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投資戦略レポート

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2017年2月6日号

 当面は調整色の強い動きに

東京市場は軟調な動きになってきました。NYダウが史上初の2万ドル台に乗せたことから、先々週はこれに乗ったかのような動きを見せましたが、再び冴えない動きに戻った感じです。日経平均株価は先週、5営業日中、3営業日で下落、週間で549円(2.8%)下落しました。昨年末株価を200円近く下回った水準にあります。
大発会を除き冴えない相場が続いていましたが、市場のムードは悪くありませんとこれまでコメントしてきました。現在でも市場のセンチメントはそんなに悪化してはいませんが、ここへ来て先高期待は後退したよう感じがします。主要企業の決算は予想していたように堅調ではありますが、世界のマーケットはトランプ大統領の「腕力」政策や言動に振り回されており、投資家は様子見姿勢を強めざるを得なくなっています。これが調整色の強い相場を演出しているのではないかとみています。米大統領選以降、日経平均株価はほぼ一本調子で上昇してきたため、押し目らしい押し目も必要なんでしょう。ここはもう少し様子を見極めるときでしょう。

 好業績をある程度織り込んで上げている銘柄が多いため、決算では取捨選択が重要に

3日の米国株は上昇しました。NYダウは前日比186ドル(0.9%)高の20071ドルと5日ぶりにフシ目の20000円台を回復し、ハイテク株比率が高いナスダック指数も同30㌽(0.15)高の5666と5日ぶりに過去最高値を更新しています。1月の雇用統計で非農業部門の雇用増加数が前月比22万7000人と市場予想(17万人程度)を大きく上回ったうえ、トランプ大統領がオバマ政権が金融規制改革法(ドッド・フランク法)のもとで強化した金融規制を抜本的に見直すよう指示する大統領令に署名したことで金融株が上昇し、相場を牽引しました。ゴールドマン・サックス1銘柄でNYダウを72ドル引き上げた形になっています。主要金融株で構成するKBW銀行株指数は約2%の上昇となっています。これを受けたCMEの日経平均先物は19055円と日経平均終値比136円高で引けています。
外国人は1月第4週(23~27日)も日本株を売り越しました。売り越しは2週連続で売越額は2066億円と約4カ月ぶりの大きさになっています。この週は日経平均株価が329円上昇していますので、トランプ大統領の発言を警戒した向きが利益確定に動いたようです。ただ外国人はこの週に株価指数先物(日経平均+TOPIX先物)を3078億円買い越しています。相場上昇の主因というか、1月26、27日の急伸はこれが原因だったようです。外国人の売買動向の見通しは分かりません。大発会の予想以上の上昇とその後の冴えない動きをみると、買い注文は大発会に集中的に出ただけで、その後は売り買い交錯となっているようにみえます。積極的な買いはひとまず終了したとの見方は変わっていません。
日経平均株価は13週、26週、52週線すべてが上向きに変わっているため、上昇志向の動きになっているとみていますが、この水準から積極買いに転じるわけにもいきません。外国人の強烈な日本株買いはひとまず終了したとみられるので、大きく上昇した主力株は物色の対象からは外すべきでしょう。ただ上場企業の10~12月期決算発表が本格化してきましたので、好決算発表銘柄は狙い目でしょう。今回は好業績をある程度織り込んで上げている銘柄が多いため、取捨選択が特に重要となります。期待値が高くなかった中で想定ほど悪くないというのも狙い目でしょう。

2017年1月30日号

 いまは様子を見極めるとき

NYダウが反騰し史上初の2万ドル台に乗せてきたことから、東京市場は先週これに乗ったかのような動きとなりました。週間の日経平均株価の上昇幅は330円(1.7%)で終値は19467円ですが、中盤の25日以降は3日続伸し、累計で680円(3.6%)高して引けています。24日には昨年末株価を327円下回る18787円まで下げていましたが、353円(1.85%)上回る水準で引けています。
東京市場は大発会を除いて冴えない動きになっていましたが、市場のムードが悪かったわけではないので、今回の反転で投資家のセンチメントがさらに好転したとは考えていません。相場の動きを見ているとトランプ・ラリーは限界まで来た感じもします。指数の上値は重くなっており、物色の方向性も定まりません。主力株から新興株、材料株などに移りつつあるようにも見えますが、大統領選以降、ほぼ一本調子で上げてきたため、押し目らしい押し目がないと買いを入れられない水準まで上昇したからでしょう。
チャートからは1月18日に付けたザラ場安値18650円で目先の底を入れた可能性も出てきましたが、ここはもう少し様子を見極めるときでしょう。世界のマーケットはトランプ米大統領が公約を次々と実行に移す「腕力」政策や言動に振り回されています。これも様子見が必要な理由です。

