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2012年1月23日号
市場の雰囲気が好転!
市場の雰囲気が変わってきました。東京市場はこれまで方向感のない動きでしたが、先週は4日続伸するなど、これまでとは一線を画した動きとなっています。4日続伸するのは昨年8月の6連騰以来5カ月ぶり。日経平均は週間で266円(3.13%)上昇、20日の終値は8766円と2ヵ月半ぶりの水準まで戻しています。売買代金も膨らんでおり3日連続で1兆円を上回っています。20日の売買代金は1兆4000億円超とこれまでにない多さ。市場にはある種の安心感みたいなものも感じられます。
日経平均がフシ目とされる25日線や75日線を上回ったことで、投資マインドは好転しつつあります。先週号で「新しい動きも出始める」と指摘しましたが、まさにそのような動きです。物色面にも変化が出ており、これまで買われていたものが売られ、売り込まれていた景気敏感株や金融株が物色される展開になっています。
市場の雰囲気が好転してきたのは欧州債務危機に揺れていた金融市場が落ち着きを取り戻しつつあるのが原因。ECB(欧州中央銀行)が域内523の金融機関に大量の資金(4891億ユーロ)を供給した結果、欧州銀行が直面しかねなかった深刻な資金繰り危機が回避されたとの見方が広がってきたからです。ユーロ売りにも歯止めがかかり、20日の東京外為市場ではユーロは対円で1ユーロ=100円台まで上昇、わずか4日間で3円以上もユーロ高・円安に振れています。
キーワードは好業績!
20日の米国株は高安まちまちの動きでした。NYダウは4日続伸し、前日比96ドル(0.76%)高の12720ドルと、昨年7月21日以来、約半年ぶりの高値で引けています。一方、ハイテク株比率の高いナスダック指数は4営業日ぶりに反落し、1ポイント(0.06%)安の2786で終了。ナスダック指数の下落は前日に発表した四半期決算が市場予想を下回ったグーグルが8%安となったことが響いたようですが、全体的には主要企業の決算を好感した買いが優勢となっています。欧州不安の落ち着きに加え、ギリシャ国債をめぐる政府と民間債権者の減免交渉が合意に近づいていると報じられたことも株価の押し上げ要因となっています。
ここへ来て世界的に株高の流れが鮮明になっており、米国株だけでなく欧州債務危機の渦中にあったドイツ株やフランス株、中国株なども年初から上昇歩調をみせています。投資家の不安心理を示すVIX指数はフシ目の20を割り込み、世界的な株安が本格化する前の昨年7月下旬の水準まで低下しています。欧州発の金融危機への不安が遠のいたことでリスクを取る動きが出始めたからでしょう。朝方の外国証券経由の売買注文も先週末に今年初めて買い越しになりました。買越幅も1130万株と大幅で、投資家心理の好転をうかがわせるものでした。
日本株が歴史的な安値ゾーンにあることは確実です。積極的にとは云えませんが、ここは買いを考えるときでしょう。物色対象が急変してきましたので、暫くは様子を見極める必要がありますが、下値リスクの乏しい銘柄や好業績の割安株などは狙い目でしょう。今週後半からは決算発表も本格化します。決算発表シーズンは決算内容だけが材料となりますので、好業績がキーワードとなります。
2012年1月16日号
新しい動きも出始める!
東京市場は方向感のない動きになっています。海外要因を受けて寄り付いた後は、その水準を挟んでの膠着感の強い動きになっています。日経平均の日中値幅も狭く、東証1部の売買代金も1兆円割れが常態化しています。1部上場銘柄の平均PBRは0.92倍まで低下していますが、割安さに着目した買いは入ってきません。外国人がリスク回避姿勢を強めているうえに、個人投資家も含み損を抱えて動けなくなっていることがこうした相場を演出していると言えなくもありません。
しかし本当の理由は株式投資で儲かるのかということが背景にあるように思います。欧州債務危機の長期化などで世界的に投資マインドが萎縮、割安でも買い意欲が湧かない状態になっています。
ただ新しい動きも出始めています。動かない主力株を横目に仕手系材料株や低位株が乱舞してきたことです。一部の個人投資家を中心に資金が回転し始め、投資意欲が回復しつつあることを物語っています。相場にうねりが出つつあるわけで、これが復興需要関連や外需関連へと波及してくれば、市場の雰囲気は良くなってきます。
先週末の日経平均株価の終値は前日比114円高の8500円。週間では110円(1.31%)高。フシ目とされる25日移動平均線(8475円)を上回って引けています。恐怖指数といわれるVIX指数が20.91と通常時(10~20)の範囲内に収まりそうになったこともあり、この水準を維持できれば先行きへの期待も広がってきます。欧州債務危機が最悪期を脱し、投資家の不安心理が和らぎつつあるだけに期待したいところ。
下値リスクの乏しい銘柄などを狙ってみるのも一法!
13日の米国株は反落しました。NYダウは前日比48ドル(0.39%)安の12422ドル、ハイテク株比率の高いナスダック指数は同14ポイント(0.51%)安の2710で引けています。米主要メディアがスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)が同日中にもドイツなどを除く複数のユーロ圏加盟国の国債の格付けを引き下げると報じたことを受け、NYダウは一時160ドル近く下落する場面がありました。ただ引けにかけては戻す形で終わっています。S&Pの格下げ方針はすでに公表済みで、大半の市場関係者にとっては予想されていたこと。外為市場でユーロが下げ止まるなか、買い戻しが入ったようです。ナスダック指数も下げ幅を縮小して引けていますが、このところ上昇が続いていたため利益確定売りに押された面もあったようです。
その後、S&Pは「トリプルA」だったフランスとオーストリアを含む5カ国の国債格付けを1段階、イタリアやスペインなど4カ国の国債格付けを2段階引き下げたと発表しました。米国株は戻す形で引けてはいますが、今週は格下げを受け、欧州株がどう反応するか注視する必要があります。ただ欧州問題は昨年8月からずっと市場を揺さぶっているため、想定される悪材料は相当程度織り込んでいるとみられます。ECBが域内523の金融機関に潤沢な流動性を供給していますので、今回の格下げを乗り切ったら、欧州不安はいったん後退する可能性もあるとみています。
日本株は歴史的な安値ゾーンにあります。かつてウォール街で「株式の死」論争が起こったとき、NY市場のPBRは0.98倍でした。それがレーガン大統領の政策で立ち直り、776ドルだったNYダウ(1982年8月)は2007年10月に14164ドルまで上昇しました。18倍もの急騰です。一方、日本株はピーク時の21%の水準に沈んでいます。1989年末の日経平均株価はNYダウの14倍程度していましたが、いまは逆転され、NYダウの70%の水準になっています。いかに下げているかが分かります。
株価が上昇していくとの確信は持ちにくい状況ですが、大底圏にあるのは確実です。積極的にとは云えませんが、下値リスクの乏しい銘柄や好業績の割安株などを狙ってみるのも手でしょう。ただ外国人のリスク資産圧縮の動きはまだ収束していないので、主力株は避けた方が無難でしょう。
2012年1月10日号
割安でも買い意欲が湧かない相場!
東京市場は方向感のない動きになっています。海外要因を受けて上下に寄り付いた後は、その水準を挟んで膠着感の強い動きになっています。日経平均株価の日中値幅は狭く、東証1部の売買代金も1兆円割れが常態化しています。東証1部上場銘柄の平均PBRは0.92倍まで低下していますが、それでも買い意欲は鈍いまま。外国人がリスク回避姿勢を強めているうえに、個人投資家も含み損を抱えて動けなくなっていることがこうした相場を演出していると云えなくもありません。
しかし本当の理由は株式投資で本当に儲かるのかということが背景にあるように思います。欧州債務危機の長期化などで世界的に投資家の投資マインドが萎縮、割安でも買い意欲が湧かない状態になっています。
今年最初の取引となった先週、日経平均は週間で55円(0.65%)下落しました。6日終値は8390円。フシ目とみられていた8500円を下回っただけでなく、25日線や75日線を下回って引けています。東京市場が下落に転じた昨年8月以降、日経平均は75日線に跳ね返される形で2回調整していますが、今回も同じような動きとなっています。国内に買い手掛かり材料が見当たらないため、今週も方向感のない相場となりそうです。
下値リスクの乏しい銘柄などを狙ってみるのも一法!
6日発表した12月の米雇用統計は好調な内容でした。非農業部門の雇用増加数は20万人と市場予想(15万人程度)を上回り、失業率も8.5%と予想以上に改善しました。ただ新規雇用は小売りなどの短期就労が押し上げている面が大きく、同日の株式市場では好感した買いは限定的でした。NYダウは前日比55ドル(0.4%)安の12359ドル、ナスダック指数は同4ポイント(0.2%)高の2674と高安まちまちで引けています。雇用改善の持続性に確信が持てないため、市場の関心は9日に予定されている独仏首脳会談に向かい、欧州債務問題の克服に向けた踏み込んだ対策がまとまらないのではとの警戒感が重荷となっています。
ただ同問題は昨年8月からずっと市場を揺さぶっているため、想定される悪材料は相当程度織り込んでいるとみていいのではないかと考えています。昨年12月にはECBが域内523の金融機関に総額4890億ユーロの流動性供給を発表していますので、金融機関の資金繰りにも当面は問題は出てこないはずです。
日本株は指標から見る限り歴史的な安値ゾーンにあります。かつてウォール街で「株式の死」論争が起こったとき、NY市場のPBRは0.98倍でした。それがレーガン大統領の大胆な政策で立ち直り、776ドルだったNYダウ(1982年8月)は2007年10月に14164ドルまで上昇しました。18倍もの急騰です。一方、日本株はピーク時の21%の水準に沈んでいます。1989年末の日経平均株価はNYダウの14倍程度していましたが、いまは逆転され、NYダウの70%の水準で推移しています。いかに下げているかが分かります。
株価が上昇していくとの確信は持ちにくい状況ですが、東京市場が大底圏にあるのは確実です。この水準で売ったら底値を叩くことになります。積極的にとは云えませんが、下値リスクの乏しい銘柄や好業績の割安株などを狙ってみるのも手でしょう。ただ外国人のリスク資産圧縮の動きはまだ収束していないので、外国人持株比率の高い銘柄は避けた方が無難でしょう。
2011年12月26日号
投資意欲を削ぐような経済環境!
