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投資戦略レポート

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2016年11月21日号

 「宴」の後を見据えた準備が必要

トランプ・ラリーで日経平均株価は1月6日以来、約10カ月ぶりの高値に進んできました。18日の終値は17967円。週間では593円(3.4%)の上昇となっています。積極的な財政政策が実施されるとの期待から金利が上昇し、株高、ドル高の流れが続いています。円相場は1㌦=110円台まで下落、米大統領選の結果次第では100円割れもとの予想とは真逆の結果となっています。
東京市場は「トランプ狂想曲」ともいえる大幅高を演じましたが、こんな派手な動きがいつまでも続くとは思えません。ザラ場ベースで見たこの7日間の上昇幅は1932円(12.0%)にもなります。騰落レシオは134.15%と買われすぎとされる120%を3日連続で上回っています。長期金利がプラス圏に転じてきたことで物色の圏外に置かれていたメガバンク株まで大きく上昇しています。売り方の買い戻しで上げている面も大きいと思いますが、トランプ氏の具体的政策はまだはっきりしません。期待先行で上げている面が大きいとみられるため、いまは「宴」の後を見据えた準備をする時ではないかと考えています。

 市場はカオス状態に

18日の米国株は下落しました。NYダウは前日比35ドル(0.2%)安の18867ドルとなり、ハイテク株比率の高いナスダック指数は同12㌽(0.2%)安の5321で引けています。主な株価指数が過去最高値圏で推移している中、週末とあって利益確定の売りが優勢となりました。長期金利の上昇で主要通貨に対してドル高が続いていることも市場心理を冷やしたようです。ただ景気の底堅さなどを好感した買いも入りやすく、下値は堅かったとのことです。これを受けたCME日経平均先物は日経平均終値比32円高の18000円で引けています。
外国人は11月第2週(7~11日)に日本株を大幅に買い越しました。買い越しは2週ぶりで、買越額は4006億円と4月第3週(5320億円)以来、7カ月ぶりの大きさとなっています。トランプ次期大統領の政策への期待から海外マネーが戻ったようです。9日はトランプ・ショックで急落していましたので、10、11日の2日間で猛烈な買いを入れたようです。今後も買いが継続するかは不明ですが、トランプ新大統領の政策で米景気が一段と好転すれば日本株にはプラスとなりますので、期待したいところです。
13週線と26週線が7週連続でゴールデンクロスを維持するなどテクニカル面からは上にいきそうな状況ですが、市場は前述のような「宴」状態となっていますので、いまは先行きを見極めるときではないかとみています。決算発表期間中に「トランプ・ショック」と「トランプ狂想曲」を経験しましたので、市場はカオス状態となっています。買い上げられたもの、取り残されたもの、そして売られたもの、この3パターンがあると思います。相場の動きの把握ができていないので、今はその把握に努めるときでしょう。無理に動く必要はないと考えています。

2016年10月31日号

 半年ぶりの高値に進む

日経平均株価はレンジ内の往来相場を抜け出し、半年ぶりの高値に進んできました。先週は5営業日中、4営業日で上昇、週間では262円(1.5%)の上昇となりました。米大統領選で民主党のクリントン氏が優勢と伝わったほか、為替の円安傾向を受け、業績懸念が後退、外国人買いを支えに上昇する動きとなっています。
日経平均株価は13週線と26週線がゴールデンクロスを形成している中、三角保ち合いを上抜ける形となっています。フシ目の52週線の上方に抜けたことでチャート上は上昇余地が広がるいい形になっています。 日銀のETF買いで下値不安が後退したことが背後にありますが、ファンダメンタルズや外部環境を考えたらチャートどおり上に行くも言いにくい状況です。7~9月期決算発表が本格化しましたので、その内容次第ではないかとみています。

 好決算発表銘柄が狙い目も、高値圏にある銘柄は避けた方が無難

21日の米国株は下落しました。NYダウは前日比8ドル(0.0%)安の18161ドルとなり、ハイテク株比率の高いナスダック指数は同25㌽(0.5%)安の5190で引けています。7~9月期の実質GDPが2.9%増と予想を上回ったことを受け、買い先行の始まりとなりましたが、午後に入り下げに転じました。大統領選の民主党候補クリントン氏が国務長官時代に私用メールを公務に利用していた問題を巡りFBIが再捜査することが明らかとなり、大統領選の混迷が深まるとの見方からリスクを避ける動きが強まりました。これを受けたCMEの日経平均先物は17390円と日経平均終値比56円安で引けています。
外国人は10月第3週(17~21日)も日本株を買い越しました。3週連続の買い越しで、累計買越額は4667億円に達しています。3週連続の買い越しは今年4月1~3週以来です。米大統領選での不安後退や円高懸念が後退したことで買いに動いたようです。外国人は今年に入って6兆1000億円超も売り越していただけに、買い戻しに転じた可能性は十分あります。 期待したいところです。
日経平均が三角保ち合いを突破し半年ぶりの高値に進んだことで、市場の雰囲気は良くなっています。これまで「今は今後の動きを見極めるとき」だとしていましたが、決算発表が始まりましたので、ここは動くときでしょう。決算発表期間中は決算だけが株価材料となりますので、その見極めが重要となります。好決算発表銘柄が狙い目となりますが、これまでのところ好決算を発表しても売られるケースが目立ちましたので、銘柄選定には細心の注意が必要です。高値圏まで上昇している銘柄は避けた方が良さそうです。
なお11月7日号、14日号はお休みとします。

2016年10月24日号

 13週線と26週線がGCを形成している中、三角保ち合いを上抜ける

日経平均株価はレンジ内の往来相場になっていましたが、先週、その上限を突破し、17000円台を回復しました。約半年ぶりの高値で、週間では328円(1.9%)の上昇となっています。米大統領選のテレビ討論会で民主党のクリントン氏が優勢と伝わり、先行き不安が後退するとみた海外短期筋が買いを入れ、先物主導で上昇する展開となりました。ただ翌21日は心理的フシ目の17000円を回復したことで短期的な過熱感が意識され、利益確定売りなどに押される動きとなっています。
先週の上昇で、13週線と26週線が5週連続でゴールデンクロスを形成している中、日経平均は三角保ち合いを上抜ける形となりました。株価がフシ目の52週線の上方に出たことで、チャート上は上昇余地が広がるいい形になっています。
背後には日銀のETF買いで下値不安が後退したことがありますが、かといってファンダメンタルズや外部環境を考えれば、チャートどおりに上に行くとも言いにくい状況です。今週から決算発表が本格化しますので、その内容にかかっているように思います。

 好決算発表銘柄が狙い目

21日の米国株はまちまちの動きでした。NYダウは前日比16ドル(0.1%)安の18145ドルとなり、ハイテク株比率の高いナスダック指数は同15㌽(0.3%)高の5257で取引を終えています。朝方はGEやベライゾン・コミュニケーションズ、トラベラーズなど決算が振るわなかった銘柄が大幅に下げ、指数を押し下げましたが、マイクロソフトやマクドナルドが市場予想を上回る決算を手掛かりに大幅に上昇し、相場を支えました。ダウ平均は一時下げ幅が110ドルを超える場面がありましたが、次第に下げ幅を縮小し、小幅高に転じる場面もありました。これを受けたCMEの日経平均先物は17235円と日経平均終値比50円高で引けています。
外国人は10月第2週(11~14日)も日本株を買い越しました。2週連続の買い越しで、買越額は1131億円。前週の2805億円からは減少していますが、そこそこの金額です。買い越しに転じたとはまだ云えませんが、今年に入って6兆1000億円超も売り越していただけに、買い戻しに転じた可能性は十分あります。 期待したいところです。
外部環境が不透明で先行きは読みにくくなっていますが、日経平均が三角保ち合いを突破するなど市場の雰囲気は良くなりつつあるように思います。いまは今後の動きを見極めるときだとみていますが、今週後半からは上場企業の7~9月期決算発表が本格化します。決算発表期間中は決算だけが株価材料となりますので、その見極めが重要となります。好決算発表銘柄が狙い目となりますが、これまでのところ好決算を発表しても売られるケースも目に付きますので、銘柄選定には細心の注意が必要です。

2016年10月17日号

 レンジ内の往来相場に

日経平均株価はレンジ内の往来相場になっています。7月29日の日銀の追加緩和でETFの買い入れ額を年3.3兆円→6兆円に増やすことが決まって以降、2カ月以上もこうした動きが続いています。週足チャートや月足チャートを見れば上に行きそうな形になっていますが、ファンダメンタルズや外部環境を考えればそれは無理ではとの見方が出てきても否定できない、そういう状況になっています。ただ下がった局面では日銀のETF買いが入る可能性が強く、下押しするような雰囲気ではありません。結果として往来相場が続かざるを得ない状況になっています。
7月の日銀金融政策決定会合で、長期金利を0%程度で推移するように国債の買い入れを調整することが決まりました。長期金利が上がるということは銀行の収益にはプラスで、生保など機関投資家には運用環境の好転となりますが、マイナス圏にあった金利がゼロ近辺まで上昇することは金融引き締めを意味します。日銀のETF購入がTOPIX連動型にも広がったことで歪な相場形成は和らいではいますが、相場のダイナミズムはなくなり先行きは相当読みにくくなっています。

 好決算発表銘柄が狙い目

14日の米国株は上昇しました。NYダウは前日比39ドル(0.2%)高の18138ドルとなり、ハイテク株比率の高いナスダック指数は同0.828㌽(0.0%)高の5214で取引を終えています。JPモルガン・チェースやウェルズ・ファーゴ、シティグループなど米銀大手の7~9月期決算が市場予想を上回ったことから、これから本格化する主要企業の決算への期待が高まり、買いが広がる形となりました。ただ取引終盤にかけてはNY連銀のダドリー総裁が、ウォール・ストリート・ジャーナルとのインタビューで利上げは「年内を予想する」と述べたと伝わり、上げ幅を縮小。上値の重い動きとなりました。これを受けたCMEの日経平均先物は16880円と日経平均終値比23円高で引けています。
外国人は10月第1週(3~7日)に日本株を6週ぶりに買い越しました。買越額は2805億円と約3か月ぶりの大きさでした。前の週は1887億円売り越しでしたから大幅な買い越しとなります。これで売り越しが終わったとはみていませんが、上場企業の業績見通しが見えてきたら運用スタンスも定まり、動きは変わってくるのではとみています。
相場には方向性がなく買い手掛かり材料も乏しくなっています。先行きは読みにくくなっていますが、市場の雰囲気は悪化してはいません。いまは今後の動きを見極めるときだとみていますが、今週後半からは上場企業の7~9月期決算発表が始まります。決算発表期間中は決算だけが株価材料となりますので、見極めが重要となります。好決算発表銘柄が狙い目となりますが、好決算を発表しても売られる銘柄が目に付きますので、銘柄選定は細心の注意が必要です。

