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投資戦略レポート

2009年2月2日号

 米国の写真相場が続く

 東京市場には方向感が感じられません。国内にこれといった買い手掛かり材料がないこともありますが、輸出主導型の経済構造になっている関係で自律的な相場形成が出来なくなっています。日本株は昨年9月以降、米国の写真相場のような動きになっていますが、ここへ来てそうした傾向が一層強まっています。
 日経平均とNYダウのチャートは見分けが付かないほど似通っていますが、先週は米国株が上昇したときは上がり、下落したときは下がる完璧な写真相場となっていました。1週間の変動幅はプラス248円。先々週より3.2%上昇しているとはいえ、上がったという実感はなかったように思います。
 決算発表が本格化し、マーケットは企業業績に一段と神経質になっています。業績の大幅下方修正を発表したところは売り込まれる動きが続いていますが、それでもかつてのような恐怖心を呼び起こすような下げになっているわけではありません。下方修正が許容できる範囲内であれば逆に買われたり、業績予想を据え置いた企業はそれだけでポジティブサプライズと評価され上昇したりと様々。高収益を誇ったトヨタ自動車の赤字転落報道などもあり、業績悪化はかなりの程度まで織り込まれていたからでしょう。主力株でストップ安する銘柄が出なくなったことは、下がったところは買いと思っている投資家が増えたことを意味します。

 今月下旬から流れが変わる可能性も

 日経平均の先週末の終値は7994円。昨年10月安値7162円より832円(11.6%)上方にありますが、昨秋からのリバウンド局面が年初で終了して下落局面に入っているのか、2月にかけてもう一段の戻りが継続するのかはっきりしない状況ですが、当社はリバウンド局面はまだ終了していないと考えます。
 いまの米国株の重しになっているのを集約すれば、金融不安・景気悪化・下げ止まらない住宅市場の3つに尽きると思いますが、オバマ政権のスタートで経済再生に向け様々な対策が打ち出されようとしています。2年間で実施する8000億ドル規模の景気対策に加え、金融機関の不良資産を買い取る銀行(バッドバンク)の設立構想なども浮上しています。バッドバンク設立には1兆~4兆ドルの巨額の費用がかかるとも云われ、技術的な問題から設立が困難との見方も出ているようですが、金融機関のバランスシートから不良債権を切り離さない限り金融機関の信用供与は進みません。どういう形であれ似たようなものは設立されるはずです。
 こうした中、ビッグスリーが全米自動車労組(UAW)とレイオフ中でも給料がもらえる「ジョブズ・バンク」制度の廃止で合意したと発表しました。同制度の下ではレイオフ中も給与の85%以上を支払う必要があっただけに、自動車メーカーには大きなコスト負担減となります。
 経営危機に陥っているGMとクライスラーの経営危機は米政府の緊急支援でひとまず回避されましたが、正式に支援するか否かは今月下旬までに両社から提出される再建策をみて米政府が3月に決断すると発表しています。今回の件で割高とされる工場従業員の労務コストを日系メーカー並みの水準まで引き下げることをUAWが受け入れる可能性が出て来ました。
 今月下旬までに提出されるGMとクライスラーの再建策が踏み込んだ内容で再建の可能性が見えるものであったら、市場はきっと好感するのではないでしょうか。米国株も日本と同様、想定される悪材料はほとんど織り込んでいるはずです。下げそうで下げず、上げそうで上げずの状態が3ヶ月以上も続いているのは、上がるきっかけがないということだけでなく、このビッグスリー救済を巡る「もやもや」が市場を覆っていたからではないかと思います。マグマは相当溜まっているでしょう。従って今は弱気になるときではありません。来る米国株の反転に備え、準備しておくときだと考えます。

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