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投資戦略レポート

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2011年7月4日号

 騰落レシオは買われすぎ状態に

 方向感のない動きが続いていた東京市場ですが、先週は一転して堅調な動きになりました。。日経平均株価は5営業日中、4営業日上昇、週間では190円(1.96%)の上昇となりました。日経平均の終値は9868円で、5月2日以来、ほぼ2ヶ月ぶりの高値。心理的なフシ目の10000円まであと132円というところまで来ています。しかし手ばなしで喜べるような上昇ではありません
 ここへ来ての堅調な動きは米国株の上昇が背景になっています。積極的な買いが入っての上昇ではなく、海外株高を受けて買われた後はほぼその水準での揉み合いに終始。終わってみれば週間で190円の上昇になっていた。こんな感じの上昇です。相場の中身を見ても、売り込まれていた業種、銘柄の買い戻しや一部の日経平均採用銘柄の上昇が指数を支えているという格好になっています。このため売買代金はほとんど増えておらず、かろうじて1兆円をキープしているという状態になっています。
 相場の過熱感を見る騰落レシオは6月9日の74.3%を底に一本調子で上昇しており、7月1日には120.7%と買われすぎとされる120%を上回っています。日経平均は震災後の大底から21.7%(ザラバベース)も上昇、終値ベースでは震災前の97.6%の水準(基準は3月11日の10254円)まで戻しています。1日終値で計算した復元率は96.2%ですが、経済状況が回復していない今の時点で、ここからさらに上値をトライするというのは騰落レシオからも難しいのではないかと考えています。
 
 狙い目となるのは底値圏にある銘柄や売られすぎた銘柄
 

 こうした中、先週末の米国市場でNYダウとナスダック指数が急伸しました。NYダウは前日比168ドル(1.4%)高の12582ドルと5日続伸で、1ヵ月半ぶりの高値引け。ハイテク株比率の高いナスダック総合指数も42ポイント(1.5%)高の2816と5日続伸。米サプライマネジメント協会(ISM)が発表した6月の製造業景況感指数が前月比1.8ポイント上昇の55.3と、悪化すると見ていた市場予想に反して改善したため、米景気の減速懸念がやや後退する形になりました。これを受け、同日のCME日経平均先物は95円高の9985円と大証終値を135円上回って引けています。
 NYダウは今週はずっと上げっぱなしです。先週号で下落率からみてそろそろ反転してもおかしくありませんと指摘しましたが、チャートからは底入れした可能性が強まったように思います。雇用回復の遅れや住宅市場の低迷が続いてるので一段高に進むかは疑問ですが、先々週までのように米株安を懸念した雰囲気からは解放されます。
 東京市場は米・中景気の先行き不透明感を織り込む形で動いてはいますが、世界経済や為替に業績が左右される輸出関連株への投資にはなお注意が必要でしょう。昨年11月から29週連続で日本株を買い越してきた外国人の買い越し基調が途切れたことも気がかりな材料。売り越しに転じたわけではありませんが、有力な買いセクターがなくなったことは上昇する可能性が乏しくなったことを意味します。
 震災による先行き見通し難から今期業績を未定としている企業も多く、6月6日号と6月13日号では「休むも一法」としましたが、先週号ではそろそろ買いを考えるときでしょうとしました。サプライチェーンは予想以上のペースで復旧しています。業績を非開示としていた企業で、市場予想を上回る業績見通しを発表しているところも相次いでいます。上場企業の4~6月期業績の厳しさは相当程度織り込まれていますので、ここは先を見据えた投資に徹したいところ。騰落レシオが120%台に上昇してきたため、上がっている銘柄は避けるべきでしょう。狙い目となるのは底値圏にある銘柄や売られすぎた銘柄などでしょう。

2011年6月27日号

 方向感のない動き

 東京市場は方向感のない動きになっています。先週は日経平均株価が327円(3.50%)上昇し、6月1日以来、約3週間ぶりの高値水準で引けましたが、手ばなしで喜べるような上昇ではありません。積極的な買いが入っての上昇という感じではなく、売り込まれていた業種や銘柄の買い戻しが支えた形での上昇となっています。このため売買代金も低調で、かろうじて1兆円をキープしているという状態になっています。
 米国や中国の景気減速懸念が強まっているうえ、欧州財政問題の深刻化から、リスクを取ろうとする動きはみられません。手掛かり難から膠着感は一段と強まっていますが、下に調整するような感じでもありません。不思議な均衡が続いており、下がった局面では買いが入ってきます。3月15日のザラバ安値(8227円)で大底を付けたとの認識が根底にあるため、サプライチェーンが復旧しつつあるこの局面では、大きな調整はないと考えているからだとみられます。
 ただ日経平均は大底から19.4%(ザラバベース)も上昇、終値ベースでは震災前の93.6%の水準まで戻しています。震災で下落した分(1829円)の3分の2近くを戻しているだけに、現時点ではこれ以上の株価上昇は望むべくもありません。
 
 狙い目となるのは売られすぎた銘柄
 

 こうした中、先週末の米国市場でNYダウとナスダック指数が急落しました。NYダウは前日比115ドル(0.96%)安の11934ドルと3日続落、ハイテク株の比率の高いナスダック総合指数も同33ポイント(1.26%)安の2652となっています。NYダウは7週ぶりに反発したものの再び下落。まだ底入れが確認されていません。業績懸念からIT関連株が下落したほか、欧州の債務・金融問題への警戒が重荷となったようです。これを受け同日のCME日経平均先物は9600円と大証終値比70円安で引けています。
 今回の調整ではNYダウは4月の年初来高値から7.13%の下落となります。今年2月の調整時は高値から6.28%下落したところで底を入れました。昨年1月の調整時は7.62%安で底入れ。昨年5月のユーロ危機時は13.58%下落したところが底でした。チャート的にはもう少し調整する可能性もありますが、下落率からみてそろそろ反転してもおかしくありません。
 東京市場は米景気の先行き不透明感を織り込む形で動いてはいますが、世界経済や為替に左右される輸出関連株への投資には注意が必要でしょう。昨年11月から29週連続で日本株を買い越してきた外国人の買い越し基調が途切れたことも気がかりな材料。売り越しに転じたわけではありませんが、有力な買いセクターがなくなったことは上がる可能性が乏しくなったことを意味します。
 震災による先行き不透明感から今期業績を未定としている企業も多く、6月6日号と6月13日号では「休むも一法」としましたが、サプライチェーンは予想以上のペースで復旧しています。業績を非開示としていた企業で、市場の予想を上回る業績見通しを発表しているところも相次いでいます。上場企業の4~6月期の業績の厳しさは相当程度株価に織り込まれていますので、そろそろ買いを考えるときでしょう。狙い目となるのは売られすぎた銘柄群。外需関連株については上がっているものは避けるべきでしょう。

2011年6月20日号

2011年6月20日号はお休みします。

2011年6月13日号

膠着感の強い動き

 東京市場は方向感のない動きになっています。ゴールデンウィーク明けからそうした動きになっていましたが、5月後半以降、その傾向がより鮮明になっています。先週末の日経平均株価の終値は9514円。前週末との比較では22円安と小幅なマイナスになっています。週間の騰落幅は大型連休中で営業日が2日だけだった5月第1週を除くと、実質的に今年最小。日中値幅も100円を下回る日が多く、手掛かり難から膠着感は一段と強まっています。
 しかし下に調整するような感じはありません。不思議な均衡が続いており、下がった局面では買いが入ってきます。3月15日のザラバ安値(8227円)で大底を付けたとの認識が根底にあるため、サプライチェーンが復旧しつつあるこの局面では、大きな調整はないと考えているからだと思われます。
 ただ日経平均は大底から19.4%(ザラバベース)も上昇、終値ベースでは震災前の93.6%の水準まで戻しています。震災で下落した分(1829円)の3分の2近くを回復しているだけに、現時点ではこれ以上の株価上昇は望むべくもありません。
 
 いまは出動時期を探る段階
 

 こうした中、先週末の米国市場でNYダウとナスダック指数が急落しました。NYダウは前日比172ドル(1.4%)安の11951ドルとなり、約3カ月ぶりにフシ目の12000ドルを下回りました。ハイテク株の比率の高いナスダック総合指数も同41ポイント(1.5%)安の2643と3カ月ぶりの安値に沈んでいます。NYダウは週間では199ドル(1.6%)安と6週連続の下落。6週連続の下落となるのは2002年8月~10月以来、8年10ヶ月ぶりのことです。米国で景気減速を示す経済指標が相次いでいるほか、中国やインドなど新興国でも新車販売が伸び悩むなど世界経済の減速に対する警戒感が強まったことが主因。ユーロ圏の債務不安の深刻化に対する警戒感が広がり、10日の欧州株が軒並み下落したことも下げに拍車をかけたようです。
 NYダウの高値(4/29)からの下落率は6.70%。今年2月の調整時は高値から6.28%下落したところで底を入れています。昨年1月の調整時は7.62%安となったところで底入れ。昨年5月のユーロ危機のときは13.58%下落したところで底を入れています。チャート上はもう少し調整する可能性もありますが、下げの過程で景気減速懸念はある程度織り込まれた可能性もありますので、そろそろ反転してもおかしくありません。先行きの見通しについては予断を許しませんが、現時点では米国株がどちらに動いても対処できるような投資を考える必要があります。
 東京市場は米景気の先行き不透明感を織り込む形で動いてはいますが、世界経済や為替に左右される輸出関連株への投資には注意が必要です。昨年11月から29週連続で日本株を買い越してきた外国人が30週ぶりに売り越しに転じてきたことも気がかりな材料。当面は調整色の強い相場が続くとみざるを得ないと思います。
 先行きが不透明で今期業績を非開示としている企業も多く、いまは確信を持って注文を出せる状況ではありません。先行きがある程度読めるまで休むも一法かもしれません。ただ、懸念されたサプライチェーンは復旧しつつあります。業績面で最も厳しいとされる4~6月期の業績がある程度見えた段階で先行きの見通しは読めますので、いまは出動時期を探るときではないかと思います。それまでは発表された決算を分析して評価不足となっている銘柄を買うしか手がありません。輸出関連株については上がっているものは避けるべきでしょう。

