれたとみられますが、米国の低金利政策維持が鮮明になってきたことから、円高再燃への懸念も払拭できず、株価上昇への足かせとなっているように思われます。
 新政権の政策運営能力については10月26日から始まった臨時国会を見ても、懸念が解消されるような感じではありません。外交や安全保障、経済政策などに対する明確な戦略が決まっていないため、政治がもたつき、中長期の施策に議論が進まない状態になっています。新政権が発足して間がないということもありますが、こうした状況では外国人の日本株買いは期待できません。外国人買いが入らないと日本株は上昇しないため、今後も上値は重いと見た方がいいでしょう。

 売られすぎ銘柄を狙うのも一法

 先週末にTOPIXが10月5日に付けた安値(867ポイント)を下回ったため、今週は日経平均の下値が意識される展開になりそうですが、基本的な考えは変わっていません。当面の下値メドは9500円前後、下がっても7月安値の9000円を割り込むことはないと考えています。世界景気の先行き懸念が払拭されたわけではありませんが、下げる場面があったら格好の買い場と考えるべきでしょう。
 決算発表は先週で一巡しました。今週以降、買い手掛かり材料がなくなりますが、こうした中では投資の王道である好業績の割安銘柄を狙うしかありません。ただこのところ指数と全体相場は別物のような動きをしており、225に採用されていない銘柄では急落に見舞われているものも少なくありません。体感的には10月下旬以降、全面安相場が続いているといってもおかしくない状態になっていますので、追い証を避けるための売りやパニック売りからオーバーシュート気味に売られている銘柄も少なからず出ています。こうした銘柄を狙うのも一法でしょう。
 また内需関連株の中には株価が底値圏にあるのに一段安するものも散見されます。人口の減少や政策不透明感などから成長が見込めづらくなっているため、大株主の生保などがリスク資産を圧縮しようとしているからでしょう。内需株を買う場合には生保の持ち株比率をチェックする必要があるように思います。

2009年11月9日号

 新政権の政策運営能力懸念が株価の重しに

 東京市場は調整色の強い動きが続いていますが、方向感も喪失しています。決算発表が佳境に入っていますが、それを除くと国内にはこれといった買い手掛かりとなる材料がありません。NY市場など外部要因を受けて上げたり下げたりしたあとはそのまま膠着感の強い動きが続くという状態です。日経平均の高安の値幅も100円を下回る日が多く、まさに手詰まり状態。売買代金も低調で、活況の目安とされる2兆円を35営業日連続で下回っています。 
 発表される7~9月期決算は想定よりいいように思いますが、全体的に見れば株価にそれが反映されません。下期以降の景気や業績に不透明感が強く、先行きを見極めたいとのムードが背景にあることは分かりますが、それは先進国すべてに共通した問題。主要国の株価と比較し、力のなさが際立っています。理由は色々考えられますが、突き詰めれば以下の2点に集約されるのではないかと思われます。第1は円高進行に対する懸念、第2は民主党を中心とした連立政権の政策運営に対する懸念。
 このうち円高懸念については1ドル=88円台まで現実に円高が進んだこと、極端な円高には介入も辞さずとの財務相の強い意思表明もあってかなり織り込まれたとみられます。1ドル=95円程度まで円安にならないと為替に対する投資家の懸念は消えないとは思いますが、すでに相場の押し下げ要因ではなくなっています。
 いま残っているのは新政権の政策運営能力に対する懸念ですが、これについては10月26日から始まった臨時国会を見ても、懸念が解消されつつあるような感じではありません。安全保障や経済政策などに対する明確な戦略が決まっていないため、政治がもたつき、中長期の施策に議論が進まない状態になっています。新政権が発足して50日ちょっとですから仕方ない面もありますが、こうした状況下では外国人の日本株買いは期待できません。外国人買いが入らないと日本株は上昇しないため、今後も調整色の強い相場が続きそうです。

