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投資戦略レポート

2015年3月9日号

 実感が乏しい新値更新

 堅調な相場です。先週、日経平均株価は5営業日中、3営業日上昇、終値は18971円と昨年来高値を更新しました。約15年ぶりの高値です。週間の上昇幅は174円(0.93%)。東証1部の売買代金は活況の目安となる2兆円をずっと上回っています。リーマンショック後の高値を抜けたことで、東京市場は新たなステージに入ったとみられます。
 ただ釈然としない面も残ります。指数がフシを突破して15年来の高値に進んでいるのに相場には躍動感が感じられません。市場には活気というか熱気が溢れてくるものですが、そんな状態にはなっていません。売買代金は2兆円を超えているものの、ここまで上昇していることを考えると物足りなさが感じられます。先物主導の上昇となっているため、全体相場が底上げしているようには感じられないのです。
 実感の乏しい新値更新ですが、昨年10月の直近安値から4439円(30.55%)も上昇しているので、テクニカル的には過熱感も出ています。騰落レシオは141.4%と過熱状態とされる120%を上回る水準まで上昇しており、25日移動平均線からの乖離率も買われすぎとされる5%に迫っています。国内年金や外国人などからの買いが入っているようで、押し目待ちに押し目なしの状態が続いていますが、それなりの注意は必要ではないかと見ています。

 好決算でも評価されなかった銘柄や出遅れ銘柄などに注目


 6日の米国株は急落しました。NYダウは前日比278ドル(1.54%)安の17856ドルとなり、ハイテク株比率の高いナスダック指数も同55㌽(1.11%)安の4927で引けています。2月の雇用統計で非農業部門の雇用者数が前月比29万5000人増と市場予想(24万人程度)を大きく上回ったほか、失業率が前月比0.2㌽低い5.5㌽に低下したことで、FRBが利上げに動きやすくなったとの観測が広がりました。早期の利上げ観測を背景に長期金利が大きく上昇、外為市場では円やユーロなど主要通貨に対するドル高が進み、ダウ平均は一時310ドル下げる場面もありました。これを受けたCMEの日経平均先物は18860円と大阪取引所終値比130円安で引けています。
 外国人は原油安とギリシャ問題の再燃からリスク回避姿勢を強めていましたが、ここへ来て日本株買いに転じています。投資主体別売買動向によると2月第2から3週連続で日本株を買い越しています。買越額はそれぞれ158億円、1538億円、2682億円。株価指数先物を合わせると2月第3週は1兆1223億円と猛烈な買い越しとなっています。上昇相場に乗り遅れまいとして先物買いを先行させたことが主因とみられます。このような買い越しが今後も継続するかは疑問ですが、日本株に再び目を向けてきたことは相場にはプラスでしょう。年金資金が主力とみられる信託銀行も8週連続で買い越しとなっており、需給は良好です。
 日経平均が15年ぶりの高値に進んできたことで、市場の雰囲気は先行き更に良くなってくるとみられます。ただ騰落レシオが買われすぎ状態になっていることには留意する必要があります。指数が直近安値から3割強も上昇していますので、高値まで買われている銘柄は物色対象からは外すべきでしょう。今回の決算発表では好決算を発表しても評価されなかった銘柄が多かったように思いますので、狙い目となるのはそうした銘柄や下値リスクの乏しい出遅れ銘柄などではないかとみています。

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