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投資戦略レポート

2007年12月25日号

 海外要因に左右される状態が続く

 先週の東京市場は週末になってやや落ち着きを取り戻しましたが、市場の雰囲気は陰の極といってもいい内容でした。12日から始まった日経平均の下落は6日間続き、19日までで1014円(6.3%)の値下がりとなりましたが、反発に転じた翌20日の値上がり幅はわずか1円。市場は悲観ムードに覆われたかの感がありました。それが変わってきたのは週末の21日から。米メリルリンチがシンガポール政府系投資ファンドから出資を受け入れると報じられ、米金融機関の経営不安の後退から一段と買い進まれる展開となりました。国内に株価を上げていく材料がないため海外要因に過剰に反応している状態がずっと続いているわけです。いまの東京市場はサブプライム問題を過度に悲観した状態になっていますが、いつまでもこうした状況が続くとは考えられません。
 東京市場は先週末時点で年初から1968円(11.4%)も下落しています。NYダウが同期間に7.9%、ナスダック指数が11.4%それぞれ上昇しているのに対し信じられない下げになっています。株式市場の有力プレイヤーに国内勢の姿がなく、東京市場が外国人に牛耳られていることがこうした事態を招いています。サブプライム問題で日経平均が急落した7~8月と10~11月の投資主体別売買動向を見るとよく分かりますが、同期間に外国人は日本株を大量に売っており、これが日経平均を押し下げる原因になっています。
 従って東京市場の先行きも外国人がどう動くか、これにかかっているといって過言ではありません。国内機関投資家の自信のなさ、また相場不振にかこつけこれまで運用担当者を育成してこなかった咎めが出ているわけです。

 資本増強策の進展でサブプライム問題は最終局面に

 米政府がサブプライムローンの借り手救済策を発表したことに加え、シティグループやUBS、そしてモルガン・スタンレー、メリルリンチと米欧の金融機関が相次いでサブプライム関連の損失計上に備えた資本増強に動いています。米銀大手のサブプライム問題に対応した500億ドル規模の基金も近々設立されます。このことはサブプライム問題の根の深さを物語るものですが、見方を変えればこれは同問題が終盤に近づいていることを示しています。
 日本の不良債権処理の歴史を思い起こすと分かります。みずほFGグループの1兆円の資本増強を柱とした経営改善策の発表(03年1月)後、三井住友FGやUFJグループ(当時)が相次いで資本増強策を発表し経営基盤が揺らぐのを防ぎました。サブプライム問題で揺れる米欧の金融機関も同じ推移を辿っているわけで、抜本策を取るまでの時間が違うだけです。
 株価については資本増強を発表している間は軟調な展開でした。しかし大手金融機関が資本増強によって揺るぎない経営基盤を構築した段階では、損失処理の拡大は悪材料出尽くしと捉えられ、株価急上昇の要因となりました。このことからも、サブプライム問題に対する米欧金融機関の信用不安は最終局面を迎えつつあると捉えていいと思います。
 とはいえ米国景気の先行きには楽観は出来ません。サブプライム問題は単に信用度の低いサブプライムローンだけの問題ではなく、他の住宅ローンやクレジットローンなどへも広がる可能性があり、米景気後退に繋がりかねない危険性をはらんでいます。
 現在のところサブプライム関連の悪材料は相当程度株価に織り込まれていると考えられますが、米景気へ問題が波及してきたときには内外の株式市場は再び揺さぶられる可能性を残しているともいえます。こうした中では米国市場の影響を受けにくい内需系銘柄に目を向けた方がいいと思われます。なお次号は来年1月15日号からとなります。

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