東京市場は方向感のない動きになっています。海外要因を受けて寄り付いた後は、その水準を挟んで膠着感の強い動きになっています。日経平均株価の日中値幅は狭く、この数ヶ月、100円を下回る日が多くなっています。先週は21日の値幅が30円と10ヶ月ぶりの小ささとなったほか、22日も52円と動きの感じられない相場でした。東証1部上場銘柄の平均PBRは0.91倍まで低下していますが、割安でも買い意欲は鈍いまま。外国人がリスク回避姿勢を強めているうえに、個人投資家も含み損を抱えて動けなくなっていることがこうした相場を演出していると云えなくもありません。
しかし本当の理由は、株式投資で本当に儲かるのかということが背景にあるように思います。先が見えない欧州債務危機を前に世界経済が失速するのではないかとの懸念が背景にあり、投資家の投資意欲を削いでいるように思えるのです。
先週、日経平均は週間で6円下落しました。22日の終値は8395円。フシ目とみられていた8500円を下回り、25日移動平均線を下回ったままになっています。東京市場が下落に転じた8月以降、日経平均は75日移動平均線に跳ね返される形で調整していますが、今回も同じ形の下げとなっています。国内に買い手掛かり材料が見当たらないうえに、外国人がクリスマス休暇に入っていますので、今週も方向感のない相場となりそうです。
下値リスクの乏しい銘柄や好業績の割安株などを狙ってみるのも一法!
22日の米国株は上昇しました。NYダウは前日比61ドル高(0.51%)の12169ドル、ハイテク株の比率の高いナスダック指数は21ポイント(0.83)高の2599で引けています。週間の新規保険申請件数が前週比4000件減の36万4000件と、2008年4月以来の水準に減少したほか、11月の景気先行指数が前月比0.5%上昇し、市場予想(0.3%程度の増加)を上回ったため、景気の現状が想定よりは良好との見方が広がり、先行きに対する警戒感が和らぎました。
いま世界のマーケットでは欧州債務危機への懸念と米景気回復への期待が綱引きしている格好となっています。欧州債務問題については今月8~9日のEU首脳会議で、問題解決に向けた長期的な対策は打ち出されています。ただ足元の債務危機への対策は不十分で、これが市場の懸念要因とされていました。その点については、ECBが21日に、域内523の金融機関に総額4890億ユーロの流動性供給を発表しましたので、当面はその効果を見極める必要があります。金融機関の資金繰り改善につながりますので、不安心理が落ち着くか注目されます。
日本株は指標から見る限り歴史的な安値ゾーンにあります。かつてウォール街で「株式の死」論争が起こったことがあります。そのときのNY市場のPBRは0.98倍でした。それがレーガン大統領の大胆な政策で立ち直り、776ドルだったNYダウ(1982年8月)は2007年10月に14164ドルまで急騰しました。18倍もの上昇です。一方、日本株はピーク時の21%の水準に沈んでいます。1989年末の日経平均株価はNYダウの14倍程度していましたが、いまは逆転され、NYダウの70%の水準で推移しています。日本株がいかに下げているかが分かります。
株価が上昇していくとの確信は持ちにくい状況ですが、大底圏にあるのは確実です。この水準を売ったら底値を叩くことになります。積極的にとは云えませんが、下値リスクの乏しい銘柄や好業績の割安株などを狙ってみるのも手でしょう。外国人のリスク資産圧縮の動きはまだ収束していないので、外国人持株比率の高い銘柄は避けた方が無難だと思います。
今年の投資戦略レポートはこれで終わりです。次号は1月10日号からとなります。
2011年12月19日号
深刻化し、先が見えない欧州債務危機が市場を覆う!
東京市場は方向感のない動きになっています。海外市場の動きにサヤ寄せして始まったあとは、その水準を挟んで膠着感の強い動きになっています。日経平均株価の日中値幅も100円を下回る日が多く、相場にはうねりみたいなものがまったく感じられません。16日の東証1部上場銘柄の平均PBRは0.91倍と解散価値の1倍を下回る水準まで低下していますが、割安でも買い意欲は高まって来ません。外国人投資家がリスク回避姿勢を強めているうえに、個人投資家も含み損を抱えて動けなくなっているということがこうした相場の一因と云えなくもありません。
しかし本当の理由は、株式投資で本当に儲かるのかということが背景にあるように思います。深刻化し、先が見えない欧州債務危機を前に、世界経済が失速するのではないかとの懸念が背景にあり、投資家の投資意欲を削いでいるのが原因ではないかとみられるのです。
先週、日経平均株価は週間で135円(1.58%)下落しました。16日の終値は8401円。フシ目とみられていた8500円を下回り、25日移動平均線を割り込んで引けています。東京市場が下げに転じた8月以降、日経平均は75日移動平均線に跳ね返された形で調整していますが、今回も同じ形の下げとなっています。国内に買い手掛かり材料が見当たらない状態だけに、今週も調整色の強い相場となりそうです。
下値リスクの乏しい銘柄や好業績の割安株などを狙ってみるのも手!
16日の米国株は高安まちまちで、方向感のない動きでした。NYダウは前日比2ドル安の11866ドル、ハイテク株の比率の高いナスダック指数は14ポイント高の2555で引けています。格付け会社フィッチ・レーティングスがスペインやイタリアなどユーロ6カ国の国債格付けを引き下げ方向で見直すと発表したことから、欧州債務問題に対する警戒感が高まりました。フィッチの発表が問題の深刻さを改めて浮き彫りにし、投資家の運用リスク回避姿勢を強めたようです。
欧州債務問題については前回のEU首脳会議で、問題解決に向けた長期的な対策は打ち出されたものの、重債務国の国債相場急落など足元の債務危機への対策は不十分と受け止められており、この点が不安心理を煽ったようです。今後、先の首脳会議で見送られたユーロ共同債の導入やECB(欧州中央銀行)による重債務国の国債購入の大幅拡大などが打ち出されるか見守るしかありません。
1979年の夏にウォール街で「株式の死」論争が起こったことがあります。そのときのNY市場のPBRは0.98倍でした。それがレーガン大統領の大胆な政策で立ち直り、NYダウは1982年8月の776ドルから2007年10月には14164ドルまで上昇しました。25年間で18倍もの上昇です。一方、日本はピーク時の21%に沈んでいます。1989年末の日経平均株価はNYダウの13倍程度していましたが、いまは逆転され、NYダウの70%の水準です。日本株がいかに下げているかが分かります。
株価が反転するとの確信は持ちにくい状況ですが、大底圏にあるのは確実です。こんなところを売ったら底値を叩くことになります。積極的にとは云えませんが、下値リスクの乏しい銘柄や好業績の割安株などを狙ってみるのも手でしょう。外国人のリスク資産圧縮の動きはまだ収束していないので、外国人持株比率の高い銘柄は避けた方が無難でしょう。
2011年12月12日号
欧州債務問題を巡る過度な不安は徐々に後退の方向に!
先週の東京市場は7日~9日に開催されるECB(欧州中央銀行)理事会やEU首脳会議を前に緊張を伴った様子見ムードの強い動きでした。日経平均株価は5営業日中、3営業日で下落、週間では107円の下落となりました。下落率は1.24%となっていますが、海外市場の流れを受けた動きであり、下げ基調に入ったという動きではありません。世界経済で最大の不安材料となったユーロ圏の債務危機の解決策を探る会合だっただけに、当然といえば当然です。
日本時間の9日までに市場が期待していたECBによる債務国国債購入拡大が見送られるなどネガティブな材料はある程度出ましたので、問題解決に向けて想定されるマイナス材料は相当程度織り込んだのではないかと見られます。
首脳会議閉幕後の合意事項についての評価にはもう少し時間が必要ですが、新聞報道などによると、主権を巡り対立はあったものの、これまでの「通貨統合」から「財政統合」へ向けて一歩踏み出したと好意的な評価がなされています。9日の欧米市場はそろって大幅高となっており、イタリア株は3.37%、フランス株は2.48%、ドイツ株は1.91%、英国株は0.83%、そしてNYダウは1.55%、ナスダック指数は1.94%それぞれ前日比で上昇しています。首脳会議で債務危機対策が進んだとの見方が広がってきたからです。
首脳会議では、IMF(国際通貨基金)を通じた新たな安全網の構築など、市場安定に向けた対策が打ち出されました。ユーロ圏17カ国を軸に財政規律の強化を目指した新条約を作ることでも合意しています。市場が期待する国債購入拡大、ユーロ共同債発行が見送られたとはいえ、危機対応を巡って打ち出せる対策はあらかた打ち出したのではないかと思います。合意した危機対策の即効性や新たな対策の実行性など、見極めなければならない点はありますが、欧州債務問題を巡る過度な不安は、今後、徐々に後退していくのではないかとみられます。
前向きな投資行動を取るところ!
市場の関心が8~9日のECB理事会やEU首脳会議でどんな解決策が打ち出されるかに移っていただけに、イベント通過後のここは積極的とはいわないまでも、前向きな投資行動を取るときではないかと考えています。東京市場が底入れしたとはまだいえませんが、先週号でいち早く、「11月25日の8160円で日経平均は底を入れた可能性もあります」と指摘しています。先々週末より日経平均は107円下落していますが、その可能性はより強まってきたように思います。
4週連続で日本株を売り越していた外国人は、11月第5週(11月28日~12月2日)に5週ぶりに買い越しに転じています。7月第4週から11週連続で日本株を大きく売り越したあと、4週連続で買い越しと売り越しが続き、4週連続売り越しとなった後での買い越し。3ヶ月間、リスク資産を強力に圧縮したあと不足分を再度圧縮しているという感じの売り越しだっただけに、外国人売りはピークを超えたとみていいと思います。
こういうなか、狙い目となるのは下値リスクの乏しい銘柄や好業績の割安株などでしょう。外国人のリスク資産圧縮の動きはまだ収束していませんので、外国人持株比率の高い銘柄は避けた方が無難ではないかとみています。
2011年12月5日号
動きが変わる!
相場の動きが少し変わってきました。欧州債務問題の深刻化から東京市場は買い手不在の状況となっていましたが、日米欧の主要6中央銀行が危機の拡大封じ込みに向けて欧州金融機関へのドル資金調達支援を行うと発表したことをきっかけに、市場の危機感がやや後退。当面の危機を回避するための緊急避難措置ではありますが、危機感がこの上なく高まっていた市場にとってはこれがポジティブサプライズとなりました。
これを受け欧米の株式が急騰、国内でも週後半から買い戻しを中心に買いが優勢となる展開となっています。東京市場は先週、5営業日中、4営業日で上昇、前週末比の上昇幅は483円(5.92%)にもなっています。週間の上昇率は2009年12月以来、2年ぶりの大きさ。11営業日連続で1兆円を割れていた売買代金も11月30日、12月1日と1兆円を回復、2日はまた1兆円を割り込みましたが、それでも9150億円と以前より膨らんでいます。
市場の関心が今週9日のEU首脳会議でどんな解決策が打ち出されるかに移っているときだけに、東京市場が底を入れたとはまだ言えませんが、その可能性が出てきたことは確かです。先週号で、「テクニカル的にみれば東京市場は明らかに売られ過ぎ状態になっています。東証1部のPBRが0.88倍と極端な水準まで低下していますので、ここからは下がったとしても急落となるような下げにはならないとみています。下値メドの一つだった8227円は下回りましたが、下がっても8000円程度ではないかとみています」 と指摘しましたが、11月25日の8160円で日経平均は底を入れた可能性もあります。
そろそろ買いを考えるところ!
