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投資戦略レポート

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2007年10月9日号

  市場には安心感が戻る

 東京市場のムードはかなり良くなってきました。相場にはっきりとした方向性が出ているわけではありませんが、かつてのような弱気一色の状況ではなくなっています。売買代金は活況の目安となる3兆円を下回ったままですが、市場には落ち着きというよりも安心感のようなものが出てきたように思います。
 先週は日経平均株価が280円(1.7%)上昇。5営業日中3営業日が上昇する堅調な動きとなりました。週半ばにかけて上昇したあと上げが一服という動きでしたが、相場の全体像については日経平均だけでは説明し切れない動きとなっています。
 日経平均構成銘柄に採用されている主力株は総じて低調ですが、それ以外の銘柄はしっかりしている、こういう感じでしょうか。先週号でも指摘しましたが、こうした動きは9月最終週の26日から始まっています。売られすぎた銘柄群を見直す動きです。 
 市場ごとに見ますと、マザーズ指数は9日連騰、ヘラクレス指数は8日連騰、そして日経ジャスダック平均は間に1日安を挟んで7日連騰となっており、これまでとは大きく異なった動きとなっています。
 マザーズ指数の9日連騰は04年1月以来の記録で、これまでの最長記録に並ぶ記録となっています。この間の上昇率は36%。ヘラクレス指数も8日間で23%、ジャスダック平均も9日間で12%それぞれ上昇しています。9/26~10/5までの日経平均の上昇率4.0%に比べて怖ろしいほどの上昇です。因みに同期間の東証2部指数の上昇率は4.5%ですが、チャートからは日経平均とは異なり上昇歩調を強めつつあることが窺えます。

  狙い目はやはり売られすぎの新興銘柄

 米FRBが利下げしたこともあって米国株は堅調な動きを見せています。先週末のNYダウは91ドル高の14066ドルと過去最高値を付けた1日以来の水準で終わったほか、ナスダック指数は46ポイント高の2780と01年2月1日以来の高値になっています。S&P500は14ポイント高の1557で取引を終え、7月19に付けた1553を上回り約2ヶ月半ぶりに過去最高値を更新しています。
 先週末の株価上昇は9月の雇用統計で非農業部門の雇用者数が前月比11万人増と市場予想を上回ったうえ、4年ぶりの減少となっていた8月分がプラス8万9000人と大幅上方修正され、雇用情勢の底堅さが確認されたためです。サブプライム問題など実体経済の悪化に対する懸念が一時より後退したことが好感されたわけです。
 世界的な信用収縮の懸念や政局停滞を嫌気して外国人は3週連続で日本株を売り越していましたが、9月第4週は4週ぶりに買い越しに転じました。買越額は2006億円。NY市場でダウ工業株が最高値を更新するなど欧米市場の株高によって投資余力が高まり、出遅れ感の強い日本株に再び資金を振り向けてきたようです。米国の金利引き下げなどマクロ環境の好転で外国人の日本株買い機運は高まりつつあるだけに、期待したいところです。
 外国人買いが本格化すればかつてのような主力株相場が復活する可能性は充分ありますが、現在の市場エネルギーからみて今後も方向感の定まらない動きが続くと思われます。
 こうした中で狙い目となるのは省資源型の中小型株などでしょう。1部市場が物色難の様相を呈していることもあり、売られすぎた新興銘柄などが引き続き狙い目でしょう。ただ底値からの上昇率がマザーズ市場で36%、ヘラクレス市場で23%に達しているため深追いは禁物。大きく上がったものは押し目を待つ、この戦術が最適ではないかと思われます。

2007年10月1日号

 サブプライム問題では最悪期は脱する

 東京市場の相場付きは一時よりはかなり良くなってきました。相場にはっきりとした方向性が出ているわけではありませんが、かつてのような悲観一色の状況ではなくなっています。
 先週は日経平均が473円(2.9%)上昇。4営業日中3営業日が上昇する堅調な動きとなりました。相場付きが変わった割には日経平均の上昇幅は大したことはありませんが、これには物色動向の変化が影響しています。 
 相場付が変わったのは26日(水)から。この日の日経平均の上げ幅は34円でしたが、東証1部の7割超の銘柄が値上がりするほぼ全面高の展開となりました。日経平均構成銘柄に採用されていない中小型株が一斉に買われたためです。
 この日はジャスダック平均が17.18円(0.9%)高、マザーズ指数が51.33ポイント(8.1%)高、ヘラクレス指数が48.76ポイント(4.6%)高となるなど新興市場も全面高となりました。売られすぎた銘柄を見直す動きが一気に加速したためです。1部市場の全面高はこの効果が波及、中小型株を買い戻す動きに拍車がかかる格好になった結果と云えなくもありません。こうした流れは27日も続き、市場では物色の流れが変わったのではとの声も出始めています。

 新興市場の売られすぎ銘柄が狙い目

 米FRBが利下げしたこともあって米国株は堅調な動きを見せています。先週末のNYダウは13895ドルと7月に付けた史上最高値(14000ドル)にあと5ドルの水準まで迫っています。これに対し日本株は戻りの鈍さが目立ちますが、これは国内に買い手がかりとなる材料がないうえに、サブブライム問題とそれが米経済へ及ぼす影響などを懸念しているからでしょう。
 サブプライム問題については金融面での最悪期は過ぎたと見られるので、今後は個別金融機関への影響や米国の実体経済への影響が焦点となります。その影響如何によっては市場が乱高下することも考えておかなければならないでしょう。
 外国人買いが入らないこともあり東京市場は今後も方向感の定まらない動きが続くとみられます。有力な買いセクターが見当たらない中では力強い相場は望むべくもありません。こうした環境では物色対象も変わってこざるを得ません。少なくとも外国人買いで大きく上げてきたかつての主力大型株は避けたほうが賢明でしょう。ここから上げていくにはそれなりのエネルギーが必要です。
 基本は個別株物色でしょう。こうした中で狙い目となるのは省資源型の中小型株などではないかと思われます。とりわけ売られすぎた新興銘柄などは狙い目でしょう。先週のような動きが続くと見られるので、物色対象もそれに絞った方がいいというわけです。ただ一本調子の上げを見込む向きは少なく、上値を追う余力も乏しいため、深追いは慎んだほうがいいとみられます。

2007年9月25日号

 サブプライム問題では心理的な最悪期は過ぎる

 一時よりは落ち着きを取り戻してはいますが、東京市場はまだ不安定な動きが続いています。方向感がなく海外市場に左右される展開といっても過言ではありません。
 先週は米FRBが18日開いたFOMCで、政策金利であるFF金利を市場の予想を上回る0.5%引き下げたこともあって米国株が急騰、これを好感し19日の日経平均株価は579円高と急伸しましたが、1週間の上昇幅はわずか185円(1.1%)に過ぎません。日経平均が874円安を記録した8/17から1ヶ月が経過しましたが、底値からの戻り率も6.8%と芳しくありません。7月の年初来高値からは10.7%下落した水準にあります。
 これに対し米国株は堅調。7月高値からの下落率が日本ほど大きくなかったこともあり、底値からの上昇率はNYダウが7.6%、ナスダック指数が9.0%となっていますが、7月の年初来高値を100とした場合、NYダウは98.7、ナスダック指数は98.2となっています。NYダウでみますとあと181ドルで過去最高値を更新するところまで戻しています。こうした中で日本株の戻りが鈍いのは、相場の先行きに投資家が強気になれないものを感じているからだと思われます。その最大のものがサブプライム問題とそれが米経済へ及ぼす影響でしょう。
 サブプライム問題は一朝一夕で片付く問題ではなく今後も長期に亘って市場を揺さぶる可能性は残りますが、少なくともマーケットに与える心理面の最悪期は過ぎたとみていいのではないでしょうか。今後は個別金融機関への影響と米国の実体経済に影響が波及してくるのか否か-に焦点が絞られはずです。
 現在、米経済は底堅い動きを見せていますが、雇用統計に見られるように変調の兆しも出始めています。住宅市場の低迷が長引けば資産価値の下落などを通して消費を鈍らせる可能性があり、米景気の減速、延いてはリセッションへと繋がりかねないリスクを孕んでいます。バーナンキFRB議長が今後の金融政策について「必要に応じて行動する」と追加利下げの含みを持たせていることからも分かるように、政策運営は相当難しい局面に入ったように思います。利下げ含みであることから米国株が急落してくることはないと考えますが、こうした局面では力強く上値を追っていくことも困難。当面、米国株は高値圏で不安定な動きが続くのではないでしょうか。 

  好業績の売られすぎ銘柄が狙い目

 外国人買いが入らないこともあり東京市場は方向感の定まらない動きとなっていますが、今後もこうした相場が続く公算大でしょう。顧客からの解約に備えたヘッジファンドなどの売りは一巡したようですが、自国の株式相場が不安定な状況では長期投資の外国人も日本株買いを積極化するとは思えません。有力な買いセクターが見当たらない中では相場も力強さに欠けたものにならざるを得ません。
 こうした環境では物色対象も変わってこざるを得ません。少なくとも外国人買いで大きく上げてきたかつての主力大型株は避けたほうが賢明でしょう。ここから一段と上げていくにはそれなりのエネルギーが必要です。基本は個別株物色でしょう。こうした中で狙い目となるのは省資源型の中小型株などではないかと思われます。とりわけ売られすぎた新興銘柄などは狙い目でしょう。
 先週末には軟調な地合いの中でストップ高する銘柄が11も出ました。うち8つは新興銘柄ですが、こうした動きはいいものを探そうという動きが出たことの表れでしょう。今週はこの流れがさらに加速する可能性大です。物色の手詰まり感から新興市場を見直す動きが出つつあることも輪を掛けることになろう。ただ上値を追う余力が乏しいため深追いは慎んだほうがいいとみられます。

2007年9月18日号

 米市場では5%の利下げを織り込む

 一時よりは落ち着きを取り戻してはいますが、東京市場はまだ不安定な動きが続いています。方向感がなく海外市場に左右される展開といいますか、海外市場を気にしながらの独自の動きといいますか、あるいはその2つが合わさったような展開といいますか、いずれにしても説明するのが困難な動きとなっています。1週間の価格変動幅はわずか5円。
 日経平均が874円安を記録した8/17から約1ヶ月が経過しました。パニック的な売りは収束していますが、底値からの日経平均の上昇率は5.6%にとどまっており、戻りは芳しくありません。
 米国株が比較的しっかりしている中でこうした動きがが続いているのは、相場の先行きについて投資家が強気になれないものを感じているからだと思われます。その最大のものがサブプライム問題とそれが米経済へ及ぼす影響でしょう。同問題は海の向こうの問題であるため、米欧市場の動向を見ながらの展開とならざるを得ないところに、いまの先行きの読みにくい相場があるのだと思います。
 米国株はまだ不安定な動きを見せる場面はありますが、米FRBが公定歩合の緊急引き下げに踏み切った8/17以降、順調に上昇しています。とりわけ先週1週間の上昇については、18日に開催されるFOMCで最重要政策金利であるFF金利が0.25~0.5%引き下げられるのではとの期待が背景になっています。市場では0.5%の利下げを期待しているようですが、バーナンキ議長のこれまでの発言から0.25%になる可能性も否定できません。0.25%であれば失望売りが出る可能性もありますが、米FRBがサブプライム問題と景気に配慮した方向へ舵を切ることは金融政策の転換を意味するだけに、安心感を与えるはずです。