2016年10月3日号

相場のダイナミズムが失せる形に

東京市場は方向感のない動きになっています。前日に大幅高したかと思えば翌日は大幅下落となるなど、海外発の材料に振り回される展開が続いています。先週、日経平均株価は3営業日で下落、2営業日で上昇、終値は16449円と週間で305円(1.8%)下落しました。為替相場やドイツ銀行の経営悪化問題に振り回される動きになっています。ただ日銀のETF買いが継続的に入っているため、底割れするような雰囲気ではありません。9月12日~30日までの13日間で、日銀のETF買いは10回にも及んでいます(購入額は各733億円)。これでは底割れする雰囲気が出ないのも当然です。 ただこれが相場のダイナミズムを失わせ、方向感のない相場になっている一因にもなっています。
9月20~21日の日銀金融政策決定会合で、長期金利を0%程度で推移するように国債の買い入れを調整することが決まりました。長期金利が上がるということは銀行の収益にはプラスで、生保など機関投資家には運用環境の好転となりますが、マイナス圏にあった金利がゼロ近辺まで上昇することは金融引き締めを意味します。日銀のETF購入がTOPIX連動型にも広がったことでいびつな相場形成は和らぐことにはなりますが、相場の先行きは相当読みにくくなったように思います。

方向性が見えてくるまでは様子見も一法

30日の米国株は大幅に上昇しました。NYダウは前日比164ドル(0.9%)高の18308ドルとなり、ハイテク株比率の高いナスダック指数も同42㌽(0.8%)高の5312で取引を終えています。 欧州系通信社が、ドイツ銀行が米司法省に支払う和解金が約54億ドルで決着すると報じたことを受け、米市場に上場するドイツ銀行株が急伸、同行の経営に対する過度な不安が後退する形になりました。司法省が当初140億ドルの和解金を要求していたため、負担軽減への思惑がドイツ銀株を始め、買い戻しを誘う形となりました。原油先物相場の上昇が続いてことも買い安心感を誘ったようです。これを受けたCMEの日経平均先物は16550円と日経平均終値比100円高で引けています。今週はこれにサヤ寄せする形で堅調な始まりとなりそうです。
外国人は9月第3週(12~16日)も日本株を売り越しました。売越額は1019億円。このところ10週連続で売り越しと買い越しを繰り返していましたが、それが3週連続売り越しとなっています。しかし売り越しに転じたとは見ていません。売越額は前週の4805億円から大きく減少しています。日本株に対する明確な運用スタンスが定まっていないからだと見ています。上場企業の業績見通しが見えてきたら動きは変わってくるはずです。
相場には方向性が見えず買い手掛かり材料も乏しくなっています。先行きも読みにくくなっていますが、市場の雰囲気は悪化してはいません。いまは今後の動きを見極めるときではないかとみています。物色難の状態も変わっていないので、方向性が見えてくるまでは様子見も一法とみています。
なお次週10月11日号はお休みします。

2016年9月26日号

 相場は先行きが読みにくくなる

日経平均株価は3か月ぶりに17000円台を回復した後、調整し、再び方向感の定まらない動きになっています。日経平均は先週、3営業日中、2営業日で下落、終値は16754円と前週末比235円(1.4%)高で引けました。営業日数が少なかったことや日米の金融政策発表を21日に控えていたこともあって、方向性は感じられません。
日銀金融政策決定会合ではマイナス金利の深掘りを見送り、長期金利を0%程度で推移するように国債を買い入れることを決めたほか、ETF買い入れでは6兆円の購入枠のうち日経平均型だけでなくTOPIX型の購入も3兆円にすることが決められました。その後、開かれた米FOMCでは金融政策の現状維持が決まりました。
この決定を受け、21日には日経平均が315円(1.9%)と急伸し、円相場も1㌦=102円台まで円安・ドル高が進みましたが、FOMCの結果発表後は逆の動きとなり、相場を読みにくくしています。マイナス金利の深掘りがなく長期金利が上がるということは銀行の収益にはプラスで、生保など機関投資家には運用環境の好転となりますが、マイナス圏にあった長期金利がゼロ近辺まで上昇するのは金融引き締めということになります。TOPIX型ETFの購入でいびつな相場形成は和らぐことにはなりますが、評価困難な内容で、相場の先行きは相当読みにくくなったように思います。といって下に行く雰囲気ではありません。

 方向性が見えてくるまでは様子見も一法

23日の米国株は下落しました。NYダウは前日比131ドル(0.7%)安の18261ドルとなり、ハイテク株比率の高いナスダック指数も同33㌽(0.6%)安の5305で取引を終えています。新規の買い材料が乏しい中、主要な株価指数が過去最高値圏で推移していたため、利益を確定する売りが優勢となりました。原油先物相場が下落したことも投資家心理を冷やしたようです。これを受けたCMEの日経平均先物は16570円と日経平均終値比184円安で引けています。今週はこれにサヤ寄せする形で軟調な始まりとなりそうです。
外国人は9月第1週(5~9日)も日本株を売り越しました。売越額は3338億円と大きくなっています。このところ10週連続で売り越しと買い越しを繰り返していましたが、それが途切れました。しかし売り越しに転じたとは見ていません。日本株に対する明確な運用スタンスが定まっていないからだと見ています。上場企業の業績見通しが見えてきたら動きは変わってくるはずです。
相場には方向性が見えず買い手掛かり材料も乏しくなっています。先行きも読みにくくなっていますが、市場の雰囲気は悪化してはいません。いまは動きを見極めるときではないかとみています。物色難の状態も変わっていません。方向性が見えてくるまでは様子見も一法とみています。

2016年9月12日号

 潮目が変わる可能性も

日経平均株価は3か月ぶりに17000円台を回復した後、再び方向感の定まらない動きになっています。日経平均は先週、5営業日中、3営業日上昇、週間では40円上昇して引けました。市場の雰囲気は良くなっていますが、日経平均の日中値幅は縮小傾向にあり、商いも盛り上がりに欠ける展開となっています。
物色面からみれば手詰まり状態に陥っていますが、下に行くような感じはありません。日銀のETF買いの思惑が指数を支えているためですが、上に行くような相場付きでもありません。ただ日経平均の日足チャートは三角保ち合いの最終局面に近づいています。週足や月足チャートは叩かれても叩かれても下げなくなっています。想定される悪材料をほとんど織り込んだため、下には行きたくないかのような動きになっています。
「強気相場は悲観の中で生まれる」と云われます。先々週までの市場は 悲観とまではいきませんが、雰囲気はそれに近いものではなかったかと思います。しかし相場は大衆の見方とは逆の方向に動きます。膠着相場の潮目が変わる可能性も出てきたのではとみています。期待したいところです。

 方向性が見えてくるまでは様子見も一法

9日の米国株は大幅に下落しました。NYダウは前日比394ドル(2.1%)安の18085ドルとなり、ハイテク株比率の高いナスダック指数も同133㌽(2.5%)安の5125となっています。 NYダウの下落幅は約2カ月半ぶりの大きさ。金利上昇懸念が響きました。ECBが8日の理事会で量的緩和の延長に踏み切らなかったうえ、FOMCで投票権を持つボストン連銀のローゼングレン総裁が9日の講演で、金融政策の正常化を続けることに前向きな姿勢を示したことで、欧米主要国の国債利回りが上昇、投資心理が悪化しました。これを受けたCMEの日経平均先物は日経平均終値比310円安の16655円で引けています。今週はこれにサヤ寄せする形で大幅安で始まりそうです。
外国人は8月第5週(29~9月2日)に2週ぶりに日本株を売り越しました。売越額は642億円。このところ10週連続で売り越しと買い越しを繰り返しています。日本株に対する運用スタンスが定まっていないからだと思われますが、上場企業の業績見通しがはっきりしてくるまではこうした動きが続く可能性があります。
決算発表が一巡したことで買い手掛かり材料は乏しくなっていますが、市場の雰囲気は良くなっています。潮目が変わった可能性もありますので、ここは動きをしっかりと見極めるときでしょう。物色難の状況は変わっていません。米国株が急落していることもあり、方向性が見えてくるまでは様子見も一法とみています。相場の流れが変わったら銘柄はどんどん出て来ます。
なお9月20日号はお休みさせていただきます。

2016年9月5日号

 潮目が変わる可能性も

方向感の定まらない動きになっていましたが、日経平均株価は先週、5営業日中、3営業日上昇し、3か月ぶりの高値に進んで来ました。終値は16925円で週間の上昇幅は188円(1.12%)。心理的フシ目の17000円にあと少しとなっています。
物色面からみれば手詰まり状態になっていますが、高値を取ってくる不思議な相場となっています。日銀のETF購入枠拡大以降、よく分からない相場付きになっていますが、意外なことに相場の地合いは良くなっています。週足や月足チャートを見れば分かりますが、チャートは叩かれても叩かれても下げなくなっています。想定される悪材料をほとんど織り込んだため、上に行きたがっているかのようです。
「上昇相場は悲観の中で生まれる」と云われます。 悲観とまではいきませんが、先週までの市場の雰囲気はそれに近いものではなかったかと思います。しかし相場は大衆の見方とは逆の方向に動きます。膠着相場の潮目が変わる可能性も出てきたように思います。

 いまは動きをしっかりと見極めるとき

2日の米国株は上昇しました。NYダウは前日比72ドル(0.4%)高の18491ドルとなり、ハイテク株比率の高いナスダック指数も同22㌽(0.4%)高の5249で引けています。 8月の雇用統計で非農業部門の雇用者数が前月から15万1000人増えたものの、市場予想の平均値(18万人)を下回ったため、FRBによる9月の追加利上げ観測が後退し、買いが優勢となりました。FRBは追加利上げを急がないとの見方に加え、重要イベントを波乱なく終えたことも買い安心感につながったようです。これを受けたCMEの日経平均先物は2日の日経平均終値比204円高の17130円と心理的フシ目の17000円を回復して引けています。今週はこれにサヤ寄せする形で堅調な始まりとなりそうです。
外国人は8月第4週(22~26日)に2週ぶりに日本株を買い越しました。買越額は1713億円。このところ9週連続で買い越しと売り越しと繰り返しています。日本株に対する運用スタンスが定まっていないからだと思われます。上場企業の業績見通しがはっきりしてくるまでは、こうした動きが続く可能性があります。
決算発表が一巡したことで買い手掛かり材料は乏しくなっていますが、前述したように相場の地合いは良くなっています。潮目が変わった可能性もありますので、ここは動きをしっかりと見極めるときでしょう。ただ物色難の状況は変わっていないので、方向性が見えてくるまでは様子見も一法とみています。相場の流れが変わったら銘柄はどんどん出て来ますので、いまの物色難を気にする必要はありません。