 狙い目となるのは売り込まれ底値圏にある銘柄

 10日発表した10月の米雇用統計は予想を下回ったものの、雇用者数の減少幅は前月より縮小しており、雇用悪化のペースは緩やかになっています。これを受け同日のYNダウは3日続伸し、10000ドルの大台を維持して引けました。日本株同様、米国株も上値が重くはなっていますが、急落するような状況ではありません。ただ、NYダウは3月の安値から約6ヶ月間で6割近くも上昇しているため、テクニカル的にはいつ調整があってもおかしくありません。景気の失速懸念もありますので、投資に当たっては半身の構えが必要でしょう。
 とはいえ日本株は調整を入れながら戻す形となっていますので、米国株が調整してもそれほど下げるとは思えません。下値メドは9500円前後、下がっても7月安値の9000円を割り込むことはないと考えています。世界景気の先行き懸念が払拭されたわけではありませんが、下げる局面があったら格好の買い場と考えるべきでしょう。
 決算発表は今週13日で一巡します。今週いっぱいは好決算を発表した銘柄が集中的われる展開となりそうですが、これまでの動きを見ていますと、下方修正を発表した企業もあまり下げず、中には悪材料出尽くしで大きく買われるケースも散見されます。日経225に採用されていない銘柄の多くは指数とは違って大きく売り込まれ底値圏でもみ合っていますので、そうした銘柄を狙うのも一法かと思います。

2009年11月2日号

 米国株に影響され乱高下も

 東京市場は調整色の強い動きとなっています。先週は27日から29日まで3日連続で日経平均株価が1.3%以上下げる「「3陰連」を記録するなどヒヤッとする場面もありました。30日に1.4%強反発したため投資心理が冷え込むような状況にはなっていませんが、週間では248円(下落率2.4%)の下落。ローソク足が3日連続の陰線となる「3陰連」は相場が下げ局面入りしたサインといわれますが、経験則が必ずしも必ずしも当たるわけではありません。
 ただ30日の米国市場で米国株が大きく下落しているため、今週はその影響を受け乱高下する展開となりそうです。30日のNYダウの終値は9712ドル。前日比の下落幅は249ドル(下落率2.51%)で、4月下旬以来、約半年ぶりの大きさ。ハイテク株の比率の高いナスダック指数も52.44ポイント(下落率2.50%)安の2045ポイントと大きく下げています。同日のCMEの日経平均先物の終値は9715円。大証終値よりも235円安くなっていますので、今週は日経平均の下値メドがどこになるかも焦点となりそうです。
 米国株急落の主因は米景気に対する不透明感の高まり。29日には予想を上回る7~9月期のGDP発表を受けNYダウが大きく上昇する場面がありましたが、9月の個人消費支出が前月比0.5%減と5ヶ月ぶりにマイナスになったことで民需の弱さが改めて浮き彫りになりました。米国ではこのところ予想を下回る経済統計が相次いでいるだけでなく、好材料にも株価が反応しないケースが見られるようになっています。ザラ場ベースでみればNYダウは今年3月の安値から6ヶ月ちょっとで6割近くも上昇しているだけに、上値が重たくなっているのでしょう。

 売り込まれ、底値圏にある銘柄が狙い目

 米国株は戻りいっぱいの形になっておりチャートからは調整局面入りした可能性が強まっていますが、東京市場は動きがはっきりしません。ただ日本株は米国株ほど上がっておらず、またこれまで何度も調整を入れながら戻す形になっていますので、米国株が下がってもそれほど下げるとは思えません。下値メドは9500円前後、下がっても9000円を割り込むことはないと考えています。発表される4~9月期決算は予想よりはいい内容です。世界景気の先行き懸念が払拭されたわけではありませんが、下げる局面があったら格好の買い場と考えるべきでしょう。
 主要国の株式市場に比べ低迷が目立つ東京市場ですが、この低迷は世界的な株安局面時にその影響を和らげる効果も持ちます。米国株の調整があってもあまり下げないと見る要因のひとつにもなっています。
 東京市場が低迷してるのは円高に対する懸念と民主党を中心とした連立政権の政策運営能力に対する懸念背景にあるからでしょう。このうち円高懸念については1ドル=88円台まで現実に円高が進んだこと、藤井財務相の極端な円高には介入も辞さずとの強い意思表明でかなり織り込まれたとみられます。1ドル=95円程度まで円安にならないと投資家の懸念は消えないと思いますが、すでに相場の押し下げ要因ではなくなっています。
 新政権の政策運営能力についても、先週から国会で与野党の論戦が始まっていますので、徐々に払拭されるのではないかと見られます。新政権に対して投資家が抱いていた獏とした不安がなくなれば、動きようがなかった投資家も動き出してくるはずです。
 外国人投資家の日本株買いなしに東京市場が大きく上昇するとは思えませんが、企業の決算発表がピークを迎えていますので、当面は好業績を発表した銘柄が買われる展開が続きそうです。ただ先週の動きを見ていますと、下方修正を発表した企業が悪材料出尽くしで買われるケースもみられました。日経225に採用されていない銘柄の多くが指数とは違って大きく売り込まれ、底値圏でもみ合っていますので、そうした銘柄を狙うのも一法かと思います。下方修正なら株価には織り込まれているはずですし、上方修正なら願ってもないことになるわけですから。