 基本は個別株物色、好業績の売られすぎ銘柄が狙い目

 外国人買いが入らないこともあり東京市場は方向感の定まらない動きとなっていますが、今後もこうした相場が続くと見なければなりません。顧客からの解約に備えたヘッジファンドなどの売りは一巡したようですが、自国の株式相場が不安定な状況では長期投資の外国人も日本株買いを積極化するとは思えません。有力な買いセクターが見当たらない中では相場も力強さに欠けたものにならざるを得ません。
 こうした環境では物色対象も変わってこざるを得ません。少なくとも外国人買いで大きく上げてきたかつての主力大型株は避けたほうが賢明でしょう。ここから一段と上げていくにはそれなりのエネルギーが必要です。
 基本は個別株物色でしょう。こうした中で狙い目となるのは省資源型の中小型株などではないかと思われます。とりわけ売られすぎた新興銘柄などは狙い目でしょう。物色の手詰まり感から新興市場を見直す動きが出つつあることや、「会社四季報」秋号や「日経会社情報」秋号が発売され有望銘柄を見つけようという動きが出つつあることも追い風になるとみられます。ただ投資マインドは冷え切っており、上値を追う余力が乏しいだけに深追いは禁物でしょう。

2007年9月10日号

 米国では本格的な利下げ観測が強まる

 一時より落ち着きを取り戻してはいますが、東京市場はまだ不安定な動きが続いています。方向感がなく海外市場に左右される展開と言っても過言ではありません。先週は5営業日中4営業日が値下がりする展開で、7日の日経平均は16122円と1週間で447円(2.7%)の下落となっています。
 米国株が比較的しっかりしていた中でのこうした動きは、投資家が相場の先行きに強気になれないものを感じているからだと思われます。その最大のものがサブプライム問題とそれが米経済へ及ぼす影響でしょう。同問題は海の向こうの問題であるため、米欧市場の動向を見ながらの展開とならざるを得ないところに、先行きの読みにくい、いまの相場があるのだと思います。
 米FOMCが公定歩合の緊急引き下げに踏み切った8/17以降、米国株は上昇傾向を見せていましたが、先週末には再び急落してしまいました。7日に発表された8月の米雇用統計が建設、金融分野を中心に「予想外」の悪化を示し、サブプライム問題が雇用に影響してきたとみられたためです。03年8月から4年連続で拡大してきた非農業部門の雇用者数は7月に比べ4000人のマイナス。11万人増という市場の事前予想が一転4000人減となったことで、先行きへの不安が一気に高まったようです。
 米経済は以前から「雇用情勢がカギ」を握っているとの見方が大勢を占めていました。「失業しなければ住宅ローンの返済が可能になる」 からですが、雇用調整が広がればローン返済の焦げ付きとともに個人消費の減退を通して景気悪化へと繋がってきます。4年連続で拡大が続いてきた米雇用情勢は転機を迎えた可能性があり、市場ではFRBの次の一手に注目が集まっています。 
 次回のFOMCは18日に開催されますが、市場では雇用情勢の悪化を受けFRBが本格的な利下げに動くとの見方が強まっています。バーナンキ議長は「必要に応じて行動する」と表明していることから、最重要政策金利であるFF金利の引き下げに幅は0.25%にとどまらず、0.5%になると見る向きも増えているようです。利下げ実施をきっかけに金融・株式市場の動揺はある程度収まるのではないでしょうか。

 好業績の売られすぎ銘柄が狙い目

 東京市場は外国人買いが入らないこともあり方向感のない動きになっていますが、今後もこうした相場が続くと見なければなりません。顧客からの解約に伴うヘッジファンドなどの売りは一巡したようですが、自国の株式市場が不安定な状況では長期投資の外国人も日本株買いに踏み出すとは思えません。有力な買いセクターが見当たらない状況では力強い相場は望めません。今後も海外市場に左右される相場が続くと見た方がいいでしょう。
 こうした環境では物色対象も変わってこざるを得ません。少なくとも外国人買いで大きく上げてきたかつての主力大型株は避けたほうが賢明でしょう。省資源型の中小型株などが狙い目ではないかと思われます。とりわけ売られすぎた新興銘柄などは狙い目でしょう。物色の手詰まり感から新興市場を見直す動きが出つつあることも追い風になるとみられます。ただ投資マインドが消えきっており、上値を追う余力が乏しいため深追いは禁物でしょう。

2007年9月3日号

  サブプライム問題は解決に向け一歩踏み出す

 一時より落ち着きを取り戻してはいますが、東京市場はまだ不安定な動きが続いています。方向感がなく、海外市場に左右される展開になっているといっても過言ではありません。先週は週央に急落する場面がありましたが、週末には日経平均が415円高と急伸。週間では321円(2.0%)の上昇となりました。8月15日-17日の3日間の下落幅(1571円)の98%を取り戻した計算になります。
 週末に急速に戻したのはブッシュ米大統領がサブプライムローン問題について総合対策を打ち出すと伝わったため。後場から上げ幅を拡大し、この日の高値で引ける形となりました。
 発表された対策は金融不安の連鎖を断ち切ろうとするような内容。政府保証の拡大を通じ、サブプライムローンの借り換えを促進する借り手保護策が中心になっています。同ローンの延滞率上昇の歯止めには一定の効果がありそうですが、オルトA(融資残高約1兆ドル)と呼ばれるサブプライムよりは信用力の高い個人向けローンや、プライム(同約8兆ドル)と呼ばれる信用力の高い個人向けローンの借り手にまで救済の手が伸びるかどうかは判然としません。
 ローン延滞の増加はサブプライムだけでなくオルトAやプライムローンにも広がりつつあり、米住宅ローンを取り巻く環境は深刻さを増しています。救済されず借金返済のために物件を売り急ぐ動きが広がれば不動産価格の低下に拍車をかけ、バブル崩壊後の日本のようになる可能性が出てきます。
 バーナンキFRB議長は31日の講演で、金融不安による景気下振れリスクが高まったと指摘。必要に応じて行動すると表明しており、本格利下げの可能性など追加措置の発動もにおわせています。米政府と米金融政策当局が一体となってサブプライム問題の解決に動き出したことは、解決への第一歩が踏み出されたと捉えていいでしょう。
 ただ、同議長が31日の講演で「世界規模の損失は最も悲観的なサブプライムローンの損失予想を遥かに超えている」と発言したように、サブプライム関連の損失がどこまで膨らむか判然としない不透明さは残ります。同問題は収束にかなりの時間がかかると見なければなりません。楽観的な見方ではなく、最悪のケース(日本のバブル崩壊)も想定しながら臨んだ方がいいのではないかと思います。

 省資源型の中小型株が狙い目

 東京市場は外国人買いが入らないこともあり方向感のない動きになっていますが、今後もこうした相場が続くと見なければなりません。顧客からの解約に伴うヘッジファンドの売りは一巡したようですが、自国相場が不安定な状況では長期投資の外国人も日本株買いに踏み出すとは思えないからです。有力な買いセクターが見当たらない状況では力強い相場は望めません。
 こうした環境では物色対象も変わってこざるを得ません。少なくとも外国人買いで大きく上げてきたかつての主力株は避けたほうが賢明でしょう。省資源型の中小型株などが狙い目ではないかと思われます。とりわけ売られすぎた新興銘柄は狙い目でしょう。手詰まり感から新興市場を見直す動きが出つつあることも追い風になりそうです。

2007年8月27日号

  米市場は最悪期を脱する

 東京市場はどうやら落ち着きを取り戻してきたようです。先々週は記録的な下げに見舞われましたが、先週は8月17日に付けた15262円を一度も割り込まず、買いが優勢の展開となりました。日経平均の1週間の上昇幅は975円(6.4%)。8月15日-17日の3日間の下落幅1571円の約3分の2を取り戻したことになります。
 急速に戻ってきたのは米国株の反転がきっかけ。米FRBが臨時のFOMCを開き、公定歩合を0.5%引き下げると発表したことが市場の流れを変えました。それまでの米欧中央銀行による金融市場への大量の流動性供給もあって信用収縮懸念が一気に後退、市場を覆っていた疑心暗鬼が払拭された格好となっています。
 FOMCの発表を受け先週末のNYダウは16日のザラバ安値から6.9%上昇、ナスダック指数も同日の安値から8.0%戻しています。今回の金融・株式市場の動揺の発端となったサブプライムローン問題は一朝一夕に解決する問題ではなく、収束にはそれなりの期間がかかるとみられますが、少なくとも市場にとっての最悪期は過ぎたとみられます。ただ米国市場が爆弾を抱えていることに変わりはなく、不安を抱えながらの相場が当分は続くとみなければなりません。

 東京市場は買い手不在も下値は乏しい

 東京市場は8月17日の15262円で目先の底を付けた可能性が強まっています。ボリンジャーバンドや移動平均線からの乖離率など多くのテクニカル指標が売られすぎのシグナルを発していたこともありますが、最大の理由は先ほども述べたようにサブプライム問題に対する最悪期は過ぎたと思われる点。日経平均が6月20日の年初来高値から8月17日の安値まで3035円(ザラバベース)、率にして16.6%下げる過程で、ほとんどの悪材料は織り込まれたと見ているわけです。
 先週の動きを見ても動揺は一巡した感があります。円キャリー取引の解消などで1ドル=111円台に急伸した為替相場も、週末には1ドル=116円台に戻しています。パニック的な巻き戻しが終わった結果でしょう。仏銀最大手のBNPパリバがサブプライム問題に絡んで決めた傘下の3ファンドの解約凍結を順次解除すると発表したことも市場に安心感を与えるのではないかと考えられます。
 先々週の急落は外国人売りが主因だったことが投資主体別売買動向からも明らかになりましたが、ヘッジファンドなどによる投げ売りや顧客からの解約請求を受けた換金売りは沈静化しています。株式市場が落ち着きを取り戻しつつあることから足元では買い戻しに転じているとの指摘もありますが、外国人の基本的な投資スタンスはまだ判然としません。
 全体的に株式の売り要因は後退しているように思われますが、今回の急落で個人投資家の投資意欲は鈍っており、積極的に上値を追っていけるムードではありません。これといった買いセクターがないため、米国株などに動きが出なければ方向感の乏しい相場が続くことも考えられます。