2日発表した11月の米雇用統計は順調な内容でした。非農業部門の雇用者数は前月に比べ12万人増え、雇用改善の目安となる10万人も上回りました。ほぼ予想どおりの内容で、雇用者数は14ヶ月連続で増加が続いています。小売売上高が5カ月連続で増加しているほか、11月の消費者信頼感指数が4ヶ月ぶりの高水準となり、1日発表の11月のIMS製造業景況感指数も5ヶ月ぶりの水準に上昇しています。米景気には明かりがさし、悲観的な見方は弱まっていますが、同日の米国株は高安まちまちの動きでした。
NYダウは前日比0.61ドル安の12019ドル、ハイテク株比率の高いナスダック指数は同0.73ポイント高の2626で引けています。欧州債務問題に対する警戒感が根強いなか、今週に入っての上昇が目立ったことから、取引終了間際に利益確定目的の売りが出たようです。
今週は9日のEU首脳会議を控え動きにくい週となりそうですが、日経平均が底を入れた可能性もあるだけに、下値リスクの乏しいものや好業績の割安株は仕込んでみるのも一法でしょう。例え下がったとしても、ここからの下値はしれています。外国人のリスク資産圧縮の動きはまだ止まっていないので、外国人持株比率の高い銘柄は避けた方が無難でしょう。
2011年11月28日号
買い手不在の状態!
欧州債務問題の深刻化から東京市場は買い物が入らない状態になっています。日経平均株価は先週、4営業日中すべてで下落、終値は8160円と9月26日に付けた年初来安値を割り込みました。原発ショックで急落した3月15日のザラバ安値(8227円)をも下回る水準で、週間の下落幅は214円(2.56%)にもなっています。TOPIXは日経平均より先に安値を更新しており、終値は706.60と2009年3月12日に付けたリーマン・ショック後の安値(=バブル崩壊後の安値)まであと10ポイント強というところまで迫っています。
売買代金は極めて低調で、9日連続で1兆円を下回っています。9日連続の1兆円割れは03年12月~04年1月(11日連続)以来、約8年ぶり。日経平均の値動きも極めて小さく、日中値幅は100円に満たない日が続いています。前日の海外市場を受けて上下どちらかに寄り付いた後は、その水準を挟んでのもみ合いで、膠着感の非常に強い動きになっています。売買が低調なため、売り注文を吸収できずに株価がさらに下がる悪循環も起きやすくなっています。騰落レシオは76.9%と売られ過ぎとされる80%を割り込んでいますが、機関投資家も個人投資家も底値を拾おうという気持ちを失ってしまったかのような動きになっています。
TOPIXがリーマン・ショック後の安値に迫っていることから、株価のベクトルはまだ下を向いていると考えざるを得ませんが、テクニカル的にみれば東京市場は明らかに売られ過ぎ状態になっています。東証1部のPBRが0.88倍と極端な水準まで低下していますので、ここからは下がったとしても急落となるような下げにはならないとみています。下値メドの一つだった8227円は下回りましたが、下値は8000円程度ではないかとみています。
そろそろ買いを考えるところ!
25日の米国市場は続落しました。NYダウは前日比25ドル(0.23%)安の11231ドル、ナスダック指数は同18ポイント(0.75%)安の2441で引けています。NYダウは10月7日以来の安値で、ナスダック指数は10月4日以来の安値となっています。欧州債務問題への警戒感が根強く、運用リスク回避を目的とした売りに押されたようです。欧州債務問題はイタリア、フランス、そしてユーロ圏の大黒柱であるドイツへと波及する兆しがあり、行方については予断を許さないとの見方が広がっています。EU首脳が市場が発する警告を看過すれば、ユーロ圏にとどまらず世界規模の信用収縮を招来しかねないだけに、EU首脳、特にドイツの動きには注意が必要でしょう。
外国人の日本株売りは収束しつつあるとみていたのですが、投資主体別売買動向でみると外国人はここへ来て3週連続で日本株を売り越しています。ただ売越額はかつてより大きく減少しており、積極的に売っているという感じではありません。11週に亘ってリスク資産を強力に圧縮した後、不足分を再度圧縮しているというう感じの売りです。11月に入っての株価下落は外国人売りが主因だったわけですが、その売りはほぼピークを超えたとみていいと思います。
決算発表の一巡で国内にはこれといった買い手掛かり材料はありません。タイの大洪水、超円高と相場にとっての重しも解消されていません。そのため先週までは「休むも相場」としていました。ただ、こういう悪材料は相場には相当程度織り込まれれています。ここからの下値リスクはしれていますので、積極的とはいかないでも、そろそろ買いを考えるところではないでしょうか。狙い目となるのは好業績の割安株、下値リスクの乏しい銘柄などではないかとみています。
2011年11月21日号
株価のベクトルは下か!
欧州債務問題の深刻化から東京市場は外部要因に左右される動きが続いています。日経平均株価は先週、5営業日中、3営業日で下落、週間140円(1.64%)の下落となりました。18日の終値は8374円91銭で、9月26日に付けた年初来安値(8374円13銭)にあと78銭というところまで迫っています。TOPIXは719.98とすでに年初来安値を更新、リーマン・ショック後の安値(=バブル崩壊後の安値)まであと20ポイント弱という水準まで下落しています。
東証1部の売買代金は5日連続で1兆円を下回っており、日経平均の日中値幅は小さなものにとどまっています。今月に入って日中値幅が100円を超えたのはわずか3回だけ。株価が動かないから商いが膨らまないのか、商いが膨らまないから株価が動かないのか、まさに買い手不在の閑散状態。欧州債務問題は収束の気配を見せず、機関投資家も個人投資家も買いが入れられない状態になっています。騰落レシオは77.1%と売られ過ぎとされる80%を割り込んでいますが、底値を拾おうかいう気持ちを失ってしまったかのような動きになっています。
TOPIXが年初来安値を下回りリーマン・ショック後の安値に迫っていることから、株価のベクトルは下を向いていると考えざるを得ません。ただ、東証1部のPBRが0.90倍と極端な水準まで低下していますので、下がったとしても大幅安となるような下げにはならないとみています。下値は原発ショックで急落した3月15日のザラバ安値の8227円までか、8000円までだろうとみています。
当面は休むも相場!
18日の米国市場は高安まちまちの動きでした。NYダウは前日比25ドル(0.2%)高の11796ドル、ナスダック指数は同15ポイント(0.6%)安の2572で引けています。動きに方好感はありませんが、ダウ・ジョーンズ通信などが、EU内で欧州金融安定基金(EFSF)の強化策の検討が続いていると報じたため、欧州債務問題への警戒感がやや後退した形となっています。ECB(欧州中央銀行)がIMF(国際通貨基金)を通じてEFSFに融資する案がEU内で支持を得ているとして、債務危機克服に向けた安全網の整備が進むとの期待が広がったようです。ただ欧州問題はどこまで波及するか不透明で、予断が出来ない状況。EU各国が危機対応への手を打っているのは確かですが、見守るしか手はありません。
東京市場のメインプレイヤーである外国人の日本株売りは収束しつつあります。投資主体別売買動向で外国人はこの4週間、買い越しと売り越しを繰り返していましたが、11月第2週(7~11日)は2週続けて売り越しとなりました。ただ売越額は252億円と多くはありません。11週連続で日本株を1兆9100億円も売り越した後だけに、売り越しは収束しつつあるように思います。2週連続の売り越しは、ここに来て再びリスク資産を圧縮する動きが出ているので、その表れだろうと見られます。売りたい投資家はあらかた売ったとみられるので、欧州債務危機が飛び火しなければ、今後は売りすぎた日本株のリバランスに動く可能性もあります。
決算発表の一巡で日本株には買い手掛かりとなる材料がなくなっています。タイの洪水被害の拡大など新たな重荷も発生しており、超円高状態も解消されていません。先行き不透明感も強く、当面は「休むも相場」かもしれません。ただこうした環境下で狙うとすれば、好業績の割安株、下値リスクの乏しい銘柄などではないかとみています。
2011年11月14日号
海外要因に振り回される動き!
東京市場は欧州債務問題に振り回されています。ギリシャ債務危機が一段落したかと思ったら債務危機がイタリアに飛び火し、不安定な動きになっています。先週、日経平均は5営業日中、3営業日下落、週間では287円(3.26%)の下落となりました。終値は8514円で25日移動平均(8750円)も下回っています。上場企業の決算発表も一巡しましたので、買い手掛かり材料となるものがなくなっています。
決算発表では企業が思いの外、苦戦していることが明らかになりました。急回復を見込んでいた下期(11年10月~12年3月)の利益が円高などで減少することが響く見通しとなっています。日経新聞社の集計では、2012年3月期の全産業ベースの経常利益は前期を約1割下回る見通しで、2009年3月期以来、3期ぶりに減益になる見通しとしています。こういう状況では東京市場の自律的な相場形成は期待薄で、今後も海外要因に左右される動きとなりそうです。
当面は「休むも相場」も一法!
11日の米国株式市場は大幅続伸となりました。NYダウは前日比259ドル(2.19%)高の12153ドル、ナスダック指数は53ポイント(2.04%)高の2678で引けています。イタリア上院が11日、2013年までに財政収支の黒字化を約束する財政安定法案を可決。12日には下院でも可決され、成立する見通しになったことや、与野党が債務危機克服へ大連立を組んで取り組むことで合意したことから、投資家心理が改善したようです。決算発表が好調なうえに、11月の消費者態度指数の速報値(ミシガン大学調べ)が64.2と市場予想(62.0程度)を上回ったことも、運用リスクを取りやすくしています。
東京市場のメインプレイヤーになっている外国人の日本株売りは収束しつつあります。週間の投資主体別売買動向で外国人はこの4週間、買い越しと売り越しを交互に繰り返していますが、11週連続で1兆9100億円も売り越した後の売買動向だけに、トレンドは変わりつつあるように思います。売りたい向きはあらかた売ったとみられるので、欧州債務危機が飛び火しなければ、今後は売りすぎた日本株のリバランスに動く可能性もあります。
決算発表の一巡で日本株には買い手掛かりとなる材料が見当たらなくなっています。タイの洪水被害の拡大など新たな重荷も発生しています。当面は「休むも相場」かもしれません。こうした相場環境下で狙うとすれば、好業績の割安株、下値リスクの少ない銘柄などでしょう。
2011年11月7日号
欧州債務問題に振り回される!