2016年8月29日号

 歪みが増し難しい局面に

東京市場は方向感の定まらない動きになっています。先週、日経平均株価は5営業日中、3営業日下落、終値は16360円と前週末比185円(1.1%)安で引けました。26日が前日比195円安となったため1%以上の下落となっていますが、25日終値は16555円で、前週末比ではわずか10円高と凪のような相場付きでした。
26日の195円安もよく分からない下げでした。米ジャクソンホールでのイエレンFRB議長の講演を控えていたとはいえ、為替相場から見ても1%以上も下げるような雰囲気ではありませんでした。それが下げたのは日銀のETF買いへの失望があったからかもしれません。日銀は7月29日の金融政策決定会合でETF購入額を年3.3兆円から6兆円に増額すると発表、その後、2回、ETFを707億円ずつ買いました。25日も3回目として707億円買ったのですが、同日の日経平均株価は前日比41円安と安く引けていました。
日銀のETF買いが分かったのは同日引け後です。707億円の大量買いを入れたものの、下げたということが事前に買っていた向きを含め、失望売りを誘ったのではないかとみています。PKO的相場になっている面もあるため、何を基準に売買したらいいのか分からなくなっていますと指摘してきましたが、日銀のETF買いをきっかけに投資家の悩みは深まっています。株価の歪みが増しているこの環境下でどう対処するか。難しい局面に来ているように思います。

 物色の方向性が見えてくるまでは様子見も一法

19日の米国株はまちまちの動きでした。NYダウは3日続落し前日比53ドル(0.3%)安の18395ドルとなり、ハイテク株比率が高いナスダック指数は3日ぶりに反発し、同6㌽(0.1%)高の5218で引けています。 イエレンFRB議長がジャクソンホールで追加利上げの具体的な時期の言及は避けたものの、金融政策の引き締めを支持する「タカ派」の姿勢をにじませたことで、市場は「緩やかな利上げ政策は米経済の力強さを背景にしている」と受け止め、ダウ平均は一時上げ幅を123㌦まで拡大する場面がありました。しかし、フィッシャーFRB副議長が年内に2回の利上げの可能性に言及したことを受け、市場の想定より速いペースで政策金利を引き上げるシナリオも浮上。低金利が相場の追い風になっていたこともあり、一転して売り優勢となり、一時下げ幅を113ドルまで広げる場面がありました。ただ来週末には9月の利上げを占ううえで重要な雇用統計(8月)の発表が控えていることもあり、売り一巡後は下げ幅を縮小する動きとなりました。これを受けたCMEの日経平均先物は26日の日経平均終値比219円高の16580円で引けています。
外国人は8月第3週(15~19日)に2週ぶりに日本株を売り越しました。売越額は1667億円。このところ8週連続で売り越しと買い越しを繰り返しています。日本株に対する運用スタンスが定まっていないからだと思われます。上場企業の業績見通しがはっきりしてくるまでは、こうした動きが続く可能性があります。
決算発表が一巡したことで買い手掛かり材料は乏しくなっています。相場には方向性も見られません。物色の方向性が見えてくるまでは様子見も一法とみています。ただこうした局面で狙うとしたら好決算ながら売られた銘柄ではないかとみています。

2016年8月22日号

 投資家の悩みは深まる

東京市場は方向感の定まらない動きになっています。先週、日経平均株価は5営業日中、3営業日で下落、終値は16545円と前週末比374円(2.2%)安で引けました。下落率は小さくありませんが、円相場の1㌦=100円割れを受けて大幅安した16、18日を除くと方向感のない動きとなっています。日銀のETF買いへの思惑から日中の相場が乱高下しやすくなっているためです。長期投資家の買いが入りにくい中、市場はETF買いが入らないとみた短期筋の売り仕掛けや買いを見越した思惑買いで上下に振られる動きになっているのです。
マーケットが自然体の相場から逸脱しつつあることで不安定な動きになってきた感じです。何を基準に売買したらいいのか分からなくなりつつあることがこういう相場を現出しています。先週号でも指摘しましたが、日銀の大規模なETF買いをきっかけに投資家の悩みは深まっています。株価の歪みが増しているこの環境下でどう対処するか。投資家はいま考え時に来ているように思います。

 物色の方向性が見えてくるまでは様子見も一法

19日の米国株は小幅安。NYダウは前日比45ドル(0.2%)安の18552ドルとなり、ハイテク株比率が高いナスダック指数も同1㌽(0.0%)安の5238で引けています。重要な経済指標の発表が少ないなか、利上げに前向きな金融当局者の発言が相次いだことで、近い時期の利上げを警戒した売りが優勢となったようです。市場の想定よりも早い9月利上げの可能性も意識されたようですが、積極的に売り込む動きは限られたとのことです。これを受けたCMEの日経平均先物は19日の日経平均終値比45円安の16500円で引けています。
外国人は8月第2週(8~12日)に2週ぶりに日本株を買い越しました。買越額は484億円。このところずっと買い越しと売り越した繰り返しています。日本株に対する運用スタンスが定まっていないからだと思われます。上場企業の業績見通しがはっきりしてくるまではこうした動きが続く可能性があります。
上場企業の4~6月期決算発表は一巡しました。買い手掛かり材料が乏しくなりましたが、今回の決算発表では好決算ながら売られた銘柄も目に付きました。日銀のETF買いが相場を分からなくしている面もあり、物色の方向性が見えてくるまでは様子見も一法とみていますが、好決算ながら売られた銘柄のうち下げ止まったのは狙い目ではないかとも見ています。

2016年8月15日号

 官製相場で株価の歪みが増す展開に

東京市場は堅調な動きになってきました。先週、日経平均株価は4営業日中、3営業日上昇、終値は16919円と前週末比665円(4.1%)上昇して引けました。6月1日以来、約2カ月半ぶりの高値です。それまでの方向感のない動きが嘘のような動きです。ただ商いは盛り上がりに欠けています。
夏枯れ相場と言える中での予想を超えた相場上昇。こうした中、市場は日銀のETF買いにどう対処したらいいか迷っています。日経平均をTOPIXで割って算出するNT倍率はこのところ上昇が目立ち、12日は12.78倍と1999年3月以来の水準になっています。ITバブル以来、17年ぶりの出来事です。
日銀が7月29日にETFの買い入れ額を年6兆円に倍増すると決めて以来、指数を構成する225銘柄に資金が向かいやすくなっています。これまでNT倍率が12倍に近づくと割高感から日経平均が売られるケースが一般的でした。日銀の異次元緩和が始まった2013年以降はそれが12倍台に変わりましたが、12日はさらにその上方に上がっています。日銀がETFを買えば相場が上がることは分かりますが、個別企業の実態とかけ離れた水準まで買い上げられているものもあるため、投資家の悩みは深まっています。官製相場で株価の歪みが増しているこの環境下でどう対処するか。投資家はいま考え時に来ているように思います。

 様子見も一法だが、好決算で下げた銘柄で下げ止まりが確認できたのも狙い目

12日の米国株は高安まちまちの動きでした。NYダウは前日比37ドル(0.2%)安の18576ドルと反落しましたが、ハイテク株比率が高いナスダック指数は続伸し、同4㌽(0.1%)高の5232と連日で過去最高値を更新しています。NYダウは7月の小売売上高が前月比横ばいと市場予想(0.5%程度のプラス)に届かなかったうえ、8月の消費者態度指数(速報値、ミシガン大学調べ)が市場予想を下回ったことが響きました。NYダウなど主要な株価指数が前日に揃って過去最高値を更新していたため、ひとまず利益を確定しようという売りが優勢になったようです。これを受けたCMEの日経平均先物は16825円と日経平均終値比94円安で引けています。
外国人は8月第1週(1~5日)に2週ぶりに日本株を売り越しました。売越額は4586億円。このところずっと売り越したり買い越したりを繰り返しています。日本株に対する運用スタンスが定まっていないからだと見られます。上場企業の業績見通しがはっきりしてくるまではこうした動きが続く可能性があります。
上場企業の4~6月期決算発表は先週で一巡しました。買い手掛かり材料がなくなった感じですが、今回の決算発表では好決算ながら売られた銘柄も目に付きました。日銀のETF買いが相場を分からなくしており、物色の流れが見えてくるまでは様子見も一法とみていますが、好決算で下げた銘柄のうち下げ止まったのも狙い目ではないかとみています。

2016年8月8日号

 ETF買い入れ額増額は相場のメカニズムを壊す可能性も

東京市場は方向感のない動きになっています。先週、日経平均株価は前週末比315円(1.9%)安の16254円で引けましたが、これだけ下落しても相場の方向性は感じられません。円高進行を受けて下落した後は、ほぼその水準を挟んだ動きに終始しています。特に5日は米雇用統計の発表を前に様子見姿勢が強まったとはいえ、日経平均は前日比44銭安と全くの無風状態。決算発表がヤマ場に差し掛かり好決算ものには買いが入るものの、買いが一巡すると次第に伸び悩むケースが多くなっています。円高の進行が輸出関連株を中心に利益確定売りを誘発していますが、物色意欲にもクエスチョンマークが付くような相場付きになっています。
日銀の追加緩和でETF買い入れ額が年3.3兆円から6兆円に増額されたことが原因ではないかとも考えられます。4日は日経平均が前日比171円高しましたが、これは日銀が後場からETFを707億円買ったためです。買いが入る前は150円安水準で推移していました。
ETF購入額の大幅増額が相場の下値不安を大きく後退させました。しかしこれが相場を分からなくしています。相場は下がれば新たな買い需要を呼び込んで上げてきますが、このメカニズムが働くなっているように思うからです。今週からは個人投資家に人気がある新興銘柄の決算発表が本格化します。これが資金を呼び込む動きになるか注目したいと思います。

 好決算銘柄が狙い目

5日の米国株は上昇しました。NYダウは前日比191ドル(1.0%)高4の18543ドルと2週間ぶりの高値となり、ハイテク株比率が高いナスダック指数は3日続伸し、同54㌽(1.1%)高の5221と約1年ぶりに過去最高値を更新しました。7月の雇用統計で非農業部門の雇用者数が前月比25万5000人増と市場予想(18万人程度)を大きく上回ったため、景気や個人消費の先行きに対する楽観が広がり、金融株などを中心に幅広い銘柄に買いが広がりました。多くの機関投資家が運用の指標とするS&P500種株価指数も7月22日以来、2週ぶりに過去最高値を更新しています。これを受けたCMEの日経平均先物は16410円と日経平均終値比155円高で引けています。
外国人は7月第4週(25~29日)に2週ぶりに日本株を買い越しました。買越額は788億円。このところ買い越したり売り越したりと動きは定まっていません。日本株に対する運用スタンスが定まっていないからだと思われます。上場企業の業績見通しがはっきりしてくるまではこうした動きが続く可能性があります。
今週まで上場企業の4~6月期決算発表が続きます。決算発表期間中は決算だけが株価材料となるため、内容の見極めは重要です。これまで内需関連は好決算でも売られる銘柄が目立っていましたが、外需関連は減益決算でも思ったほど悪くないという理由で買われるケースが目に付きました。今週は個人投資家に人気のある新興銘柄の発表が中心となります。当然、好決算銘柄が狙い目となりますが、今回は業績悪化懸念から売り込まれた銘柄にも目を向ける必要があるように思います。

