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投資戦略レポート

2008年5月26日号

 これまでは実感なき相場回復

 東京市場は頭が重くなってきたようです。先々週までは順調な戻りを見せていたのですが、上げそうで上げず、下げそうで下げず、こういった感じの動きになっています。チャートからは戻りいっぱいの形になりつつありますが、かといって調整局面入りしたともいいにくい動きです。
 日経平均は3/17に付けた安値(11787円)から5/15の高値まで2ヶ月足らずで2464円、20.9%も上昇しています。2割超の上昇率と要した時間から考えると数年に1回あるかないかの凄い戻り相場だったと言っても過言ではありません。
 株価回復の背景になっているのは金融不安の後退ですが、サブプライム問題に解決のメドが立っているわけではありません。米大手証券4社が保有している時価評価が困難な高リスク資産は2月末で2994億ドル(約31兆円)に達していることも明らかになっています。買い手が付かない住宅ローン担保証券など「レベル3」と呼ばれる資産のことで、市場取引で値が付いた時点で巨額の追加損失の計上を迫られる可能性は残ったままです。
 今回の急速な戻りを要因分析しますと以下のようになります。上昇要因は①裁定買い残が1兆6306億円(3/7)→3兆1383億円(5/16)に1兆5077億円増えたこと、②外国人が4月第1週から日本株買いに転じ、5月第3週(16日)までで累計1兆6935億円買い越したことなどです。この間、信用買い残は6428億円減少しており、個人投資家の投資マインドが回復しないなか、先物や外国人主導で大きく戻してきたことが窺い知れます。それゆえ個人投資家にとっては相場が回復したという実感はないはずです。

 狙い目は出遅れ感のある銘柄

 上場企業の今期業績は7期ぶりに減益に転じる見通しで、経常利益は現時点で5~6%減少すると見られています。株価は1株利益×PERによって算出されますが、現在のように1株利益が減少する状況下ではPERのかさ上げがなければ株価は上昇しません。東証1部のPERは既に16.9倍まで上昇していますが、ここからさらに上昇していくとなると17倍、18倍と跳ね上がっていかざるを得ません。現在でもNYダウの14倍や英FTの11倍、独DAXの11倍に比べ割高感が目立っているだけに、ここからの一段高はあり得ないと考えるのが普通でしょう。裁定買い残が積み上がっていることも考えなければなりません。
 また、ここへ来てサブプライム問題よりも原油高騰などに伴うインフレ懸念が株価の足かせになっていることにも注意を払う必要があります。先の米FOMC議事録では、4月の利下げが一連の連続利下げの終わりになる可能性を示唆しています。インフレを放置できず、今後は金利据え置きから利上げへの政策転換を図るとみられますが、1970年代の石油危機とは異なる新興国の経済成長に伴うエネルギー需要の高まりを背景にしたインフレ懸念だけに、政策対応は極めて難しくなっています。
 1バレル130ドル台に上昇しても原油価格の先高懸念は根強く、米市場では原油高の影響が個人消費や企業業績に及ぶとの「原油高の恐怖」が市場を覆い始めています。こうした状況下では懸念材料を跳ね返せるだけの確たる事実がなければ株価は上昇しません。
 米国株の大幅上昇なしに日本株が上がる構造にはなっていないので、東京市場もここから大きく上昇する可能性は乏しいと見た方がいいでしょう。騰落レシオが6日連続で「買われすぎ」とされる120%を上回っていることから考えても、調整局面入りは近いと思われます(既に入っているのかもしれませんが)。3月中旬以降の相場の戻りを牽引したのは東証1部の主力株でした。調整局面入りが近づいているとみられるので、ここからは戻りの鈍かった銘柄に目を向けるべきでしょう。出遅れ感のある1、2部の中小型株や新興銘柄などが狙い目と考えます。

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