2009年10月26日号

 膠着状態で盛り上がりにかける展開

 東京市場は依然方向感のない動きが続いています。先週の日経平均株価の騰落幅はわずか25円(+0.25%)。20日には取引時間中の高値と安値の値幅が50円と4年ぶりの小ささに縮小、翌21日には前日比の変動幅が1.40円と約3ヶ月ぶりの水準まで低下しました。まさに膠着状態。売買代金も低調で、盛り上がりに欠ける展開となっています。
 主要国の株式市場が年初来高値を更新しているなかで特異な動きとなっています。日本株だけが低迷しているのはなぜか。理由は色々考えられますが、突き詰めれば以下の4点ではないかと思われます。第1は円高進行に対する懸念、第2は民主党を中心とした連立政権の政策運営に対する疑念、第3は米国景気の先行き不透明感の高まり、第4は外国人買いの減少による需給の悪化などです。
 このうち円高懸念については1ドル=88円台まで円高が進んだこと、藤井財務相が極端な円高には介入も辞さずとの強い態度を表明したことなどでかなり織り込まれたとみられます。現に外為市場では今月に入って円高修正の動きに変わりつつあります。1ドル=95円程度にならないと為替に対する投資家の懸念は消えないと思いますが、すでに相場の押し下げ要因ではなくなっています。新政権の政策運営についての疑念も、今週から召集される臨時国会で鳩山首相の「所信表明演説」が行われれば、徐々に払拭されるのではないでしょうか。鳩山首相が「日本をどの方向に引っ張っていこうとしているのか」明らかにし、それに対する野党の質疑応答が行われれば、投資家が抱いていた獏とした不安感みたいなものはなくなってくるはずです。そうなれば動きようがなかった投資家も動き出してくるでしょう。

 投資に当たっては半身の構えが必要に

 米景気についての不透明感の高まりは予想を下回る経済統計の発表が相次いでいること、改善に頭打ち傾向がみられることなどが原因。とはいえ米主要企業の7~9月期決算は市場予想を上回るものが多く、NYダウが1年ぶりの高値を付ける要因ともなっています。世界景気の動向を映す米グローバル企業が順調な業績を上げているだけに、世界規模で捉えれば新興国市場に支えられ景気は着実に回復しているのかもしれません。この点については簡単に結論を出すわけにはいきませんが、景気が2番底を付けるというケースも排除できないので、投資に当たっては半身の構えが必要でしょう。
 外国人投資家の日本株買いなしに東京市場が大きく上昇するとは思えませんが、今週以降、市場の地合いは徐々に良くなってくる可能性があります。主要企業の中間決算発表も本格化しますので、企業業績の先行きについても方向性みたいなものが見えてくる可能性があります。
 現在のところ物色の方向性ははっきりしませんが、この局面で狙い目となるのは好業績を発表した銘柄や売られすぎた銘柄などでしょう。円高修正の動きになりつつありますので、物色対象は内外需どちらでも問題ないと思います。