2016年8月1日号

 暫くは方向感のない展開か

7月29日の日銀金融政策決定会合の結果発表を前に動きにくい相場展開となっていましたが、先週、日経平均株価は前週末比58円(0.34%)安の16569円で取引を終えました。為替相場の乱高下を受け、上昇したり下落したりでしたが、終わってみれば方向感に欠ける動きだったように思います。日銀は同会合で追加緩和を決めたものの、予想外の内容だったため、最初は結果を受けて株価が急落しました。しかしその後はマイナス金利は現状を維持するとの決定が次第に評価され、引けにかけて買い戻され、結局は前日比プラス引け。マイナス金利の深掘りがなくなったことで銀行の業績悪化懸念が後退し、金融株中心に戻す展開となりました。
追加緩和ではETFの買い入れ額を年3.3兆円→6兆円に増やすことが目立った程度。今回は小幅な緩和にとどめ、本格緩和は次回に温存したのではと捉えられるような内容ではなかったかと思います。このため外為市場では円高・ドル安が進行し株安が進んだものの、その後は日銀のETF購入倍増による相場下支えが意識される展開となりました。ただ発表からまだ間がなく消化不良の感じもします。暫くは方向感のない相場になるのではとみています。

 好決算銘柄が狙い目

29日の米国株はまちまちの動きでした。NYダウは5日続落し、前日比24ドル(0.1%)安の18432ドル引け。一方、ナスダック指数は4日続伸し、同7㌽(0.1%)高の5162と年初来高値で引けています。4~6月期の実質GDP(速報値)が前期比年率1.2%増と市場予想(2.6%程度)を大幅に下回り、1~3月期成長率も下方修正したことが相場の重荷になりました。ただこれにより早期の利上げが後退したとの見方も広がり、下値も限られました。発表が佳境を迎えた主要企業の4~6月期決算では業績が市場予想を上回る例も目立ち、悲観的な見方はありません。
同日のCMEの日経平均先物は16320円と日経平均終値比249円安。日銀が決めた追加金融緩和が小規模にとどまったとの見方から円高が進み、売られる展開になりました。4~6月期の米実質GDP成長率が市場予想を下回ったのも重荷となったようです。
外国人は7月第3週(19~22日)に2週ぶりに日本株を売り越しました。売越額は1261億円。このところ買い越したり売り越したりと動きは定まっていません。日本株に対する運用スタンスが定まっていないからだと思われます。上場企業の業績見通しがはっきりしてくるまでは方向性は出ない可能性もあります。
先週から4~6月期の決算発表が始まりました。決算発表期間中は決算だけが株価材料となるため、内容の見極めは重要です。これまでは内需関連は好決算でも売られる銘柄が目立っていましたが、外需関連は減益決算でも思ったほど悪くないという理由で買われるケースが目に付きました。当面は好決算銘柄が狙い目となりますが、今回は業績悪化懸念から売り込まれた銘柄にも目を向ける必要があるように思います。

2016年7月25日号

 海外勢が戻ってきた可能性も

東京市場は為替相場に振られる動きになっています。先々週以降、日経平均株価は順調に戻して来ましたが、22日は日銀の黒田総裁の発言などで円高・ドル安が進んだため、前日比182円(1.09%)安の16627円と久々に下げたと云えるような下げになりました。ただ積極的に売り込む動きは見られず、意外にも底堅さが感じられる動きでした。1㌦=105円台に振れたといっても一時の100円を割れそうな時期からは円安になっており、業績悪化懸念が和らいだからでないかと思います。
週間の上昇幅は130円(0.79%)と方向感は出ていませんが、決算発表前で動きにくいということを考えればしっかりした動きともいえます。相場の世界では売りの需要(お金の必要な人)は常にありますが、買いの需要はそうではありません。自然体なら下がっておかしくない相場が底堅く推移しているのは、海外勢が戻ってきているからではないかと考えています。

 業績悪化懸念から売り込まれた銘柄にも目を向ける必要も

22日の米国株は上昇しました。NYダウは前日比53ドル(0.29%)高の18570ドルとなり、4週続けての上昇となったほか、ナスダック指数も同26㌽(0.52%)高の5100と年初来高値で引けています。多くの機関投資家が運用の参考指標とするS&P500種株価指数も反発、過去最高値引けとなっています。主要企業の決算は強弱入り交じるものになっているものの、年後半に向けた業績回復期待は根強く、これが相場を支えたようです。なお同日のCMEの日経平均先物は16635円と日経平均終値比7円高で引けています。
外国人は7月第2週(11~15日)に2週ぶりに日本株を買い越しました。買越額は3511億円。この週は円安進行を背景に日経平均が1400円近く上昇した週で、裁定買い残も2060億円超増加しています。裁定買い残は7月8日時点で5764億円(期近物)と記録的水準まで減少していましたので、増加基調に転じたのではと捉えています。裁定買いは先物高から発生しますので、その背後には外国人の先物買いがあるとみられます。その後、これが現物買いにつながります。先週の意外な底堅さはそれを映したものではないかとみているわけです。
今週から上場企業の4~6月期決算発表が始まります。決算発表期間中は決算だけが株価材料となるため、内容の見極めが重要となります。これまでの動きから内需関連は好決算でも売られる銘柄が目立っていますが、外需関連は減益決算でも思ったほど悪くないということで買われるケースが目立ちます。好決算銘柄が狙い目とはなりますが、今回は業績悪化懸念から売り込まれた銘柄にも目を向ける必要があるように思います。

2016年7月19日号

 当面は為替睨みの動きか

先週、日経平均株価は円高修正の動きを受けて5日続伸し、6月10日以来、約1カ月ぶりの高値を回復しました。週間の上昇幅は1391円(9.2%)で、これは1997年11月以来、およそ19年ぶりの大きさ。予想を上回る雇用統計を受け米経済を巡る不安感が大きく後退、円が対ドルで5円強下落したことが歴史的な株高につながりました。
振り返ってみればBrexitを受けたあの下げは何だったのだろうということになります。6月27日号で「楽観ムードから悪夢のシナリオに変わったことで、過剰に反応したのではないかとみています」と指摘しましたが、それが正解だったようです。また先週号では「この流れが変わるには為替が円安に振れるとか何らかのきっかけが必要になった感じがします」と指摘しましたが、これも指摘通りの動きとなっています。
ただ円高修正がいつまで続くかは不明。背後には10兆円規模の経済対策や月末の日銀金融決定会合での追加緩和期待がありますが、リスク回避の資金が安全資産とされる円に向かっているので、この水準から更に円安が進むとも思えません。当面は為替睨みの動きになりそうです。

 今週は「様子見」でいいと思います

15日の米国株はまちまちの動きでした。NYダウは前日比10ドル(0.1%)高の18516ドルとなり4日続けて過去最高値を更新しました。ただハイテク株比率の高いナスダック指数は同4㌽(0.1%)安の5029で引けています。買い優勢の動きでしたが、最高値圏での推移が続いた反動から上値も重く、前日終値を挟んだもみ合った後、引けたら10ドル高だったという感じの引け方です。NYダウはこのところ3週続けて上昇、この間1115ドルも上昇していたので、短期的な過熱感も出やすい水準にあったということでしょう。CMEの日経平均先物は16400円と日経平均終値比97円安で引けています。途中まで堅調に推移していましたが、トルコでのクーデター報道から為替が円高に振れ、引けにかけ大きく売られる展開となっています。なおトルコでのクーデターの詳細は伝わっていません。
外国人は7月第1週(4~8日)に2週ぶりに日本株を売り越しました。売越額は1748億円。この週はイタリアの銀行で不良債権問題が浮上したため、リスク回避姿勢が強まったことが響いたとみています。Brexitに絡んだリスク資産外しは一巡したと考えています。投資主体別売買動向で注目されるのは年金基金などの動向示す信託銀行が10週続けて買い越しとなっている点。第1週の買越額は1525億円(その前は2282億円)に上ります。株価下落を受けてGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が基本ポートフォリオ(国内株式比率25%)のリバランスに動きだした可能性があります。6月末の国内株比率が21%台に低下したとの指摘もあるだけにマーケットにはプラスです。
6月27日号から投資スタンスをそれまでの「様子見」から「ここは動くとき」に変えましたが、今週は再び「様子見」に変えます。日経平均が短期間で大きく上昇したため、その反動が懸念されること、来週から4~6月期決算発表が始まるため、動くのは来週からでいいと考えていることが理由です。

2016年7月11日号

 足元はきっかけ待ちの状態

東京市場は再び不安定な動きになってきました。先週、日経平均株価は4日続落し、前週末比669円(3.7%)安の15106円で引けました。6月24日以来、2週間ぶりの安値で、年初来安値の14952円まであと154円となっています。地合いが一気に悪化した感じです。英国のEU離脱決定を筆頭に悪材料に事欠かず、割安な銘柄に押し目買いを入れるにも勇気がいるような状況になっています。
ただ売られている感じはしません。買いが入らないことがこうした軟調相場を現出しています。円高進行が背景にありますが、重要イベントの米雇用統計(8日)や参院選(10日)を前に、投資家が様子見姿勢を強めていることも影響しています。この流れが変わるには為替が円安に振れるとか、何らかのきっかけが必要になった感じがします。

 狙い目となるのは内需関連で売られすぎた銘柄

8日の米国株は大幅高。NYダウは前日比250ドル(1.4%)高の18146ドルとなり、ハイテク株比率の高いナスダック指数も同79㌽(1.6%)高の4956で引けています。6月の雇用統計で、非農業部門の雇用者数が前月比28.7万人増と市場予想(同17万人)を大きく上回る伸びになったことで、労働市場の減速に対する過度の懸念が後退しました。5月分は1.1万人増に下方修正されましたが、年後半にかけて景気が持ち直すとの見方が強まり、買いが優勢となったようです。NYダウは英・国民投票前の水準を上回り、2015年5月以来、約1年2か月ぶりの高値引け。多くの機関投資家が運用の指標とするS&P500種株価指数も大幅に反発し、終値は2129.90と過去最高値(2130.82)を付けた2015年5月以来の水準で引けています。これを受けたCMEの日経平均先物は15380円と日経平均終値比273円高で引けています。
外国人は6月第5週(6/27~7/1)に3週ぶりに日本株を買い越しました。買越額は105億円と多くはありませんが、Brexitに絡んだリスク資産外しの動きは一巡したように思います。注目されるのは年金基金などの動向示す信託銀行が9週連続で買い越しとなり、前の週に比べ買越額が2282億円と83%増えたこと。株価下落でGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が基本ポートフォリオ(国内株式比率25%)のリバランスに動きだした可能性があります。6月末の国内株比率が21%台に低下したとの指摘もあるだけにマーケットにはプラスです。
これまで様子見も一法としてきましたが、先々週から「ここは動くとき」とスタンスを変えています。市場は再び不安定な動きになっていますが、このスタンスは基本的に変わっていません。売られすぎの銘柄がごろごろしており、指数面から見てもここから一段安する可能性は乏しいと考えているからです。ただ銘柄選別には注意が必要です。当面は輸出関連株や世界景気敏感株は避け、内需関連で売られすぎた銘柄に絞った方がいいように思います。