2011年6月6日号

 膠着感が一段と強まる

 東京市場は方向感のない動きになっています。ゴールデンウィーク明けからそうした動きになっていましたが、先々週以降、その傾向がより鮮明になっています。先週末の日経平均株価の終値は9492円。前週末との比較では29円安。週間の騰落幅としては大型連休中で営業日が2日だけだった5月第1週を除くと、実質的に今年最小。手掛かり難から膠着感は一段と強まっています。
 とはいえ下に調整するような動きではありません。不思議な均衡が続いており、下がった局面では買いが入ってきます。3月15日のザラバ安値(8227円)で大底を付けたとの認識が根底にあるため、サプライチェーンが復旧しつつあるこの局面では、大きな調整はないと考えているからではないかとみられます。
 ただ日経平均は大底から19.4%(ザラバベース)も上昇、終値ベースでは震災前の93.6%の水準まで戻しています。震災で下落した分(1829円)の3分の2近くを回復しているだけに、現時点ではこれ以上の株価上昇は困難とみなければなりません。
 
 当面は調整色の強い動きに
 

 こうした中、5月の米雇用統計が発表されました。非農業部門の雇用増加数は前月比5万4000人増。8ヶ月連続の増加となっていますが、増加幅は直近8ヶ月の中で最も小さく、17万人前後とみていた市場の予想を大きく下回るものでした。民間需要の弱さを反映しており、雇用の回復が鈍ってきたことを示しています。5月のISM製造業景況感指数が前月の60.4から53.5に急低下したり、住宅市場が2番底を付ける懸念が広がるなど、米国では景気の停滞を示す経済指標が相次いでいます。
 3日の米国株は雇用統計を受けて下落しています。NYダウは前日比97ドル(0.8%)安の10215ドルと約2ヵ月半ぶりの安値に、ナスダック指数も同40ポイント(1.5%)安の2732と、3月28日以来の安値に沈んでいます。5月末にかけて調整一巡感が台頭かと思わせる場面もあったのですが、下に抜けてきました。これを受け、同日のCMEの日経平均先物も大証終値比65円安の9455円で引けています。
 米国の景気回復への期待がしぼむ結果となりましたので、東京市場にはネガティブに作用しそうです。昨年11月から29週連続で日本株を買い越してきた外国人が30週ぶりに売り越しに転じてきたことも気がかりな材料。当面は調整色の強い相場が続くとみざるを得ないでしょう。
 ただ雇用増加は続いており、米国の雇用回復が腰折れすることはないと考えています。5月の雇用統計は日本の大震災やミシシッピ川の洪水など一時的要因による影響が大きかったとみられるからです。米景気の重荷となるガソリン高も一服しています。先行きが不透明で今期業績を未定としているところも多く、いまは確信を持って注文を出せる状況ではありません。先行きがある程度読めるまで休むのも一法かもしれません。が、業績面で最も厳しいとされる4~6月期の業績が見えた段階で先行きの見通しはある程度読めますので、出動時期はすぐに到来します。それまでは発表された決算を分析して評価不足となっている銘柄を買うしか手がありません。

2011年5月30日号

 方向感のない動きが続く

 東京市場は方向感のない動きになっています。ゴールデンウィーク明けからそうした動きになっていましたが、先週はその傾向がより鮮明になったように思います。米国株が調整色の強い動きになっているうえに、決算発表の一巡で買い手掛かり材料が乏しくなったのが主因。先週は日経平均株価が週間で86円(0.90%)下落。高値と安値の日中値幅も5営業日中4営業日が100円以下で、膠着感も強まっています。売買代金も5日連続で1兆3000億円に届かず、27日は1兆558億円と4月26日以来、約1ヶ月ぶりの低さとなっています。
 4月以降、上値の重い動きが続いていますが、下に調整するような動きではありません。不思議な均衡が続いており、下がった局面では買いが入ってきます。3月15日のザラバ安値(8227円)で大底を付けたとの認識が根底にあるため、サプライチェーンが復旧しつつあるこの局面では、大きな調整はないと考えているからではないかとみられます。
 とはいえ、日経平均は大底から19.4%(ザラバベース)も上昇、終値ベースでは震災前の93.6%の水準まで戻しています。震災で下落した分(1829円)の3分の2近くを回復しているだけに、現時点ではこれ以上の上昇は困難です。決算発表の一巡で今後は海外要因に左右される動きになるとみられますが、海外市場に特段の悪材料がない限り、収益見通しに見極めが付くまでは、今後もこうした相場が続くとみなければなりません。
 
 米国株は底入れした可能性も
 

 27日の米国株は揃って上昇。NYダウは3日続伸し、前日比38ドル(0.3%)高の10244ドル、ハイテク株の比率の高いナスック指数も2日続伸となり、13ポイント(0.5%)高の2796で取引を終えました。このところ予想を下回る経済統計が相次ぎ、米景気の先行き不透明感が増していますが、FRBが景気を支えるために緩和的な金融政策を続けるとの観測が相場を支えたようです。ただNYダウは週間ベースでは4週連続の下落。調整色の強い動きになっていますが、チャートからは目先の底を入れたようにもみえます。株価や金、原油など国際商品相場上昇の起爆剤となったQE2(量的緩和第2弾)が6月末で終わるため米国株の動きには注意が必要ですが、悪材料は織り込まれた可能性があるだけに、悲観視する必要はありません。
 ただ3月第3週をピークに外国人の日本株買いが縮小していることは気がかりな材料。外国人は5月第3週(16~20日)まで29週連続で日本株を買い越し、15年ぶりに買い越しの最長記録を更新しました。同期間に国内投資家は売り越しており、外国人が日本株を支える構図が鮮明になっています。累計買越額は4兆8400億円超にもなります。昨年11月第1週から半年以上も買い続けているだけに、買いが途切れても不思議ではありません。大震災から2ヶ月以上経過しても復興に向けたビジョンも提示できない政治への不信から、買いを止める可能性も考慮しなければならなくなっています。
 決算発表の一巡で買い手掛かり材料はなくなっていますが、いまの局面では発表された決算を分析して評価不足となっている銘柄を買うしか手がありません。今回の決算発表では予想を非開示にした企業もかなりの数に達していました。全体相場が方向性を持って動き出すのは、最も厳しいとされる4~6月期の業績が見えたときからではないかと考えています。

2011年5月23日号

 方向感のない相場に

東京市場は方向感のない動きになっています。大型連休明けからそうした動きになりつつありましたが、先週はその傾向がより強まったように思います。米国株が調整色の強い動きになっているうえに、決算発表の一巡で買い手掛かり材料が乏しくなったのが原因。先週は日経平均株価が週間で41円(0.42%)下落。高値と安値の日中値幅も100円を下回る日が多く、膠着感も強まっています。売買代金も5日連続で1兆3000億円に届かず、20日は1兆1242億円と4月26日以来、3週間ぶりの低さとなっています。
 日経平均は4月以降、上値の重い動きになっていますが、下の方に調整するような動きはありません。不思議な均衡が続いており、下がった局面では買いが入ってきます。原発ショックで急落した3月15日のザラバ安値8227円で大底を付けたとの認識が投資家の根底にあるため、サプライチェーンが復旧しつつあるこの局面では、大きな下落はないと考えているからではないかとみられます。
 ただ日経平均はザラバベースで大底から19.4%、終値ベースでは震災前の93.6%の水準まで戻しています。震災で下落した分(1829円)の3分の2近くを回復しているだけに、先行きが不透明の現時点では、これ以上の上昇は考えられません。上場企業の決算発表がほぼ終了したので、今後は海外要因に左右される割合がより大きくなるとみられますが、海外市場に特段の悪材料がなければ、先行きの見通しが付くまでは、今後も方向感のない相場が続くとみなければなりません。
 
 政府に対する不信感がどの程度払拭されるかがポイント
 

 20日の米国株は揃って下落。NYダウは3日ぶりの反落で、前日比93ドル(0.7%)安の12512ドル、ハイテク株の比率の高いナスック指数は4日ぶりの下落で、同19ポイント(0.7%)安の2803で取引を終えました。格付け会社によるギリシャの債務格付けの引き下げや米景気の先行き不透明感からの売りに押されました。米国ではこのところ予想を下回る経済統計が相次いでおり、先行きについての楽観的見方は後退しつつあります。株価もそれを反映し調整色の強い動きとなっていますが、株価上昇や、金や銀・原油・穀物など国際商品相場上昇の起爆剤となったQE2(量的緩和第2弾)が6月末で終わるため、米国株や商品相場の動きには注意が必要です。
 3月第3週をピークに外国人の日本株買いが縮小しつつあることも気がかりな材料。外国人は5月第2週(9~13日)まで28週連続で日本株を買い越し、15年ぶりに買い越しの最長記録を更新しました。同期間に国内投資家は売り越しており、外国人が日本株を支える構図が鮮明になっています。累計買越額は4兆7903億円にもなります。昨年11月第1週から半年以上も続いているだけに、震災から2ヶ月以上経過しても復興に向けたビジョンの提示さえ出来ない現政権への不信から、買いを止める可能性も考慮しなければならなくなっています。
 決算発表の一巡で買い手掛かり材料がなくなっていますが、この局面では発表された決算を分析して評価不足となっている銘柄を買うしか手がありません。今回の決算発表では予想を非開示にした企業もかなりの数に達していました。全体相場が方向性を持って動き出すのは、最も厳しいとされる4~6月期の業績が見えたときからではないかと考えています。