 狙い目となるのは好決算発表銘柄で下値不安の乏しい銘柄

27日の米国株はまちまちの動きでした。NYダウは4日ぶりに小反落し前日比7ドル(0.0%)安の20093ドル、ハイテク株比率が高いナスダック指数は同5㌽(0.1%)高の5660で取引を終えています。朝方発表の10~12月期の実質GDP速報値が1.9%増と市場予想(2.2%増)下回ったうえ、主要企業の決算が売り買い交錯する内容だったので方向感に欠ける動きでした。ただナスダック指数は2日ぶりに過去最高値を更新する動きとなっています。これを受けたCMEの日経平均先物は日経平均終値比7円高の19475円で取引を終えています。
外国人は1月第3週(16~20日)に日本株を1039億円売り越しました。売り越すのは4週ぶり。トランプ・ラリーが始まった11月第2週から6週連続で2兆2533億円買い越した後、7週ぶりに1947億円売り越しました。その後3週連続で買い越した後、また売り越しに転じています。これまでの買いが強烈だったため利益確定売りが出たとみられますが、今後の見通しはよく分かりません。大発会の予想以上の上昇とその後の冴えない動きをみると、買い注文は大発会に集中的に出ただけで、その後は売り買い交錯となっているようにもみえます。積極的な買いはひとまず終了したとの見方は変わっていません。
日経平均は13週、26週、52週線がすべて上向きに変わっているため、チャート的には上昇志向の動きとなっていますが、この水準から積極買いに転じるわけにもいきません。外国人の強烈な日本株買いはひとまず終了したとみられるので、大きく上昇した主力株は物色の対象からは外すべきでしょう。ただ今週から10~12月期決算発表が本格化します。狙うのは好決算発表銘柄となりますが、調整色の強い動きになっていますので、下値不安の乏しい銘柄が狙い目ではないかとみています。

2017年1月23日号

 暫くは様子見ムードの強い動きか

大発会が予想以上に上昇したこともありその後の動きは冴えませんが、市場のムードは悪くありません。先週は5営業日中、3営業日上昇、2営業日下落し、週間で150円(0.78%)下落しました。17日には日経平均株価が前日比281円安の18813円と昨年大納会の株価を301円下回る場面もありましたが、その後は3日続伸し23円上回って引けています。トランプ新大統領の就任式を控え、動きにくかったことも影響していたように思います。
相場の動きを見ているとトランプ・ラリーは極限まで来た感じがします。指数の上値は重くなっており、物色の方向性も定まりません。主力株から新興株、材料株などに移りつつあるようにも見えますが、大統領選以降、ほぼ一本調子で上げてきたため、押し目がないと買いを入れられないところまで上昇したせいでしょう。
11月16日から先々週まで騰落レシオは5営業日を除いて買われすぎとされる120%を上回り、一時は165.55%と記録が遡れる1990年以降の最高を更新していましたが、先週16日からは一転してそれを大きく下回る状態になっています。株価が5日連続で25日移動平均線を下回っていますので、相場は調整局面入りしたとみられます。これまで新政権の負の側面は無視された相場になっていましたので、暫くは様子見色の強い動きになるのではとみています。