2016年7月4日号

 市場は徐々に落ち着きを取り戻す

英国のEC離脱を問う国民投票の結果を受けて急落したものの、東京市場は徐々に落ち着いてきました。先週、日経平均株価は5日続伸し、15682円で引けました。週間の上昇幅は730円(4.9%)で、24日に下落した分の56%強を取り戻したことになります。24日の下げはやはり過剰反応だったように思いす。
当事国の英国株は国民投票前の株価をいち早く回復しており、米国株も投票前の株価の99.6%まで戻しています。準当事国と云えるドイツ株は95.3%の水準にあるものの、EU残留派が勝ちそうだとのニュースを受けて前日に大きく上昇したことを考えると、それなりの戻りは見せています。
Brexit(英国のEU離脱)による今回の株価下落はリーマン・ショックとは全く違います。離脱するのは早くて2年後であり、それまでに離脱に向けた準備も進みます。EUとの貿易依存度が大きいのにEUに加盟していないスイスやノルウェーは健全な経済を維持しています。市場は第2、第3の英国が出てEU、ユーロ崩壊を懸念しているとの見方もありますが、そうなるかは分かりませんし、またそうなったとしてもそれは大分先のことです。時間の経過とともに市場は落ち着きを取り戻してくるとみています。

 この水準では買いが優位

1日の米国株は上昇しました。NYダウは前日比19ドル(0.1%)高の17949ドルとなり、ハイテク株比率の高いナスダック指数も同19㌽(0.4%)高の4862で引けました。アジアや欧州の株式相場が軒並み上昇したことで投資家心理の改善が続きました。朝方発表された6月のISM製造業景況感指数が市場予想を大幅に上回ったことも追い風となりました。英・国民投票の結果が判明する前の23日の株価(18011ド)まであと60ドルとなり、離脱決定以降の下落分をほぼ取り戻した形となりました。これを受けたCMEの日経平均先物は日経平均終値比92円安の15590円で引けています。為替がやや円高に振れたことが響いたのでしょうか。
外国人は6月第4週(20~24日)も2週続けて日本株を売り越しました。売越額は1301億円。前の週は2208億円の売り越しだったので、それよりは減っています。この週は英国のEU離脱が決まり、リスク回避の動きが一気に強まったので、その影響だろうとみられます。株価指数先物(日経平均先物+TOPIX先物)では逆に1909億円買い越しています。買い戻しや下値狙いの買いも結構あったということです。裁定買い残が8803億円と2012年1月13日以来の水準まで減少していることから見て、売り越しが続くとは見ていません。
これまでずっと様子見も一法としてきましたが、先週から「ここは動くとき」とスタンスを変えました。市場の動揺はまだ収まっていませんが、ここからの一段安はないと考えているからです。日経平均は1年8か月ぶりの安値にはなりましたが、2月12日に付けた安値14952円を59銭下回っただけです。先週の上昇でダブルボトム形成となる可能性は十分あります。積極的とは言えないまでも、この水準では買い優位とみます。

2016年6月27日号

 先週の下げは過剰反応ではなかったかとみています

先週の東京市場は凄い衝撃に見舞われました。英国のEC離脱を問う国民投票で離脱派の勝利が確定的になり、パニック的な売りで急落する展開となりました。予想外の結果から外為市場では円相場が一時1ドル=99円ちょうどと7円強も急騰、対ユーロや対ポンドでも円が急伸する大荒れの一日となりました。

24日の日経平均株価は前日比1286円(7.92%)安の14952円で引け、1年8か月ぶりの安値を付けました。ITバブルが崩壊した2000年4月の以来の急落で、下落幅は過去8番目の大きさ。東証1部で上昇した銘柄はわずか6銘柄でした。1987年10月の「ブラックマンデー」(下落幅は3836円で下落率は14.90%)時の7銘柄より少ないものでした。市場では残留見通しが多かったため、離脱派優勢が伝えられるにつれショックが広がる形になりました。
市場の不安心理は極限まで高まった感じですが、この水準では悲観する必要はありません。

マスコミやメディアの論調は不安を煽るようなものになっていますが、今回のEU離脱派はあのリーマン・ショックとは全く違います。英国が離脱するのは2年後であり、それまでに離脱に向けた準備が進みます。EUとの貿易依存度が大きいのにEUに加盟していないスイスやノルウェーは健全な経済を維持しています。市場は第2、第3の英国が出てEU、延いてはユーロが崩壊することを懸念しているとの見方も考えられますが、そうなったとしてもそれは大分先のことです。楽観ムードから「悪夢」のシナリオに変わったことで、過剰に反応したのではないかとみています。

英国の世論調査で離脱派が残留派を上回ったと伝えられたのが13日。これを受け、世界の市場は離脱が決定したかのような動きに変わり、東京市場でも売りが売りを呼ぶ相場展開となっていました。英国の残留支持派議員が射殺された事件で離脱懸念が後退していたとはいえ、EU離脱は相当程度織り込まれていたはずです。

当事国の英国の株価は23日まで5日続伸し戻り高値を更新していましたが、24日の下落率は3.15%にすぎません。ドイツ株も5日続伸し戻り高値を更新中でしたが、24日の下落率は6.82%です。英国との貿易依存度が極端に小さい日本の下げが大きくなっているのは理解に苦しむところです。

 この水準では買いスタンスが優位

24日の米国株は急落しました。NYダウは前日比610ドル(3.4%)安の17400ドルとなり、ハイテク株比率の高いナスダック指数も同202㌽(4.1%)安の4707で引けています。英国のEU離脱が決まったことを受けたものですが、前日まで堅調な動きが続いていただけにびっくりする下げではありません。どこで底入れするかまだ分かりませんが、年初来安値は大きく上回っていますので、早めの底入れ確認を期待したいところです。米株が急落している中でもCMEの日経平均先物は日経平均終値比162円高の15115円で引けています。先につながる動きです。

これまでずっと様子見も一法としてきましたが、ここは動くときではないかとみています。市場の動揺は収まっておらず投資家心理は委縮したままですが、この水準からの一段安はないと考えているからです。
日経平均は1年8か月ぶりの安値にはなりましたが、2月12日に付けた安値14952円を59銭下回っただけです。
CMEの日経平均先物が上昇しているので、今週、反転すれば、チャートはダブルボトム形成となる可能性が十分あります。
積極的とまでは言えませんが、この水準は買い優位とみます。
逆の結果になったとはいえ、市場を覆っていた不透明感が払拭されたことはプラスではないかとみています。

2016年6月20日号

 英国民投票までは動けない状態

膠着感の強い動きが続いていましたが、東京市場は先週、下に抜けてきました。5営業日中、3営業日下落、週間で1002円(6.0%)下落しました。終値は15599円。5月末の直近高値からは1635円(9.5%)下落しており、景色があっという間に変わった感じです。
崩れたのはEU離脱を問う英国の世論調査で、離脱派が残留派を上回ったと伝えられた13日からです。これをきっかけに市場は一気に離脱が決定したかのような動きになり、売りが売りを呼ぶような相場展開となりました。とりわけ下げがきつかったのが新興市場で、マザーズ指数は1日で10%以上下落する日もありました。英国のEU離脱はないとの楽観的見方が支配していたため、慌てた投資家が一斉にリスク資産外しに動いたのが原因です。
英国民投票の結果が分かるまでこの件についての結論は出てきません。仮に残留となれば大幅に調整した分、値上がりも大きくなりますが、離脱となった場合は前例がないだけに、その後の動きは読めません。日経平均株価は当事国の英国株やドイツ株より下げが大きく、すでに売られすぎとされる水準まで下げています。英国民投票が23日に迫っている中、残留の可能性を考慮すると、ここからの売り崩しは困難です。結果判明後は市場を覆う不透明感が薄らぐため動きやすくなりますが、それまでは様子見の強い動きではないかとみています。

当面は様子見も一法


17日の米国株は下落しました。NYダウは前日比57ドル(0.3%)安の17675ドルとなり、ハイテク株比率の高いナスダック指数は同44㌽(0.9%)安の4800で引けています。EU離脱を問う英国民投票への不透明感が強く、週末を前に持ち高調整の売りが出たようです。新規の買い材料に乏しことが改めて意識され、利益を確定する売りに押された感じです。これを受けたCMEの日経平均先物は15550円と日経平均終値比44円安で引けています。
外国人は6月第2週(6~10日)に3週ぶりに日本株を買い越しました。買越額は2235億円。この週はメージャーSQ算出に伴う売買があった週です。外国人の多くが様子見姿勢を強めている中での買い越しは、日本株の割安感に着目した長期投資家の買いではないかとみられます。
米FOMC、日銀政策決定会合の2大イベントは通過しましたが、23日の最大のイベント、英国民投票を前に動くに動けなくなっています。通過したら市場を覆っていた不透明感は晴れます。それまでは様子見も一法とみています

2016年6月13日号

 動くに動けない状態

東京市場は再び方向感のない動きになってきました。消費増税の先送り決定、財政出動についての具体的言及がなかったことなどから、6月1、2日と大きく下落したものの、その後も基本的な相場環境は変わっていません。先週は5営業日中、3営業日上昇、2営業日下落、週間で41円(0.2%)の下落となりました。売買代金も減少しており、メジャーSQ日だった10日が2兆4540億円超となったほかは活況の目安となる2兆円をずっと下回る閑散な相場となっています。
膠着色の強い動きになっているのは14~15日にFOMC、15~16日に日銀政策決定会合を控え、結果を見極めたいとのムードが強まっているほか、英国のEU離脱を問う国民投票が23日に迫っているため、動くに動けない状態になっているからです。市場は不透明さを最も嫌いますので、今来週の重要イベントを通過したら流れが変わる可能性は十分あります。それまでは我慢の時ではないかとみています。

重要イベント通過までは様子見も一法


10日の米国株は下落しました。NYダウは前日比119ドル(0.7%)安の17865ドルとなり、ハイテク株比率の高いナスダック指数も同64㌽(1.3%)安の4894で引けています。EU離脱の是非を問う英国での国民投票に関する最新の世論調査で離脱支持が残留支持を上回ったとの報道を受け、欧州株が大幅に下落。これを受け、高値近くまで戻していた米株にも売りが加速しました。原油先物相場が大きく下げたことも相場の重荷となったようです。これを受けたCMEの日経平均先物は16310円と日経平均終値比291円安で引けています。
外国人は6月第1週(5月30~3日)も日本株を2週連続で売り越しました。ただ売越額は1461億円にとどまり、4000~5000億円規模の売り越しが目立っていた2~3月よりも少なくなっています。持ち高を落とす動きは一巡しているため、外国人の多くが様子見姿勢を強めている中、銘柄入れ替えの影響が出ているのではないかとみています。
今週の米FOMCや日銀政策決定会合、来週の英国の国民投票を前にポジションを一方向に傾けられない状態になっています。東証1部の主力株が手掛けにくいため、資金は新興市場の材料株に集中しています。が、この段階でそれに乗るのはリスクが大きすぎます。重要イベントを通過したら市場を覆っていた不透明感は晴れます。それまでは様子見も一法とみています。

