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投資戦略レポート

2016年1月12日号

 ここからの下値はそんなにないとみています

 2016年が始まったとたん、世界の金融・株式市場が不安定な様相を強めています。中国経済への懸念から人民元相場の下落が加速し中国株が急落している中、中東情勢の緊迫化や北朝鮮の「水爆実験」など政治・軍事的緊張が高まり、世界的にリスクを避ける雰囲気が広がっているためです。日経平均株価の8日終値は17697円。大発会の4日に582円安と急落で始まったあと8日まで5日続落し、週間で1335円(7%)下落しました。年初から5日続けて下げるのは1950年に日経平均の算出を始めて以来、初めてです。ネガティブなニュースだけでなく経験したことのない下げが続いたことから、市場心理は急速に悪化しています。
 8日のCMEの日経平均先物は大阪取引所終値比440円安の17250円で引けています。昨年9月の日経平均の安値が16930円ですから危険な水域まで下げてきた来たと考えています。しかしそんなに悲観はしていません。テクニカル的に見たら下げすぎで、いつ反転しておかしくない状態になっているからです。騰落レシオは62.9%と2012年6月以来の水準に低下。アベノミクス相場が始まった同年11月以降で最も低い水準に低下しています。リーマンショック時の安値を付けた2008年10月27日の同レシオが57.66%ですから、ここからの下値はそんなにないとみています。外部要因で下げた相場だけに外部環境が落ち着けば戻すのではとみています。

 下げ止まりが確認できるまでは様子見が賢明

 8日の米国株は大幅に下落しました。NYダウは前日比167ドル(1.0%)安の16346ドルと3か月ぶりの安値となり、ハイテク株比率の高いナスダック指数も同45㌽(1.0%)安の4643と約3か月ぶりの安値で引けています。好調な雇用統計を受けて買いが先行したものの、中国への不安が拭えずダウ、ナスダック指数ともほぼこの日の安値で取引を終えています。
 朝方発表した12月の雇用統計は、非農業部門の雇用者数が前月比29万2000人増と市場予想(20万人程度)を大幅に上回ったほか、10月の増加幅が30万7000人に、11月が25万2000人に上方修正されたため、幅広い銘柄に買いが膨らみ、ダウ平均は一時137ドル上昇する場面がありました。
しかし買い一巡後は一転して売りに押される展開。8日の中国株式相場は反発したものの、先行き懸念は根強く、投資家心理に影を落としています。欧州株が大幅安となったことも売りを誘い、NYダウは一時200ドル下げる場面もありました。NYダウの週間の下げ幅は1078ドル。リーマン・ショック直後の2008年10月上旬(1874ドル安)以来ほぼ7年3カ月ぶりの大きさとなっています。
 今の株安の連鎖を断ち切るのは米国株しかありません。当面は米国株の立ち直りを期待するしか手はありません。下げ止まりが確認できるまでは様子見が賢明でしょう。11月16日号以降、基本は「休むも相場」とし、方向性が見えてくるまでは様子見とコメントしてきましたが、今週もこの考えは変わっていません。ただ今回は「下げ止まりが確認できるまでは」に修正します。東京市場は極端な売られすぎ状態になっていますので、下げ止まりが確認できたら買いに転じる時だと考えています。

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