東京市場は欧州債務問題に振り回される状態となっています。欧州債務危機克服への「包括案」にユーロ加盟17国が合意し、ギリシャがその受け入れを承認したと見られたのも束の間、同国のパパンドレウ首相が、包括的な支援策受け入れの是非について国民投票にかけるとの考えを表明したからです。これを受け欧州債務問題が一気に緊迫化、ギリシャのデフォルト懸念、欧州の金融システム不安から世界の株式市場が急落するなど、世界の金融・株式市場は予断を許さない状況になっています。
先週、日経平均株価は4営業日中、3営業日下落。2日までの3日間の下落幅は410円(4.53%)に達しました。4日にはパパンドレフ政権がEUなどからの支援受け入れを問う国民投票を断念するとの報道が入り、反発しましたが、週間の下落幅は249円(2.75%)にもなっています。ギリシャの国民投票実施が相場下落の主因だっただけに、株価の底割れリスクはひとまず後退したとは思いますが、ギリシャ情勢の政治情勢はまだ流動的。当面は見守るしかありません。
好決算銘柄が狙い目!
4日発表した10月の米雇用統計はまずまずの内容でした。非農業部門の雇用増加数は前月比8万人で、13ヶ月連続のプラスとなりました。プラス幅は前月の改定値を(15万8000人増)下回りましたが、雇用は緩やかな改善傾向がが続いていることが裏付けられました。ただ目を見張るような内容でなかったため、市場の関心が欧州問題に向いていたのが響いたようです。
3~4日開催された20カ国・地域首脳会議(G20)で欧州債務問題の危機回避に向け目立った進展が見られなかったこと、同日夕(日本時間5日朝)に行われるギリシャ・パパンドレウ内閣の信任投票の行方が予断を許さず、買い手控えムードが広がったようです。ただその後の報道ではパパンドレウ内閣信任案は可決されたと伝えられており、この面での懸念は後退しています。
G20では欧州に資金提供するIMF(国際通貨基金)の基盤拡充の具体案がまとまらず、取り決めが来年2月に先送りされました。EUが決めた金融安定網である欧州金融安定基金(EFSF)の規模拡充についても細部の詰めは積み残したまま。とはいえEU諸国が債務危機の封じ込めに結束して取り組むことは確認されています。今後、欧州問題は徐々に後退していくのではないかとみられます。
外国人の日本株売りは収束しています。投資主体別売買動向で外国人は10月第4週に2週ぶりに買い越し転じました。買越額は1583億円と7月第1週以来の高水準。この4週間、売り越しと買い越しが交互に続いていますが、11週連続で1兆9100億円も日本株を売り越した後の売買動向だけに、トレンドは変わったと見たほうがいいと思います。売りたい投資家はあらかた売ったとみられるので、今後は売りすぎた日本株のリバランスに動く公算大でしょう。
タイの洪水被害の拡大など日本株には新たな重荷も発生していますが、上場企業の7~9月期決算発表が佳境を迎えていますので、いいものは狙っていくべきでしょう。まだ一方向にポジションを大きく傾けられる状態ではありませんが、決算発表シーズンは決算情報で株価が動きます。好決算銘柄で株価が割安なもの、これが狙い目となります。
2011年10月31日号
過度な悲観が後退!
東京市場は薄商いで方向感のない動きが続いていましたが、先週後半から回復基調に転じつつあります。日経平均株価は先週、5営業日中、3営業日で上昇、週間では371円(4.27%)の上昇となりました。終値は9050円と約2ヵ月半ぶりに9000円台を回復。10月17日号で、「日経平均は9月26日の8374円で底入れした可能性がより高まったように思います」と指摘しましたが、同日の安値からは676円(8.07%)上昇しており、その可能性はさらに高まったように思います。
市場の流れが変わったのは27日の後場から。欧州債務危機克服への「包括案」にユーロ加盟17国が合意したのを受け、市場を揺さぶっていた欧州債務懸念が大きく後退したのが背景。欧米株高の流れを引き継ぎ、東京市場でも売り込まれていた銘柄を中心に買い戻しの動きが本格化しました。
しかし売買代金は膨らんでいません。売り方の買い戻しで上げている面が強く、落ち着きを取り戻した言える状況ではありません。欧州債務問題は根本的には解決しておらず、ギリシャ国債の償還時期が近付くたびに資金調達問題が悪材料視される可能性は残ったまま。いまは過度な悲観が後退した局面と考えた方がいいように思います。
好決算銘柄が狙い目!
28日の米国株は高安まちまちの動きでした。NYダウは前日比22ドル(0.2%)の12231ドルと3ヶ月ぶりの高値を回復しましたが、ハイテク株比率の高いナスダック指数は3日ぶりに反落し、前日比1ポイント安の2737で引けています。先週号で米国株は戻りを試す展開になってきた可能性がありますと指摘しましたが、NYダウは10月初旬に付けた年初来安値から14.8%、ナスダック指数は17.3%それぞれ上昇しています。利益確定売りが出やすい水準まで上昇していますので、いつ調整局面入りしてもおかしくありません。
外国人の日本株売りは収束しつつあります。投資主体別売買動向で外国人は10月第3週に487億円の売り越しと再び売り越しに転じましたが、これはEUとユーロ圏の首脳会議を控え、海外勢の様子見姿勢が強かったからではないかとみられます。これまで11週連続で1兆9100億円も売り越していましたので、売りたい投資家はあらかた売ったとみられます。今後は売りすぎた日本株のリバランスに動くと考えられるため、需給面ではマイナスにはならないとみられます。
タイの洪水被害の拡大など日本株には新たな重荷も発生していますが、上場企業の7~9月期決算発表が本格化していますので、ここは動くところでしょう。まだポジションを大きく取れる状態ではありませんが、決算発表シーズンは決算情報で株価が動きます。好決算銘柄で株価が割安なもの、これが狙い目となります。
2011年10月24日号
方向感のない展開!
市場の雰囲気は一時より良くなってはいますが、東京市場には方向感がありません。海外市場の流れを受けて高く寄り付いたらそのまま、安く始まったらそのままという状態で、膠着感の強い動きとなっています。日経平均の日中値幅は小さく、11日連続で100円を下回る状況が続いています。動かなくなったことで売買代金も極端に細っています。21日の東証1部の売買代金は7755億円と年末年始の薄商いを除くと2003年8月以来、約8年2ヶ月ぶりの少なさ。5日連続で9000億円を下回る異常な状態が続いています。
23日にEU首脳会議を控えているうえに、金融危機克服に向けた「包括策」を協議するため、26日にも同様の会議を開くと報じられたことで、欧州債務問題の先行きを見極めるのがさらに難しくなったと受け止められたことが買い手控えムードを強めているようです。今週から上場企業の7~9月期決算発表が本格化することも買い手控える要因となっています。
そろそろ買いを考えるとき!
21日の米国市場ではNYダウ、ナスダック指数ともそろって上昇しました。NYダウは前日比267ドル高(2.315%)の11808ドルと8月3日以来、約2ヵ月半ぶりの高値、ハイテク株比率が高いナスダック指数も同38ポイント(1.49%)高の3637と3日ぶりに反発して引けています。欧州株が大幅高したことや、米主要企業の良好な決算発表が相次いだことから、米経済の先行きに対する悲観論が後退したのが理由だと伝えられていますが、NYダウが戻り高値を一気に更新してきただけに、米国株が戻りを試す展開に入った可能性もあります。
21日の欧州株の大幅高は、23日のEU・ユーロ圏首脳会議で、欧州債務問題の解決に向けた動きが出るとの期待があったからでしょう。EU・ユーロ圏の首脳は23日に集まり、26日夜に金融の安全網の拡充などを軸に「包括案」の合意を目指しています。危機対応の中核をなすEFSF(欧州金融安定基金)の機能拡大、ギリシャ支援に併せた民間負担の拡大などがまだ決着していません。各国の税金を裏付けにした政治マターだけに見守るしか出来ませんが、「包括案」が合意できれば欧州債務危機はほぼ収束(解決ではありませんが)しますので、期待したいところです。
外国人の日本株売りは収束しつつあります。投資主体別売買動向で外国人は10月第2週に633億円の買い越しとなり12週ぶりに買い越しに転じました。これだけで外国人の日本株売りが止まったとはまだ言えませんが、これまで1兆9100億円も売り越していましたので、売りたい向きはあらかた売ったとみられます。今後は売りすぎた日本株のリバランスに動くとみられるため、需給面ではマイナスにはならないとみられます。
ポジションを大きく取れる状態ではありませんが、ここは買いを考えるときでしょう。タイの洪水被害の拡大は相場の重荷となりますが、今週からは上場企業の7~9月期決算発表も本格化します。決算発表期間中は決算を受けた物色が主体となりますので、業績動向には注意が必要です。
2011年10月17日号
東京市場は底を入れた可能性も!
東京市場の雰囲気は良くなりつつあります。先週号で「東京市場はまだ不安定な状況から抜け出してはいませんが、動きが少し変わってきたように思います」と指摘しましたが、1週間が経過してその動きが少し強まったように思います。先週、日経平均株価は4営業日中、2営業日で上昇、週間では142円(1.65%)の上昇となりました。10月5日の直近安値からは365円(4.35%)、9月26日の年初来安値からは373円(4.45%)上昇して引けています。
東京市場は海外市場に振り回される動きが続いていましたが、EFSF(欧州金融安定基金)の機能拡充案がユーロ加盟17カ国すべてで可決されたうえ、EU首脳が相次いで個別金融機関の資本増強について言及したしたことから、欧州債務不安、欧州金融システム不安が後退しつつあることが好影響を与えています。まだ具体策は打ち出されていませんが、投資家心理は一時よりかなり改善したのではないかと思います。悲観に傾いていた心理が修正されるだけでも市場の雰囲気は良くなってきます。
日経平均は心理的なフシ目となっている5日線を4日連続で上回っています。10月3日号で「日経平均はすでに底を付けた可能性も出てきたように思います」と指摘しましたが、10月以降の動きから、9月26日の8374円で底入れした可能性がより高まったように思います。
外国人のリスク資産外しの動きはまだ収束していませんが、需給面での底入れも近付いています。7月第4週から始まった外国人の日本株売りは11週続き、これまでの売越額は1兆9100億円にのぼります。これはリーマンショックで日経平均がバブル崩壊後の安値をつけた2009年1~3月(2兆5400億円弱)以来の水準。売越期間は1998年3月第2週からの16週連続に次ぐ長さ。ただ売越額は直近ピークの9月第1週の5340億円から10月第1週は74億円と大きく縮小しているため、売りたい向きはあらかた売ったとみられます。今後は売りすぎたポジションのリバランスに動く可能性大です。
そろそろ買いを考えるとき!