2016年6月6日号

 上値の重い中で方向感の定まらない動きか

東京市場は方向感のない動きになっていましたが、日経平均株価は先週、下に動いてきました。消費増税の先送りが決定したこと、財政出動についての政府の具体的言及がなかったことから、今月中旬の日銀金融政策決定会合で追加緩和が実施される期待が萎み、国内要因で下げた格好となりました。追加緩和期待の後退で為替が円高ドル安に振れてきたことも相場の押し下げ要因となりました。日経平均株価の終値は16642円。週間では192円(1.1%)の下落となりました。薄商いのなか5月31日まで5連騰し736円上昇したものの、1~2日の2日間で672円下落、ほぼ「往って来い」となっており方向感は感じられません。
バイオ株など人気化していた一部の新興株の急落は止まりましたが、新興株(新興市場ではありません)が安心できるほど落ち着いてきたわけではありません。このため何を物色したらいいか分からなくなり方向感のない動きになっている面もあります。
上場企業の2016年3月期決算は1.3%減益と4年ぶりに減益となりましたが、今期も増益率は2.7%と冴えないものになっています。拡大を続けてきた企業業績は踊り場を迎え、足踏みが続く予想となっています。大型財政発動、追加緩和といった市場の期待は萎んでしまいしましたが、6月1、2日の株価下落がそれを織り込む形となったため、相場が一段安になるとはみていません。当面は上値の重い中で方向感の定まらない動きではないかと予想しています。

 方向性が見えてくるまでは様子見も一法

3日の米国株は下落しました。NYダウは前日比31ドル(0.2%)安の17807ドルとなり、ハイテク株比率の高いナスダック指数も同28㌽(0.6%)安の4942で引けました。 朝方発表された5月の雇用統計で非農業部門の雇用者数が前月比3万8000人増と市場予想(15万5000人程度の増加)を大幅に下回ったうえ、ISM非製造業景況感指数も市場予想に届かず、景気への警戒感から売りが先行しました。
ただ売りが一巡した後は下げ幅を縮小、一時148ドル安まで下げていたダウ平均は5ドル安まで戻す場面もありました。FRBのブレイナード理事が「景気回復が確信できる追加データを待つのが有益だ」などと語り早期利上げに慎重な姿勢を示したことや、雇用情勢の改善一服でイエレン議長が週明けの講演で利上げに慎重な姿勢を示すとの期待も強く、売り一巡後は買い戻しも入る落ち着いた相場展開となりました。これを受けたCMEの日経平均先物は日経平均終値比307円安の16330円引け。雇用統計を受けて円相場が1ドル=106円台まで急伸したことが響きました。
外国人は5月第4週(23~27日)に3週ぶりに日本株を売り越しました。売越額は705億円。このところ買い越したり売り越したりとはっきりした動きにはなっていないので、決算を受けて銘柄入れ替えを行っている最中ではないかとみられます。今後の売買動向ははっきりしません。が、少なくても外国人売りで急落する局面はなくなったと考えています。
世界の株式市場は過度な悲観の後退で2月の安値からそこそこ上昇していますが、日本株は円高もあって冴えない動きになっています。それが修正されようとしていた時、緩和見送りでまた押し戻された形になっています。とはいえ日経平均は2月12日の14952円を底に2番底、3番底と下値を少しずつ切り上げています。業績不安は相当程度織り込んだからでしょう。ただ市場はまだ不安定で方向感もありません。新興株も完全には落ち着きを取り戻していません。押し目を狙いたい気もしますが、相場の方向性が見えてくるまでは様子見も一法とみています。

2016年5月30日号

   方向感の掴めない動きに

日銀の金融政策現状維持発表を受けて急落した後、日経平均株価は少しずつ下値を切り上げる動きが続いています。先週は5営業日中3営業日上昇、週間では98円(0.6%上昇)上昇して引けました。終値は16834円。5月2日の直近安値から728円(4.5%)上昇した水準にあります。指数だけをみればしっかりした動きと云えますが、新興株の失速もあって実質的には2週連続で方向感のない動きでした。売買代金は7営業日連続で2兆円を下回り今年最低を更新しています。決算発表を通過したことで手掛かり材料がなくなり、超薄商いとなっています。6月に予定されている日銀政策決定会合やFOMCなど重要日程を前に様子見姿勢を強める投資家が増えており、次の材料を待っている感じのように見受けられます。
バイオ株など一部の新興株の急落は止まったように思いますが、まだ新興株(新興市場ではありません)が安心できるほど落ち着いてきたわけではありません。このため何を物色したらいいか分からなくなり、方向感の掴めない相場になっている面もあります。
日経新聞社の集計によると上場企業の2016年3月期経常は1.3%減と4年ぶりに減少しましたが、今期も伸び率は2.7%増と冴えないものになっています。アベノミクス以降、拡大を続けてきた企業業績は踊り場を迎え、足踏みが続く予想となっているわけです。業績拡大を牽引していた円安や新興国経済、インバウンド消費には陰りが見えてきましたが、一方では消費増税先送りを含めた政府の経済対策、追加金融緩和なども期待されます。当面はこの2つの見方の綱引きが続く相場展開ではないかとみています。

 方向性が見えてくるまでは休むも一法

27日の米国株は上昇しました。NYダウは前日比44ドル(0.25%)高の17873ドルとなり、ハイテク株比率の高いナスダック指数も同31㌽(10.65%)高の4933で引けています。アジアや欧州での株高を受け投資家心理が上向き、幅広い銘柄に買いが入りました。FRBのイエレン議長の発言が伝わった直後に下げに転じる場面もありましたが、すぐ持ち直し、この日の高値で取引を終えています。
ハーバード大学でイエレン議長は、経済指標の改善が続けば「おそらく今後数カ月の間に利上げが適切となるだろう」と話しましたが、ほかのFRB幹部に比べればさほどタカ派的発言ではないと受け止められ、株価押し下げ材料とはならなかったようです。むしろ景気の改善が続いているとの発言が株価を支えたようです。これを受けたCMEの日経平均先物は16910円と日経平均終値比75円高で引けています。
外国人は5月第3週(16~20日)も2週連続で日本株を買い越しました。買越額は21億円。わずかな買い越しですが、この週は円安を手掛かりに日経平均が324円(1.97%)高していたので海外投資家からの新規売りが出なくなったと捉えた方がいいように思います。今後も買い越しが継続するかははっきりしませんが、少なくても外国人売りで株価が急落する局面はなくなったと考えています。
世界の株式市場は過度な悲観の後退で2月の安値からそれなりに上昇していますが、日本株は円高もあって冴えない動きになっています。それが修正されようとしていた時、緩和見送りでまた押し戻された形になっています。とはいえ日経平均は2月12日の14952円を底に2番底、3番底と下値を徐々に切り上げています。業績不安は相当程度織り込んだからでしょう。ただ東京市場はまだ不安定で方向感も感じられません。新興株も完全には落ち着きを取り戻していません。押し目を狙いたい気もしますが、物色の方向性が見えてくるまでは様子見も一法とみています。

2016年5月23日号

 方向感のない相場展開

 日銀の金融政策現状維持発表を受けて急落した後、日経平均株価は少しずつ下値を切り上げる動きになっています。先週は5営業日中4営業日上昇、週間では324円(2.0%上昇)上昇して引けました。終値は16736円で5月1日の直近安値から630円(3.9%)上昇した水準にあります。決算は大過なく通過、指数だけをみればしっかりした動きですが、16日からの新興株の急落もあって実質的には方向感のない相場でした。売り買い手控えられ売買代金は2兆円を下回る日が多く、新興株に向かっていた資金が東証1部に向かい、折からの円安進行もあって終わってみたら300円以上も上昇していたというのが実感でした。
 ただ新興株は総崩れという状況ではなく、大きく買い上げられていたバイオ関連など一部の銘柄が部分的に崩壊した感じの下げでしたが、売買代金が東証1部銘柄をしのぐ水準まで膨らんでいましたので、一時は警戒感も広がりました。ただ19日以降は下げ渋る動きに変わりつつあり、投資心理の悪化は避けられたように思います。とはいえまだ安心できるほどに新興株が落ち着いてきたわけではありません。
 日経新聞社の集計によると上場企業の2016年3月期経常(除く金融、電力)は1.3%減と4年ぶりに減少しましたが、今期も伸び率は2.7%増と冴えないものになっています。アベノミクス以降、拡大を続けてきた企業業績は踊り場を迎え、足踏みが続く予想となっているわけです。ただ今回の決算については当初から良くないだろうとみられていたので、この予想に失望する必要はないと考えます。業績拡大を牽引していた円安、新興国、インバウンド消費には陰りが見えてきましたが、一方では消費増税先送りを含めた政府の経済対策、追加金融緩和なども期待されます。当面はこの2つの見方の綱引きが続くのではとみています。

 当面は様子見も一法


 20日の米国株は上昇しました。NYダウは前日比65ドル(0.4%)高の177500ドルで引け、ハイテク株比率の高いナスダック指数も同57㌽(1.2%)高の4769で引けています。アジアや欧州市場が上昇したことで市場心理が改善しました。利上げ時期が想定より早まるとの見方からNYダウが2カ月ぶりの安値まで下げていたこともあり、買い戻しが優勢となったようです。2~4月期決算を発表した半導体製造装置大手のアプライドマテリアルズが業績改善への期待で急伸し、半導体関連に思惑的な買いが広がったことも指数を押し上げました。ナスダック指数の大幅高は半導体関連の上昇が大きかったのが主因。これを受けたCMEの日経平均先物は日経平均終値比1円安の16735円で引けています。
 外国人は5月第2週(9~13日)に3週ぶりに日本株を買い越しました。買越額は567円。大きな額ではありませんが、買い越しとなったことで4月第4週と5月第1週(2営業日)の大幅な売り越しは日銀の追加緩和を期待して先回り買いしていた向きの失望売りだったことが分かりました。今後も買い越しが継続するかははっきりしませんが、少なくても外国人売りで急落する局面はなくなったと考えています。
 世界の株式市場は過度な悲観の後退で年初からそれなりに上昇していますが、日本株は円高もあって冴えない動きになっています。それが修正されようとしていましたが、緩和見送りでまた安値圏に逆戻りしています。ただ日経平均は2月12日の14952円を底に2番底、3番底と下値を徐々に切り上げる動きになっています。新興株はまだ落ち着きを完全には取り戻していませんが、当面の業績不安は織り込んでいるからでしょう。今は決算を吟味して売買する必要がありますが、市場はまだ不安定で方向感も感じられません。当面は様子見も一法とみています。