2011年5月16日号

 変化を感じさせる動きに

 先週号で相場の流れに少し変化が出てきたようですと指摘しましたが、そのような動きを感じさせる一週間でした。日経平均株価は週間で211円(2.14%)下落。本格調整局面入りかと思わせる動きでした。13日の枝野官房長官の、「国が東電を支援するためには同社に融資している金融機関の債権放棄が必要」 とも取れる発言をしたことが地合いを悪化させました。大震災から2ヶ月を経過しても復興のイメージさえ描けていないのに、株式市場に追い打ちをかける発言で、メガバンク株中心にパニック売りが出る要因ともなりました。政府として固めた方針ではなさそうとの見方から大引けにかけては下げ幅を縮小しましたが、市場には政府に対する不信感を植え付ける結果になってしまいました。
 13日の東京市場で午前の日経平均株価は前日比23円安でした。これが午後には163円まで下落。大引けは100円近く戻して9648円(前日比67円安)となったものの、後味が非常に悪くなっています。日経平均は上値が重く、いつ調整してもおかしくない状態にありますが、発表される決算は思ったほど悪くないため、先行きをどう捉えたらいいか判断に迷う状態になっています。
 日経平均は3月15日の震災後の安値から終値ベースで1339円(16.26%)、ザラバベースで1789円(21.74%)上昇しています。サプライチェーンがそれほど復旧していないなか、震災前の株価の97.6%の水準まで戻したこと自体、不自然でしたたが、最近の動きは世界的な株高の流れに乗って押し上げられた日本株にも変化が出てきたのではと感じさせるものになっています。
 米国のQE2(大規模な国債買い入れ)が6月末で終了することを受け、歴史的水準まで上昇していた金や銀、原油、穀物などの国際商品相場が急落したため、市場では潮目が変わりつつあるのではとの見方も広がりつつあります。欧州の財政不安問題も再び市場のリスク要因となっています。3月第3週をピークに外国人の日本株買いが徐々に縮小していることも気がかりな材料。相場については注意が必要なように思います。 
 
 政府に対する不信感がどの程度払拭されるかがポイント
 

13日の米国株は大幅に反落しました。NYダウは前日比100ドル(0.8%)安の12595ドル、ハイテク株の比率の高いナスダック指数も同34ポイント(1.2%)安の2828で取引を終えました。欧州の財政問題への不透明感からユーロが売らたほか、国際商品相場の下げが響いたようです。NYダウは一時152ドル安まで下げ幅を広げる場面もありました。NYダウ、ナスダック指数ともリーマンショック前の株価を大きく上回る水準まで上昇していただけに、気になる動きです。
 先週末の東京市場は大引けにかけて下げ幅を縮小する動きとなりましたが、枝野長官の発言で後味の悪さが残る形で引けています。今週はこうしたもの(=政府に対する不信感)がどの程度払拭できるかにかかって来ます。決算発表は先週でほぼ一巡したため、今週以降は買い手掛かりとなる材料もなくなります。当面は発表された決算を分析して、いいものが買われる個別株相場が続くことになりそうです。

2011年5月9日号

 相場の潮目が変わった可能性も

 相場の流れに少し変化が出てきたようです。先週の東京市場は連休谷間の2日に大震災発生後、初の日経平均10000円台乗せを達成しましたが、6日には前営業日比145円(1.45%)安の9859円と急落、連休前の勢いがそがれた形になりました。サプライチェーンがそれほど復旧していないなか、震災発生前の株価の97.6%の水準まで戻したこと自体、不自然でしたたが、6日の動きはそれまでの世界的な株高の流れに底上げされた格好の東京市場にも変化が出てきたのではと感じさせるものでした。
 米国の大規模の国債買い入れ(QE2)を背景にしたリスク投資の勢いが鈍り、歴史的な水準まで上昇していた金や銀、原油、穀物などの国際商品相場が5日、揃って急落したことを受け、市場では相場の潮目が変わりつつあるのではないかとの見方が強まっています。市場関係者が強気を貫いてきた結果、商品相場が許容できる水準を超えて上昇したのではと市場関係者が自問自答し始めたのが背景。世界的にリスクテイクからリスク資産外しへとマネーの動きが変わると外国人の日本株買いは期待できなくなり、国内でも強気姿勢は貫けなくなります。 
 
 秋口からの景気回復期待が下値を支える

 6日発表した4月の米雇用統計は予想を上回るものでした。非農業部門の雇用者数は前月比24万4000人増。7ヶ月連続のプラスで、昨年5月以来、11ヶ月ぶりの増加幅となりました。これを受け、NYダウは3日ぶりに反発し、前日比54ドル(0.4%)高の12638ドル、ハイテク株比率が高いナスダック指数も5日ぶりに反発し、同12.84ポイント(0.5%)高の2827で取引を終えました。米景気が順調に回復しているとの見方が背景になっていますが、NYダウが一時175ドル高まであったことを考えると手放しで喜べるものでもありません。原油先物相場がさらに下落するなど国際商品相場の動揺が響いたようです。
 6日の東京市場は大幅安とはなりましたが、朝方の売りが一巡した後は、底堅い動きになっていました。ずるずる下げるような状況にはなっていません。いまの経済状況から考えて上値は重いとみなけれなりませんが、秋口からの景気回復期待もあり、下値リスクもそう大きくはないと考えています。原発ショックで急落した3月15日のザラバ安値8227円で大底を付けたとの認識が根底にあるため、サプライチェーンが復旧しつつある局面では大きな下落はないとみられることも第2の理由。
 足元の株式市場は原材料の調達や電力不足といった懸念材料を抱えており、今期収益が見通せない状態になっています。適切な投資判断を下すのが難しくなっていますが、今週は決算発表のピークに当たります。先行きに対して明るい見通しを示したところは買われるはずです。特に今回は好業績期待から先回り買いが出来なかった分、買い物が例年以上に集まる可能性もあります。今期は多くの企業が減益になるとみられますが、それは株価にすでに織り込まれています。許容範囲の減益見通しなら、むしろ好感されるのではないかと見ています。

2011年4月25日号

 決算発表までは身動きの取れない状態

 東京市場は方向感のない動きになっています。日経平均株価の日中値幅も次第に小さくなり、売買代金も震災後の最低水準で推移しています。震災や福島原発事故による景気や企業業績に与える影響が読みきれず、投資判断が下せない状況になっているのが主因。いわば身動きの取れない状態になっています。
 日経平均は4月に入って上値の重い調整色の強い動きになっていますが、下の方に調整するような感じではありません。不思議な均衡が続いており、下がった局面では買いが入ってきます。原発ショックで急落した3月15日のザラバ安値8227円で大底を付けたとの認識が投資家の根底にあるため、サプライチェーンが復旧しつつあるいまの局面では、大きな下落はないと考えているからではないかとみられます。
 とはいえ日経平均はザラバベースで大底から19.4%上昇、終値では震災前の93.6%の水準まで戻しています。震災で下落した分(1829円)の3分の2近くを回復しており、先行きの見通せない現時点では、これ以上、上昇することは理屈にも合いません。上場企業の決算発表が一巡し、先行きについての見通しが付くまではこう着感の強い動きが続くことになりそうです。
 
 今回は許容範囲の減益なら逆に好感される可能性も


 好調な企業業績を背景にNYダウが2年10ヶ月ぶりの高値に進むなど米国株は堅調な動きになっています。FRB内では金融引き締めに慎重な見方が優勢になっていると伝えられていることもあり、堅調地合いは当面続くと予想されます。米国株が堅調な間は日本株が下値を探る展開になる可能性は小さいと見られます。東京市場は当面、上値の重い動きが続くと見られますが、2番底を付けるのはも少し先で、もっと上昇してからではないかと考えています。
 大震災後の急落でほとんどの日本株が割安状態になっているため、基本的には、ここは絶好の買い場だと考えています。ただ足元の株式市場は原発事故に加え、原材料の調達や電力不足といった懸念材料を抱えており、今期収益がどうなるか見通せない状態になっています。適切な投資判断が難しくなっているため、いま狙うとすれば震災の影響を受けにくいネット関連株や西日本を地盤とした企業などでしょう。
 物色対象が絞り切れない状況になっていますが、今週からは3月期決算企業の決算発表が本格化します。先行きに対して明るい見通しを示したところは買われるはずです。特に今回は好業績期待から先回り買いが出来なかった分、買い物が例年以上に集まる可能性もあります。今期は多くの企業で減益になるとみられますが、それは株価にはすでに織り込まれています。許容範囲の減益見通しなら、むしろ好感されるのではないかと見ています。
なお次号は5月9日号からとなります。

2011年4月18日号

 動こうにも動けない状態

 東京市場は方向感のない動きになっています。日経平均株価の変動幅も次第に小さくなり、先週15日の日中値幅は74円ちょうどと大震災発生後の最小となってしまいました。震災や東電福島原発事故による国内景気や企業業績に与える影響が見通せず、投資判断が下せない状況になっているのが主因。いわば動こうにも動けない状況になっています。
 日経平均は8日に前日比177円(1.85%)高の9768円となり震災後の高値を6日ぶりに更新しましたが、日経平均はその前から戻りいっぱいといえるような動きを見せています。そうした動きは先週も変わっていません。ザラバベースで見て日経平均は大底から19.4%上昇、終値では震災前の95.3%まで戻しています。震災で下落した分(1649円)の3分の2強を回復したわけで、先行きの展望が見通せないいまの時点で、これ以上、上昇することは理屈にも合いません。
 ただ下の方に調整するような感じでもありません。不思議な均衡が続いており、下がった局面では買いが入ってきます。原発ショックで急落した3月15日のザラバ安値8227円で大底を付けたとの認識が多くの投資家の根底にあるため、サプライチェーンや電力不足などの不透明感が晴れていく局面では、相場の大きな下落はないと考えているからかもしれません。