14日の米国市場はNYダウ、ナスダック指数そろって上昇しました。NYダウは前日比166高(1.45%)の11644ドルと8月3日以来、約2ヵ月半ぶりの高値、ハイテク株比率が高いナスダック指数も同47ポイント(1.82%)高の2667と8月3日以来の高値で引けています。欧州株が揃って上昇したことや、 朝方発表した9月の小売売上高が市場予想を上回る伸びになったため、米景気に対する先行き警戒感が和らいだようです。一時は下値模索も懸念された米国株ですが、株同様、目先の底を付けた可能性が出て来ました。
ギリシャ債務問題を巡る投資家の不安心理は後退しつつあります。10月3日号までは「市場が落ち着くまでは様子見も一法」としていましたが、この段階からは買いを考えるべきしょう。日本株はバブル時の高値の25%程度の水準で推移していますので、下がったとしても下値はしれています。
まだポジションを大きく取れる状況ではありませんが、下げ止まった銘柄で、テクニカル的にも売られ過ぎ状態になっている銘柄などは狙い目ではないかと思います。また今週からは上場企業の4~9月期決算発表も始まります。決算発表期間中は決算を受けた物色が中心となりますので、企業の業績動向には注意が必要です。
2011年10月11日号
不安心理は後退の方向へ!
東京市場はまだ不安定な状況から抜け出してはいませんが、動きが少し変わってきたように思います。日経平均株価は先週、5営業日中、3営業日下落、週間でも95円(1.09%)の下落となりましたが、週末にかけては続伸して引けました。5日には9月26日に付けた年初来安値(8374円)を取引時間中に更新する場面もありましたが、先週末の株価は5日終値からは149円(1.76%)、9月26日の年初来安値からは231円(2.76%)上昇して引けています。
東京市場はこれまで海外市場に振り回される動きが続いていましたが、EUの金融安定網であるEFSF(欧州金融安定基金)の機能拡充案が各国で可決されつつあるうえ、EU首脳が相次いで個別金融機関の資本増強について言及したため、欧州債務不安が後退しつつあることが背景にあります。まだ具体策は打ち出されていませんが、欧州債務問題が金融システム不安を誘発しそうな状態だっただけに、市場心理はかなり改善したのではないかと思います。悲観に傾いていた心理が修正されるだけでも市場の雰囲気は良くなってきます。
先週号で「東京市場は下値抵抗力を増しているようにも見えます。テクニカル的に売られ過ぎ状態になっており、東証1部上場銘柄の平均PBRが1倍を下回る0.9倍まで低下していることなどから、大きく捉えたら底値圏にあることは確実だと思われます」と指摘しましたが、先週の動きからすでに底を付けた可能性も出てきたように思います。
外国人のリスク資産回避の動きはまだ収束していませんが、需給面での底入れも近いのではないかと思われます。7月第4週から始まった外国人の日本株売りは10週続いており、これまで1兆9000億円強売り越しています。これはリーマンショックで日経平均株価がバブル崩壊後の最安値をつけた2009年1~3月(2兆5400億円弱)以来の水準。ただ売越額はここへ来て縮小しているため、今後は欧米の政策動向をにらみながらの売り買いが交錯、買い越しとはならないまでも、需給を悪くする方向にはならないとみています。
そろそろ買いを考えるとき!
7日発表した9月の米雇用統計は予想を上回るものでした。非農業部門の雇用者数が前月に比べて10万3000人増加(市場予想は6万人増)したうえ、前月分も上方修正されました。8月の雇用者数は速報時には前月比横ばいでしたが、今回の発表で5万7000人増に修正されました。8月の雇用統計が悪すぎため米景気減速懸念が強まり、株価も下落しましたが、2010年10月から始まった雇用増は途切れていないことが裏付けられました。これを受け、同日のNYダウは一時100ドル超上昇しました。ただ終値は前日比20ドル(0.18%)安の11103ドル。ナスダック指数も27ポイント(1.10)安の2479で引けています。格付け会社のフィッチ・レーティングスがイタリア国債の格付けを1段階、スペイン国債を2段階引き下げたことや、米ムーディーズが英国銀行などの格付けを引き下げたことが影響したといわれていますが、3日続伸した後であり、目先の利益をひとまず確定する売りで下げただけだとみるべきでしょう。
ギリシャ債務問題を巡る投資家の不安心理はひとまず後退しつつあります。先週号までは「市場が落ち着くまでは様子見も一法」としていましたが、ここはそろそろ買いを考えるときでしょう。今月後半からは上場企業の4~9月期決算発表も始まります。日本株はバブル時の高値の25%程度の水準まで低下していますので、下がったとしてもここからの下値はしれています。まだポジションを大きく取れる状況ではありませんが、下げ止まった銘柄で、テクニカル的にも売られ過ぎ状態になっている銘柄などは狙い目ではないかとみています。
2011年10月3日号
大きく捉えたら底値圏!
東京市場は依然、不安定な動きが続いています。先週末の日経平均株価は8700円と底値から320円超上昇していますが、26日には8374円と9月14日につけた年初来安値を再び割り込みました。海外発の要因で上げ下げを繰り返す不安定な動きから未だ抜け出せません。
欧州の債務不安が強まる中、リスク資産である株式から資金を引き上げる動きはまだ収束していません。外国人は7月第4週から日本株を9週連続で売り越しており、この間の売越額は1兆8430億円にも達しています。売越額はここへ来て減少しつつありますが、止まりつつあるとはまだ云えません。
ただ東京市場は下値抵抗力を増しているようにも見えます。テクニカル的に売られ過ぎ状態になっており、東証1部上場銘柄の平均PBRが1倍を下回る0.9倍まで低下していることなどから、大きく捉えたら底値圏にあることは確実だと思われます。
市場が落ち着くまでは様子見も一法!
こうした中、30日の米国市場で株価が急落しました。NYダウは前日比240ドル(2.2%)安の10913ドル、ハイテク株比率の高いナスダック指数も同65ポイント(2.6%)安の2341と大幅下落しています。世界景気の減速懸念や欧州株式相場の急落が響いたと云われています。NYダウの7~9月の下落幅は1500ドルに達しており、リーマンショックのさなかの2008年10~12月(2074ドル)以来の大きさとなっています。
30日の欧州株の急落はユーロ圏17カ国の消費者物価上昇率が前年同期比3.0%と、前月の2.5%から大幅に拡大したのが主因。欧州債務危機でユーロ圏の景気減速懸念が広がる一方、物価上昇圧力が強まり、市場で浮上していた金利引き下げ観測が後退したのが理由だったようです。新興国の経済減速で資源や食品価格の高騰が一服しつつあるなかではサプライズの発表。物価統計の算定方法の変更などによる一時的な高まりとの見方も出ていますが、物価高の傾向が定着しているかどうかは今月中旬の改定値や、10月の物価上昇率などを見極める必要があります。
欧州問題は複雑さを増してきたたように思いますが、ドイツ連邦議会が欧州金融安定化基金(EFSF)の機能拡充案を可決したことで、ギリシャ債務問題を巡る投資家の不安心理はひとまず後退する形になっています。
日経平均は9月26日に付けた年初来安値から326円上方にありますが、まだ底を入れたといえる状況ではありません。30日のCMEの日経平均先物は8570円と大証終値より100円安く終わっており、今週も売り先行の始まりとなりそうです。東京市場は大底圏にあると見ていますが、外部環境の悪化も目立ちます。市場が落ち着くまでは様子を見るのも一法ではないかと思います。
ただ米欧株と違い日本株は歴史的な安値圏にあります。先週末の株価はバブル時の高値の25%(TOPIXベース)程度の水準にしかなりません。下がったとしてもここからの下値はしれています。ポジションを大きく取れる状況ではありませんが、下げ止まった銘柄でテクニカル的にも売られ過ぎ状態になっている銘柄などは中長期では狙い目ではないかとみています。
2011年9月26日号
不安定な動きが続く!
東京市場は依然、不安定な状況が続いています。日経平均株価は9月14日につけた年初来安値8518円を割り込んではいませんが、22日の終値は前日比180円安の8560円と、再び安値更新が意識される水準まで下落しています。先週は立会い日数が3日しかなく、方向感が感じられる動きではなかったものの、海外発の要因から不安定な動きというか、動揺が続きました。
欧州の債務不安が強まる中、リスク資産である株式から資金を引き上げる動きが再び拡大してきたのが原因。東京市場が閉まった後の22日には欧米市場が大荒れとなり、株式市場は軒並み急落。NYダウは一時500ドル以上下落し、終値は391ドル(3.5%)安の10733ドル、ハイテク株比率の高いナスダック指数も83ポイント(3.3%)安の2445となりました。
一夜明けた23日はNYダウが37ドル(0.4%)高の10771ドルと上昇、ナスダック株価指数も5日ぶりに反発し、27ポイント(1.1%)高の2483で引けました。前日までに大幅に下げていたうえ、ダウ平均などが取引時間中に年初来安値を下回る場面があり、「売られすぎ」との見方が広がったようです。週間のNYダウの下落幅は737ドル(6.4%)となり、2008年10月以来、ほぼ3年ぶりの大きさとなっています。
市場が落ち着くまでは様子見も一法!