2016年5月16日号

 当面は現実と期待の綱引きか

 日銀の金融政策現状維持発表を受けて急落した後、日経平均株価は少しずつ下値を切り上げる動きになっています。先週は大型連休明け後の最初の取引となりましたが、5営業日中4営業日上昇、週間では306円(1.9%上昇)上昇して引けました。終値は16412円。決算発表を大きな波乱もなく通過し、しっかりした動きでした。やはり4月28日と5月2日の急落は追加緩和を期待してポジションを膨らましていた短期筋のポジション整理が原因でした。
 決算発表期間中は市場の関心がマクロからミクロに向かいますが、今回は当初から良くないだろうとみられていたので、実際に悪い決算が出ても従来ほどひどい下げにはならなかったように思います。日経新聞社によると2016年3月期の連結経常利益は前期比1.3%減、純利益は4.5%減となっており、今期は経常利益が2.7%増、純利益が13.8%増見通しと発表しています。16年3月期経常は4年ぶりの減益となり企業業績が踊り場を迎えているのは事実ですが、この予想なら悲観する必要はないと考えます。業績拡大を牽引していた円安、新興国、インバウンド消費に陰りが見えてきましたが、一方では消費増税先送りを含めた政府の経済対策や追加金融緩和などが期待される状況になっています。決算発表が終わったので、当面はこの綱引きが続くのではとみています。

 決算の吟味が必要も、当面は無理する必要はなし


 13日の米国株は下落しました。NYダウは前日比185ドル(1.0%)安の17535ドルと3月下旬以来ほぼ1カ月半ぶりの安値となり、ハイテク株比率の高いナスダック指数も同19㌽(0.4%)安の4717で引けています。四半期決算が市場の失望を誘った小売りの一角に売りが膨らみ、消費関連株に売りが広がったほか、原油先物相場の下落が投資家心理を冷やす形になりました。ただ4月の小売売上高は前月比1.3%増と増加幅は市場予想を上回り、1年1カ月ぶりの大きさとなっています。軟調だった個人消費が持ち直したと前向きな評価があったものの、小売企業の業績低迷のインパクトの方が大きく、好感した買いは限られました。これを受けたCMEの日経平均先物は16385円と日経平均終値比27円安で引けています。
 外国人は5月第1週(2~6日の2営業日)も日本株を2週連続で売り越しました。売越額は3142億円と2か月ぶりの大きさ。日銀の追加緩和を期待して先回り買いしていた向きの失望売りが膨らんだ可能性が強く、その後の売りは止まったように思います。再び買い越しが継続するかははっきりしませんが、少なくても外国人売りで急落する局面はなくなったとみています。
 世界の株式市場は過度な悲観の後退でそれなりに上昇していますが、日本株は円高もあって冴えない動きになっています。それが修正されようとしていましたが、緩和見送りでまた安値圏に逆戻りしています。ただ日経平均株価は2月12日の14952円を底に2番底、3番底と下値を徐々に切り上げる動きになっています。当面の業績不安は織り込んでいるのでしょう。今は決算を吟味して売買する必要がありますが、市場はまだ不安定です。無理に動く必要はないとみています。

2016年5月9日号

 急落するも投資心理の悪化は見られず

 日銀が金融政策の現状維持を発表した4月28日の前場を境に東京市場は大荒れの展開となっています。大型連休の谷間となった先週は2営業日とも下落。日経平均株価は28日からの3日間で1184円(6.8%)も下落し約3週間ぶりの安値の16106円で引けました。4月28日の下落幅は624円と今年4番目の大きさでしたが、前場までは堅調な動きになっていましたので、当日高値からは906円も下落する凄い下げで、日中値幅は今年最大となるものでした。指数を見たら相場が激変したようにも見えますが、長期スタンスの投資家や個人投資家の投資心理はそう悪化しているようには見えません。
 嵐のような下げになったのは追加緩和を期待してポジションを膨らましていた一部の短期筋がポジション整理を迫られたのが主因。追加緩和期待はあったものの、それは海外中心の見方で、国内では現状維持継続との見方も相当あったように思います。そういった向きは冷静に相場をみる余裕があったということでしょう。大型連休中に色々なことが起こったので、様子見に徹していた向きも多かったのではないかと思います。
 6日まで日経平均は6日続落しこの間8.3%下落していますが、マザーズ指数や日経JASDAQ平均は3勝3敗と健闘しており、東証2部総合指数も2勝4敗で、下落率は2.6%にすぎません。発表される決算が良くないため決算を受けて売られる銘柄が目に付きますが、市場の雰囲気が悪化した感じはありません。

 当面は決算プレーに徹するとき

 6日の米国株は上昇しました。NYダウは前日比79ドル(0.5%)高の17740ドル、ハイテク株比率の高いナスダック指数は同19㌽(0.4%)高の4736で引けています。4月の雇用統計で非農業部門の雇用者数が前月比16万人増と市場予想(約20万人増)を大幅に下回ったうえ、過去発表分も下方修正されたため、景気の先行き懸念から売りが先行したものの、売り一巡後は値ごろ感からの買いが優勢となりました。2週続けて下げていたため、短期的な割安感が意識されたほか、週末を前に売り持ち高整理の買い戻しなどが入ったようです。これを受けたCMEの日経平均先物は日経平均終値比8円高の16115円で引けています。
 外国人は4月第3週(18~22日)も日本株を5320億円買い越しました。年初から13週連続猛烈な売り越しが続き、累計5兆円超も売り越す記録的な売り越しになっていたのに、4月に入って第1週が326億円、第2週が3848億円の買い越しとなり、それに続く大幅な買い越しとなっています。4月18日号と25日号で「売り越しが急速に減少した後、買い越しに転じていますので、売りは一巡したとみられます。日本株を外すとの意思決定を下してから3カ月以上経過しましたので、時期的にもそうなっておかしくないところまで来ていました」と指摘したとおりの動きになっています。買い越しが継続するかははっきりしませんが、外国人売りで急落する局面はなくなったとみています。
 世界の株式市場は過度な悲観の後退でそれなりに上昇していますが、日本株は円高もあってひとり負けの状態になっていました。それが修正されようとしていましたが、また急落し安値圏に逆戻りしています。ただ決算発表が本格化し個別株相場となっていますので、今は全体相場を考える時ではありません。決算プレーの動きとなっていますので、狙い目となるのは好決算銘柄です。円高で業績懸念から売り込まれた銘柄も多かったとみられるので、予想ほど悪くないものも買われる展開になるとみています。

2016年4月25日号

 2番底を形成

市場の雰囲気は一気に良くなってきました。前週号で「潮目が変わった可能性も」と指摘しましたが、それを裏付けるかのような動きでした。先週、日経平均株価は4日続伸し、17572円と戻り高値を更新して引けました。4日間の上昇幅は約1300円(8.0%)。膠着相場が続いていた17000円前後を上回ってきたことでネックライン突破となり、4月6日の15715円で2番底を付けたことになります。日足は25日線や75日線の上方に抜けており、チャートは上昇余地が広がるいい形に変わっています。
「相場は相場に聞け」という相場格言がありますが、まさにそのような動きでした。4月18日号で「流れがあっという間に変わってきました」と指摘しましたが、それが一段と明確化してきたわけです。特段の材料が出たわけではありません。円高がやや一服したことを受け、売りを仕掛けていた短期筋などが買い戻しに動き始めてはいましたが、相場が円高抵抗力を付けていたことや、売っても取れない相場環境になりつつあったことなどから、買い戻しの動きが一気に広がってきたようです。
日本株は世界的なリスクオンの姿勢から一人取り残されていました。アベノミクスへの失望やマイナス金利の悪影響を織り込み過ぎていたとも云えますが、そうした中での円高一服で、投資家が潮目の変化を感じ取ったのかもしれません。外国人の日本株売りも止まり、4月第2週(11~18日)は3848億円の買い越しと前週以上の買い越しとなりました。外国人売りが止まるだけで東京市場は反発しやすくなります。市場参加者の考えがいい方、いい方にに変わったことが先週の一段高につながったのではないかとみています。

 好決算銘柄や決算が予想ほど悪くない銘柄などが狙い目

22日の米国株はまちまちの動き。NYダウは前日比21ドル(0.1%)高の18003ドル、ハイテク株比率の高いナスダック指数は同39㌽(0.8%)安の4906で取引を終えています。 原油先物相場が週を通じておおむね上昇基調をたどり、運用リスクを取りにいく投資家が増えたようです。マイクロソフトやグーグルなど一部の大型IT銘柄を除くと予想以上の業績をあげる企業が目立ち、決算発表前の強い懸念がやや和らいだことも買いを誘う要因となったようです。マイクロソフトの決算が予想を下回り約7%下落したためNYダウの上値は抑えられました。ナスダック指数はマイクロソフトの下落と、業績が市場予想に届かなかったグーグルが5%あまり下げたことが響きました。これを受けたCMEの日経平均先物は日経平均終値比172円高の17745円で引けています。NY市場で円ドル相場が1㌦=111円台後半まで円安に振れたことが好感されたようです。
外国人は4月第1週の326億円に続いて第2週(11~15日)も3848億円日本株を買い越しました。年初から13週連続で猛烈な売り越しが続き、前々週まで累計5兆円超売り越す記録的売り越しになっていました。それが売り越しが急速に減少した後、買い越しに転じていますので、売りは一巡したとみられます。日本株を外すとの意思決定を下してから3カ月以上経過しましたので、時期的にもそうなっておかしくないところまで来ていました。
世界の株式市場は過度な悲観の後退で底値からそれなりに上昇していますが、日本株は円高もあってひとり負けの状態になっていました。それがいま修正されようとしています。先週の株価上昇で日経平均は2番底を付けたとみられるので、ここは動くときだと考えています。今週から決算発表も始まります。狙い目となるのは好決算銘柄ですが、円高で業績が悪くなるのではとの懸念から売り込まれた銘柄も多かったとみられるので、予想ほど悪くないものも買われる展開になるとみています。
なお次週5月2日号はお休みします。

2016年4月18日号

 潮目が変わった可能性も

 流れがあっという間に変わってきました。東京市場は下値模索の動きとなっていまいたが、先週、日経平均株価は一気に上昇。12~14日の3営業日で1160円(7.4%)高し、終値は前週末比1027円(6.5%)高の16848円となりました。急落する前の株価を回復しての引け。
 特段の材料が出たわけではありません。円高がやや一服したことを受け、売りを仕掛けていた短期筋が買い戻しを急いだようです。現物市場では下げのきつかった主力株中心に戻していましたし、先物市場では仏系証券が先週まで大量に積み上げていた売り建玉の半分をわずか14、15日の2日間で手仕舞うなど猛烈な買い戻しがみられました。
 日本株は世界的なリスクオンの姿勢から一人取り残されていました。アベノミクスへの失望やマイナス金利の悪影響を織り込み過ぎていたとも云えますが、そうした中の円高一服で潮目が変化したと感じ取ったのかもしれません。外国人の日本株売りもここに来て大きく減少、4月第1週(4~8日)は326億円の買い越しと今年初めての買い越しとなっています。となると、外国人はもう十分すぎるほど日本株を売った。ここからは需給面で反発しやすくなる。こういう見方が広がり始めたのが先週の反発だったのかもしれません。チャートからは4月6日の15715円で2番底を付けた可能性まで出てきました。