 先行きに対して明るい見通しを発表したところなどが狙い目


 先週末の米国株はNYダウ、ナスダック指数とも揃って上昇しました。NYダウは前日比56ドル(0.46%)高の12341ドル、ナスダック指数は4ポイント(0.16%)高の2764で引けています。主要企業の1~3月期決算発表本格化を前に動きにくい状況ですが、堅調な経済指標を受け景気回復を期待した買いが優勢となっています。NYダウは先々週半ばに2年10ヶ月ぶりの高値を付けており利益確定売りが出やすい水準にありますが、しっかりした動きが続いていることに変わりはありません。
 当社では米国株が堅調な間は日本株が下値を探る展開になる可能性は小さいと考えています。東京市場は当面、上値の重い調整色の強い相場が続くと思いますが、2番底を付けるのはも少し先で、もっと上昇してからではないかとみています。
 大震災後の急落でほとんどの日本株が割安状態になっているため、基本的には、ここは絶好の買い場だと考えています。ただ足元の株式市場は原発事故に加え、原材料の調達や電力不足といった懸念材料を抱えており、収益への影響を予測しにくくしています。適切な投資判断が難しくなっているため、当面は震災の影響を受けにくいネット関連銘柄や西日本を地盤とした企業などが狙い目ではないかとみられます。物色対象が絞り切れない状況ですが、国内でも3月期決算企業の決算発表が迫っており、先行きに対して明るい見通しを発表したところなども狙い目といえます。

2011年4月11日号

 戻り高値更新も、株価が戻り歩調に入ったと見るのは早計

 上値が重く、戻りいっぱいになったかのような動きの続いていた東京市場ですが、8日に大きく反発し、日経平均株価は震災後の戻り高値を更新してきました。前週末の日経平均の終値は前日比177円(1.85%)高の9768円。週間では60円(0.62%)の上昇となっています。「株価指数先物買い・債券先物売り」や、週末を控えた売り方の買い戻しなど先物に絡んだポジション調整の売買で、後場から株価指数先物に断続的な買いが入り指数を大きく押し上げたためですが、これだけで相場が再び戻り歩調に入ったとみるのは早計でしょう。
 日経平均はザラバベースで底値から19.4%上昇、終値では震災前の95.3%まで戻しています。震災で下落した分(1649円)の3分の2強を回復した計算になります。歴史に残る記録的な震災であるだけでなく、被害の全体像が見えず、東京電力福島原発の深刻な状態が続いている状況下では、株価が一段と上に向かうとは考えられません。東京市場は小康状態を取り戻してはいますが、原発問題が改善する気配を見せるまでは、上値の重い、方向感のない相場が続くのではとみています。
 今後の見通しは原発事故がいつ、どのような形で収束するかにかかってきます。東京電力は先週、今後は原則として「計画停電」は実施しないと発表していますが、電力不足への不安は残ったまま。大震災発生は株価にほぼ100%織り込まれたとみていますが、原発事故の動向や電力不足への不安から、日経平均が震災前の株価を回復してくるのはもっと先だと考えています。

 物色対象が絞れ切れない状態

 先週末の米国株はNYダウ、ナスダック指数とも揃って下落しました。NYダウは前日比29ドル(0.24%)安の12380ドル、ナスダック指数は15ポイント(0.56%)安の2780。日本での原発事故や中東・北アフリカ情勢を受けて原油先物相場が連日で直近の高値を更新しており、景気益への悪影響を懸念した売りに押されています。NYダウは週半ばに2年10ヶ月ぶりの高値を付けており利益確定売りが出やすかったこともありますが、米国株の動きは不安定な日本株を大きく揺さぶると要因となりますので要注意でしょう。
 米国株がしっかりしている間は日本株が再度、下値を探る展開になるとは考えていません。当面は急反発した後の調整色の強い相場が続くとみています。日経平均が2番底を付けるとしてももう少し先のことで、もっと上昇してからではないかと考えています。
 大震災後の急落で、ほとんどの日本株が割安状態になっているため、基本的には、ここは絶好の買い場だとみられます。ただ、震災の被害や原発問題が個別企業の業績に及ぼす影響が不明で、物色対象が絞れ切れない状態になっています。被災して操業再開が遅れたり部品調達難から生産が滞るなどの影響が見えてきた企業は売りが優勢(下げるではありません)となる一方、復興需要などで業績改善が期待できそうな企業は買いが優勢になると考えられます。狙うとすれば震災の影響を受けにくいネット関連企業や、西日本を地盤とする企業ではないかとみています。

2011年4月4日号

 震災前の株価回復は困難

 市場は次第に落ち着きを取り戻して来たように思います。先週は日経平均が172円(1.80%)上昇。1日の終値は9708円と震災前の株価の94.6%まで戻しています。震災で下落した分(1649円)のちょうど3分の2を回復した計算になります。大震災による被害の全体像が見えず、東京電力福島原発事故の状況も予断を許さない状態が続いており、積極的に買っていこうという雰囲気ではありませんが、東京市場はひとまず小康状態を取り戻したとみられます。
 歴史に残る未曾有の大震災だったため、個人投資家などでは投資心理が萎縮し、市場からの撤退を決めた方も多かったのではと思いますが、15日に付けた8605円を下回って日経平均が下げることはないと考えています。
 今回の記録的な急落は地震・津波の被害に原発事故が重なって下げを大きくしただけに、今後の見通しは原発事故がいつ、どのような形で収束するかにかかってきます。ただ、東電の計画停電は今後も続く見通しであり、企業の生産・経済活動は今後も制約を受けることに変わりはありません。大震災発生は株価にすでに織り込まれたとみていますが、原発事故の動向や計画停電が重荷になり、日経平均が震災前の株価を回復してくるのは当分、困難ではないかと考えています。

 震災の影響の見極めが重要に

 1日発表した3月の米雇用統計で非農業部門の雇用者数は21万6000人増と市場予想(約18万5000人増)を上回り、2010年5月以来10ヶ月ぶりの増加幅を記録しました。6ヶ月連続のプラスで、前月に続いて改善の目安となる「10万人」を大幅に上回りました。これを受け、1日のダウ工業株は前日比56ドル(0.5%)高の12376ドルとなり、ナスダック総合指数も同8ポイント(0.3%)高の2789で取引を終えました。雇用統計発表を受けNY外為市場でもドル買い・円売りが進み、円相場は1ドル=84円台まで下落しています。底堅い消費などを背景に米景気に楽観論が広がりつつあり、投資家心理が強気に傾いてきたのが原因。
 米国株がしっかりしているので、日経平均が再度、下値を探る展開になるとは考えていません。2番底を付けるとしてももう少し先のことで、日経平均がもっと戻してからだと考えています。
 国連安保理事会の決議を受け、多国籍軍がリビア政権側に空爆を行っていますが、リビア情勢はこれにより解決へ向けて動き出したと考えています。リビア問題は株価には相当程度織り込んでいるとみられるので、地上戦になったとしても株価急落にはつながらないとみています。
 大震災後の急落で、ほとんどの日本株が割安状態になっているため、基本的に、ここは絶好の買い場だと考えています。ただ選別色の強い動きになると見なければなりません。生産設備が被災して操業再開が遅れたり、部品調達難で生産が滞るなど震災の影響が見えてきた銘柄は売りが優勢となる一方、復興需要で業績改善が期待できそうな銘柄などは買いが優勢になるとみられます。部品の供給不足から西日本を地盤とする企業でも震災の影響が広がっており、震災が企業業績に与える影響の見極めが重要になっています。

2011年3月28日号

 震災前の株価回復は当分、困難か

 大震災の激震に見舞われた東京市場ですが、市場の混乱は次第に収まりつつあります。先週は4営業日ありましたが、日経平均株価は22日に大きく戻した後は9500円を挟んだ動きに終始。大震災による被害の全体像が見えず、東京電力福島原発事故も予断を許さない状況が続いており、上値を買っていこうという状況ではありません。25日の日経平均株価の終値は9536円。前週末比330円(3.58%)高。最安値をつけた15日からは931円(10.82%)戻しています。市場心理が落ち着きを取り戻してきましたので、15日の8605円で底は入れたと判断されます。
 今回の記録的な急落は原発事故が重なって下げを大きくしたといえますので、今後の見通しは原発事故がいつ、どのような形で終息するかにかかってきます。ただ、東京電力の計画停電は今後も続く見通しであることから、企業の生産・経済活動は今後も制約されます。大震災発生は株価に織り込まれたと思いますが、日経平均が上値追いの動きに転じ、震災前の株価を回復してくるのは当分、無理ではないかと見た方がいいように思います。

 選別色の強い相場展開に

 世界の金融・株式市場は日本の大震災ショックから立ち直りつつあり、米国株は先週、NYダウもナスダック指数も揃って震災発生前の株価を回復しています。日本のエネルギー不足から大震災の復旧・復興に向けてエネルギー・素材関連製品の対日輸出が増えるとの観測が強まり、関連銘柄などが物色されています。2010年10~12月期の実質GDP確定値が前月発表の改定値から上方修正されたことも、景気の回復基調が裏付けられたとして買い安心感につながっています。
 米国株がしっかりしていますので、日経平均が再度、下値を探る展開になるとは考えていません。2番底を付けるとしてももう少し先で、日経平均がもっと戻してからだと考えています。
 国連安保理事会の決議を受け、多国籍軍がリビア政権側に空爆を行っていますが、リビア情勢はこれにより解決へ向けて歩み出したと考えています。リビア問題は株価には相当程度織り込んでいる見られるので、戦闘激化があったとしても株価急落にはつながらないとみています。
 大震災後の急落で、ほとんどの日本株が割安状態になっているため、基本的にここは絶好の買い場だと考えています。ただ選別色の強い動きになると見なければなりません。生産設備が被災して操業再開が遅れるなど震災の悪影響が見えてきた銘柄は売りが優勢となる一方、復興需要で業績改善が期待できそうな銘柄などは引き続き買いが優勢になるとみられます。部品の供給不足から西日本を地盤とする企業でも震災の影響が広がっており、震災が企業業績に与える影響の見極めが重要になっています。