2009年10月19日号

 東京市場は戻りを試す展開に

 日経平均株価は1万円台を回復したものの、依然として方向感のない動きが続いています。先週の日経平均の上昇幅は241円(上昇率2.4%)となっていますが、日経平均採用銘柄の一部のセクターや特定の銘柄の上昇寄与度が大きく、実感としては週間で2.4%も上昇したという感じではありません。
 ただ、主要国の株式市場が相次いで年初来高値を更新しているのに比較し、東京市場の出遅れ感が強まっていることも事実。10月13日号で「東京市場を底を入れた可能性も」と指摘しましたが、先週の相場付きからその可能性はかなり高くなったように思います。先週は4営業日とも日経平均の日中値幅が100円未満にとどまる膠着色の強い相場展開で、売買代金も細ったままでなので、まだ底は入れていないと見る向きも多いかと思いますが、テクニカル的にはいつ反発してもおかしくない状態にあっただけに、今回の相場反転は戻りを試す動きに入ったとみるべきだと思います。
 
 狙い目は売られすぎの銘柄群
 
 主要国の株価が年初来高値を更新しているなかで日本株だけが低迷しているのはなぜか。理由は色々考えられますが、突き詰めれば以下の4点ではないかと思われます。第1は円高進行に対する懸念、第2は民主党を中心とした連立政権の政策運営に対する不透明さ、第3は米国景気の先行き不透明感の強まり、第4は外国人買いの減少による需給の悪化などです。
 このうち円高については1ドル=88円台まで現実に円高が進んだことや、藤井財務相が極端な円高には為替介入も辞さずとの強い態度を表明したことなどでかなり織り込まれたとみられます。新政権の政策運営についての不透明さも、今月26日に召集される臨時国会で鳩山首相の「所信表明演説」が行われるので、今後、徐々に払拭されると考えられます。鳩山首相が「日本をどの方向に引っ張っていこうとしているのか」を明らかにし、それに対する野党の質疑応答が行われれば、獏とした投資家の不安感みたいなものは払拭されるはずです。そうなれば動きようがなかった投資家も徐々に動き出してくるでしょう。
 米景気についての不透明感の高まりは予想を下回る経済統計の発表が相次いでいることが原因ですが、これについては先週からから本格化している主要企業の7~9月期決算発表をみてからということにりそうです。これまでのところはまずまずの業績内容で、NYダウが1年ぶりの高値を付ける要因ともなっています。
 外国人の日本株買いなしに株価が大きく上げるとは思えませんが、ここは東京市場が戻りを試す展開に入ったと考えて動くときではないかと考えます。現在のところ物色の方向性ははっきりしませんが、この局面で狙い目となるのは売られすぎた銘柄でしょう。円高懸念もかなり織り込んだと見られるので、物色対象は内外需どちらでも問題ないと思います。追い証に迫られてオーバーシュート気味に下げた銘柄もかなり見受けられたので、物色の方向性が出るまではそうした銘柄を狙うのが最善ではないかと考えます。

2009年10月13日号

 東京市場は底を入れた可能性も

 調整局面にあった東京市場ですが、先週は流れが変わった可能性も、と思わせる一週間でした。5営業日中、日経平均株価が下落したのは月曜日だけで、その後は4日続伸で引けるいい形で終っています。9日の日経平均の終値は10016円。約1週間ぶりに10000円の大台を回復しました。週間の上昇幅は285円(上昇率2.9%)。売買代金は低調で相場が回復局面に入ったという実感はありませんが、それまでが売られすぎ状態でいつ反転してもおかしくない状況にあっただけに、この反転は底入れの動きではないかと思えたからです。
 先週5日に付けた9674円が日経平均の目先の安値だと考えると、8月の年初来高値からの下落幅は965円(下落率は9.1%)となります。当社は様々なテクニカル指標から見ても、ここからの一段安はないと先週号の投資戦略レポートで指摘していました。騰落レシオや移動平均線からのカイリ率、ボリンジャーバンドなどあらゆるテクニカル指標が売られすぎのシグナルを発していたからです。下がったとしても9500円、最悪でも9000円程度だろうと指摘していました。
 今回はザラ場安値9628円まで下がってからの反発です。ザラ場比較では高値からの下落幅は1139円(下落率10.6%)。チャートからは今年3月を起点にした修復相場は崩れていないので、下落幅、下落率からみて反転の動きに入った可能性は充分あります。