2007年8月20日号

  先週は売りが売りを呼ぶ相場展開

 連鎖株安に見舞われた一週間でした。先週末には日経平均がITバブル崩壊で1426円下げた2000年4月17日以来となる874円安を記録。1週間で1491円(8.9%)も下げる急落となってしまいました。6月20日に付けた年初来高値18297円(ザラバベース)から昨日の安値(同)までの下落幅は3035円、16.6%にもなっています。
 急落した理由は色々あります。米サブプライムローン問題に端を発したヘッジファンドの換金売りが続いていること、年金資金など海外の中長期投資家がリスクの高い株式の運用比率を落とそうとしていること、そして国内機関投資家も買い値から20%下落したら売却するというロスカットルールに従って売り物を出してきたこと、などがその最たるものでしょう。
 そのほか円安を生んだ構図が逆転してきたことも挙げられれます。IMF(国際通貨基金)によれば低金利の円を借りて高金利の通貨で運用する円キャリー取引の残高は約20兆円に達しているとのことですが、それがサブプライム問題をきっかけに解消を急ぐ動きになっています。個人投資家に人気のある外国為替証拠金取引も円高が進んで損失が拡大したことから一斉に取引を手仕舞う動きになっています。外国人売りで株価が急落しているのに株安と円高が同時に進行するということは、キャリー取引などを解消するための円買い需要がかなりの規模になっていることを示しています。
 先週末は追い証に迫られた売りも記録的なものになったようです。損失を抱えた投資家がやむを得ず売りに動いて下げを加速、その影響で新たな追い証が発生し、売りが売りを呼ぶという展開で、まさにセリングクライマックスといえる状況でした。

 株価はいつ反転してもおかしくない状態に

 サブプライムローン問題に端を発した信用収縮不安や世界的な株安連鎖に歯止めをかけるため、米FRBは17日、臨時のFOMCを開き、公定歩合を緊急に0.5%引き下げ、年5.75%にすると発表しました。FOMC終了後に発表した声明は、金融・株式市場の動揺と信用収縮の広がりに強い懸念を表明し、「景気の下振れリスクが高まった」と指摘。「必要に応じて行動する用意がある」とも述べ、今後の動向次第ではFF金利も引き下げるとの構えを見せています。
 これを好感し17日のNY市場は上昇(NYダウは233ドル高、ナスダック指数は53ポイント高)、欧州株も反発しています。為替市場では円キャリー取引の巻き戻しが一服。金融市場の混乱が収束に向かうとの期待からドルが買われ、1ドル=114円台(前日の東京市場は1ドル=111円台)までドルが戻す展開になっています。
 サブプライムローン問題は収束には時間がかかるとみられますが、金融当局が断固たる処置をとると表明したことから、次第に落ち着きを見せてくるのではないでしょうか。ただ市場が爆弾を抱えている格好に変わりはなく、不安を抱えながらの相場が今後続くことになろう。
 日経平均は年初来安値を更新する水準まで下げてきましたが、ここからの下げはそうないとみられます。騰落レシオが56.6%まで低下し、下げすぎが顕著になってきたからです。これは昨年6月13日の54.3%次ぐ低水準。2000年以降、60%を切ったのは昨年6月(17375円→14045円まで19.2%下落)と01年9月(14556円→9382円まで35%下落)の2回しかありません。
 移動平均線からのカイリ率やボリンジャーバンドなど多くのテクニカル指標が売られすぎのシグナルを発していますので、株価はいつ反転してもおかしくない状況にあるといえます。米国市場が落ち着くことが条件とはなりますが、17日の米国株の反発を好感し来週から反転する可能性は充分あります。
 

2007年8月13日号

  サブプライム問題の収束には時間が必要

 波乱の相場となっています。サブプライムローン問題を発端とした米金融市場の動揺が欧州やアジアに飛び火し、世界同時株安となっています。日本市場もそれに左右され乱高下する展開です。先週末の東京市場は406円(2.4%)安。今年5番目の下げ幅となり、日経平均は一時518円安の16651円(3.0%)まで下げる場面がありました。
 今回のサブプライムローン問題は世界的広がりを見せていることから収束にはかなりの期間がかかりそうで、世界の株式市場は爆弾のような重しを抱え込んだ格好となっています。いつ炸裂するか不安を抱えながらの相場が今後続くことになりそうです。
 サブプライム問題をきっかけにした信用収縮懸念は一段と高まってきてはいますが、いまのところバブル崩壊後の日本のような信用収縮につながるとの見方は大きくはありません。ECB(欧州中央銀行)やFRB(米連邦準備理事会)が金融市場に連日、巨額の資金供給を行ったことでこの問題は新たなステージに入ったとみられます。ECBが2日間で供給した資金は1558億ユーロ(約25兆円)に達しており、FRBも9日、10日で350億ドルの資金を供給しています。短期資金の需給逼迫懸念に配慮して流動性を供給したものですが、これで金融市場の不安を沈静化させられるかが今後の課題となります。
 はっきりいえば金融不安で日本が動揺していたときに起きていたことがいま欧米で起こっているわけです。懸念されるのは米国で住宅ローンの焦げ付きが信用力の低い個人向けサブプライムローンだけでなく、信用力の高い個人向けプライムローンでも増えているという点。住宅市場の不振が長引けば米景気に深刻な影響を与え兼ねないだけに、この問題の及ぼす影響は読み切れていません。それゆえ、株式市場や国際商品市場からひとまず資金を引き上げようという動きも顕著になっています。

  ここからの下値リスクは乏しい
 
 東京市場では日本株を買い続けていた外国人が7月第4週から売り越しに転じています。サブプライム問題で米国株などが急落しリスク許容度がなくなったことや、顧客からの解約売りなどがあったからでしょう。サブプライム問題が沈静化しない限り外国人が安心して日本株に注文を出すとは考えられないため、これまでのような外国人頼みの相場は期待しないほうがいいかも知れません。 
 東京市場は波乱の展開となってはいますが、ここからの下値リスクはそう大きくはないでしょう。騰落レシオが62.5%まで低下しているためです。同レシオは信頼性が極めて高く、70%以下が売られすぎとされる水準。今回の水準は日経平均が直近高値から20%も下落(4/7の17563円→6/14の14045円)した昨年6月の54.3%に次ぐものであり、既にチャートも底入れしたような動きを見せています。一段安したら買いの好機と捉えた方がいいと思います。
 足元では好調な業績見通しを発表する企業が相次ぐなど良好な投資環境になっていますが、外部環境が悪すぎます。こうした中では好業績で割安感のある銘柄が狙い目となろう。ただ外国人売りが予想される主力株などは投資の対象から外した方が賢明かもしれません。

2007年8月6日号

  米市場の動揺は収まらず

 東京市場は波乱の展開となってきました。サブプライムローン問題に端を発する米国株式相場の不安定な動きを受けたもので、このところずっと海外市場に振り回される動きが続いています。日経平均が4円安となった先週末(3日)は指数からは安定した動きといえますが、実際には値下がり銘柄数が1000近くに達しており、地合いは小反落といった平穏なものではありません。先週1週間の日経平均の下げは304円(1.8%)。7/5に年初来高値18295円(ザラバ値)を付けてから先週2日安値(同16652円)までで日経平均は1643円、9%下落したことになります。
 日経平均はフシ目とされる13週線や26週線だけでなく52週線も割り込み、世界同時株安後の安値(3/5)を起点にした上昇トレンドも崩れてしまいました。今週大きく反転すれば52週線回復や上昇トレンド復帰の可能性はありますが、どうでしょうか。
 3日の米国市場でダウ平均が281ドル安と一段安となったほか、ナスダック指数も64ポイント安と下げが止まらず、米市場の動揺は収まっていません。先週末の急落は7月の雇用統計やISM非製造業景気指数が市場予想を下回るなど米景気への先行き透明感が増してきたことや、米証券大手ベア・スターンズの長期債務格付けが「ネガティブ」に引き下げられたことなどが原因ですが、市場心理が改善に向かっている感じはありません。

 日本株は売られすぎ状態に

 米国株の急落は信用リスク懸念が急速に高まってきたことが主因。信用度の低い個人向けサブプライム住宅ローンの焦げ付きが増え、同ローンを組み込んだ金融商品が大幅に値下がりし、信用リスクを警戒する空気が一気に広がってきたからです。ヘッジファンドの破綻から投資家はリスク資金の供給に慎重になり、起債やM&Aの延期・中止も相次いでいます。
 今のところバブル崩壊後の日本のような信用収縮につながるとの見方は少ないものの、これの沈静化なしには米株相場がしっかりした動きを取り戻すことは困難でしょう。金融市場のこうした動きは 「低金利が続いてコストとリスクの関係が意識されず、緩みきっていた金融取引が正常化に向けて動き出した」 結果と言えなくもありません。低金利の円を借りて高金利の通貨や株式などで運用する円キャリー取引の解消と見られる動きも株安と平行して進んでいるようです。
 予想を下回る経済指標の発表が相次いでいる中、WTIが過去最高の1バレル78ドル台を付けるなど米景気の先行きには不透明感が増しており、米国株は当面、不安定な動きが続くとみられます。
 東京市場も当分、米国株に左右される展開か。ただ信頼性の高い騰落レシオが7/27に今年最低の69.4%まで低下したことから、ここからの一段安はないと考えます。同レシオは70%以下が売られすぎとされる水準。今年2月末から3月の世界同時株安のときでさえ88.9%(3/5)でした。一段安したら買いの好機と考えた方がいいと思います。
 ただ注意すべきは外国人動向。外国人は年初から日本株を猛烈に買っていましたが、米国株などの急落でリスク許容度が低下し、7月第4週には12週ぶりに大幅売り越しに転じるなど日本株から資金を引き上げる動きもみせています。足元では好調な業績見通しを発表する企業が相次ぐなど良好な投資環境になっていますが、外国人売りが予想される主力株は投資対象から外した方が賢明か。ただ日本株は基本的には売られすぎ状態にあり、主力株でも大きく売られたものは買いのチャンスかもしれません。

2007年7月30日号

  今週は予測困難な展開に

 東京市場は高値圏で方向感のない動きが続いていましたが、先週27日(金)に一転急落。米株式相場の急落と円高進行を嫌気したもので、朝方から売り一色の展開でした。売り注文をこなせずに気配値を切り下げる銘柄が多く、この日の日経平均の終値は前日比418円安の17283円となってしまいました。東証1部の9割の銘柄が値下がりする全面安商状で、下げ幅は今年4番目の大きさ。年初来安値を更新した銘柄数も415と今年最多になっています。
 日経平均はフシ目とされる13週線や26週線を大きく下回ってしまいました。世界同時株安後の3/5を底にした順調な上昇トレンドも崩れた感があります。株価の中期トレンドを示すとされる週足チャートはなお右肩上がりのトレンドを維持してはいますが、それも下値支持ラインの一番下の水準まで下がっています。
 今週月曜日に反発すればトレンドは不変となりますが、どうでしょうか。27日の米国市場でダウ平均が208ドル安と一段安となっているほか、ナスダック指数も37ポイント安と下げが止まらず、市場の動揺は収まっていません。含み損の拡大で信用取引で株を買っている個人投資家の投げ売りも出そうで、今週は予測が難しい一週間となりそうです。
 