2011年3月22日号

 すでに大底を入れた可能性が

 激震に見舞われた1週間でした。3月11日に発生した東日本巨大地震とそれが引き起こした東京電力福島第1原発の爆発事故。東京市場は過去最大級の急落に見舞われました。ザラバベースでみた日経平均株価の下落幅は15日までの2日間で2027円(19.76%)に達し、あっという間にリーマンショック後の安値を付けた2009年3月の水準まで戻ってしまいました。17日には海外市場で円の対ドル相場が過去最高となる1ドル=76円台まで上昇。最悪な相場環境となりましたが、16日以降は過度の不安心理がひとまず後退し、戻す展開となりました。それでも終値ベースでみた日経平均の週間下落幅は1048円(1022%)にもなっています。
 日経平均が最安値から切り返してきたのは①テクニカル的に超売られすぎ状態になったこと、②原発事故についての新たな悪材料が伝わらなくなったこと、③G7財務相・中央銀行総裁会議で日米欧の金融当局が円高阻止に向けて協調介入に踏み切ることで合意したことなどが背景。主要7カ国が円高阻止で合意したことは、東京市場の重荷になっていた不安要素が取り除かれたことを意味するだけに、今後の相場にもいい影響を与えそうです。投機筋に対するけん制となり、急激な円高懸念はなくなったとみられるからです。
 日経平均は先週14日が前週末比633円安、15日が前日比1015円安となりましたが、チャート上、15日の8605円で大底を入れたと考えられます。終値ベースでみた2月21日の直近高値からの日経平均の下落率は20.74%、ザラバベースでは2月17日の高値から24.46%の下落となります。14日の下落は巨大地震を受けた下落、15日の下落は原発事故を受けて不安心理が極度に高まったための下落と見ることも出来ます。

 ほとんどの日本株が割安状態に

 巨大地震発生と原発事故が日本だけでなく世界の金融・株式市場を揺さぶっていますが、緊迫状況が続いている福島原発で悪材料が出なくなりつつあることから、世界的な株安連鎖は収まりつつあります。福島原発はまだ予断を許さない状況ですが、報道を見る限り一時よりはいい方向に向かっているようで、少しではありますが先行きに希望もみられるようになっています。円高阻止に向けた各国の協調介入で過度の不安心理も後退しており、今後は震災が日本経済に及ぼす影響を冷静に見極める動きになってくるとみられます。
 国連安全保障理事会の決議を受け入れ、リビアが軍事行動を停止すると宣言したことで、リビア情勢も解決へ向け歩み出した感があります。リビア問題は株価には相当程度織り込まれていると見られるので、例え戦闘激化があったとしても株価急落にはつながらないと考えています。
 大震災後の急落によりほとんどの日本株が割安状態になっており、基本的にここは絶好の買い場だと考えます。大震災の各企業の生産活動への影響を見極める必要がありますが、大きく売り込まれた銘柄は狙い目でしょう。とりわけ追い証発生などで大量の投げ売りが出て極端な水準まで下げた新興銘柄などは狙い目ではないかとみています。

2011年3月14日号

2011年3月14日号はお休みします。

2011年3月7日号

 中東・北アフリカ情勢は先行き不透明な状態に

 中東・北アフリカ情勢が混迷の度を深めているため、東京市場は外部環境にらみの動きになっています。先週は日経平均株価が167円(1.59%)上昇。これまでのこう着感の強い相場から値動きの激しい動きに変わっています。リビアでは各地で政権側と反体制派の衝突が続いており、バーレーンやオマーン、ヨルダン、イエメンでも民主化要求デモが起こっています。世界最大の産油国であるサウジでも、今週11日を「怒りの日」としてデモを呼びかける動きがあります。各国政府は混乱の波及阻止を狙い、矢継ぎ早に対策を打っていますが、中東全域に広がった民主化要求デモは収まる気配がありません。
 中東・北アフリカ情勢と原油価格の動向は世界経済にとって最大の不透明要因となっており、先行きが読めない状況になっています。こうした状況下ではポジションを一方向に傾けることも出来ず、当面は外部環境にらみの相場が続くとみられます。一時の楽観ムードは後退しましたが、先々週の想定を超えた下落は収まりつつあり、投資家心理は回復しつつあります。

 いま狙えるのは調整一巡感の出た銘柄などごく一部

 4日発表された2月の米雇用統計で、非農業部門雇用者数は前月比19.2万人増と、2010年5月以来の増加幅を記録しました。金融緩和などの政策効果や新興国経済の成長を追い風に米景気が上向いてきたことで、雇用も徐々に改善する形になっています。GDPの7割を占める個人消費支出は1月まで前月比で7カ月連続増加しており、堅調な消費を背景に非製造業部門の景況感も2月まで6カ月連続で前月比で上昇しています。
 雇用統計を受け4日のNYダウは前日比88ドル(0.72%)安、ナスダック指数も14ポイント(0.50%)安とともに下落しましたが、これは雇用指標の改善期待で前日に大幅高した反動と考えられます。リビア情勢の緊迫化を受け、WTI期近物が2年5カ月ぶりの高値を付けたことも売りを加速させたようです。ただNYダウは一時の180ドル近い下落から下げ幅を大きく縮めており、リビア情勢の混迷長期化は織り込まれつつあるように思います。
 いまマーケットが懸念しているのは民主化要求デモがサウジなど他の産油国に波及し、政治的混乱から原油生産に影響が出ないかという点です。この点に関しては前述のように先行きが読めません。ただ世界の株価は中東・北アフリカ情勢の混迷を相当程度織り込んでいます。リビア情勢が解決していないので即断は出来ませんが、ここからは、これ以上の情勢悪化はないという前提で臨んだ方がいいのではないかと考えています。
 米国株はリビア情勢の緊迫化を受けた先々週と先週の下落が適度な調整になった可能性もあります。 東京市場も同様です。先々週の想定を超えた下落で、市場にくすぶっていた過熱感はなくなっています。日経平均は直近安値(1/31)から高値(2/21)までの上昇幅の3分の2押し水準(10443円前後)近くまで下げてから反転しているだけに、目先の底を付けた可能性もあります。反政府デモの動きがサウジなど他の産油国に波及しないということが前提となりますが、下げた局面があれば押し目買いの好機でしょう。いまの不透明な局面で狙えるのは調整一巡感の出た銘柄か、売られすぎた銘柄などごく一部だとみています。

2011年2月28日号

 中東・北アフリカ情勢の先行きが読めない状態に

 リビア情勢の緊迫化を受け、先週の東京市場は急落。日経平均株価は21日は前日比14円高となり、昨年4月30日以来の高値を更新しましたが、22、23、24日と大きく下落。25日は74円高と持ち直しましたが、週間では316円(2.91%)の下落となりました。22日から24日までの3日間の下落幅は405円(3.73%)。日経平均がこれだけ下落すると、個別では下げがきつくなる銘柄も多く、追い証が発生した投資家も少なくなかったようです。
 想定を超えた下落だったため、個人投資家の投資意欲は後退、取引を手控える動きが目立ちました。25日の反発力の鈍さがそれを物語っています。この日は、前日の米国市場でナスダック指数が上昇したほか、原油先物相場が下げたことで、原油高による米国経済の下押し懸念が和らぐ形となりましたが、急落した後の戻りとしては物足りなさの残る上げでした。リビア情勢を始めとした中東・北アフリカ情勢の先行きが読めず、買いを手控える投資家が多くなっているのが原因です。

 調整一巡感の出た銘柄、売られすぎた銘柄などが狙い目

 25日の米国市場でNYダウとナスダック指数は揃って上昇しました。NYダウは4営業日ぶりの反発で、前日比61ドル(0.51%)高の12130ドル、ナスダック指数は2日続伸で、43ポイント(1.58%)高の2781でそれぞれ取引を終えました。ここ数日の株式相場を左右していた原油先物相場の上昇ペースが鈍り、投資家心理がやや改善する形となっています。
 背景には中東・北アフリカ情勢がこれ以上は悪化しないとの見方が出てきたことがあります。リビア情勢は緊迫の度を深め内戦状態になってますが、反体制派勢力の掌握地域が広がっており、残るのは首都トリポリだけという状況になっています。包囲網が狭まり、カダフィン政権はデモ弾圧の強硬姿勢とは裏腹に末期的様相を呈しつつあります。今後の秩序回復がどういった形で進められるのか見えていませんが、マーケットは現政権の崩壊をすでに織り込んでいます。
 いまマーケットが懸念しているのは、こうした反政府の動きがサウジなど他の産油国へ波及しないかという点です。これらの諸国はチュニジアから始まった今回の政変を受け、国民の不満解消のための手立てを相次いで打ち出しています。リビア情勢が解決していないので即断は出来ませんが、ここからは、これ以上の状況悪化はないという前提で臨んだ方がいいのではないかと考えています。
 米国株はリビア情勢の緊迫化を受けた先週の下落が適度な調整になった可能性があります。 東京市場も同じです。今回の想定を超えた株価下落で、市場にくすぶっていた過熱感はなくなりました。日経平均は直近安値(1/31)から高値(2/21)までの上昇幅の3分の2押し水準(10443円前後)近くまで下げてから反転してきただけに、目先の底を付けた可能性もあります。反政府デモの動きがサウジなど他の産油国に波及しそうにないということが前提となりますが、ここからは下げた局面があれば押し目買いの好機でしょう。この局面で狙えるのは調整一巡感の出た銘柄か、売られすぎた銘柄などとみています。

2011年2月21日号

2011年2月21日号はお休みします。

2011年2月14日号

 こう着感の強い動き

 東京市場は高値圏でこう着感の強い動きが続いています。相場の過熱感が意識され、いつ調整してもおかしくありませんが、売りと買いが交錯し、上にも下にも行けない状況になっています。日経平均株価の日中値幅は100円未満の日が多く、海外要因を受けて上下に動いた後は、方向感のない動きとなっています。先週は日経平均が週間で62円(0.59%)上昇、約9ヶ月ぶりに10600円台を回復して引けています。
 こう着相場が続けば投資マインドが悪化するのが普通ですが、今回は逆に好転しています。相場回復で個人投資家の投資余力が増しているうえに、外国人の日本株買いが続いているためです。外国人は昨年11月第1週から今年2月第1週(1月31日~2月4日)まで14週連続で日本株を買い越しています。この間の買越額は1兆9000億円超と2兆円に迫っています。昨年11月からの株高を演出したのはこの外国人買いですが、背景に日本株の割安さや、日本株比率を落とし過ぎていた側面があるだけに、この流れがそう簡単に変わるとは思えません。買越額が大きくなってきたので買いの勢いが鈍る可能性はありますが、米国景気が回復色を強めていることもあり今後も買い越しは続くと予想されます。
  