 狙い目となるのは好決算で下値不安の乏しい銘柄

20日の米国株は上昇しました。NYダウは6営業日ぶりに反発し前日比94ドル(0.0%)高の19827ドルとなり、ハイテク株比率が高いナスダック指数も同15㌽(0.3%)高の5555で取引を終えています。トランプ大統領の就任演説後、やや伸び悩む場面があったものの、相場の下落が続いていたため目先の戻りを期待した買いが入りやすかったほか、P&GやIBMの好調な決算を受け、主要企業の業績改善基調が続くとの期待が広がる形となりました。これを受けたCMEの日経平均先物は日経平均終値比2円安の19135円で引けています。
外国人は1月第2週(10~13日)に日本株を1105億円買い越しました。買い越すのは3週連続となります。トランプ・ラリーが始まった11月第2週から12月第2週まで2兆2533億円買い越した後、7週ぶりに1947億円売り越しましたが、すかさず買い越す動きに転じています。買越額はまずまずな額ですが、これまでの買い越しが強烈だったため、買い越しが定着したとはまだ云えません。大発会の予想以上の上昇とその後の冴えない動きをみると、注文は大発会に集中的に出ただけで、その後は売り買い交錯となっているようにもみえます。積極的な買いはひとまず終了したとの見方は変わっていません。
日経平均株価は13週、26週、52週線がすべて上向きに変わっているため、チャート的には上昇志向の動きとなっています。トランプ新大統領が来週からどのような発言・行動をとるのかまだ分かりません。またこの水準から積極買いに転じるわけにもいきません。外国人の強烈な日本株買いはひとまず終了したとみられるので、主力株は物色の対象からは外すべきでしょう。ただ今週から10~12月期決算発表が本格化します。狙うのは好決算銘柄となりますが、調整色の強い動きになっていますので、下値不安の乏しい銘柄が狙い目ではないかとみています。

2017年1月16日号

 トランプ・ラリー終焉後を見据えたスタンスが必要

大発会が予想以上に上昇したことから、その後の動きはいまいちですが、市場のムードは悪くはありません。先週は4営業日中、2営業日上昇、2営業日下落し週間で167円(0.86%)下落しました。12日には昨年の大納会の株価まであと20円となる場面もありましたが、為替が円安に振れたことから投資家心理が改善し、前日比152円高の19287円で引けました。昨年末比では173円(0.91%)の上昇となっています。
ただ相場の動きを見ているとトランプ・ラリーは極限まで来た感じです。指数の上値は重くなっており、物色の流れも主力株から新興株、材料株など移りつつあります。昨年11月10日以降、ほぼ一本調子で上げてきたため、押し目がないと新規に買いを入れられないところまで上昇したからでしょう。
11月16日以降、騰落レシオは5営業日を除いて買われすぎとされる120%をずっと上回っており、11月15日には165.55%と記録が遡れる1990年以降の最高を更新しています。期待先行で上げており、新政権の負の側面は無視された格好になっています。トランプ氏が大統領に就任したら流れが変わる可能性もありますので、いまは就任後を見据えたスタンスが必要ではないかと考えています。

 新興株など出遅れ銘柄が狙い目

13日の米国株はまちまちの動きでした。NYダウは前日比5ドル(0.0%)安の19885ドルとなり、ハイテク株比率が高いナスダック指数は同26㌽(0.5%)高の5574と、2営業日ぶりに過去最高値を更新して引けています。NYダウは上昇して始まったものの、3連休を前に買いポジションを積み上げる投資家は少なく、次第に利益確定売りに押されました。原油安で資源関連株に売りが出たことも相場を押し下げる要因となりました。ナスダック指数はフェイスブックやアマゾン・ドット・コムといった主力株が軒並み上昇したほか、トランプ次期大統領による薬価批判で下げていたバイオ製薬株に買い戻しが続いたことが寄与しました。これを受けたCMEの日経平均先物は日経平均終値比2円安の19285円で引けています。
外国人は1月第1週(4~6日)に日本株を2326億円買い越しました。買い越すのは12月第4週(買越額324億円)に続いて2週連続。トランプ・ラリーが始まった11月第2週から12月第2週まで2兆2533億円買い越した後、7週ぶりに1947億円売り越しましたが、すかさず買い越す動きに転じています。買越額は相当な額ですが、これまでの買いが強烈すぎたため、今回の買い越しだけで買い越しが定着したとは云えません。大発会の予想以上の上昇とその後の冴えない動きをみると、注文は大発会に集中的に出ただけで、その後は売り買い交錯となっているようにもみえます。積極的な買いはひとまず終了したとの見方は変わっていません。
日経平均株価は13週、26週、52週線がすべて上向きに変わっているため、チャート的には上昇余地が広がるいい形になっています。ただトランプ大統領就任後の動きが気になりますので、この水準から積極買いに転じるわけにはいきません。外国人の積極的な日本株買いはひとまず終了したとみられるため、主力株は物色の対象からは外すべきでしょう。物色の方向性が出遅れていた新興株など小型株に向かいつつありますので、狙うのはそういう銘柄ではないかとみています。