  様子見も一法

 米国株の急落は信用リスクへの懸念が台頭してきたことが背景。信用度の低い個人向けサブプライム住宅ローンの焦げ付きが増え、同ローンを組み込んだ金融商品が大幅に値下がりし、信用リスクを警戒する空気が急速に広がっています。投資家はリスクを伴う資金の供給に慎重になり、起債やローン実行の延期・中止も相次いでいます。
 いまのところバブル崩壊後の日本のような信用の収縮につながるとの見方は少ないものの、米市場の最大の不安要因となっています。金融市場のこの動きは「コストとリスクが意識されず緩みきっていた金融」が正常化に向けて動き出したと捉えられているようです。低金利の円を借りて高金利の通貨や株式などで運用する円キャリー取引の解消と見られる動きも株安と平行して進んでいるようで、このところの円高進行の原因となっています。
 4-6月期の実質GDPが前期比3.4%と5四半期ぶりの高水準を記録するなど米景気は依然底堅く、市場の動揺は一時的との見方もありますが、住宅市場の調整が予想以上に長引き、株安による逆資産効果などマネー収縮が経済に悪影響を及ぼせば景気の不安定要因になる可能性があります。
 国内市場は参院選が終わり最大の不透明要因がなくなります。与党が敗北することはかなり織り込まれていると思いますが、敗北の度合いによって市場が変動する可能性はまだ残されています。為替の円高・ドル安も重しになっており、企業の4-6月期業績開示も始まったばかりです。27日にNY市場が再び急落したこともあり、今週は様子見に徹したほうがいいかもしれません。

2007年7月23日

 当面は18000円を挟んだ動きか

 東京市場は高値圏で方向感のない動きが続いています。NYダウが終値で初めて14000ドルをつけるなど米国株が高値更新を続けているにもかかわらず、先週1週間の日経平均の変動幅はわずか81円(0.4%)。それも上昇ではなくマイナスの変動幅です。
 20日(金)にかけ売買高が盛り上がり、29営業日ぶりに売買代金が活況相場の目安となる3兆円の大台を回復する場面がありましたが、今週もこうした相場が続くかどうかはまだはっきりしません。相場が方向感をなくしてしまうと銘柄の一本釣りで利ざやを狙う傾向が強まり、新日鉄人気からかつての人気株が集中的に物色され、結果として売買代金だけが膨らむ形だったからです。20日の騰落状況をみますと、値上がりする銘柄(667銘柄)よりも値下がりする銘柄(936円)する銘柄が多く、全体相場が上値を追えるような状況にはなっていません。
 とはいえ日経平均は世界同時株安後の3/5を底にジリジリ下値を切り上げていることも事実。6/9には年初来高値も更新しています。チャートは右肩上がりの上昇トレンドを描いており、03年4月から始まったバブル崩壊後の大修復相場は継続したままです。そうした中、市場エネルギーが盛り上がらないのは国内に手掛かり材料がないうえに参議院を控えていること、今週から4-6月期の業績発表が本格化することなどが響いているからでしょう。企業業績は順調ですが、4-6月期の業績開示で通期見通しを上方修正する企業は限られるとみられるため株価の押し上げ材料は乏しく、当面は18000円を挟んだもみ合いが続くのではないかと思われます。 堅調な動きの米国市場ですが、20日にはNYダウが149ドル安になるなど荒い動きも見られます。これまで調整を挟みつつ上昇してきただけに急落の可能性が大きいとは思えませんが、エネルギー価格の上昇、サブプライムローン問題に絡むヘッジファンド危機が深刻さを増すなど相場のかく乱要因も多く、当面は高値圏で荒い動きが続く可能性があります。
 
 相場は循環物色が中心

 東京市場では外国人による日本株買いが継続中。投資主体別売買動向では外国人は10週連続で日本株を買い越しており、年初から7月第2週までの累計買越額は7兆2800億円と記録的水準になっています。欧米やアジアの主要株式が上昇したことで投資余力が増し、他市場と比べた出遅れ感もあって日本株に資金を振り向けているようです。こうした動きがそう簡単に変わるはずはありません。
 焦点は個人がいつ積極姿勢に転じるかでしょう。先週後半にかけて新日鉄など鉄鋼株が買い直されたように、いまの相場は循環物色が中心であることがはっきりしました。こうした環境下ではかつての物色の中心であった鉄鋼・造船・海運・資源株のうち調整一巡感の出つつある銘柄を早めに仕込むのが最良かもしれません。
 また、底入れしたとみられるリスクの少ない銘柄を狙うのも一法でしょう。ここへきてヘラクレス指数が年初来安値を更新するなど新興市場の動きが厳しくなっていますが、業績など内容がしっかりしているものであれば新興銘柄でも問題はないと思います。いつまでも下げ続ける株はありませんから。ただ新興銘柄についてはこれまでの学習効果から深追いは避けたほうがいいと思います。

2007年7月16日号

 国内には買い手がかり材料が不足

 東京市場は高値圏で方向感のない動きが続いています。先週は5営業日中、100円を超える株価変動が3日、うち2日は200円を超える値動きとなりましたが、週間での日経平均の上昇幅はわずか98円(0.5%)にしかなっていません。NYダウが連日で過去最高値を更新し、ナスダック指数も01年2月1日以来の高値に進んでいるのと対照的です。売買代金も低迷しており、目安となる3兆円を実質ベースで25日連続で下回ったままです。
 とはいえ日経平均は世界同時株安後の3/5を底にジリジリ下値を切り上げていることも事実。先週9日には年初来高値も更新しています。チャートは綺麗な右肩上がりの上昇トレンドを描いていますが、こうしたしっかりした動きの中で、エネルギーが細っていることが相場を分かりにくいものにしています。これといった手がかり材料がないうえに参議院を控えていること、今月下旬から4-6月期の業績発表が本格化することなどが様子見ムードを助長しているのかもしれません。
 堅調な動きになっている米国市場では長期金利の動向に注目が集まっています。最近の金利上昇は好実態を反映した正常な金利水準への回帰との見方が主流にはなっていますが、ガソリン在庫の減少から原油価格が高騰し、バレル72ドル台になったことには留意する必要があるでしょう。
 原油価格が年初から約4割も高くなっている中で、ガソリンの供給不足懸念が強まっているときだけに、インフレ懸念がぶり返す可能性もあります。サブプライムローン問題に絡むヘッジファンド危機が表面化し、同問題の深刻さが浮き彫りになってきていることもあり、米国株が堅調な動きになってきたとはいっても楽観は禁物でしょう。
 
 狙い目は売られすぎの銘柄群

 東京市場では外国人による日本株買いが続いています。投資主体別売買動向によりますと7月第1週の外国人の買越額4760億円。9週連続の買い越しで、衆院選で与党が圧勝した05年6月以来の高水準となっています。外国人投資家は欧米やアジアの主要株式がそろって上昇したことで投資余力が増し、海外市場と比べた日本株の出遅れ感もあって資金の一部を振り向けているようです。こうした動きは当面変わらないと思われます。
 焦点は個人がいつ積極姿勢に転じるかでしょう。東証1部はしっかりした動きが続いているように見えますが、実際には手掛かり材料に乏しく、物色難の様相を呈しているのが実情です。鉄鋼・造船・海運・資源株などにかつての勢いがなくなっている中で日経平均だけがジリジリ上昇して高値を更新、しかし売買代金は低調というおかしな現象がそれを物語っているのではないでしょうか。
 こうした状況下で個人が狙うとしたらリスクの少ない、底入れしたとみられる銘柄などでしょう。1・2部市場だけでなく、新興市場すべてが対象となります。そのうち新興銘柄については内容的にいいものまで売られる状態が続いていただけに、リバウンド余地は充分あると思われます。ただ深追いは避けたほうがいいでしょう。

2007年7月9日号

 米国株は高値圏で荒い値動きか

 東京市場は高値圏で方向感のない動きとなっています。先週は5営業日中4日上昇しましたが、週間での上昇幅はわずか2円に過ぎません。売買代金も低迷しており、目安となる3兆円を20日連続で下回っています。5日移動平均では2兆3700円と4月中旬以来の低さになっています。マザーズの売買代金も300億円を割り込み、今年最低となるなど盛り上がりに欠ける展開といえます。
 とはいえ日経平均は2月末の世界同時株安後はジリジリ下値を切り上げる動きを見せています。6/21には年初来高値も更新。チャートは綺麗な右肩上がりの上昇トレンドを描いていますが、こうしたしっかりした動きの中で、エネルギーが細っていることがいまの相場を分かりにくいものにしています。これといった手がかり材料がない中で参議院を控えていること、今月下旬から4-6月期の業績発表が本格化することなどが模様眺め気分を助長しているのかもしれません。
 米国市場は長期金利の動向で株価がこのところ大きく動いています。最近の金利上昇は正常な金利水準への回帰との見方が主流にはなっていますが、ガソリン在庫の減少から原油価格が高騰し、バレル72ドル台になったことには注意を払う必要があります。
 米市場ではインフレリスクがやや後退しているとはいえ雇用環境は良好で、長期金利の指標である10年物国債利回りが5.1%に上昇するなどマネーのコストはじわじわ上昇しています。原油価格が年初から約4割も高くなっている中で、ドライブシーズンを迎えガソリンの供給不足懸念が強まっているときだけに、インフレ懸念がぶり返す可能性もあります。サブプライムローン問題に絡むヘッジファンド危機も表面化しているときだけに、米国株は当面、高値圏で荒い値動きが続くのではないでしょうか。
 
 狙い目は売られすぎの銘柄群

 東京市場では国内勢の売りを外国人が吸収する構図が続いています。外国人は8週連続で日本株を買い越しており、1-6月の累計買越額は6兆5600億円にも達しています。これは衆院の「郵政解散」を機に株価が急上昇した05年下期(7兆6800億円)に次ぐ半期ベースで過去2番目の水準。外国人は欧米やアジアの主要株式がそろって上昇したことで投資余力が高まり、海外市場と比べた日本株の出遅れ感もあって日本株を買っているようであり、こうした構図は当面変わらないと思われます。
 焦点は個人がいつ積極姿勢に転じるかでしょう。東証1部はしっかりした相場が続いているように見えますが、実際には手掛かり材料に乏しく、手詰まりともいえる様相を呈しています。鉄鋼・造船・海運・資源株などにかつての勢いがなくなっている中、日経平均だけがジリジリ上昇して高値を更新、しかし売買代金は低調というおかしな現象がそれを物語っているのではないでしょうか。
 こうした状況下で個人が狙うとしたら底入れしたとみられる銘柄などでしょう。1・2部市場だけでなく、新興市場すべてが対象になります。とりわけ新興銘柄は内容的にいいものまで売られる状態が続いていただけに、リバウンド余地は充分あると思われます。直近IPO銘柄が人気を集めているのも主力の1部市場で儲けにくくなってきたからにほかなりません。ただこれまでの学習効果から深追いは禁物でしょう。