NYダウの4月高値からの下落率は16.3%になっており、すでに昨年のユーロ危機時の下落率(13.6%)を上回っていますが、底値を付けたとはまだ云えません。今回は欧州債務不安のほかに、米欧景気や新興国景気の減速懸念が背景になっているからです。21日の米FOMCでバーナンキFRB議長は、「経済見通しには深刻な下振れリスクがある」との見方を示しましたが、金融政策面では米経済に供給するお金の量を増やす金融緩和第3弾(QE3)は打ち出せず、手詰まり感が強まっています。日本のように「失われた10年」になる可能性も指摘されています。大きく捉えれば米国株は日本株と違ってまだ高値圏(ピーク時の77%強の水準)にありますので、動きには注意が必要でしょう。
欧州債務問題は完全に政治マターとなっており、欧州各国で議会の承認が得られなければユーロ防衛を目的とした欧州金融安定化基金(EFSF)の強化が進みません。22日のG20財務相・中央銀行総裁会議で、ユーロ圏が10月中旬までにEFSFの機能強化を実行に移すと声明に盛り込まれましたが、これを各国議会が承認するか様子を見る必要がります。
日経平均は9月14日に付けた年初来安値から42円上方にあるとはいえ、心もとない状況です。23日のCMEの日経平均先物が8455円と大証終値より安くなっていますので、今週は安く始まりそうです。東京市場は大底圏にあると見てはいますが、まだ底を入れたといえる状態ではありません。外部環境の悪化も目立ちます。市場が落ち着くまでは様子を見るのも一法ではないかと思います。
ただ米欧株と違い日本株は歴史的な安値圏で推移しています。先週末の株価はバブル時の高値の25%(TOPIXベース)程度の水準にしかなりません。下がったとしてもここからの下値はしれています。ポジションを大きく取れる状況ではありませんが、下げ止まった銘柄で、テクニカル的にも売られ過ぎ状態になっている銘柄などは中長期では狙い目ではないかとみています。
2011年9月20日号
2011年9月20日号はお休みします。
2011年9月12日号
外国人のリスク資産外しの動きは山を越える!
東京市場は依然、不安定な状況が続いています。日経平均株価は8月22日の8628円で大底を付けたかのような動きになっていたのですが、先週に入って下落。6日には震災直後の3月15日に付けた安値(8605円)を下回る8590円まで売られました。その後少し戻していますが、まだ方向感は掴めません。
海外要因を受けて上下に寄り付いた後、膠着感の強い動きが続いているため、まだ底を付けたとはいえません。ただテクニカル的には売られ過ぎ状態になっており、1部上場銘柄の平均PBRが解散価値の1倍を下回る0.94倍まで低下していることなどから、大きく捉えたら底値圏にあることは確実だと思われます。
外国人は6週連続で日本株を売り越していますが、売越額はここへ来て減少しています。寄り付き前の外国証券経由の売買注文も8月1日以降、以降はずっと売り越しが続いていましたが、売越株数はここへ来て縮小、9月8日、9日は買い越しとなっています。買い越しとなるのは29日ぶり。2日間の動きだけで買い越しに転じたとは云えないまでも、少なくとも売りたい向きはあらかた売ってしまい、ポジションのリバランスに動き出した可能性はあります。外国人のリスク資産外しの動きは山を越えたように思います。
市場が落ち着くまでは様子見も一法!
こうしたなか、9日の米国市場が大荒れとなりました。NYダウは前日比303ドル安(2.69%)の10992ドル、ハイテク株比率の高いナスダック指数も同61ポイント(2.42%)安の2467と大幅安となりました。欧州の債務問題への警戒感から欧州株が全面安状態になり、米市場でもリスクを回避目的の売りが膨らんだようです。
ECBが9日、ドイツ出身のシュタルク専務理事が辞任する意向をトリシェ総裁に伝えたと発表。ECB内でギリシャやイタリアへの金融支援策を巡って意見対立があるとの見方が浮上したうえに、ギリシャがデフォルトに陥った場合に備えてドイツ政府が同国の銀行に資本注入する計画をしているとの噂も投資家心理を冷やしたようです。11日が米同時テロから10年目に当たるため、テロへの備えで主要都市で警備が強化されていることも、買い持ち高を整理する一因になったと言われています。いわば負の連鎖で下げる形。
NYダウは安値圏での動きが続いていますが、一方では底値固めの動きになっているようにも見えます。テロに対する過度な懸念が後退する今週の動きがどうなるか要注意でしょう。
日経平均株価は9月6日に付けた安値から147円上方にありますが、9日のCMEが8510円と大証終値を大きく下回っていますので、今週は安く始まりそうです。東京市場は安値圏にあるとは思いますが、まだ底を入れたといえる状態ではありません。外部環境の悪化も目立っています。中長期なら買いを考えるときだと思いますが、市場が落ち着くまでは様子を見るのも一法ではないかとみています。
ただ米欧株と違い日本株は以前から歴史的な安値圏で推移しています。先週末の株価はバブル時の高値の25%(TOPIXベース)程度の水準にしかなりません。例え下がったとしてもここからの下値はしれています。ポジションを大きく取れる状況ではありませんが、下げ止まった銘柄で、テクニカル的にも売られ過ぎ状態になっている銘柄などは狙い目ではないかとみています。
2011年9月5日号
大底を付けた可能性も!
東京市場はまだ不安定な状況から抜け出してはいませんが、大底は付けたような動きになっています。2日は日経平均株価が前日比110円(1.21%)安と下落しましたが、チャートは底入れから反転しようかという動きに変わっています。先週末の日経平均株価は8950円と週間で153円(1.71%)上昇。8月22日の8628円が大底とみれば、底値からは322円、3.73%の上昇となっています。
東京市場は海外要因を受けて寄り付いた後、方向感のない動きが続いていますので、まだ底を付けたと云える段階ではありません。ただテクニカル的には売られ過ぎ状態になっており、1部上場銘柄の平均PBRが0.96倍と解散価値の1倍を下回る水準まで低下していることなどから、その可能性は充分あります。世界景気の先行きに不透明感が強まっているとはいえ、日本は復興需要を背景に先進国の中でも景気が上向き基調にあるだけに、大底(=2番底)を付けた可能性もあると考えて臨んだ方がいいように思います。
外国人は5週連続で日本株を売り越していますが、売越額はここへ来て減少しつつあります。寄り付き前の外国証券経由の売買注文も8月以降はずっと売り越しになっていますが、売越株数はここへ来て縮小しています。外国人のリスク資産外しの動きも山を越えたように思います。
市場が落ち着くまでは様子見も一法!
ただ、市場の注目を集めていた8月の米雇用統計は予想を大きく下回るものでした。非農業部門の雇用増加数は前月比横ばいで、10カ月続いた雇用増が途切れ、2010年9月(2万9000人減)以来11カ月ぶりの低水準に沈みました。景気減速を映した形で、市場では「惨めな内容」などと受け取られ、NYダウは前日比253ドル(2.20%)安、ナスダック指数も同65ポイント(2.58%)安と急落しました。
NYダウは週間では44ドル(1.21%)の下落。目先の底を入れつつあったのですが、雇用統計を受け、景気の先行き懸念が一層強まる形になり、予断を許さない状況となっています。この日は米連邦住宅金融庁(FHFA)が金融機関を訴えるとの報道や、欧州の債務問題が深刻化するとの警戒感が強まったことも下げを大きくしましたが、米景気の二番底懸念が現実味を増したことには注意が必要でしょう。
今月20~21日のFOMCでFRBは何らかの対応を迫られそうですが、米国が追加金融緩和に踏み切れば円高が進む可能性もあり、日本株の上値は押さえられます。
東京市場は8月22日に付けた安値から322円しか上昇しておらず、まだ「底を入れた可能性がある」としか云えませんが、一方ではここへ来て外部環境の悪化も目立っています。中長期なら買いを考えるときだとは思いますが、市場が落ち着くまでは様子を見るのも一法ではないかと思います。米欧株と違い日本株は以前から歴史的な安値圏で推移しています。先週末の株価はバブル時の高値の26%(TOPIXベース)の水準にしかなりません。例え下がったとしても下値はしれています。まだポジションを大きく取れる状況ではありませんが、下げ止まった銘柄で、テクニカル的にも売られ過ぎ状態になっている銘柄などが狙い目とみています。
2011年8月29日号
大底を付けた可能性も!
東京市場は依然、不安定な動きが続いていますが、下げ渋る動きも見せています。先週末の日経平均株価は8797円。週間では78円(0.89%)の小幅な上昇となりました。海外要因を受けて寄り付いた後は方向感のない動きになっていますが、チャートは少しずつ下値を切り上げています。欧米の景気減速懸念の高まりから世界的な株安連鎖が続いていましたが、市場はそうした懸念を相当程度織り込んだように思います。
東京市場はテクニカル的に売られ過ぎ状態になっており、1部上場銘柄の平均PBRは0.94倍と解散価値の1倍を下回る水準まで低下しています。これはリーマン・ショック後の安値を付けた2009年3~4月以来の水準。相場の過熱感を示す騰落レシオも売られすぎの目安とされる70%を7日連続で下回っています。これは民主党ショックに見舞われた2009年11~12月の10日連続以来の記録です。
世界景気の先行きに不透明感が増しているとはいえ、日本市場は先進国の中で復興需要で景気が上向き基調にあるだけに、大底(=2番底)を付けた可能性が出て来ました。外国人は4週連続で日本株を売り越していますが、8月第3週(15~19日)には売越額が半減しています。寄り付き前の外国証券経由の売買注文をみても、8月はずっと売り越しとなっていますが、第4週(22~26日)の売越株数は大きく縮小しています。海外投資家のリスク資産外しの動きも一巡しつつあるように思います。
下げ止まり、かつテクニカル的に売られ過ぎ状態になっている銘柄が狙い目!
こうした中、注目を集めていた先週末の米国株が急上昇しました。NYダウは前日比134ドル(1.2%)高の11284ドル、ハイテク株比率の高いナスダック指数も同60ポイント(2.5%)高の2479で取引を終えています。ワイオミング州ジャクソンホールでのバーナンキFRB議長の講演で、必要と判断すれば、来月にも景気刺激を狙った追加緩和に動く可能性を示唆したことが好感されました。金融緩和の具体策に言及しなかったため、朝方は220ドル安と急落する場面もありましたが、緩和期待が残ったことで売り一巡後は一転して買われる展開。
NYダウは週間では466ドルの上昇、週間ベースでは5週ぶりの上昇となります。米国株は今週に入って底堅く推移する日が多くなっており、市場心理は徐々に改善しているように思います。8月10日に付けた年初来安値(10719ドル)を割り込まなかったので、底入れした可能性も出て来ました。
東京市場は8月22日に付けた安値8628円から170円しか上昇していないため、現時点では「底を入れた可能性がある」としかいえませんが、ここは買いを考えるときでしょう。先々週号では「休むも一法」としていました。米欧株と違い日本株は以前から歴史的な安値圏で推移しています。先週末の株価はバブル時の高値の23%の水準にしかなりません。例え下がったとしても、下値はしれています。まだポジションを大きく取れる状況ではありませんが、下げ止まった銘柄で、テクニカル的にも売られ過ぎ状態になっている銘柄などが狙い目とみます。
2011年8月22日号
再び世界的な連鎖株安の様相に!