2017年1月10日号

 トランプ・ラリーはそろそろ潮時に

2017年の大発会で日経平均株価は昨年末比479円高と4年ぶりに上昇して引けました。昨年が凄い下落で始まったこともあって、市場参加者はひとまずほっとしたのではないかと思います。その後、5、6日と小幅に続落しましたが、大発会が予想以上の上昇となったことや、指数への影響が大きいファーストリが下落した影響を考えれば、しっかりした動きではなかったかと思います。6日は前日比66円安で引けましたが、ファーストリ1銘柄で日経平均を110円押し下げていましたので、同社株を除けば44円高だったわけです。東証1部の騰落銘柄数も値下がり864に対し値上がりが1008と値上がりした銘柄が多く、堅調な動きだったと云えます。
ただ相場を見ているとトランプ・ラリーは極限まで来た感じもします。指数の上値は重くなっており、物色の流れも主力株から小型の新興株、材料株など移りつつあります。昨年11月10日以降、ほぼ一本調子で上げてきたため、押し目がないと新規に買いを入れられないところまで来たからでしょう。米大統領選を受けた11月9日から大発会までの上昇幅は3343円(20.6%)にも達します。
11月16日以降、騰落レシオは4営業日を除いて買われすぎとされる120%をずっと上回っており、11月15日には165.55%と記録が遡れる1990年以降の最高を更新しています。期待先行で上げており新政権の負の側面は無視された格好にになっています。トランプ氏が大統領に就任したら流れが変わる可能性もありますので、いまは就任後を見据えたスタンスが必要ではないかと考えています。

 新興株など出遅れ銘柄が狙い目

6日の米国株は上昇しました。NYダウは前日比64ドル(0.3%)高の19963ドルとなり、ハイテク株比率が高いナスダック指数は同33㌽(0.6%)高の5521と連日で過去最高値を更新しています。この日発表された12月の雇用統計で非農業部門の雇用者数が前月比15万6000人増と市場予想(18万人程度の増加)を大幅に下回ったものの、11月の増加数が大幅に上方修正され、賃金の伸びも前月比0.4%増と加速したため、労働市場は完全雇用に近づいていると受け止められ、好感した買いが入りました。ダウ平均は一時19999.63セントまで上昇し、歴史的なフシ目の20000ドルまであと37セントと迫る場面もありました。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数は同7.98ポ㌽高の2276と、昨年12月13日に付けた最高値を約1カ月ぶりに更新しています。これを受けたCMEの日経平均先物は6日の日経平均終値比125円高の19580円で引けています。
外国人は12月第3週(19~22日)に日本株を売り越しました。売り越すのは7週ぶりで売越額は1947億円と約3か月ぶりの高水準。トランプ・ラリーが始まった11月第2週から12月第2週まで2兆2533億円買い越していましたので、過熱感を警戒した売りが出たのではないかとみられます。その後の日経平均は上値の重い動きになっていますので、これまでのような積極的な買いはひとまず終了したのではないかとみています。
日経平均株価は13週線、26週線、52週線がすべて上向きに変わっているため、チャート的には上昇余地が広がるいい形になっています。ただトランプ大統領就任後の動きが気になりますので、この水準から積極買いに転じるわけにはいきません。外国人の積極的な日本株買いはひとまず終了したとみられるため、主力株は物色の対象からは外すべきでしょう。物色の方向性が出遅れていた新興株など小型株に向かって来つつありますので、狙うのはそういう銘柄ではないかとみています。

2016年12月19日号

 底上げではない新値更新が続いています

堅調な動きが続いています。先週、日経平均株価は9日続伸し、7営業日連続で年初来高値を更新しました。週間の上昇幅は405円(2.1%)。6月のBrexit時の安値からは4449円(29.8%)の上昇となります。トランプラリーで動きが一変しており、東証1部の売買代金は活況の目安とされる2兆円を連日で上回っています。積極的な財政政策が実施されるとの期待から米金利が上昇、これを受けて国内でも金利高・株高・ドル高の流れが続いています。円相場は1㌦=118円台と1か月間で14円強も下落、米大統領選前とは真逆の動きとなっています。
市場は「トランプ狂想曲」ともいえる様相を呈していますが、こんな派手な動きがいつまでも続くとは思えません。トランプ氏の当選確実が伝わった11月9日から12月16日までの上げ幅は3328円(20.7%・ザラ場ベース)にもなります。騰落レシオは買われすぎとされる120%を20日間も上回っており、15日には165.55%と1990年以降の最高を更新しています。売り方の買い戻しで上げている面もありますが、期待先行で上げている感じです。トランプ氏が大統領に就任したら流れが変わる可能性もありますので、いまは「宴」の後を見据えたスタンスが必要ではないかと考えています。メガバンクなど「貸し株」を含めた信用売り残の多い銘柄などが集中的に買われ、それが指数を引っ張る形になっています。底上げの動きではないことには注意する必要があります。