 狙い目となるのは売られすぎ銘柄群
 
 主要国の株価が年初来高値を更新しつつある中でなぜ日本株だけが低迷しているのか。理由は色々あると思いますが、突き詰めれば以下の4点ではないかと考えられます。第1は円高進行に対する懸念、第2は民主党を中心とした連立政権の政策運営に対する不透明さ、第3は外国人買いの減少による需給の悪化、第4は米国景気の先行き不透明感の一段の強まりなどです。
 このうち円高については1ドル=88円台まで現実に円高が進んだこと、藤井財務大臣が極端な円高には為替介入も辞さずとの強い態度を表明したこと、などでかなり織り込まれたとみられます。連立政権の政策についての不透明さも、今月下旬に召集される臨時国会で鳩山首相の「所信表明演説」が行われるので、徐々に払拭されると考えられます。新政権の政策に対する与野党間の攻防も始まりますので争点も明らかになります。「国の方針」が決まらず動きようがなかった投資家は、外国人を含め徐々に動き出してくるとみるのが妥当ではないでしょうか。
 米景気についての不透明感の高まりは予想を下回る経済統計の発表が相次いでいることが原因となっていますが、これについては今週から本格化する主要企業の7~9月期決算発表をみてからということにりそうです。一方では企業業績は順調に回復しているとの見方も多く、先週末にNYダウが昨年10月以来、1年ぶりの高値を付ける要因ともなっています。
 外国人の日本株買いなしに東京市場が大きく上げるとは思えませんが、東京市場は戻りを試す展開に入った可能性が高くなったように思います。現在のところ物色の方向性ははっきりしませんが、この局面で狙い目となるのは売られすぎた銘柄でしょう。追い証に迫られてオーバーシュート気味に下げた銘柄もかなり見受けられたので、当面はそうした銘柄を狙うのがいいのではないかと思います。

2009年10月5日号

 東京市場は調整局面に

 日経平均株価は10000円の大台を割り込み調整局面入りしてきました。それまでの方向感のない相場が一変、流れがガラッと変わったような動きとなっています。日経平均の1週間の下落幅は534円(下落率5.2%)。心理的なフシ目75日線を一気に割り込み、株価の中期トレンドを示す26週線まで割り込んでいます。円高・ドル安の進行、民主党政権の政策運営に対する不透明さが重しになっているなか、米景気の先行き不安から米国株が軟調な動きになっているのが響いています。
 米国では予想を下回る経済統計が相次ぎ、景気の先行き不透明感がここへ来て一段と意識されるようになっています。8月の新築住宅・中古住宅販売戸数に続き9月のISM製造業景況感指数、9月の雇用統計までも予想を下回っています。2日発表の9月の雇用統計では非農業部門雇用者数が26万3000人の減少と8月(20万1000人減)より減少幅が拡大。米景気は底は入れているものの、官需依存の割合が強く、民間企業が雇用を増やせる状況にはなっていません。
 予想を下回る経済統計を嫌気して10月1日の米国市場でNYダウは203ドル(2.1%)安、ナスダック指数は64.94ポイント(3.1%)安と急落しました。ただ9月の雇用統計発表を受けた2日のNYダウは21ドル(0.2%)安、ナスダック指数は9ポイント(0.5%)安。安くはなっていますが下げは限定的なものにとどまっています。景気の先行き懸念を映して先行して下げていたからでしょう。NYダウも3月安値から5割も上昇しているため、調整局面入りしていると見られます。来週から本格化する主要企業の7~9月期決算が予想を上回る内容にならない限り、上値の重い動きが続くとみるべきでしょう。