下げ止まったかにみえた東京市場ですが、週末にかけ日経平均株価は急落してきました。19日の日経平均株価の下落幅は224円(2.51%)。2:30ごろ東北地方で強い地震があり、首都圏でも強い揺れを感じたので、学習効果から売りが集中したこともありますが、再び世界的な連鎖株安に見舞われたような下げになってしまいました。週間の日経平均株価の下落幅は244円(2.72%)。
株式相場が再び不安定な動きになってきたのは欧米の景気減速懸念が強まってきたのが主因。EU諸国や米国の財政悪化がそれに追い討ちをかけ、安全資産を求めて円に投機資金が集中し、1ドル=76円台の超円高状態になっていることも相当な重荷になっています。
テクニカル指標からは超売られ過ぎ状態になっており、東証1部上場銘柄のPBRは0.94倍と解散価値の1倍を下回る水準まで低下しています。これはリーマン・ショック後の安値を付けた2009年3~4月以来の水準。サプライチェーンの復旧から日本企業の業績は急速に回復していますが、株式市場は米国株に一段と左右されやすくなっており、指標からみた割安感は無視された状態になっています。
下げが目立っているのは時価総額の大きい大型株で、とりわけ世界景気の減速の影響を受けやすい主力輸出株の下げがきつくなっています。大震災後の安値を下回って下げている銘柄も多く、外国人が値段に関係なくリスク資産を圧縮していることがうかがえます。
いまは休むも相場に徹するのも一法!
こうした中、先週末の米国株が急落しました。NYダウは前日比172ドル(1.6%)安の10817ドル、ハイテク株比率の高いナスダック指数は同38ポイント(1.6%)安の2341となっています。欧州の債務問題や金融システム不安から欧州株が大幅安となったことにつれ安した面もありましたが、パソコン世界最大手のHPがパソコン事業の分離を検討していると発表したことが下げを大きくしたようです。HPの事業分離方針は世界最大手でもパソコン事業の継続がいかに難しいものになっているかを突きつける形になっています。NYダウは8月10日に付けた年初来安値(10719ドル)を割り込んではいませんが、そこをキープできるかどうかがポイントになっています。
東京市場は8月9日の8944円で底入れしたのではと考えていましたが、19日にそこをすでに下回っています。次の下値メドは大震災後の安値となった8月15日の8605円となりますが、それを下回ったら原発ショックで一時1400円近くも下げた同日のザラバ安値8228円が次の下値メドとなります。
米欧株と違い日本株は以前から歴史的な安値圏で推移しています。先週末の株価はバブル時の高値の22.4%の水準にしかなりません。そこはテクニカル指標からみても超売られ過ぎ状態の水準。そのため、ここからの下値はそうはないと考えています。不安心理が高まり、外国人の間では売りが売りを呼ぶ展開になっていますが、資金的に余裕のある方は買いを考える好機でしょう。ただ、いまは市場が落ち着くのを待って「休むも相場」に徹するのも一法かもしれません。
2011年8月15日号
東京市場は底入れした可能性が大!
激震に見舞われた東京市場ですが、日経平均株価は下げ止まりつつあるように思います。欧米株安が続いた先週、市場関係者はどこまで下げるか身構えていたと思いますが、思っていたほどには下げなかったというのが実感です。先週の日経平均株価の下落幅は336円(3.61%)。5営業日中、4営業日で下落しましたが、11日は前日比56円安、12日は同18円安と下げ渋るような動きになっています。
テクニカル的にみて超売られ過ぎ状態になっているからです。ボリンジャーバンドはマイナス2σを突き抜ける水準まで下落しており、RSIは原発ショックで日経平均が1000円以上下落した3月15の水準(18.65%)を下回る16.99%まで低下。騰落レシオも売られ過ぎ状態とされる70%を下回る65.8%まで低下しています。3月15日の騰落レシオが72.8%でしたから、指標面からは明らかに売られ過ぎとなっています。日経平均が3月15日に付けた年初来安値8605円を前に下げ止まったこと、そして8月9日には長い下ヒゲ陽線チャートを引いていることから、底入れした可能性は大です。
米欧株と違い日本株は以前から歴史的な安値圏で推移していました。そこから一段安したわけですから、これ以上の下げはないとみるべきでしょう。米欧景気の減速懸念や欧州財政問題、そして欧州の金融システム不安が今回の相場急落の背景になっていますが、今回はあくまで「懸念」 からの下落です。格下げされた米国債が買われたり、「格下げされそうだ」とされたフランス国債が買われるなど市場では信じがたい動きが続いています。リスク資産を減らしたいという不安心理が高じて「売りが売りを呼ぶ」悪循環に陥っているせいです。当面は市場心理の落ち着きを待つしか手はありません。
好業績で下値不安の乏しいものなどが狙い目!
こうした中、先週末の米国市場でNYダウとナスダック指数がそろって上昇しました。NYダウは前日比125ドル(1.13%)高の11269ドル、ハイテク株比率の高いナスダック指数は15ポイント(0.61%)高の2507でそれぞれ取引を終えています。7月の米小売売上高が2カ月連続で増加したため、景気減速への警戒感がひとまず和らぐ形となりました。直近高値からのNYダウの下落率は15.76%、ナスダック指数のそれは17.93%にもなります。チャートはともに下げ渋る動きになっていますので、目先の底を入れた可能性もあります。昨年5月のユーロ危機のときは、NYダウは直近高値から13.58%下落したところで底を入れていました。ただ今回は財政面からも米景気の先行き見通しが不透明なため、再び上値追いの動きになるとまでは言い切れません。
東京市場は底入れした可能性が大と考えていますが、投資心理の悪化から世界の株式市場が不安定な状況になっていますので、ポジションを一方向に傾けられる状態ではありません。1ドル=76円台まで進んだ超円高も気になるところです。FRBがQE3に踏み込めば円高に歯止めがかからなくなる恐れもあります。ただ東京市場はこれ以上の下値はないとみられることから、いい銘柄が出たら買いを考えるべきでしょう。好業績で下値不安の乏しいものなどが狙い目となりそうです。
2011年8月8日号
当面は市場心理の落ち着きを待つところ!
東京市場は激震に見舞われました。前週末は日経平均株価が前日比359円(3.72%)安と急落し、大震災発生翌週の3月18日以来、約4ヵ月半ぶりの安値で引けました。日経平均の終値は9299円。週間の下落幅は534円(5.43%)にもなります。先々週号で、相場の過熱感を見る騰落レシオが「買われすぎ」とされる120%を大きく上回る状況が続いていましたので、調整局面に入ったと見られますと指摘しましたが、それを遥かに凌ぐ強烈な下げとなりました。
懸念された米国の債務上限引き上げ法は成立したものの、ユーロ圏の景気下振れリスクが台頭してきたことや、米国株の急落などが日本株急落の要因となっています。世界景気の減速懸念が高まり、不安心理が増幅されて世界の株式市場で売りが売りを呼ぶ悪循環に陥ったことが、東京市場急落の背景と考えられます。そうでなかったら4日の米国市場でのNYダウの512ドル(4.31%)安やナスダック指数の136ポイント(5.09%)安は説明できません。米欧景気の減速懸念は以前から分かっていたことですので、当面は市場心理が落ち着くのを待つしか手はないように思います。
東京市場は2番底を付けたか、付けようとしている段階!
今のマーケットを覆うのは悲観ばかりですが、アジア・欧州株安を受けた先週末のNY市場でダウ平均は反発し、前日比60ドル(0.54%)高の11444ドルで引けました。朝方発表された雇用統計(7月)で非農業部門の雇用者数が前月比11万7000人増と市場予想以上に増え、失業率も9.1%に低下したことが好感されました。ただ、雇用統計発表を受けて170ドル超上昇した後は、240ドル超下げる場面もあり、市場心理は不安定なまま。ハイテク株比率の高いナスダック指数は23ポイント(0.94%)安の2532と昨年11月30日以来の安値で引けており、当面は様子を見守る必要があります。
ただダウ平均は直近高値からの下落率が10.5%になり、テクニカル的には下げすぎ状態になっています。出来高も膨らんでおり、セリングクライマックスになった可能性も考えられます。チャートも長い下ヒゲを引いているだけに、そう悲観的になる必要はないと考えています。
東京市場もテクニカル的には超売られすぎ状態になっています。日経平均はボリンジャーバンドのマイナス2σを大きく割り込みましたが、指数がこうした事態になるのは極めて異例。5日の日経平均株価は市場心理が極端に悪化した震災直後の3月18日の水準(9206円)近くまで低下しています。サプライチェーンの復旧で企業業績が予想以上に回復しているときだけに、これは行き過ぎではないかとみられます。
歴史的な水準まで円高が進んでいることもあって一方向にポジションを傾けにくい状況ではありますが、チャート的にみれば、東京市場は2番底を付けたか、付けようとしている段階と云えます。それゆえここからの下値はしれています。海外景気を見極める局面との見方もありますが、決算発表が佳境を迎えていますので、ここは攻めていくところでしょう。決算発表中は決算の良し悪しが判断材料となりますので、狙い目となるのは好決算発表銘柄。全般相場が大きく下落しましたので、物色対象を内需、外需と絞る必要はないとみています。
2011年8月1日号
米国の債務上限引き上げを見守る動き!
不思議な強さが続いていた東京市場ですが、やはり崩れてきました。急落したわけではありませんが、強さを覆っていたメッキが剥がれて来たという感じです。先週末の日経平均株価の終値は9833円。週間では299円(2.95%)の下落となっています。下落幅は震災直後の週を除くと最大。心理的フシ目とされる10000円の大台を下回っただけでなく、サポートラインの25日線をも下回って引けています。
相場の過熱感を見る騰落レシオが「買われすぎ」とされる120%を大きく上回る状況が続いていましたので、調整局面に入ったと見られます。先々週号で指摘していた通りの動きです。欧州財政問題はギリシャへの総額1600億ユーロ(18兆円)の財政支援策が決まりひとまず後退しましたが、米連邦債務の上限引き上げを巡る米政府と議会の混乱が新たな逆風となり、市場を揺さぶる形になっています。債務上限を巡る協議で対立している与野党も、8月2日の交渉期限を前に、最後は打開に動くとの期待は消えていません。しかし最悪の場合、米国がデフォルトに陥るということもあり得るだけに、今は事態の推移を見守るしかない状況になっています。
先行き不透明感が強まるも、好決算銘柄が狙い目!