2007年7月2日号

 米国株は当面不安定な動きか

 東京市場はこのところ方向感のない展開が続いています。売買代金も低迷しており、目安となる3兆円を15日連続で下回っています。売買代金が15日連続で3兆円を下回るのはほぼ5ヶ月ぶり。日銀短観の発表を7月2日に控えていることや、株主総会が開催されているからとの指摘もありますが、今の相場が本当に強いのかそうでないのか判然としない動きとなっています。
 とはいえ日経平均は2月末の世界同時株安時に大きく下げたあとジリジリ下値を切り上げる動きを見せています。6月21日には2月26日に付けた年初来高値も更新。チャートは綺麗な右肩上がりの上昇トレンドを描いていますが、こうしたしっかりした動きの中でのボリューム面の弱さをどう見るか、それが今の相場を分かりにくいものにしています。国内にこれといった買い手がかり材料がない中で、米国市場などの影響を受けやすくなっていることがこうした相場を現出させたのかもしれません。
 米国市場はこのところ長期金利の動向で株価が大きく上がったり下がったりしています。最近の金利上昇は正常な金利水準への回帰との見方が主流にはなっていますが、ガソリン在庫の減少から原油価格が再び高騰し、10ヶ月ぶりに1バレル70ドルを超えてきたことには注意を払う必要があります。
 米市場ではインフレリスクがやや後退しているとはいえ、原油価格は今年1月より約4割も高くなっています。夏のドライブシーズンを迎えガソリンの供給不足懸念が強まっているときだけに、インフレ懸念がぶり返す公算もあります。サブプライムローン問題に絡むヘッジファンド危機も表面化しているだけに、当面は高値圏で不安定な動きが続くのではないでしょうか。
 
 狙い目は新興などの売られすぎ銘柄

 東京市場では国内勢の売りを外国人が吸収する構図が続いています。外国人の連続買い越しは7週に及び、6月の累計買越額は1兆円を超えています。4月から6月第3週までの買越額は3兆8500億円に達しており、四半期ベースでは衆院選の与党圧勝で構造改革期待の買いが膨らんだ05年7-9月期(4兆5900億円)に迫る勢いになっています。海外市場と比べた日本株の出遅れ感が背景となっており、こうした構図は当面変わらないと思います。
 こうした中、焦点は個人がいつ積極姿勢に転じるかでしょう。個人投資家に人気のある新興3市場が回復色を強めていますので、その可能性は次第に高まっていると思われます。
 東証1部は活況相場が続いているように見えますが、実際には手掛かり材料に乏しく、物色難ともいえる様相を呈しています。鉄鋼・造船・海運・資源株などにかつての勢いがなくなっている中、日経平均はジリジリ上昇して高値を更新、しかし売買代金は低調という不思議な現象がそれを物語っているように思います。こうした環境下で個人が狙うとしたら底入れしたとみられる新興銘柄でしょう。内容的にいいものまで売られる状態が続いていただけに、リバウンド余地は充分あると思われます。直近IPO銘柄が人気を集めているのも主力の1部市場が儲けにくくなってきたからにほかなりません。ただこれまでの学習効果から、深追いや上がりすぎの銘柄には注意が必要でしょう。

2007年6月25日号

 日経平均の上昇トレンドは不変

 このところ順調な相場が続いていますが、不思議なことに相場にははっきりとした方向感は感じられません。売買代金も活況相場の目安となる3兆円を下回ったままです。売買代金が3兆円を下回るのは10日連続で、相場が本当に強いのかそうでないのかボリューム面からは判然としない動きとなっています。
 とはいえ日経平均の動きをみますと、2月末の世界同時株安時からジリジリ下値を切り上げる動きになっており、右肩上がりの上昇相場が続いていることも事実です。先週は日経平均が217円上昇し同時株安前の水準を回復しました。引け値は18188円ですが、03年4月から始まった今回の大修復相場のトレンドは変わっていないので、2月に付けた年初来高値(18215円)はいずれ更新してくるとみた方がいいと思います。
 米国市場は長期金利の動向でこのところ大きく上がったり下がったりしています。米国の最近の金利上昇は正常な金利水準への回帰との見方が主流になってはいますが、行き過ぎの修正には波乱も伴います。ヘッジファンド危機も一部で囁かれていますので、当面は高値圏で不安定な動きが続くのではないでしょうか。
 
 狙い目は新興などの売られすぎ銘柄

 東京市場では国内勢の売りを外国人が吸収する構図が続いています。外国人の累計買越額は4月から6月第2週までで3兆6200億円に達しており、四半期ベースでは衆院選の与党圧勝で構造改革期待の買いが膨らんだ05年7-9月期に迫る勢いになっています。海外市場と比べた日本株の出遅れ感が背景になっているようで、こうした構図は当分変わらないと思われます。
 焦点は個人がいつ積極姿勢に転じるかでしょう。個人投資家に人気のある新興3市場が回復色を強めていますので、その可能性は次第に高まっています。
 東証1部は活況相場が続いているようにみえますが、実際には買い手掛かり材料に乏しく、物色難ともいえる様相を呈しています。鉄鋼・造船・海運・資源株などにかつての勢いがなくなっている中、日経平均はジリジリ上昇して戻り高値を更新、しかし売買代金は低調という不思議な現象がそれを物語っているのではないでしょうか。
 こうした相場環境下で狙うとしたら底入れしたとみられる新興市場でしょう。内容的にいいものまで売られる状態が続いていただけに、リバウンド余地は充分あると思われます。ただ前回の学習効果から深追いや上がりすぎの銘柄には注意が必要でしょう。

2007年6月18日号

 米景気の下振れ懸念は後退

 相場に力強さみたいなものが感じられるようになってはいますが、まだ東京市場にははっきりとした方向感は感じられません。先週も日経平均が下げた局面では押し目買いが入るものの、上値を追っていくという動きではありません。売買代金も活況相場の目安となる3兆円を下回ったままです。米国市場が落ち着きを取り戻しつつあることで見直し買いが入るものの、これといった手掛かり材料がないため一進一退が続いているという動きになっています。
 とはいえ日経平均の動きをトレースしますと、2月末の世界同時株安時からジリジリと下値を切り上げる動きになっており、右肩上がりの上昇相場が続いていることも明らかです。03年4月から始まった今回の大上昇相場のトレンドは継続したままですので、いずれ2月に付けた年初来高値(18215円)を更新してくるとみた方がいいでしょう。
 長期金利の上昇を嫌気して米国株は先々週末、大きく崩れましたが、先週末には早くも急落前の水準を回復しました。15日のNYダウの終値は前日比85ドル高の13639ドルで、急落前の6日の13465ドルを1.3%も上回っています。金利ショックを克服したとまでは云えないものの、今回の金利上昇が米国でのインフレ懸念の高まりが原因ではないことが分かってきたからだといわれています。つまり米景気が底堅いため金利が上昇しているのであり、それはプラス要因として捉える必要があるというわけです。これは日本株にはプラスに作用します。
 
 狙い目は新興などの売られすぎ銘柄か

 このところ東京市場では国内勢の売りを外国人が吸収する構図が続いています。銀行等保有株式取得機構など政府系機関が株式売却を進めていることもあり、こうした構図は当分変わりそうにありません。
 焦点は外国人に次ぐ存在の個人がいつ積極姿勢に転じるかでしょう。個人投資家に人気のある新興3市場が回復色を強めているので、その可能性は次第に高まっています。
 各市場の売買代金は先々週まで300億~500億円にとどまっていましたが、先週末にはジャスダックが644億円と2ヶ月ぶりに600億円を超えたほか、マザーズも2ヶ月ぶりに800億円台に乗せてきました。新興市場の底入れが明らかになるにつれ売買代金も膨らんでくるはずです。
 1部市場は活況相場が続いているようにみえますが、実際には手掛かり材料に乏しく物色難の様相になっています。今後はセクター物色ではなく、個別に買われる個別株相場が続くのではないでしょうか。
 狙い目は底入れしたとみられる新興市場でしょう。内容的にしっかりしたものまで一緒に売られる状態が続いていただけに、リバウンド余地は充分あると思われます。ただ前回の学習効果から深追いや上がりすぎの銘柄には注意が必要でしょう。

2007年6月11日号

 米市場では金利動向が最大の焦点に

 5月下旬から相場に力強さみたいなものが感じられる動きになってきましたが、先週の相場付きはどう表現したらいいんでしょう。木曜日までは堅調な動きで売買代金も3兆円を上回る活況状態が続いていましたが、米国株の急落を受けて金曜日には一転して急落。日経平均の下げ幅は一時350円以上拡大する場面もありました。8日の終値は274円安の17779円。1週間で179円(1.0%)の下落となっています。
 米国株の急落は長期金利の上昇が原因。米国景気が予想以上に底堅く、早期の利下げ期待が完全に後退し、長期金利が心理的なフシ目の5%を突破したことがきっかけとなっています。米市場ではインフレ懸念が最大のリスク要因となってきた感じです。一夜明けた米国市場は金利の落ち着きが安心感を誘い、NYダウが157ドル高、ナスダック指数が21ポイント高と急反発しましたが、今後は長期金利の動向によって株価が左右されることになりそうです。
 
 狙い目は新興の売られすぎ銘柄

 このところ東京市場では外国人が日本株を買い越しているのに国内勢は一貫して売り越すという構図が続いています。年金資金のリバランス問題、預金保険機構など政府系機関が相場低迷期に銀行などから買い取った株式の売却を進めていることもあって、国内勢が買い越しに転じるのは当面期待出来そうにありません。
 こうした中、今後のポイントは個人がいつ買い越しに転じるか、もしくは積極姿勢に転じるかに尽きるのではないでしょうか。
 最近の動きから新興3市場は底を打った可能性が高くなって来ました。決算発表が一巡して不安材料が減ったことも買い安心感につながっているようです。機関投資家の大口の売買も戻りつつあるようです。
 各市場の売買代金は300億~500億円とまだ低水準ですが、そう気にする必要はないと考えます。これは個人投資家が新興市場に未だ疑心暗鬼が残り、一歩踏み出すことへのためらいがあること、蒙った損失が大きすぎてまだ身動きが取れない状態にあるからででしょう。底入れが明らかになるにつれ徐々に売買代金もに膨らんでくるのではないでしょうか。
 こうした中での投資は割安さを基準においたバリュー投資がいいと思います。1部市場は活況相場が続いているようにみえますが、基本的には物色難の様相を呈しています。セクターの物色ではなく、個別に買われる個別株相場が当分続くのではないでしょうか。
 狙い目は底入れしたとみられる新興市場でしょう。内容的にしっかりしたものまで十把一からげに売られる状態が続いていただけにリバウンド余地は充分あるとみられます。ただ前回の学習効果から深追いや上がりすぎの銘柄には注意が必要でしょう。