 調整一巡感の出た銘柄や売られすぎた銘柄などが狙い目

 10日の米国市場でNYダウとナスダック指数は高安まちまちで引けましたが、NYダウは12229ドルとほぼ2年8ヶ月ぶりの高値、ナスダック指数も2790とほぼ3年3ヶ月ぶりの高値で引けています。製造業・非製造業とも景況感が回復していることを示す経済指標が相次ぎ、堅調な個人消費と相まって景気回復期待が高まっていることが株価を押し上げる要因になっています。ただ、調整らしい調整もなくほぼ一本調子で上昇しているだけに、いつ調整があってもおかしくない水準にあることには留意する必要があるでしょう。
 エジプトの反政府デモが新たな地政学的リスクとして浮上していますが、いまのところマーケットを動揺させるような状況にはなっていません。状況はいい方向に向かいつつありますが、注視しなければならない問題であることには相違ありません。
 2010年4~12月期の決算発表は先週でほぼ一巡しました。これに伴い東京市場での買い手掛かり材料はなくなりました。当面は相場を大きく動かす可能性がある重要なイベントもないことから、こう着感の強い動きが続くとみられます。物色面では手詰まり感が強まりつつありますが、こうしたなかで狙い目となるのは、調整一巡感の出た銘柄や売られすぎ状態にある銘柄などでしょう。

2011年2月7日号

 投資マインドは好転

 東京市場は高値圏でこう着感の強い動きが続いています。相場の過熱感が意識され、いつ調整してもおかしくありませんが、売り方と買い方が攻めぎあい、上にも下にも行けない状況になっています。日経平均の日中値幅は100円未満の日が多く、海外要因を受けて朝方、上下に動いた後は方向感の見えない動きになっています。先週は日経平均が週間で183円(1.77%)上昇、約半月ぶりに10500円台を回復して引けました。4日に、新日鉄と住金の経営統合計画が報じられ、市場が業界再編期待やM&A期待からやや高揚的な動きになったためです。3日時点で見れば週間の騰落幅はわずかマイナス71円。
 こう着相場が続けば投資マインドは悪化しますが、今回は逆に好転しています。相場回復で個人の投資余力が増しているうえに、外国人の日本株買いが続いているためです。外国人は昨年11月第1週から今年1月第4週(24~28日)まで13週連続で日本株を買い越しています。この間の買越額は1兆6726億円にもなります。昨年11月以降の株高を演出したのはこの外国人買いですが、背景に指標面でみた日本株の割安さのほかに、日本株比率を落とし過ぎていた側面があるだけに、この流れがそう簡単に変わるとは思えません。買越額が大きくなってきたので買いの勢いが鈍る可能性はありますが、米景気が回復色を強めているため、今後も買いは続くと予想されます。
  
 好業績が織り込まれているか否かの見極めが重要に 

 4日発表された1月の米雇用統計は、失業率が大きく改善する半面、非農業部門の雇用増加数は3万6000人と予想(14万8000人)を大幅に下回りました。雇用情勢は改善しつつあるものの、依然として力強さには欠ける状態が続いています。これを受けた同日の米市場は、NYダウが前日比29ドル(0.25%)高の12092ドルと2008年6月17日以来、ほぼ2年8ヶ月ぶりの高値に上昇、ナスダック指数も15ポイント(0.56%)高の2769と、07年11月6日以来、3年3ヶ月ぶりの高値に進んでいます。今年に入り、製造業・非製造業ともに景況感が回復していることを示す経済指標が相次ぎ、堅調な個人消費と相まって景気回復期待が高まっていることが相場を押し上げる形になっています。ただ米株については利益確定売りが出やすい水準まで上昇していることに留意する必要があります。
 エジプトの反政府デモが新たな地政学的リスクとして浮上してきましたが、いまのところマーケットを動揺させるような状況にはなっていません。悲観的に捉える必要はないと思いますが、注視しなければならない問題であることは相違ありません。
 国内では先週から2010年4~12月期の決算発表が本格化しています。決算発表期間中は好決算を発表した企業が個別に買われる展開になりますので、ここでは好決算を発表した銘柄を狙うしか手はありません。好業績については株価にかなり織り込まれている感もありますので、好業績が織り込まれているかそうでないかの見極めは重要でしょう。東京市場はまだ調整して底を入れた状態になっていないので、一方向にポジションを傾けるのはリスクがありますが、好決算銘柄以外では、調整一巡感の出た銘柄や売られすぎ状態にある銘柄などが狙い目でしょう。

2011年1月31日号

 膠着相場が続くも投資マインドは良好

 東京市場は高値圏でこう着感の強い動きが続いています。相場の過熱感が意識され、いつ調整してもおかしくありませんが、売り方と買い方が攻めぎあっている状態になっています。先週の日経平均株価の騰落幅はわずか15円。相場には方向感が感じられません。指数が下がらないなかで個別物色の動きが続いています。
 膠着相場が続けば投資マインドは悪化するものですが、今回はむしろ好転しているような感じがします。相場回復で個人投資家の回転が効きつつあるうえ、外国人投資家の日本株買いが続いているためです。外国人は昨年11月第1週から1月第3週(17~21日)まで12週連続で日本株を買い越しています。この間の買越額は1兆8000億円超にもなります。昨年11月以降の株高を演出したのはこの外国人買いですが、その背後には指標面でみた日本株の割安さのほかに、日本株比率を落とし過ぎていた側面があるだけに、この流れはそう簡単に変わるとは思えません。米国景気が回復色を強めてきたことも投資家のマインドを好転させています。
  
 好決算銘柄が個別に物色される展開 

 28日の米国市場で株価が急落しました。、ダウ工業株30種平均は前日比166ドル(1.39%)安、ナスダック指数は同68ポイント(2.48%)安とともに大幅な下落となっています。エジプトで起きた反政府デモが中東諸国に広がるとの懸念が広がり、投資家心理が悪化したのが原因といわれています。2010年10~12月期の米実質GDP(速報値)が前期比年率3.2%増と堅調で、GDPの約7割を占める個人消費が大幅に伸び、景気が順調に回復しつつあるだけに、悲観的に見る必要はないと思いますが、NYダウが2年7ヶ月ぶりの高値、ナスダック指数が2007年12月以来、3年2ヶ月ぶりの高値にあるだけに、来週以降の動きには注意が必要でしょう。
 国内では先週末から2010年4~12月期の決算発表が本格化しています。決算発表期間中は好決算を発表した企業が個別に買われる展開になるので、銘柄選びは簡単だと思います。東京市場はまだ底を入れていないため、一方向にポジションを傾けるのはリスクがありますが、好決算銘柄以外では、調整一巡感の出た銘柄や売られすぎ状態にある銘柄などが狙い目でしょう。日経平均は調整したとしても下値は限定的なものにとどまるとみられるため、下げた局面があれば押し目買いの好機だと考えています。

2011年1月24日号

 調整があったとしても下値は限定的なものに

 堅調な動きが続いていた東京市場ですが、先週は後半にかけて急落する展開となりました。20日は日経平均株価が今年に入って始めて3桁の下落となり、21日も162円安とさらに下落。とりわけ21日は売買代金が1兆9152億円と前日比4割増と、SQ算出日を除くと昨年5月7日以来の水準に膨らみました。昨年11月から上昇が続き、きっかけがあれば売りが出やすい状況にあっただけに、新興国の利上げ懸念が格好の売り場を与えたようです。
 当面の利益を確定する売りが一斉に広がったのが今回の株安の主因だと思われます。日経平均は50日間維持していた25日線を大きく下回りました。騰落レシオが過熱状態を示していたこともあり、東京市場は調整局面入りしたと見られます。今後は下目メドが焦点となりますが、基本的には大きな調整はないと考えています。下がったとしても75日移動平均線(21日現在で9946円)前後までではないかとみています。
 背景は投資マインドが好転しており、積極的な押し目買いが期待されること。個人や内外の機関投資家を含めて今回の反転相場に乗れた投資家はほとんどいなかったとみられるので、下げた局面ではそうした投資家の買いが期待されます。下げそうで下げない相場が1ヶ月以上も続いていたのも、そうした向きの買いがあったためだとみられます。
 外国人買いも続いています。外国人は昨年11月第1週から1月第2週(11~14日)まで11週連続で日本株を買い越しています。この間の買越額は1兆5000億円超にもなります。昨年11月以降の株高を演出したのはこの外国人買いですが、買い越しの背景にはPERやPBRなど指標面でみた日本株の割安さのほかに、日本株比率を落とし過ぎていた側面があるだけに、この流れがそう簡単に変わるとは思えません。米景気の回復で最も恩恵を受けるのも日本企業です。欧米の機関投資家が資金を引き上げる材料も見当たりません。
  