先週末のNYダウは6日続落し、前日比96ドル(0.79%)安の12143ドルで引けました。6日間の下落幅は581ドル(下落率4.56%)にもなっており、1ヶ月ぶりの安値に沈んでいます。ハイテク株比率の高いナスダック指数も9ポイント(0.36%)安の2756で引けています。朝方発表した4~6月期の実質GDPが市場予想を下回ったことや、7月のシカゴ購買部協会景気指数(PMI)や消費者態度指数が市場予想に届かなかったことが響きましたが、連邦政府の債務上限引き上げを巡る与野党の調整が難航していることも重荷となっています。米国株については様子も見るしか手はありませんが、下落率からみてそろそろ下げ止まる可能性もあります。
歴史的な水準まで円高が進んでいることや、米債務問題など先行き不透明感が強まっていることもあって、東京市場は一方向にポジションを傾けにくい状況になっています。サプライチェーンの復旧をはやした上げ相場は終わり、海外景気を見極める局面に移行したとの見方もありますが、上場企業の4~6月期決算発表が本格化していますので、ここは買いを考える局面でしょう。決算発表シーズンは決算の良し悪しが売買の判断材料となりますので、狙い目となるのは好決算発表銘柄。ポイントとなるのは利益進捗率などですが、騰落レシオが「買われすぎ」状態になっていましたので、投資に当たっては上がっている銘柄や高値圏にある銘柄は避けたほうがいいでしょう。
2011年7月25日号
不思議な強さが続く!
東京市場は不思議な強さが続いています。調整局面入りかと思わせる場面もありましたが、日経平均株価は再び心理的なフシ目の10000円を回復してきました。先週末の終値は10132円。震災当日の3月11日の株価(10254円)まであと122円というところまで来ています。週間の上昇幅は158円(1.58%)。売買代金が1兆円を下回る日があるなど商いは極めて低調で、日経平均の日中値幅も4営業日連続で100円を下回るなど膠着感の強い動きになっていますが、指数から見れば不思議な強さとなっています。
この背景には米株高があります。米国株の上昇を受けて朝方、上昇した後は、ほぼその水準でのもみ合いに終始。終わってみたら再び10000円台を回復したという動きになっています。日経平均が戻してきたといっても方向感は感じられません。円が対ドル・対ユーロで高止まりしているいまの状況下で、日経平均がさらに上値を追っていくということは考えにくいことです。相場の過熱感を見る騰落レシオが11営業日連続で「買われすぎ」とされる120%を上回る状況が続いていますので、当面は調整があっても対処できるような姿勢が必要でしょう。
狙い目は好決算発表銘柄!
先週末の米国市場はNYダウが下落する一方、ナスダック指数は上昇するなどまちまちの動きでした。主要企業の4~6月期決算を受けた動きですが、NYダウ、ナスダック指数とも直近安値から7~10%戻し年初来高値に迫っているため、高値警戒感も高まっています。住宅市場は2番底の様相を呈しており、雇用の回復も遅れたまま。新興国景気にも減速感が出ているため、企業業績の先行きには不透明感も増しています。こうしたなか、先週、ユーロ圏17カ国によるギリシャへの総額1600億ユーロ(18兆円)の財政支援策が決まりました。これにより市場を揺さぶっていた欧州財政問題はひとまず後退した形となっています。
外国人は2週連続して日本株を大きく買い越しましたが、7月第2週は3週ぶりに売り越しに転じました。外国人の日本株買いは5月第3週までの29周連続で途切れたとみるべきで、今後は米国株の動向などを見ながら必要に応じて売買が行われるとみた方がいいように思います。
サプライチェーンが予想以上のペースで復旧しているため、企業業績は想定を上回るペースで回復しているようです。震災による先行き見通し難から業績見通しを非開示としていた企業で、市場予想を上回る業績見通しを発表しているところも相次いでいます。今週から上場企業の4~6月期決算発表が本格化します。決算発表シーズンは決算の良し悪しが売買の判断材料になりますので、当面は好決算発表銘柄が狙い目となります。ポイントとなるのは中間期計画に対する4~6月期の利益進捗率など。騰落レシオが「買われすぎ」状態になっていますので、投資に当たっては上がっている銘柄や高値圏にある銘柄は出来るだけ避けたほうがいいように思います。
2011年7月19日号
当面は調整色の強い動きか
日経平均株価は7月8日に付けた高値から少し押した水準で推移していますが、依然、不思議な強さが続いています。チャートからは調整局面に入ったとみられますが、一段安するような感じではありません。先週末の日経平均株価の終値は9974円。先々週末との比較では163円(1.61%)安となっていますが、12日以降は9900円台の極めて狭いレンジの動きが続いています。日経平均の日中値幅も100円を下回る日が多く、膠着感の強い動きとなっています。
7月8日までの2週間に亘る堅調な動きは一応、終わったとみられますが、それまでの方向感の見られない相場に再び戻ったような動きになっています。売買代金は極めて低調で、15日には約1ヶ月ぶりに1兆円を割り込んでしまいました。こうした状況で相場に方向感が出てくるはずはありません。米欧の政治的な問題から米国や欧州に対する市場の不信感も強く、ドルやユーロが売り込まれ超円高になっているいまの状況下では、相場が上にいくことはまず考えられません。相場の過熱感を見る騰落レシオが7営業日連続で「買われすぎ」とされる120%を上回る状況が続いていますので、当面は調整色の強い相場が続くと見なければなりません。
来週からの決算発表本格化に備え、今週は様子見に徹するのも一法!
欧州主要金融機関を対象とした資産査定(ストレステスト)結果は、スペインの地域金融機関など8行が資本不足と認定されましたが、市場では想定ほど悪くはないと受け止められ、ユーロは対ドルなど主要通貨に対して下げ渋る展開となっています。ストレステストの結果は15日のNY市場には響かず、同日のNYダウはインターネット検索大手グーグルなどの良好な決算を受け、前日比42ドル(0.34%)高の12479ドル、ナスダック指数も27.13ポイント(0.98%)高の2789で取引を終えています。今週から発表が本格化する主要企業の決算への期待が高まった形ですが、米連邦債務の上限引き上げを巡る政府と議会の対立や、欧州債務問題への懸念は残ったままです。
外国人は7月第1週も日本株を大きく買い越しましたが、今後もこうした買いが継続するとは思えません。相場の動きから第2週は買い越しが大きく減ったと見られます。外国人買いは5月第3週までの29周連続でいったん途切れており、今後は米国株の動向などを見ながら売買が行われると考えるべきでしょう。
サプライチェーンが予想以上のペースで復旧しているため、企業業績は想定を上回るペースで回復しているようです。震災による先行き見通し難から業績見通しを非開示としていた企業で、市場予想を上回る業績見通しを発表しているところも相次いでいます。上場企業の4~6月期決算の厳しさは株価に相当程度織り込まれていますので、ここは先を見据えた投資に徹したいところ。来週からは4~6月期決算の決算発表も本格化します。騰落レシオが129%まで上昇しているため、投資に当たっては上がっている銘柄は避けなければなりません。狙い目となるのは底値圏にある銘柄や売られすぎ銘柄群ですが、来週からの決算発表本格化に備え、今週は様子見に徹するのもいいかもしれません。
2011年7月11日号
騰落レシオは138.9%に
不思議な強さです。方向感のない動きが続いていた東京市場ですが、先々週から一転して堅調な動きになっています。日経平均株価は先週も5営業日中、4営業日上昇、週間では270円(2.73%)の上昇となりました。先週末の日経平均の終値は10137円。大震災が発生した3月11日(10254円)以来の水準で、心理的なフシ目とされる10000円もクリア、震災前の98.9%の水準まで戻しています(3月10日基準では97.2%)。
しかし手ばなしで喜べるような上昇ではありません。ここへ来ての堅調な株価の背景には米国株の上昇があります。積極的な買いが入っての上昇ではなく、海外株高を受けて買われた後はほぼその水準での揉み合いに終始。終わってみれば270円も高くなったという感じの上昇です。日経平均のチャートも始値より終値が安くなる陰線の日が多く、力強い上昇とはなっていません。売り込まれていた業種、銘柄の買い戻しや、一部の日経平均採用銘柄の上昇が指数を支えているような形になっています。このため売買代金は増えず、かろうじて1兆円をキープしているという状況が続いています。
外国人は6月第5週(6月27日~7月1日)、日本株を4週ぶりに買い越しました。買越額は2515億円と4月第1週以来の高水準。これにより先々週からの相場上昇を外国人が牽引したことが裏付けられました。米国株の上昇を見て外国人が先物などに買いを入れ、これが裁定買いなどを通して株高につながったようです。相場の過熱感を見る騰落レシオは6月9日の74.3%を底にほぼ一本調子で上昇、週末には過熱ラインといわれる120%を大きく上回る138.9%まで上昇しています。出来高を伴っての上昇ではないので、ここからは慎重なスタンスが必要でしょう。
底値圏にある銘柄や売られすぎた銘柄が狙い目!
こうした中、改善が期待されていた6月の米雇用統計が予想に反して悪化しました。このところ予想を上回る雇用指標が続いたため、雇用統計も大幅に改善するとの期待が高まり、非農業部門の雇用者数は前月比10万人以上増加すると予想されていたのですが、結果は予想を大幅に下回る1万80000人。これを受けて雇用情勢の先行き不透明感が強まり、NYダウは前日比62ドル(0.49%)安の12657ドル、ナスダック指数も同12ポイント(0.45%)安の2859と大きく下落しています。
米国株はこの2週間、大きく上げており、利益確定売りが出やすい水準にありましたが、気になる下げです。下落幅はNYダウが150ドル超(1.20%)、ナスダック指数が40ポイント超(1.43%)に広がる場面もありました。取引終了にかけて下げ幅を縮小したのは、11日の非鉄大手アルコアを手始めに、発表が相次ぐ主要企業の4~6月期決算が底堅い内容になるとの期待感が支えになったとされています。住宅市場が不振で雇用情勢も芳しくない状況だけに米企業の決算発表には要注意でしょう。
先週末のCME日経平均先物は大証終値比115円安の10045円で引けています。これにサヤ寄せする形で今週は安く始まりそうです。6月第5週に外国人が日本株を大きく買い越したからといって、今後も買いが継続するとは限りません。外国人の日本株買いは29周連続でいったん途切れており、今後は米国株の動向を見ながらの売買が行われると考えるべきでしょう。
サプライチェーンは予想以上のペースで復旧しています。震災による先行き見通し難から業績見通しを非開示としていた企業で、市場予想を上回る見通しを発表しているところも相次いでいます。上場企業の4~6月期決算の厳しさは相当程度織り込まれていますので、ここは先を見据えた投資に徹したいところ。騰落レシオが138%台に上昇してきたため、上がっている銘柄は避けなければなりません。狙い目となるのは底値圏にある銘柄や売られすぎた銘柄群。東証1部の出遅れ株物色は一巡しつつありますので、新興銘柄にも目を向けた方がいいように思います。