 動くのは決算を受けてからに

 15日の米国株は小幅に反落しました。NYダウは前日比28ドル(0.2%)安の17897ドル、ハイテク株比率の高いナスダック指数は同7㌽(0.2%)安の4938で引けています。原油先物相場が一時1バレル40ドルを下回る水準まで下げたことを受け、目先の利益を確定する売りが優勢となりました。欧州主要国の株価指数が軒並み下落したことも買いを手控えさせる要因となったようです。ただ中国が発表した1~3月期の実質GDPや3月の工業生産高が市場予想を上回ったことで過度に悲観的な見方は和らぎ、買いもそれなりに入る展開。来週のマイクロソフト、グーグルの決算発表を前にポジションを一方向に傾ける向きは少なく、方向感に欠ける動きでした。これを受けたCME日経平均先物は16625円と日経平均終値比223円安で引けています。為替相場が1ドル=108円台と再び円高に振れたことが響いたようです。
 外国人は4月第1週(4~8日)に日本株を326億円買い越しました。年初から13週連続で猛烈な売り越しが続き、前週まで累計で5兆100億円超売り越す記録的売り越しになっていました。3月第5週の売越額が79億円まで急減していたので、売りは一巡したとみられます。日本株を外すとの意思決定をしてから3カ月が経過しましたので、時期的にもそうなっておかしくないところまで来ていました。期待したいところです。
 世界の株式市場は過度な悲観が後退し底値からそれなりに上昇していますが、日本株は円高もあってひとり負けの状態になっていました。先週それが少し修正されましたが、東京市場は年初から大きく下げたままです。先週の急反転で2番底を付けた可能性も出てはいますが、今週は無理に動く必要はないとみています。企業業績がどんな状況になっているのか、またどうなりそうか、現時点では読めないからです。動くのは決算発表を受けた来週からで良いとみています。

2016年4月11日号

 為替を睨んだ警戒感の強い動きに

 東京市場は調整色の強い動きになっています。日経平均株価は先週、5営業中、3営業日下落、週間で343円(2.1%)下落しました。先々週号で三角もみ合いを下に抜けてきたので、早々に戻さないと下値模索の動きになる可能性があると指摘しましたが、そのような動きになっています。2月12日に付けた安値からは約870円上方にありますが、安心できる株価水準ではありません。
 背後にあるのは急速な円高ですが、下落のきっかけを作ったのは4月の日銀短観。短観で大企業製造業は今年度の経常利益が1.9%減少すると予想していますが、前提は1ドル=117.46円。現状は1ドル=109円台と想定より大幅に円高となっており、この水準が続けば業績の一段悪化が避けられないと受け取られました。8日は政府高官の円高けん制発言で円高が一服したこともあり日経平均は同日安値から350円上昇、前日比71円高で引けましたが、円高・ドル安基調が変わったという感じはしません。当面は為替相場を睨んだ警戒感の強い相場が続きそうです。

 底値が確認できるまでは様子見が賢明

 8日の米国株は上昇しました。NYダウは前日比35ドル(0.2%)高の17576ドル、ハイテク株比率の高いナスダック指数も同2㌽(0.05%)高の4850で引けています。在庫の減少などを背景に原油先物相場が一時1バレル40ドルに迫る水準まで急反発したことが好感されました。NYダウは一時上げ幅を152ドルまで広げる場面がありました。ただ来週から始まる主要企業の決算発表を前に上値を追う手掛かりを欠き、引けにかけてはポジション調整を目的とした売りに押される展開。決算内容を見極めたいというムードになってきたようです。これを受けたCME日経平均先物は15780円と日経平均終値比41円安で引けています。米国市場で為替相場が再び円高に振れたことが響いたようです。
 外国人は3月第5週(3/28~4/1)も日本株を売り越しました。年初から13週連続の売り越しで、累計売越額は5兆100億円超に達します。これを吸収しているのが年金や企業の自社株買いを運用している信託銀行。信託銀行は18週連続で買い越していました。ただ第5週は19週ぶりに581億円の売り越しとなっています。新年度入りでPKO的な買いが途切れたのが原因ではないかとみられますが、外国人売りも第5週は79億円まで急減(第4週は2040億円)しています。売り越しが始まって3カ月が経過しましたので、時期的にもそろそろ止まっておかしくないので、期待したいところです。
 世界の株式市場は過度な悲観が後退し底値からそれなりに上昇していますが、日本株は円高を受け、ひとり取り残された形になっています。東京市場も2月12日の14952円で底を入れた可能性が強まってはいますが、このところの下げで下値模索の動きから抜け出していません。今月下旬からは決算発表も始まります。当面は2番底というか底値が確認できるまで様子見がいいように思います。

2016年4月4日号

 三角もみ合いを下に抜ける

 日経平均株価は膠着感の強い動きとなっていましたが、先週、急落しました。配当権利を落とした29日から4日続落し終値は16164円。とりわけ年度初めとなる1日は594円(3.5%)安と今年4番目の下げ幅を記し、大発会に続いて出足から躓く形となりました。「ここまで売られられるとは・・・」という下げ方でした。4日間の下落幅は1000円(5.7%)近くになります。日経平均は三角もみ合いの動きになっていましたので、下に抜けた感じです。
 朝方発表した日銀短観で業績悪化懸念が急速に強まったのが背景。短観では大企業製造業は2016年度に1.9%の経常減益を予想していますが、前提は1ドル=117.46円。現状は112円前後と想定より5円円高で、この水準が続けば業績に一段の下押し圧力がかかると受け取られたようです。時価総額が2兆円を超すパナソニックが2016年度の減益見通し(前期推定比9%減)を発表して12%超下落、値下がり率ランキングの実質トップになったことも投資家心理を冷え込ませたようです。3月の米雇用統計発表を控え、買いが手控えられていたことも下げを大きくしたようですが、早々に戻さないと下値模索の動きになる可能性があります。

 底値が確認できるまでは様子見も一法

 1日の米国株は上昇しました。NYダウは前日比107ドル(0.6%)高の17792ドルと昨年12月4日以来、約4カ月ぶりの高値となり、ハイテク株比率の高いナスダック指数も同44㌽(0.9%)高の4914と12月31日以来の高値で引けました。3月の雇用統計で非農業部門の雇用者数が市場予想を上回ったうえ、労働参加率の上昇で労働情勢が改善していることが裏付けられたこと、ISM製造業景況感指数も市場予想を上回ったこと、などで景気に対する警戒感が後退しました。これを受けたCME日経平均先物は16170円と日経平均終値比5円高で引けています。1ドル=111円台まで円高が進んだことが響いているようです。
 外国人は3月第4週(3/22~25日)も日本株を2042億円売り越しました。年初から12週連続の売り越しで、累計売越額は4兆9950億円近くに達します。これを吸収しているのが年金基金や自社株買いとみられる信託銀行で、信託銀行は18週連続で買い越しを続けています。相場急落に伴う運用比率維持のための買いやPKO的な買い、割安感から自社株買いに動く企業が増加したことなどが背景にあります。
 今回の相場急落で主力株の中にはアベノミクス相場が始まった2013年1月ごろの水準まで下がったものも散見されます。2月中旬以降は全体的に下げ渋る動きに変わっていますので、値段に関係なく売らなければならない向きの売りは売り尽くしたはずです。外国人売りはまだ止まっていませんが、売り越しが始まって3カ月が経過しました。時期的にはそろそろ止まっておかしくないので期待したいところです。
 世界の株式市場は過度な悲観が後退し底値からそれなり上昇していますが、日本株は円高を受け、取り残された形になっています。東京市場も2月12日の14952円で底を入れた可能性が強まってはいますが、先週の下げで下値模索の動きになる可能性も出てきました。当面は2番底というか底値が確認できるまで様子見がいいように思います。

2016年3月28日号

 膠着感の強い動きに

 東京市場は膠着感の強い動きになっています。先週、日経平均株価は4営業日中2営業日上昇し2営業日下落、週間では273円(0.2%)上昇して引けました。ただ17000円を挟んだ動きに止まっており方向感は感じられません。2月12日の安値からは2000円超上昇した水準にあり悲観ムードはなくなっていますが、値動きは冴えません。一時50を超えていた日経平均ボラティリティ・インデックス(VI)は警戒ラインとされる30を下回る23.05まで低下しほぼ平常モードになりつつありますが、上値追いの買いは入ってきません。
 世界景気の先行き不安が根強く、リスクオンの姿勢になっていないことが背景にあります。日経平均は2月12日の14952円で底を入れた可能性が強まってはいますが、不透明要因が多いこの時点でポジションを一方向に傾けるわけにはいきません。そのような感じです。
 ただ多くの銘柄がまだ売られすぎ状態になっていますので、後はきっかけだけではないかとみています。何かがきっかけになってムードが一変すれば底入れ感が一気に台頭し、市場心理は変わってきます。今はそうしたことがないと流れは変わらないような感じがします。

 半身の構えが必要も、出遅れ銘柄が狙い目

 25日の米国株は復活祭で休場でしたが、NYダウは2月中旬以降、順調に戻し、昨年末水準を回復しています。原油先物相場が約3カ月ぶりの高値を回復したほか、経済指標も悪くはないということが背景になっていますが、要は過度な悲観が後退しただけだとみています。来月から始まる1~3月期決算の内容如何では上値を追う可能性もありますが、今の経済情勢では上値は重いとみるべきでしょう。高値からは4%超下がったとはいえ、まだ史上最高値近辺にあるわけけですから…。
 外国人は3月第3週(3/14~18日)も日本株を4579億円売り越しました。年初から11週連続の売り越しで、累計売越額は実に4兆8000億円超に達します。これを吸収しているのが年金基金や自社株買いとみられる信託銀行で、信託銀行は17週連続で買い越しを続けています。相場急落に伴う運用比率維持のための買いやPKO的な買い、割安感から自社株買いに動く企業が増加したことなどが背景にあります。
 今回の相場急落で主力株の中にはアベノミクス相場が始まった2013年1月ごろの水準まで下がったものも散見されます。ただ2月中旬以降の6週間は全体的に下げ渋る動きに変わっていますので、値段に関係なく売らなければならない向きの売りは売り尽くしたとみられます。外国人売りはまだ止まってはいませんが、来週で3カ月が経過します。時期的にはそろそろ止まっておかしくないので期待したいところです。
 世界の株式市場は過度な悲観が後退し底値からそれなりの上昇していますが、日本株は為替の円高を受け、取り残された形なっています。東京市場も2月12日の14952円で底は付けた可能性が強まっているので、様子見のままでは芸がなさすぎます。今は半身の姿勢は保ったまま、底値から上がっていない出遅れ銘柄を狙うのが賢明ではないかとみています。

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