 調整一巡感の出た銘柄などが狙い目 

 21日のNY市場で、ダウ工業株30種平均は前日比49ドル(0.4%)高の11871ドルと、2008年6月19日以来、2年7ヶ月ぶりの高値となりました。ナスダック指数は14ポイント(0.5%)安の2689となりましたが、2007年11月以来、3年2ヶ月ぶりの水準まで回復しています。主要企業の決算が好調で、好調な企業業績が株価を押し上げる構図が続いています。
 今週からは国内でも2010年4~12月期決算の発表が始まります。内閣府が21日発表した1月の月例経済報告で、エコカー補助金終了で落ち込んでいた自動車の生産に底打ち感が強まったことなどを背景に、景気の基調判断を「足踏み状態にあるが、一部に持ち直しに向けた動きがみられる」と、前月の「足踏み状態にある」から7ヶ月ぶりに上方修正しているだけに、業績の先行きには期待が高まりつつあります。
 株価がまだ底を入れていないため、一方向にポジションを傾けるのは危険ですが、調整一巡感の出た銘柄や売られすぎ状態にある銘柄は狙い目でしょう。日経平均は調整したとしても下値は限定的なものにとどまるとみられるため、下げた局面があれば押し目買いの好機だと云えます。

2011年1月17日号

 押し目買い意欲は強い

 東京市場は高値圏でしっかりした動きが続いています。13日には日経平均株価が昨年来高値を更新するなど基調の強さもうかがえます。東証1部の売買代金が1兆5000億円前後に増加するなどボリュームも増えて来ていますが、その割りに値幅での動きは大したことはありません。
 先週の日経平均の週間騰落幅はマイナス42円(0.40%)。東京市場は今年に入って想定以上の強さを見せている印象がありますが、昨年末からは271円(2.65)しか上昇していません。全般的には上値は相当重くなっています。騰落レシオが149.2%まで上昇、昨年12月2日から28営業日連続で買われすぎとされる120%を超える異常な状態が続き、高値警戒感が高まっているためです。
 相場は調整を欲していのに下げない状態が1ヶ月以上も続いています。こうしたことが下値不安を後退させ、投資家心理を好転させています。個人や内外の機関投資家を含めて今回の反転相場に乗れた投資家はほとんどいなかったとみられるため、下げた局面では乗り遅れた向きが買いを入れているようです。押し目買い意欲の強さから考えて、今回は調整があったとしても値幅での調整はあまりないとみられます。
  
 出遅れ感のある銘柄や調整一巡感の出た銘柄が狙い目 

14日のNY市場で、ダウ工業株30種平均は前日比55ドル(0.5%)高の11787ドルと、2008年6月25日以来、2年半ぶりの高値となりました。ナスダック指数も20ポイント(0.7%)高の2755となり、2007年11月6日以来、3年2ヶ月ぶりの高値に進んでいます。半導体大手インテルや銀行大手JPモルガン・チャースなどの好決算を受けて、今週から発表が本格化する企業業績への期待が高まる形になっています。一段高に進んだら日本株上昇の牽引役にもなりますので、注意が必要でしょう。
 海外投資家の日本株買いが継続していますので、東京市場は今後も堅調な相場が続くとみられます。外国人は昨年11月第1週から1月第1週(4~7日)まで10週連続で日本株を買い越しています。この間の買越額は1兆2000億円超にもなります。昨年11月以降の株高を演出したのはこの外国人買いですが、買い越しの背景にはPERやPBRなど指標面でみた日本株の割安さや、日本株比率を落とし過ぎた側面があるだけに、この流れがそう簡単に変わるとは思えません。
 騰落レシオからみれば東京市場は超過熱状態にありますが、海外株が急落でもしない限り大きく調整することはないと考えています。調整があったとしても下値は限定的なものにとどまる公算大でしょう。いまは上値追いを避け、出遅れ感のある銘柄や調整一巡感の出た銘柄を仕込むときだと考えます。狙い目となるのは世界的な景気回復の波に乗れる外需関連ということになりそうです。

2011年1月11日号

 市場にはユーフォリア現象も
 
 新年に入って相場の地合いは一段と良くなっています。日経平均株価は7日、前日比11円高の10541円となり、2010年5月13日(10620円)以来の高値で引けました。4営業日中、3営業日が上昇する展開で、週間の上昇幅は313円(3.06%)にもなります。12月中旬以降、こう着感の強い相場が続いていましたが、吹っ切れたような動きになっています。売買代金も増加し、6、7日は1兆5000億円前後まで膨らんでいます。市場にはユーフォリア(浮かれ気分)現象さえ出つつあります。
 こうした相場を演出しているのは、米景気が底堅さを増し、新興国に代わって今年の世界景気をけん引するとの期待が高まっているためです。米サプライマネジメント協会(ISM)が発表した昨年12月の米製造業景況感指数は前月比0.4ポイント高の57と7ヶ月ぶりの水準に上昇したほか、非製造業景況感指数も2.1ポイント高の57.1と市場予想を上回り、4ヶ月連続のプラスが続いています。米国の金融緩和が続くとの観測も支えとなり、リスクを取りやすくなった世界のマネーが株式や商品市場に向かっていることも、先高期待を高める要因となっています。
 ただ東京市場は騰落レシオが149.2%まで上昇、昨年12月2日から24営業日連続で買われすぎとされる120%を超える異常な状態が続いています。これは04年3~4月(26営業日連続)以来の長さ。当時は4月13日の12127円を高値に5月17日には10505円まで約1ヶ月で13.38%下落しています。騰落レシオは信頼性の高い指標だけに注意が必要でしょう。
 とはいえ、こうした状況は昨年12月以来、不変。市場は調整を欲していますが、なかなか下げません。こうしたことが下値不安を後退させ、投資家心理を予好転させる要因になっています。個人や内外の機関投資家を含めて今回の反転相場に乗れた投資家はほとんどいなかったとみられるため、下げた局面では乗り遅れた向きが買いを入れているのでしょう。目先、調整局面入りする可能性もありますが、今回は値幅での調整はあまりないと思われます。下がった局面があれば買いのチャンスと捉えたほうがいいでしょう。
  
 狙い目は出遅れ感のある外需関連

 7日発表した12月の米雇用統計で、非農業部門の雇用者数は前月比10.3万人増と3ヶ月連続の増加となりましたが、増加幅は市場予想(15万人増)を下回りました。雇用情勢の改善にはなお力不足という感じではありますが、雇用環境も景気と同様、緩やかな回復基調が続いていることに変わりはありません。民間が発表した雇用指標などを受けて事前の期待値が高かったため、7日のNYダウは100ドル近く下げる場面もありましたが、引けにかけて下げ幅を縮小、前日比22ドル(0.2%)安の11674ドルで取引を終えました。高値もみ合いの動きであり、今週から本格化する決算発表への期待が高まる形となっています。
 海外投資家の日本株買いが継続していますので、東京市場は今後も堅調な相場が続くとみられます。外国人は昨年11月第1週から12月第5週(30日)まで9週連続日本株を買い越しており、この間の買越額は9500億円超にもなります。11月4日以降の株高を演出したのはこの外国人買いです。背景に国際的に見た日本株の割安さ(PERやPBRなど)や、日本株比率を落とし過ぎたということがあるだけに、そう簡単に流れが変わるとは思えません。
 日経平均が調整したとしても下値は限定的なものにとどまる公算大です。いまは上値追いは避け、出遅れ感のある銘柄や調整一巡感の出た銘柄を仕込むときだと考えます。狙い目となるのは世界的な景気回復の波に乗れる外需関連ということになりそうです。

2010年12月27日号

今週号はお休みにします。
次号は2011年1月11日号からとなります。

2010年12月20日号

 こう着感の強い相場展開
 
 東京市場は高値圏でこう着感の強い動きが続いています。先週は週末にかけて日経平均の前日比騰落幅が3日連続で10円以下にとどまったほか、日中の高安値幅が5日連続して100円を下回りました。日経平均株価は週間では91円(0.90%)上昇してはいますが、相場のこう着感は一段と強まっています。
 ただ売買代金は減少していません。こう着相場では売買代金が減少するのが普通ですが、今回は逆に増加するなど従来とは異なった動きになっています。16日の東証1部の売買代金は1兆3563億円で、17日は1兆4072億円。盛り上がっているといえる水準ではありませんが、こう着状態にあることを考えれば、信じられないような多さです。単なるこう着ではなく、売り方と買い方がせめぎあってこう着が続いていることを示しています。
 先駆して上げた値がさ株が軟調な半面、指数に関係ない中小型株が買われる動きになっていることが、こうしたこう着相場を演出しています。いわば出遅れ株物色がうまく循環する格好になっています。先週は5営業日連続して値下がりする銘柄より値上がりする銘柄の方が多く、13、14日は中小型株はほぼ全面高という状況となりました。このため9日に163.5%まで上昇した騰落レシオは、いまだ145.3%とそれほど低下していません。
 日経平均の戻り高値は14日に付けた10316円。8月31日の年初来安値からは1492円(16.91%)、11月1日の直近安値からは1149円(12.55)上昇した水準にあります。上昇ピッチの速さや10000円回復という目標達成感、騰落レシオなどからみて、目先、調整局面入りする可能性もありそうですが、好調な地合いから、下値不安は後退しています。個人や内外の機関投資家を含めて今回の上昇相場に乗れた投資家はほとんどいないとみられるため、調整した局面ではそうした向きの買いも期待されます。下がった局面があれば買いのチャンスと捉えたほうがいいでしょう。
  
 狙い目は出遅れ感のある銘柄も、休むも相場

 17日の米国市場でNYダウは小反落し、前日比7ドル安の10149ドルで引けました。前日に2年3ヶ月ぶりの高値を付けたため利益確定売りに押されましたが、下値は固いという印象です。ハイテク株比率の高いナスダック指数は5ポイント(0.2%)高の2642と、2007年12月31日以来、約3年ぶりの高値に進んでいます。11月22日、29日号で、「米国株は調整が一巡しつつあるようにも見られます」と指摘しましたが、まさにそのような動きになっています。一段高に進んできたら日本株上昇の牽引役にもなりますので、動きには注意が必要でしょう。欧州財政問題への懸念もくすぶってはいますが、同問題は株価にはかなり織り込まれているとみられるため、当面は株価の急落にはつながらないとみています。
 東京市場は調整を欲しているように見えますが、米国株が堅調なため、下げさせないようにしている面もあります。日本株の比率を落としていた海外投資家の日本株買いが継続していますので、当面は、上値は重いものの下値も固いという相場が続きそうです。調整があったとしても値幅は限定的なものにとどまると見られます。上値追いを避け、出遅れ感のある銘柄を仕込むときだと考えます。ただ、全般的な底上げが進み、出遅れ銘柄が乏しくなっているのも事実ですので、暫くは「休むも相場」かもしれません。

