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投資戦略レポート

2008年9月29日号

 米金融安定化法案の成立にすべてがかかった状態に

 先週の東京市場は米国の金融安定化法案成立を巡って米市場が一喜一憂するのをそのまま写したような動きでした。国内に手掛かり材料がなく、自立的な相場形成が出来なくなっているため仕方ない面もありますが、いまの市場は米国の金融安定化法案が成立するか否かにすべてがかかっているといっても過言ではない状態になっています。決まったら先行きへの展望が開ける可能性もありますが、成立しなかったら最悪の結果が待っていることになるはずです。
 金融恐慌に発展するのを断固阻止するとの強い決意からまとめた総額7000億ドルの金融安定化法案でした。25日(米時間、以下同じ)午後には議会との修正協議もまとまり、26日には正式発表という予定になっていたのですが、それがどうなるか分からなくなったのです。
 これまでに政府と議会が合意した安定化法案は①公的資金7000億ドルのうち2500億ドルの支出を直ちに容認する、②財務長官の要請に基づいて支出できる金額を1000億ドルとする、③残りの3000億ドルの支出については議会が拒否権を持つ、④新株引受権を取得し、経営が好転してきたときに株式転換できる権利を持つ、⑤公的資金の運用を監視する第三者機関を設置する、⑥不良資産を買い取る金融機関の役員報酬を制限する、⑦透明性確保のため議会に定期的に報告する、の7点。米政府と民主・共和両党の幹部が大筋合意した案でした。しかしその後の民主オバマ、共和マケイン両大統領候補も交えたブッシュ大統領と両党指導部の協議で共和党が造反し、成立の見通しがたたない状態になっています。

 成立しても株価や景気の特効薬には成り得ず

 今回の金融安定化法案は10年前に同じようなことを経験した日本人にとっては分かりやすい内容ですが、初めて経験する米国人には分かりにくい、そして認めがたい法案でもあるのです。桁外れの報酬を得ていたウォール街の人々を経営が悪化したという理由だけでなぜ我々の税金で救う必要があるのか、かつての日本でもありました-これが背景にあるのです。自己責任の原則が徹底しているだけに猛烈な反発があるのでしょう。政治の経済への介入を伝統的に嫌う共和党では政府の当初案に対する下院の賛成議員は2割ほどにとどまるとも伝えています。
 政府と議会の攻防が続くこの法案は11月の大統領選挙と上・下両院選挙を目前に控え政治的思惑も絡んだものになっています。24日発表された保守系のFOXテレビの世論調査でオバマ氏に逆転されたマケイン氏は、経済政策面でもオバマ氏に10ポイント引き離されていました。金融問題での形勢逆転と、国民に不人気な税金投入をてこに下院共和党と組んで巻き返しを図ってきたといわれています。
 同氏の「納税者負担なし」の代案では、危機の根源である不良資産を公的資金で金融システムから分離できず、不良資産売却後も金融機関が損失リスクを背負う構造になっており、金融システムの健全化につながるかは不透明です。現状は民主党のオバマ氏がブッシュ政権に協力し、共和党のマケイン氏が距離を置くという構図になっています。これを危惧したオバマ氏が今度は「ウォール街だけでなくローンを借りた人々の救済も必要」だと強調し始め、金融問題への対応が大統領選の情勢を変えかねない事態になっているのです。
 同法案が28日夕までにまとまることを期待しますが、現時点ではどのような形で決着するか分かりません。ただ同法案が成立すればマーケットは好感するはずですが、その成立によって株価や景気の特効薬となる保証はないということです。

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