 株価は売られすぎ状態に

 日経平均は8月に付けた年初来高値から1割近く下げ調整局面入りしていますが、ここからの一段安はないと考えています。理由の第1は騰落レシオが売られすぎとされる70%を割り込み69.55%まで低下していること。これは昨年10月以来約1ヵ年ぶりのことです。理由の第2は25日線からのマイナスカイリが5.6%と2ヶ月ぶりの水準に拡大したこと。そして第3がボリンジャーバンドがマイナス2シグマを突破したこと。ボリンジャーバンドがマイナス2シグマを下回って下げるケースはめったにありません。ストキャスティクスなど他のテクニカル指標も売られすぎのシグナルを発しており、テクニカル的にはいつ反発してもおかしくない状態になっています。
 一方、下値メドとして意識されるのは9500円。株価上昇が始まった3月以降の調整は今回で2回目となりますが、最初の6~7月の下げ幅(1085円)を今回のケースに当てはめれば9554円となり、これがまず下値メドとなります。それを割り込む相場展開となれば200日線や7月安値の9000円どころが次のフシとして意識されます。これまでの相場展開から9500円を割って株価が下げる可能性は低いと見ていますが、一段安するようであれば、そこは絶好の買い場と考えるべきでしょう。
 臨時国会が召集され、鳩山首相が「所信表明演説」をしたあとは、新政権がどういうことをしようとしているのか明らかになってきます。それ以降は、動こうにも動けなかった投資家が、外国人を含め徐々に動き出してくるのではないでしょうか。円高進行で輸出関連株は買いにくい状況になっていますので、好業績の内需株が買われる展開になるのではないかとみられます。

2009年9月28日号

 為替に左右される展開か

 東京市場は方向感のない相場が続いています。国内に買い手掛かり材料がないうえに、民主党を中心とした連立政権の政策に対する不透明感が強く、動こうにも動けない状態になっています。首相や閣僚からどんな発言が飛び出すか不安視する向きも多く、様子見姿勢を強める要因のひとつとなっています。
 こうした中、25日の海外市場で円相場が90円台を突破し、89円台に突入してきました。円高進行はこれまでも相場の重しになっていましたが、今回の90円突破はこれまでとは意味合いが違います。投資心理にはかなりのマイナスになると考えなければなりません。
 上場企業の業績予想などの前提になっている想定為替レートは1ドル=95円前後が中心。現在の円相場は多くの企業の想定を上回っており、9月中間決算発表が近づく中で輸出関連企業の業績下振れ懸念を強めることにもなりかねません。またこれ以上の円高は更なる構造改革を必要とする可能性もあるだけに、今週は為替に左右される相場展開となりそうです。

 狙い目は内需関連株

 東京市場は明確な買いセクターがなくなったような感じがします。外国人は今年4月以降、5ヶ月連続で日本株を買い越してはいますが、その買いは昨秋のリーマン・ショック後に売却した分を買い戻している面が強く、最近の投資主体別売買動向からもその買い戻しは終わったように思われます。
 寄り付き前の外国証券経由の売買動向をみても9月以降は売り越しになる日が多く、外国人買いは止まったような印象を受けます。外国人買いなくして日本株の上昇は考えにくいので、外部環境の好転がなければ東京市場の上値は重いと見なければなりません。
 とはいえここからの一段安はないと考えます。騰落レシオはすでに9月18日に77.1%まで低下、売られすぎとはいえないまでもそれに近い水準まで低下しています。市場では押し目を待っている投資家も多く、日経平均が心理的フシ目の1万円を大きく割り込むことはないと予想します。相場の基本レンジは1万円~1万500円。下がっても9500円程度ではないかとみられます。1万円割れがあったら絶好の買い場と捉えるべきでしょう。
 民主党を中心とした連立政権も今週からフル回転してきます。市場を覆っていた新政権の政策に対する不透明感は徐々に払拭されてくるはずです。円高進行で輸出関連株は買いにくい状況になっていますので、狙い目となるのは内需関連株。こう着感の強い相場ではありますが、個人の物色意欲は根強く、当面は材料の出た銘柄を個別に物色する相場が続くのではないかとみられます。

2009年9月24日号

9月24日号はお休みします。

2001年9月14日号

 為替動向が懸念材料に

 東京市場は方向感の定まらない相場になっています。日経平均が日毎に上げ下げを繰り返す鯨幕(くじらまく)相場は終わったものの、その後もどこを向いているか分からない状態が続いています。買い手掛かり材料がないうえに、次期民主党新政権の明確な政策ビジョンも見えず、動こうにも動けない状態となっています。売買代金も低調なまま。
  こうした中、11日のNY市場で円相場が1ドル90円台に急伸してきたため、今週は為替に左右される相場が続きそうです。上場企業の業績予想などの前提になる想定為替レートは1ドル=95円前後が中心。このまま円高が進めば輸出企業の収益を大幅に押し下げる恐れがあるだけに要注意でしょう。欧米アの主要国市場に比べ回復が遅れている東京市場の勢いを削ぐ可能性もあり、投資家の様子見姿勢を助長しかねない可能性もあります。