2010年12月13日号

 目先は調整局面入りする可能性も
 
 東京市場は高値圏での動きが続いています。売買代金には盛り上がりは見られませんが、いいものを物色しようという動きは衰えていません。ただ12月9日に騰落レシオが史上最高の163.5%をつけるなど一部の指標に過熱感もみられるので、ここからの投資には慎重さが求められそうです。
 先週末の日経平均株価の終値は10211円ですが、戻り高値を付けた9日の終値で計算すると、8月31日の年初来安値からは1461円(16.6%)、11月1日の直近安値からは1131円(12.4)上昇した水準にあります。上昇ピッチの速さや日経平均の10000円乗せという目標達成感、騰落レシオなどからみて、目先は調整局面入りする可能性もあると考えて臨んだ方がよさそうです。
 とはいえ、好調な地合いは変わっていません。米クリスマス商戦が順調に推移しており、米金融緩和観測の後退から円高の流れにも一服感が出ています。日経平均は高値圏でこう着感の強い動きとなっていますが、企業業績が堅調なこともあり、下値不安は後退しています。個人や内外の機関投資家を含めて今回の上昇相場に乗れた投資家はほとんどいないとみられるため、下げた局面ではそうした向きの買いも期待されます。下がった局面があれば買いのチャンスと捉えたほうがいいでしょう。
  
 出遅れ感のある銘柄を仕込む好機

 10日の米国市場でNYダウは前日比40ドル(0.4)高と反発、終値は11410ドルと11月5日以来、約1ヶ月ぶりの高値となりました。ハイテク株比率の高いナスダック指数も20ポイント(0.8%)高の2637と、2007年12月31日以来、約3年ぶりの高値に進んでいます。11月22日、29日号で、「米国株は調整が一巡しつつあるようにも見られます」と指摘しましたが、まさにそのような動きになっています。一段高に進んできたら日本株上昇の牽引役にもなりますので、注意が必要でしょう。欧州財政問題への懸念もくすぶってはいますが、同問題は株価にはかなり織り込まれているとみられるため、EU加盟国の財政破綻という事態にならない限り、当面は株価の急落にはつながらないとみられます。
 東京市場は調整を欲しているように見えますが、米国株が堅調なため、下げさせないようにしている面もみられます。日本株の比率を落としていた海外投資家の日本株買いも継続していますので、当面の相場は、上値は重いものの下値も固いという動きになりそうです。調整があったとしても値幅は限定的なものにとどまると見られます。上値追いを避け、出遅れ感のある銘柄を仕込むときだと考えます。

2010年12月6日号

 物色意欲が高まる
 
 東京市場の地合いはかなり良くなってきました。米FOMCの追加金融緩和発表を受けた11月4日以降、流れは変わっています。外部環境にらみの動きに変化はありませんが、日経平均株価は11月18日に約5ヶ月ぶりに10000円を回復して以来、2日間の大台割れこそあったものの、9日間に亘って10000円台を維持しています。3日の終値は10178円。週間では139円(1.138%)円の上昇となり、連日で戻り高値を更新しています。売買代金には盛り上がりはみられませんが、出遅れ感のある銘柄が循環的に物色されるなど動きは悪くありません。市場の物色意欲は一段と高まっているように思います。
 先週末の日経平均株価は8月31日に付けた年初来安値から1354円(15.34%)、11月1日の直近安値からは1024円(11.19%)上昇した水準にあります。短期的な上昇ピッチの速さや日経平均の10000円乗せという目標達成感、騰落レシオが128.0%%まで上昇してきたことなどから、目先、調整局面入りする可能性も高まってはいますが、好調な地合いは変わらないとみられます。
 海外景気に対する見方の違いから相場の先行きについて強気派と慎重派に分かれていますが、重要なことは日経平均がどこまで上がるかではなく、どういう相場が続くかということだと考えています。それが分かれば投資スタンスも決まります。はっきりしている点は、円高の一服感や堅調な企業業績から相場の下値不安が後退しているということでしょう。日経平均の大台乗せで投資心理も徐々に好転してくるとみられます。
  
 狙い目は出遅れ感のある銘柄


 3日発表された11月の米雇用統計で、非農業部門の雇用者数は前月比3.9万人増と2ヶ月連続のプラスとなりましたが、プラス幅は前月の17.2万人増から大幅に縮小、市場予想(13万人増)も大幅に下回りました。米雇用情勢は一部に明るさが見えるものの、依然として厳しいことが浮き彫りになりました。ただ時間の経過とともに、雇用回復の遅れを受けて大型減税の延長など景気下支え策への期待が高まったほか、10月分の雇用者数の増加が上方修正されたことから、米雇用は緩やかながらも回復基調を維持しているとの見方も出て、同日のNYダウは前日比19ドル高の11382円と連日で年初来高値を更新。ナスダック指数も12ポイント高の2591と2008年1月3日以来、2年11ヶ月ぶりの高値を付けました。
 先週号で「米国株は調整が一巡しつつあるようにも見られます」と指摘しましたが、まさにそのような動きになっています。再び上値追いの展開となったら日本株上昇の牽引役にもなりますので、動きには注意が必要でしょう。
 円相場はすでに高値を付けた可能性があると11月15日号で指摘しましたが、その可能性は次第に高まっています。ただドル安不安が消えたわけではないので、円高・ドル安の流れが変わったとまでは云えません。欧州財政問題への懸念も再び高まりつつあります。欧州問題は今年5月から何度も世界の市場を揺さぶってきましたが、短期間で解決する問題ではないため、今後も折に触れぶり返すとみられますが、同問題は株価にはかなり織り込まれているとみられるので、EU加盟国の財政破綻という事態にならない限り当面は株価の急落にはつながらないとみています。
 東京市場は上値が重くなっており調整を欲しているように見えますが、米国株の上昇もあって下げさせないような動きになっています。当面の相場は上値は重いものの、下値も固いという動きになりそうです。上値追いを避け、出遅れ感のある銘柄に物色対象は絞るべきでしょう。

2010年11月29日号

 地合い好転で物色意欲は一段と高まる
 
 東京市場の地合いはかなり良くなってきました。米FOMCの追加金融緩和発表を受けた11月4日以降、流れは変わっています。外部環境にらみの動きが終息したわけではありませんが、日経平均株価は18日に10000円の大台を5ヶ月ぶりに回復して以来、5営業日連続で大台を維持しています。26日の日経平均の終値は10039円。週間では11円の上昇とほとんど動いていませんが、出遅れ感のある銘柄が循環的に物色されるなど動きは悪くありません。朝鮮半島での地政学リスクの高まり、米・感謝祭休暇で売買代金は低水準にとどまっていますが、市場の物色意欲は一段と高まっているように思います。
 先週末の日経平均株価は8月31日に付けた年初来安値からは1215円(13.8%)、11月1日の直近安値からは885円(9.7%)それぞれ上昇した水準にあります。短期的な上昇ピッチの速さや日経平均の10000円乗せという目標達成感、騰落レシオが112.6%まで上昇してきたことから高値警戒感も出ていますが、好調な地合いは変わらないとみられます。
 海外景気に対する見解の違いから相場の先行きについては強気派と慎重派に分かれているようですが、重要なことは日経平均がどこまで上昇するかではなく、どういう相場が続くかということだと考えています。それが分かれば投資スタンスも決まります。はっきりしている点は、円高の一服感や堅調な企業業績から株価の下値不安は後退しているということでしょう。日経平均の10000円乗せで投資心理も徐々に好転してくるとみられます。
  米景気は回復基調にあるものの、10月の住宅着工件数が前月から大幅減となるなど経済指標の中に依然弱いものも見られるため、米景気の回復を前提にした投資戦略は現時点では立てられません。いまの状況を簡潔に表現すれば、「米景気の状況を考えれば日経平均のここからの一段高は期待しにくいが、下値不安は後退している」、こういうことになると思います。

 当面は個別株物色の動きに


 26日の米国市場でNYダウとナスダック指数は揃って下落しました。NYダウは前日比95ドル(0.9%)安の11092ドル、ナスダック指数は8ポイント(0.3%)安の2534ポイント。焦点の米・年末商戦は順調な滑り出しを見せたものの、アイルランドの財政問題への不安が南欧諸国に波及し、欧州問題への懸念が高まってきたことが響きました。同問題は今年5月から何度も世界の市場を揺さぶってきましたが、短期間で解決する問題ではないため、今後も折に触れぶり返すとみられます。しかし同問題については株価にはかなり織り込まれているとみられるので、EU加盟国の財政破綻という事態にならない限り株価の急落はないとみています。
 米国株は追加金融緩和期待を背景とした9月からの上昇相場が終了し、調整色の強い動きになっていますが、チャートからは調整が一巡しつつあるようにもみられます。調整一巡感が台頭し、再び上値追いの展開となったら日本株上昇の牽引役ともなりますので、動きには注意が必要でしょう。
 円相場はすでに高値を付けた可能性があると11月15日号で指摘しましたが、その可能性は次第に高まっています。ただドル安不安が消えたわけではないので、円高・ドル安の流れが変わったとまではまだ云えません。とはいえ、ここからは円高を懸念した投資行動は取らない方がいいと思います。
 28日からの黄海での米韓合同軍事演習で朝鮮半島の地政学リスクは一段と高まって来ますが、相場の地合い好転を背景に、当面は戻りを試す展開が続くとみられます。決算発表の一巡で買い手掛かり材料はなくなっていますが、好材料の出た銘柄や出遅れ感のある銘柄が個別に物色される相場が続きそうです。

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当社は未公開株の販売は行っていません。またパンフレットを送って契約を取り付けるような営業も行っていません。
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