2007年6月4日号

 力強さが感じられる相場展開に

 4月以降ボックス圏の動きが続き方向感の定まらない相場が続いていましたが、先週後半あたりから少し力強さみたいなものが感じられるようになって来ました。日経平均は7日にはボックスの上限になっていた17800円を突破、8日には更に上伸、一時18000円台に乗せる場面もありました。先週末の終値は17958円で、この1週間で477円(2.7%)上昇する形となりました。売買代金も膨らんできており活況の目安となる3兆円台を回復しています。
 特別なきっかけがあったわけではありませんが、米景気は崩れないという安心感が好材料に反応しやすい地合いに繋がったようです。30日の上海株式市場の急落を受けて始まった米国市場がしっかりで、NYダウが連日で過去最高値を更新するなど堅調な米国株も投資家心理を好転させたと云えそうです。
 5月9日に開催した米FOMCの議事録で、「米景気の下振れリスクが少し減退した」との認識が示されたことで米国では景気の先行きに楽観論が広がり、利下げ観測が後退しています。現状は経済が「熱すぎず、冷たすぎず」の適度な状況にあり、これが堅調な米国株を演出する背景になっているようです。先週末発表された米雇用統計も経済の底堅さを裏付ける内容となっています。

狙い目は新興銘柄か

 このところ東京市場では外国人が一貫して日本株を買い越しているのに、国内勢は一貫して売り越すという需給関係が続いています。年金資金のリバランス問題や預金保険機構など政府系機関が相場低迷期に銀行などから買い取った株式の売却を進めていることもあって、国内勢が買い越しに転じる可能性は当面、乏しいと考えざるを得ません。
 こうした中、今後のポイントは外国人に次ぐ存在の個人がいつ買い越しに転じるか、または売り越し幅が大幅に縮小してくるかに尽きるのではないでしょうか。前回、新興3市場は底を打った可能性が高くなったとコメントしましたが、この1週間でその可能性はさらに強まったように思います。決算発表が一巡して不安材料が減ったことや、日経平均が底堅く推移していることが買い安心感に繋がっているようです。機関投資家による大口の売買も徐々に戻りつつあります。
 市場全体の売買代金はまだ300億~500億円と低水準ですが、これは個人投資家にまだ疑心暗鬼が残り一歩踏み出すことへのためらいがあることや、新興株の損失が大きすぎてまだ身動きが取れない状態にあるからであろう。新興市場の底入れが明らかになるにつれ売買代金も徐々に膨らんでくるのではないでしょうか。
 こうした中での投資は割安さを基準においたほうがいいと思います。1部市場は基本的には物色難の様相を強めていますので、狙い目は底入れしたとみられる新興市場でしょう。内容的にしっかりしたものまで一緒くたに売られる状況が続いていただけに、リバウンド余地は充分あるとみられます。ただ前回の学習効果から深追いや上がりすぎの銘柄には注意が必要でしょう。

2007年5月28日号

 方向感のない相場展開に

 5月に入って相場の方向感がなくなったようです。堅調な米国株の上昇を受け連休明け後はしっかりした動きを見せていましたが、5月第3週、第4週とも方向性はほとんど感じられません。好決算を発表した企業が個別に買われる程度で、特定のセクターがテーマ性に基づいて買われるという状況ではなくなっています。売買代金も活況の目安とされる3兆円下回るようになり、上値も次第に重くなっている感じです。
 米国株を始め、欧州、アジアの主要株式市場が軒並み連鎖株安後の高値を更新する中で、ひとり日本だけが取り残された状態になっています。これについては様々な要因が考えられますが、まず投資家が今期の収益見通しをどう捉えたらよいかまだはっきりしていないことが背景にあるのではないでしょうか。例年5月は機関投資家が企業分析に集中するため、買い手不在になりやすいことも事実です。
 しっかりした予測に基づいていないため、米景気や米国株の行方、はたまた中国株の暴落懸念などをあげつらい、買わない理由にしているように感じられます。国内景気や日本株相場の予測さえ困難な状況にある中で、他国のことまで心配して株式を買わない行為、はっきりいえば株式投資に対する自信のなさがこうした相場を現出していると云えなくもありません。

新興3市場は底入れした可能性が大

 投資主体別売買動向を見ますと外国人は一貫して日本株を買い越していますが、国内勢は一貫して売り越しています。年金資金のリバランス問題や政府系機関が相場低迷期に大手銀行などから買い取った株式の売却を進めているとの観測もあることから、国内勢が買い越しに転じる可能性は当面、乏しいように思われます。
 今後の相場を見る上でのポイントは外国人に次ぐ存在の個人がいつ買い越しに転じるか、または売り越し幅が縮小してくるかに尽きるのではないでしょうか。
 急落が続いていた新興3市場ですが、ここへ来て下げ止まったのではと感じさせる動きになってきました。チャートからはジャスダック指数とマザーズ指数が5/18、ヘラクレス指数は5/22に底入れした可能性が強まっています。好業績を発表した銘柄までが売られような異常な状態が続き、様々なテクニカル指標が売られすぎのサインを出していただけに、その可能性は極めて高くなったのではないかとみています。
 新興市場が底打ちしたとみられることから物色の流れは今後変わってくることになろう。1部市場は基本的には物色難の様相を強めつつありますので、好業績を発表した銘柄などが個別に買われるような相場展開が続くのではないでしょうか。
 新興市場は底打ちしたと見られるだけに狙い目でしょう。内容的にしっかりしたもの、好業績ながら地合いの悪さに引きずられて下げた銘柄などが物色対象といえそうです。

2007年5月21日号

 今期も2ケタ前後の増益に

 連休明け後は堅調な動きをみせていた東京市場ですが、動きは芳しくありません。売買代金も活況の目安とされる3兆円下回るようになり、上値も次第に重くなっています。先週末の日経平均は17399円で、1週間で154円(0.9%)の下落となりました。
 米国株を始め、欧州、アジアの主要株式市場が軒並み連鎖株安後の高値を更新する中、ひとり日本市場だけが取り残された形です。これについては様々な要因が考れますが、決算発表がたけなわで、投資家サイドの今後の見通しがまだはっきりしないことも理由の一つにあげられそうです。例年5月は機関投資家が企業分析に集中するため、買い手不在になりやすいことも事実です。
 日本経済新聞社が18日に集計した上場企業(新興市場、金融を除く)の08年3月期経常利益は前期比3.0%増え、5期連続で過去最高を更新する見通しです。先週末時点の増益率予想が1.1%でしたから、業績が先行き好転するとみている企業が増えていることを示しています。4期連続で過去最高益になった07年3月期が期初の1.5%増益予想から10.7%増益(5/18現在)になったように、今回も2ケタ前後の増益になる可能性は大でしょう。

新興市場はそろそろ底打ちか

 外国人の日本株買いは継続していますが、国内機関投資家と個人はこのところずっと売り越しています。年金資金のリバランスの関係で機関投資家が買い越しに転じる可能性は乏しいと思われますが、外国人に次ぐ存在の個人がいつ買い越しに転じるか、もしくは売りが減少するかが今後の相場をみる上でのポイントとなりそうです。
 新興市場銘柄を投げ売って1部上場銘柄に乗り換えた個人はその後の株価下落で痛手を負い、ここへ来ての新興市場の急落で身動きが取れない状況になっています。資金に余裕がなくなり、リスクも取れない状態になっているといった方がいいかもしれません。
 新興市場の代表であるマザーズ指数は5/7の直近高値からわずか9日間で171ポイント(-17.7%)、4/5の高値からは270ポイント(-25.3%)、1月の年初来高値からは474ポイント(-37.3%)もの下落になっています。まさに暴落といえます。
 好業績を発表した銘柄までが売られる状況で、先週後半はまさに陰の極といってもいい状況でした。ボリンジャーバンドや移動平均からのカイリ率、サイコロジカルラインなど多くのテクニカル指標も売られすぎのサインを出していますので、新興市場の底入れは近いと考えます。
 4月末から鉄鋼、造船、海運、資源株などを中心とする相場が続いて来ましたが、その流れもここへ来て変わりつつあるように思います。物色難の様相を強めつつありますので、1部市場は当面、好業績を発表した銘柄などが個別に買われるような個別株相場が続くのではないかとみられます。
 新興市場は底打ちが近いとみられるので、内容的にしっかりしたもの、好業績ながら地合いの悪さに引きずられて大きく下げた銘柄などが狙い目といえるでしょう。

2007年5月14日号

 地合いが好転

 連休中の米国株高を受け、東京市場の地合いは先月までとは変わってきました。売買代金は活況の目安とされる3兆円を概ね上回り、売買高も10日には24億8600万株と3月9日以来の規模に膨らんできました。10日の米国株の急落を受け先週末には日経平均が一時300円近く下げる場面もありましたが、次第に下げ渋り、引けは17553円(前日比-183円)となりました。
 連鎖株安後の高値を10日に更新したこともあり、市場では強気のコメントも目立つようになっています。確かに企業業績に対する一時の悲観的な見方は後退しています。決算発表シーズン前には好業績期待が裏切られるのではとの不安が市場を覆っていましたが、そうした不安心理も主要企業の決算が明らかになるにつれ薄れています。
 日本経済新聞社が11日集計した上場企業(新興市場、金融を除く)の07年3月期決算は経常利益が12.2%増え、4年連続で過去最高を記録しています。今期については1.1%増益予想と微増益にとどまるとしていますが、これは税制改正に伴って減価償却費が増えるほか、米国景気の先行き透明感や円高懸念などから経営者が先行きについて慎重な見方を取っているのが原因。好決算となった前3月期も昨年5月時点の予想増益率が1.5%だったことを考えると、増益率の1.1%をそう気にする必要はないと思います。
 米国経済については景気後退懸念とインフレ懸念の二つの懸念材料が残ったままですが、原油価格の下落でインフレ懸念はここへきてやや後退しています。米景気を支えていた個人消費に陰りが出ていることは気掛かりではありますが、景気が減速局面に入れば利下げ期待も広がりますので、株価には決してマイナスではありません。

相場は上値を取ってくる可能性も

 個人投資家を含め国内勢が弱気に傾いていた4月に外国人は日本株を1兆4500億円超買い越しました。この間、個人は1兆円近く、国内金融機関も5000億円近く日本株を売り越していますので、国内勢の売り物を安いところで大量に拾ったともいえます。
 米国株のほぼ一本調子の上昇で外国人投資家のリスク許容度が高まっている中、米欧市場に比べた東京市場の出遅れが顕著になっていますので、外国人の日本株買いは今後も継続するとみられます。それゆえ、東京市場は底堅い動きが続くのではないでしょうか。売り越しを続けていた個人が買いに動き出せば、相場が上値を取ってくる可能性も充分あるとみられます。
 1部市場の出来高が膨らんできたので物色の中心はメジャーマーケットに置いたほうがいいでしょう。新興市場については会計や決算に対する不信感があるため、決算発表が本格化する今来週は手掛けにくい状況が続くとみられます。マザーズ指数などは算出以来の安値まで売られているので基本的には買いのチャンスと捉えたほうがいいでしょう。一足早く底入れし、内容的にしっかりかりしてるものは狙ってもいいのではとみています。