 1万円割れがあったら絶好の買い場

 需給面から見た場合、東京市場では明確な買いセクターがなくなったような感じがします。外国人は今年4月以降、日本株を買い越してはいますが、外国人の買い越しは昨秋のリーマン・ショック後に売却した分を買い戻している面が強く、週間の投資主体別売買動向から見てもその買い戻しは終わりつつあるように思われます。寄り付き前の外国証券経由の売買動向もこのところ売り越しになる日が目立っています。外国人買いが止まれば日本株は上昇する背景を失うだけに気になるところです。
 鯨幕相場が終わり市場では相場が上下どちらに放れるかに関心が集まっているようですが、ここからの株価の一段安はないと考えます。騰落レシオはすでに88.1%まで低下しており、売られすぎ状態とはいえないまでも、それに近い水準まで低下しています。市場では押し目を待っている投資家も多く、日経平均が心理的フシ目の1万円を大きく割り込むことはないと予想します。相場の基本レンジは1万円~1万500円。下がっても9500円程度ではないかとみられます。1万円割れがあったら絶好の買い場と捉えるべきでしょう。
 首相指名選挙は今週16日に行われます。鳩山新政権スタート後は民主党政権が打ち出そうとしている政策が具体化してきますので、市場を覆っている不透明感は払拭されます。円高進行で輸出関連株は買いにくい状況になっていますので、狙い目となるのは内需関連株。こう着感の強い相場ですが、個人の物色意欲は根強く、当面は材料の出た銘柄を個別に物色する個別株相場が続くのではないかと見られます。

2009年9月7日号

 方向感のない相場展開に

 東京市場は調整局面に入ってきたようです。日経平均株価が日毎に上げ下げを繰り返す14日連続の鯨幕(くじらまく)相場は先週3日で途切れたものの、依然相場の方向感は見えてきません。買い手掛かり材料がないうえに、次期民主党新政権の明確な政策ビジョンも見えず、週末に米雇用統計発表を控えていたことなどが、こうした相場を演出しているといえなくもありません。売買代金も低調。
 4日発表された8月の米雇用統計で非農業部門の雇用者数は前月から21万6000人減少し、7月改定値(27万6000人減)から減少幅が縮小しました。失業率は9.7%と26年ぶりとなる水準まで上昇していますが、失業者増加の勢いはかなり弱まっています。8月のIMS製造業景況感指数が好不況の分かれ目である50を1年7ヶ月ぶりに超えるなど米景気は底入れしつつありますが、企業が雇用を増やすほど経済環境は好転しておらず、雇用情勢は依然厳しい状況が続いています。
 4日の米株市場は非農業部門の雇用者減少幅が予想より少なかったことを好感し、NYダウが96ドル高、ナスダック指数が35ポイント高と大幅に上昇しました。CMEの日経平均先物も大証終値比110円高の10330円で引けています。今週の東京市場はこれにサヤ寄せする形で高く始まりそうですが、米国株も日本株同様、上値の重い展開が続いています。NYダウも3月安値から5割近く上昇しているだけにいつ調整してもおかしくありません。当面はそのことも念頭に入れて相場に臨んだほうがいいように思います。

 日経平均の基本レンジは1万円~1万5000円

 外国人は4月以降、5ヶ月連続で日本株を買い超していますが、8月の買越額は5811億円と7月の1兆101億円から激減しています。寄り付き前の外国証券経由の売買動向もこのところ売り越しになる日が目立っており、外国人買いに変化の兆しが出て来たのではとみられるようになっています。外国人買いが止まれば日本株は上昇する背景を失うだけに気になるところです。
 為替もここへ来て円高に振れつつあります。鯨幕相場が終わり、「上下どちらに放れるか」に市場の関心が向いているときだけに為替動向には注意が必要でしょう。1ドル=90円割れのケースでは日経平均が1万円を割り込むことも予想されます。ただ相場の基本レンジは1万円~1万500円。下がっても9500円程度ではないかとみられます。1万円割れがあったら絶好の買い場と捉えるべきでしょう。
 注目の首相指名選挙は来週16日に行われます。鳩山新政権スタート後は民主党政権が打ち出そうとしている政策が明らかになってきますので、新政権の行方に対する不透明感はなくなりますが、それまでは政権交代・引き継ぎルールも決まっていないため、政治の空白状態が続くことになりそうです。今週も方向感の定まらない相場が続くのではないでしょうか。

2009年8月31日号

 材料株中心の相場展開に

 東京市場は高値圏で足踏み状態が続いています。株価指数先物主導で上下する動きが続いており、主体的な相場形成が出来ていません。日経平均株価は騰落を交互に繰り返す鯨幕相場(鯨幕)が28日まで11日営業日続いており、方向感を欠く展開となっています。国内に買い手掛かり材料がないなか、海外要因に左右される傾向が強く、政権交代の可能性が高い衆院選を控えていることもあって、売り買いどちらにもスタンスを傾けにくくなっていることがこうした相場演出しているといえなくもありません。
 売買代金も低調。日経平均株価は3月のバブル崩壊後の安値から5割も戻した後だけに、高値圏でこうした動き(=鯨幕相場)になったら調整してもおかしくありませんが、そうした動きにもなっていません。商いは細ったままですが、不思議なことに市場の買い気は衰えていません。新型インフルエンザ関連や好材料が発表された銘柄が集中的に買われる展開になっているのはその表れでしょう。大きく捉えれば世界景気は快方に向かっているとの認識が背景にあるからではないかと思います。上場企業の4~6月期決算発表が終了し、市場が物色難に陥っているときだけに、今後も好材料の出た銘柄は集中的に買われる展開が続きそうです。 

 パラダイム転換で今週は今後の流れを見極める大切な週に

 25日発表された6月の米ケース・シラー住宅価格指数は主要10都市平均で前月を1.4%上回りました。2ヶ月連続の上昇で、急落が続いていた住宅価格に下げ止まり感が出る内容でした。四半期でみても4~6月期は前期比2.9%の上昇で、3年ぶりのプラスに転じています。26日発表した7月の新築1戸建て住宅販売戸数も4ヶ月連続のプラスとなり、住宅市場は底入れしつつあるとの見方が広がっています。雇用情勢が厳しいため、住宅市場がこのまま「下げ止まり→底入れ→回復」となるか分かりませんが、落ち込みが止まるだけでも米景気にはプラスとなります。
 ただ米国株も日本株と同様、上値の重い展開になっています。NYダウも今年3月の安値から5割近く上昇しているだけにいつ調整してもおかしくはありません。日本株を含め当面はスタンスを一方に傾けるのではなく、どちらにも対応できる半身の姿勢が必要ではないかと思われます。
 投資主体別売買動向をみると外国人は4月以降、日本株を1兆8000億円近く買い超していますが、8月第3週(17~21日)は6週間ぶりに売り越しています。寄り付き前の外国証券経由の売買動向も27、28日と売り越しとなっており、買い越し基調に変化の兆しが出て来たのか気になるところです。外国人買いが止まれば日本株は上昇する背景を失うだけに調整局面入りが避けられません。
 ただ今週は選挙明けとなります。選挙結果は分かっているものの、30日投開票の衆院選の結果を見てからでないと動けないというのが大多数の投資家の見方でしょう。優勢が伝えられている民主党が過半数の議席を獲得して政権を取ったら、日本経済やマーケットを覆っている閉塞感みたいなものが払拭される可能性があると考えるのは間違いでしょうか。
 太平洋戦争に負けても変わらなかった「明治維新以来の日本の中央集権体制」が本当に変わるのであれば、外国人も評価するでしょう。日本にとっては今回の選挙はある意味では「革命」に近いものかもしれません。パラダイム転換となりますので、物色の方向性は現段階でははっきりしません。今週は今後の相場の流れを見極める大切な週となりそうです。

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