2007年4月23日号

 買い手掛かり材料が欠如

 今週から本格化する主要企業の決算発表を前に市場では買い手控えムードが一段と広がってきました。連鎖株安前に連日で3兆円を超えていた東証第1部の売買代金はこのところ2兆円台が定着。先週末も売買高は1月4日の半日立会いを除き今年3番目、売買代金も同4番目の低い水準になっています。
 先週は日経平均が1週間で89円上昇。19日には一時400円以上下落し、連鎖株安の再来かという場面もありました。先物に仕掛け的な売買が入り、現物市場がそれに振り回されたためです。国内にこれといた買い手掛かり材料がなく売買高が細っている情況では、株価指数先物の投機的な売買が株価の振幅を大きくするため、今後もこういうことが起こる可能性はあります。
 米欧の主要な株価指数が2月末に始まった世界連鎖株安前の水準を軒並み回復しているなかで、日本市場だけが取り残された格好になっています。NYダウは3日連続で過去最高値を更新、ナスダック指数も01年2月以来となる高値に進んでいるのに、一度も急落前の水準に戻しておらず、連鎖株安前より4%弱安い水準にとどまったままです。

当面は決算発表を受けた個別物色の展開か

 米国株が新高値に進んできたためリスク許容度の増した外国人投資家が日本株買いを再開してくる可能性は否定できませんが、現在のところその可能性は高くはないでしょう。米国景気の先行き不透明感が強いため、今週から本格化する3月決算企業の決算発表で08年3月期に対して企業側が慎重な見通しを示すのではとの警戒感が広がっており、好決算を背景にした積極的な買いが期待しづらいためです。
 手掛かり材料がないため東京市場は次第に物色難の様相を強めています。こうした中、決算発表が本格化しますので、当面は好決算の出たものを個別に物色する個別株物色の展開が続くのではないでしょうか。
 狙い目としては好決算の出たものとなりますが、基本的には決算が出てからでは遅いので、その可能性のあるものを早めに仕込むということになります。当社は1部市場についてはチャートが崩れたものが多く、出来高も細っているので、こうした市場で儲けるのは基本的には難しいと考えています。そのため投資先としては消去法的に新興市場、それも一足早く底入れし、内容的にもしっかりした銘柄群がいいのではないかと考えています。
なお、来週5月1日号と5月7日号は連休のためお休みとなります。



2007年4月16日号

当面は方向感のない動きか

 相場には方向感がなくなってきた感じです。前日の米国市場が堅調に推移していたにもかかわらず先週末の東京市場は大きく下落。週末にG7(7カ国財務省・中央銀行総裁会議)を控えていたとはいえ、日経平均が176円(1.0%)も下げた理由がよく分かりません。
 今週から米国主要ハイテク企業の決算発表が本格化するうえ、来週からは国内主要企業の決算発表も本格化するという状況を前に、国内投資家が積極的な売買を手控えたこと、また米国で景気減速懸念に加えインフレリスクまでが台頭し、投資家がどう動けばいいのか判断に迷ったことなどがこうした相場を現出させたのではないでしょうか。
 とはいえ米国市場は世界同時株安前の水準を回復して来ました。先週末のNYダウは12612ドル(急落前は12632ドル)、ナスダック指数は2491ポイント(同2504ポイント)となっています。テクニカル的に見れば両方とも綺麗な右肩上がりの上昇トレンドを描いており、今後も順調な相場が期待できそうな形になっています。それに対し東京市場はまだ下落幅の49%を戻したにすぎません(4月9日の戻り高値を基準にすれば回復率は97%)。経済のファンダメンタルズを考えれば日本市場が米国市場より相場が上がりにくいという情況ではありません。
 これは需給関係から来ているのかもしれません。外国人はここへきて買い越しに転じてはいますが、かつてのように月間1兆円を超える積極的な買いにはなっているわけではありません。ゼロサムゲームと同じでどこかが売り越せば必ずどこかが買い越しになる-そういった感じの買いと言った方がいいかもしれません。
 景気の先行き不透明感から国内機関投資家が買いを手控えている中、世界同時株安が起きた2月第4週から3週連続で計1兆5212億円買い越した個人投資家が回転が効かなくなり、コストを割り込まないうちに取引を手仕舞う動きが相次ぎ、目立った買いセクターがなくなったからといえなくもありません。
 国内にこれといった買い手掛かり材料がないため、今週も東京市場は方向感のない動きでしょう。基本的には米国市場に左右される展開が続くとみたた方がいいと思います。


狙い目は新興市場などの売られすぎ銘柄群

 度々指摘しているように外国人が買わなければ東京市場は基本的には上がりません。こうした中で2月までの相場上昇を支えた鉄鋼株や資源関連株などがかつての勢いをなくしているため、市場は次第に手詰まりの様相を強めています。
 こうした状況を反映し物色の流れも変化しつつあります。投資家の目は1部市場を向いているというコメントをよく耳にしますが、これは見当違いでしょう。1部市場は人気が離散し、出来高、売買代金とも細っているのが現状です。需給面のシコリのない新規IPO銘柄などに人気が集中しているのもその表れでしょう。
 物色の流れは売られすぎた銘柄群に来ているように思います。はっきり言えば新興市場の銘柄群-へといった流れです。
 狙うとしたらそういうところでしょう。ただ新興市場については全てがいいというわけではありません。買われるものとそうでないものに峻別されると見なければなりません。2月から3月にかけての相場急落という学習効果もありますので、上値追いは避けるべきで、全力投球も慎んだほうがいいとみています。

2007年4月9日号

SQ算出を控え波乱含みの動きか

 名実ともに4月相場入りした東京市場ですが、新年度入りとともに大きな下げに見舞われました。2日新甫は荒れるとよくいわれますが、それを地でいった形です。
 本当のところはこの相場格言は実際とは異なりますが、一時の連鎖株安から落ち着きを取り戻したとはいえ、市場にはまだ警戒感が残り、大きく下げた局面では不安心理が頭をもたげてくる構図は変わってはいません。
 先週は週初に急落した場面があったものの、日経平均は1週間で197円(1.1%)上昇しました。しかし国内にこれといった買い手掛かり材料がないため、相場の方向感が定まっているわけではありません。米国株の動向に影響される度合いが強っているのが実情で、売買代金も細り気味です。こうした相場環境では先物に振り回される展開になりがちです。今週は13日にオプション4月物のSQ算出を控えているため波乱含みの動きになる可能性もありそうです。 
 米国市場ではサブプライムローン問題などが市場心理に影を落とし、景気の先行き不透明感が強まっていましたが、6日発表の3月の雇用統計で雇用の底堅さが裏付けられたため、不透明感はやや後退してくる可能性があります。ただサブプライムローン問題は簡単に決着する問題ではありません。米国株は同問題を内包しながら連鎖株安で急落した株価を少しずつ修正する展開-こう考えるのが一般的でしょう。

狙い目はエレクトロニクスや売られすぎ銘柄群

 このところ東京市場では外国人の買いに勢いがみられません。3月第3週、第4週と買い越したものの、本格的な買い越しに転じたとはまだいえません。他市場と比較した日本株の割安感もなくなっており、米国株にはっきりした方向感が出てくるまでは外国人の日本株買いも期待できないとみた方がいいのではないでしょうか。
 外国人が買わなければ日本市場は基本的には上がりません。世界同時株安時の大量の外国人売りを吸収した個人投資家も回転が効かなくなっているのが現状で、東京市場は今後も上値の重い展開が続くと見た方がいいでしょう。現に物色の中心になっていた新日鉄などの鉄鋼株や住友鉱などの主力大型株は上値の重い動きに変わっており、市場は物色難というか手詰まりの様相を呈しつつあります。
 こうした状況を映し物色の流れは徐々に変わってきているようです。まだ奔流とはなっていませんが、今期収益が大きく回復するエレクトロニクス関連セクターとか売られすぎた新興市場銘柄群-などへといった流れです。
 狙うとしたらそういうところでしょう。ただ新興市場については全てがいいというわけではないので注意が必要でしょう。買われるものとそうでないものに峻別される可能性大と見た方がいいと思います。2月から3月にかけての急落という学習効果もありますので全力投球も慎んだほうがいいとみています。

2007年4月2日号

内外の投資家はなお慎重姿勢

 落ち着きを取り戻してきたかに見えたNY市場ですが、米国景気などに対する警戒感はまだ消えたわけではありません。従来からのサブプライムローン問題に加えインフレ懸念が再び台頭したことなどから米国市場は先週大きく下落しました。これを受け東京市場も米国株に引きづられる展開で、先週は日経平均が1週間で193円(1.1%)下落しました。 世界同時株安から1ヶ月が経過しているのに国内外の投資家はなお慎重姿勢を採っているといえます。
 地政学リスクの高まりもあり原油価格はここへきて再び上昇、WTIは29日に1バレル66ドル台に乗せてきました。今後も上昇基調が続き70ドル台に乗せるようであれば要注意でしょう。米国人の購買余力を奪い景気後退に繋がるリスクが大きくなってくるからです。
 サブプライムローン問題については何度も指摘しているとおり、現状ではそう心配する必要はないと考えています。住宅ローン全体に占める割合が1割程度と小さく、影響は限定的とみられることが背景。
 
流れは新興市場へ
 
 このところ東京市場では外国人の買いに勢いがみられません。3月第3週(19-23日)こそ買い越したものの、それまでの大量の日本株売りを考えれば本格的な買い越しに転じたとはまだいえません。米国株にはっきりした方向感が出てくるまでは、外国人の日本株買いも期待できないとみた方がいいのではないでしょうか。 
 外国人が買わなければ東京市場は基本的には上昇しません。世界同時株安時の大量の外国人売りを吸収した個人投資家も回転が効かなくなっているのが現状で、東京市場は今後も上値の重い展開が続くとみられます。
 このところ市場では新日鉄などの鉄鋼株や住友鉱など物色の中心になっていた主力大型株の上値が重くなっています。それ以外の銘柄も大体同じような動きになっており、市場は物色難というか手詰まり感の様相を呈しているのが実情です。
 こうした状況では物色の流れは変わって来ざるを得ません。これまではどちらに物色の矛先が向かうのか判然としませんとコメントしてきましたが、最近の動きから流れは新興市場に移りつつあるのように感じられます。
 ただ新興市場の銘柄がすべていいというわけではありません。買われるものとそうでないものに二極化する可能性は充分あります。また今年2月から3月にかけての新興市場の下落という学習効果もありますので、全力投球も慎んだほうがいいと思います。

2007年3月26日号

株安連鎖への不安はやや後退

 NY市場が落ち着きを取り戻してきたことを受け東京市場もしっかりの展開となってきました。先週は日経平均が1週間で736円(4.4%)も上昇。2月28日の世界同時株安からの下落分のほぼ半分を戻してきました。株安連鎖への不安はやや後退した感じです。
 円相場も落ち着きを取り戻してきました。外為市場では豪ドルや英ポンドなど高金利通貨に資金が向かい始めており、国際商品市場ではWTIや金相場が上昇するなど、円キャリー取引が高金利通貨や国際商品相場を押し上げた年初までの構図が復活しつつある状況になりつつあります。
 サブプライムローン(延滞履歴があるなど信用力の低い個人を対象としたローン)問題が米金融市場に波及して米国経済を悪化させるのではとの懸念は残りますが、同問題については現状ではそう心配する必要はないと考えています。同ローンの住宅ローン全体に占める割合が1割程度で影響は限定的とみられること、またこれで米国経済が失速するとも考えにくいからです。
 
物色の流れが変わる可能性も
 
 このところ東京市場では外国人の売りを個人投資家が買い支える構図が続いています。連鎖株安が続いた週から3週間で個人投資家の買越額は1兆5200億円に達しており、統計を取り始めて以来最高の買越額となっています(この間、外国人は7400億円の売り越し)。
 ところが個人投資家のこうした買いは回転が効かなくなりつつあるのが現状。いずれ終息するとみなければなりません。
 世界的な株安連鎖を受け海外投資家のリスク許容度は低下したままです。米国株にはっきりした方向感が出てくるまでは、外国人の日本株買いも期待できないとみた方がいいのではないでしょうか。
 外国人が買わなければ日本市場は基本的には上昇しないので、東京マーケットは今後も上値の重い展開が続くとみられます。先週1週間で730円強上げたこともあり、今週は売り買い交錯の展開でないでしょうか。ただ急落の後遺症は徐々に癒えてきましたので、市場の雰囲気は徐々に良くなってくるとみていいでしょう。
 このところ市場では新日鉄や住友鉱など物色の中心になっていた主力大型株の上値が重くなっています。外国人が買って来なくなったことの表れでもありますが、このことからも物色の流れは今後変わってくる可能性があります。
 中小型株相場になるのか低位株相場になるのか、それとも個別材料株相場になるのか現状ではまだ判然とはしません。が、メジャーマーケットだけでなく新興市場を含め、どちらに物色の主力が移っても即対応できるよう考えを整理した方がいいと思います。

2007年3月19日号

株安への不安はやや和らぐ

 NY市場が下げ渋り世界的な連鎖株安が一段落しつつあるとの見方から東京市場は徐々に落ち着きを取り戻してきました。とはいえ先週は日経平均が1週間で420円下落したことも事実で、不安定さが完全に払拭されたわけではありません。連鎖株安への不安がやや和らいだ状態で小康状態を保っていると言った方が適切かもしれません。
 株安連鎖の一因になった円相場も落ち着きを取り戻しつつあります。豪ドルやニュージーランドドルなど高金利通貨に投資資金が戻り始めているほか、ユーロも対円やドルに対し上昇しています。円キャリー取引の解消に伴って円高が進むとの懸念は後退したと考えていいのではないでしょうか。
 サブプライムローン(延滞履歴があるなど信用力の低い個人を対象としたローン)問題の表面化で米国株が13日に急落したことで米経済の先行きが株式市場の最大の焦点となってきた感がありますが、これについてはそう懸念するほどではないと考えています。同ローンの住宅ローンに占める割合は1割程度であり、影響は限定的とみられること、またこれで米国景気が失速するとも考えにくいからです。
 ただそうはいってもこの問題が簡単に決着するとも思えません。米国株は同問題を内包しながら少しずつ落ち着きを取り戻していく―こう考えるのが一般的でしょう。そうであれば今後も似たようなケースが起こりうるため、米国株の戻りには当面力強さは期待できないかもしれません。

個人投資家の買いは回転が効かない状態に

 米株安を受けた世界同時株安で海外投資家のリスク許容度は低下しています。米国市場にはっきりとした方向感が見えてくるまでは、積極的に日本株を買っていた外国人の日本株買いも細ってくるとみなければなりません。
 このところ東京市場では外国人の売りを個人投資家が買い支える構図が続いています。連鎖株安が続いた週から2週間で個人投資家の買越額は1兆989億円に達しており、統計を取り始めて以来最高の買越額となっています(この間外国人は6549円の売り越し)。
 ところが個人投資家のこうした買いは回転が効かなくなりつつあるのが実情。いずれ終息するとみられます。
 外国人が買わなければ日本市場は基本的には上昇しないので、東京マーケットは今後も上値の重い展開が続くと考えられます。ただ急落の後遺症は徐々に癒えてくるとみられるので、市場の雰囲気は徐々に良くなってくるとみていいでしょう。
 このところ市場では新日鉄や住友鉱など物色の中心になっていた銘柄の上値が重くなっています。このことからも物色の流れは徐々に変化してくるとみた方がいいのではないでしょうか。
 中小型株相場になるのか低位株相場になるのか、それとも個別材料株相場になるのか現状ではまだ判然とはしません。が、メジャーマーケットだけでなく新興市場を含め、どちらに物色の主力が移っても対処できるよう考えを整理した方がいいのではとみています。

2007年3月12日号

円高懸念は徐々に後退へ

 NY市場が下げ渋り世界的な連鎖株安が一段落しつつあるとの見方が広がり、東京市場は徐々に落ち着きを取り戻してきました。先週は日経平均が週間で53円下落、終値は17164円となりました。週初の大幅下落後は少しずつ下値を切り上げる形になっています。
 株安連鎖の一因になった円相場も一服気味。外為市場ではオーストラリアドルやニュージーランドドルなど高金利通貨に投資資金が戻り始めており、円キャリー取引の解消に伴って円高が進むとの懸念はやや弱まったように思います。
 今月8日に欧州中央銀行が利上げを発表したのに続きニュージーランド準備銀行(中央銀行)も政策金利を引き上げました。この結果、2月に利上げした日本との金利差は縮まらず、市場では円キャリー取引が復活するとの声も出始めています。9日のニューヨーク外為市場で円相場が1ドル=118円台まで下落したことから、円高に対する市場の警戒感は徐々に和らいでくるとみていいのではないでしょうか。
 先週末発表された米雇用統計はほぼ予想どおりの内容でした。住宅市場にはなお不透明感が残っているものの、失業率の低下や雇用者数の底堅さから、米景気の先行きへの警戒感は後退した形になっています。

物色動向の変化にも対応できるような準備が必要に

 米国市場の下げ渋りや円高の一服などから今週の東京市場は徐々に落ち着きを取り戻すと思われます。日経平均がわずか5日間で1768円(9.7%、ザラバベース)も下落したあとだけに不安定さは残りますが、相場の地合いは徐々によくなってくるとみていいでしょう。
 こうした中、焦点となるのが物色の流れ。外国人は昨年12月以降、毎月1兆円を超える大量の日本株買いを続けてきました。これが相場を押し上げたわけですが、こうした買いが今後も継続すると考えるのはやや無理があるように思います。2月第4週が大幅売り越しだったように、買いはかなり細るとみた方がいいのではないでしょうか。外国人買いが入らないと国内の機関投資家はあまり動きません。
 このところ市場では新日鉄と住友鉱が物色の2本柱となっていますが、ともに上値は重くなっています。このことから物色の流れは徐々に変化してくるとみた方がいいのではないでしょうか。
 中小型株相場になるのか低位株相場になるのか、それとも個別材料株相場になるのか現状ではまだ判然とはしませんが、メジャーマーケットだけでなく新興市場を含め、どちらに物色の主力が移っても対処できるよう考えを整理した方がいいのではとみています。

2007年3月5日号

米国市場が落ち着くには時間が必要

 NY市場の急落を受け東京市場は先週大きく崩れてしまいました。2/28の日経平均株価の下落幅は515円(▲2.8%)。その後も下げ止まらず、週末には235円安の17217円で引ける形となりました。2/26に付けた昨年来高値(18300円、ザラバ値))から先週末のザラバ安値(17217円)までの下落幅は1140円、率にして6.23%にもなっています。
 急落の原因になった米国株は2日もNYダウが120ドル(1.0%)安、ナスダック指数が36ポイント(1.5%)安となっています。外為市場で円相場が1ドル=116円台に上昇するなど、円キャリートレード(低金利の円を借りて高金利通貨などで運用する取引)の巻き戻しが続いていることが懸念されたようです。
 サブプライム(延滞履歴があるなど信用力の低い個人)を対象にした住宅ローンの延滞や物件の差し押さえが増加し、昨年末以降、同ローンを専門とする金融機関の破綻が相次いでいることも株安の一因となっています。ただ、サブプライムローンが住宅ローン全体に占める割合は1割程度であるため、これの影響は限定的との見方が現状では大勢。
 とはいえ、米国では経済の先行きについて拡大基調が続くとの見方が揺らぎつつあるため、マーケットが落ち着きを取り戻すにはいま少し時間がかかると見たほうがいいのではなかろうか。

外国人の日本株買いは細る方向に

 米国株安を受けた世界同時株安で海外投資家のリスク許容度は低下しています。米国市場に方向性が見えてくるまでは、積極的に日本株を買っていた外国人の日本株買いも細ってくると見たほうがいいでしょう。
 東京市場で5割以上シェアを持つ外国人が日本株買いを控えれば、東京マーケットは上値の重い展開にならざるを得ません。有力な買いセクターが見当たらない状況だけに、当面は調整場面が続くと見たほうがいいと思います。 問題はその幅と期間ですが、幅については1100円強も下げている訳ですから、かなり進展したと考えています。ここから下げたとしても下値は75日移動平均線の17000円前後ではないかと見ています。期間についてははっきりしませんが、本格的な調整になっていますので1ヶ月程度はかかるとみたほうがいいでしょう。

メジャー市場と新興市場両にらみのスタンスが必要

 こうしたなか物色の流れが変化してくるか否かですが、基本的には外国人買いが細れば流れは変化してくると考えなければなりません。ジャスダック市場は急落前は戻り高値更新の動きをみせていましたが、急落後も1部市場より底堅い動きをみせているように、売り込まれた新興市場にも目を向ける必要があると思われます。今後はメジャーマーケットと新興市場両睨みのスタンスが必要でしょう。目先は材料性の強い銘柄が物色される展開も考えられます。

ご注意!!

当社の名をかたって未公開株などの販売を行う業者の存在が確認されています。
当社は未公開株の販売は行っていません。またパンフレットを送って契約を取り付けるような営業も行っていません。
ご注意ください。

投資情報の重要性

苦情処理・紛争解決体制