 出遅れ銘柄が狙い目

16日の米国株は下落しました。NYダウは前日比8ドル(0.0%)安の19843ドルとなり、ハイテク株比率が高いナスダック指数も同19㌽(0.4%)安の5444で引けています。NYダウは午前に上げ幅を70ドルまで広げ、13日に付けた過去最高値を上回る場面がありましたが、上値の重さが意識されると次第に売りが増える動きとなりました。上昇が続いた反動で目先の利益を確定しようとした売りがかさみ、相場の重荷となっています。これを受けたCMEの日経平均先物は16日の日経平均終値比101円安の19300円で引けています。
外国人は12月第1週(5~9日)も日本株を大幅に買い越しました。買越額は5625億円と大規模で、この5週間の累計買越額は2兆1711億円超にのぼります。トランプ次期政権の政策への期待から円安が進んだ結果、日本企業の業績改善効果が無視できないものになるとして買いを入れているようです。それまで日本株を徹底的に売っていたので、買い戻しに動いている面もあります。今後も買いが継続するかは分かりませんが、トランプ次期大統領の政策で米景気が好転すれば日本株にはプラスとなりますので、期待したいところです。
日経平均はチャート上は上昇余地が広がるいい形になっています。ただ市場は「宴」状態となっていますので、この水準から積極買いに転じるわけにはいきません。いまは先行きを見極めるときではないかとみています。決算発表期間中に「トランプ・ショック」と「トランプ狂想曲」を経験しましたので、市場はカオス状態となっています。買い上げられたものと売られたもの、そして取り残されたもの、この3つが混在しています。先駆して上げた銘柄には上昇一服感も見られるので、この局面では出遅れ株が狙い目ではないかとみています。
なお今年は今週号で終わりとさせていただきます。

2016年12月12日号

新値更新となっていますが、底上げの動きにはなっていません

堅調な動きが続いています。先週、日経平均株価は前週末比276円(3.1%)高の18996円で引け、年初来高値を更新しました。6月のBrexit時の安値からは4044円(27.0%)の上昇となります。トランプラリーで動きが一変しており、東証1部の売買代金は活況の目安とされる2兆円を連日で上回っています。積極的な財政政策が実施されるとの期待から米金利が上昇。これを受け、国内でも金利高・株高・ドル高の流れが続いています。円相場は1㌦=115円台と1か月間で11円強も下落、米大統領選前とは真逆の動きとなっています。
市場は「トランプ狂想曲」ともいえる様相を呈していますが、こんな派手な動きがいつまでも続くとは思えません。11月9日から12月9日までの上げ幅は2931円(18.2%・ザラ場ベース)にもなります。騰落レシオは142.25%と買われすぎとされる120%を17日連続で上回っています。売り方の買い戻しで上げている面もありますが、期待先行で上げている感じです。トランプ氏が大統領に就任したら流れが変わる可能性もありますので、いまは「宴」の後を見据えたスタンスが必要ではないかと考えています。メガバンクなど「貸し株」を含めた信用売り残の多い銘柄が集中的に買われ、それが指数を引っ張る形になっています。底上げの動きではないことには注意が必要です。

 出遅れ銘柄が狙い目

9日の米国株は上昇しました。NYダウは5日続伸し前日比142ドル(0.7%)高の19756ドルと5日連続で過去最高値を更新したほか、ナスダック指数も6日続伸し同27㌽(0.5%)高の5444で引けています。海外株高を受け、買いが優勢となりました。前日に欧州中央銀行量的金融緩和の延長を決めたことも買い安心感を誘ったようです。これを受けたCMEの日経平均先物は日経平均終値比188円高の19185円で引けています。
外国人は11月第5週(28~12月2日)も日本株を大幅に買い越しました。買越額は4148億円と大規模で、この4週間の累計買越額は1兆6080億円超にのぼります。トランプ次期政権の政策への期待から円安が進んだ結果、日本企業の業績改善効果が無視できないものになるとして買いを入れているようです。それまで日本株を徹底的に売っていたので、買い戻しに動いている面もあります。今後も買いが継続するかは分かりませんが、トランプ次期大統領の政策で米景気が好転すれば日本株にはプラスとなりますので、期待したいところです。
日経平均はチャート上は上昇余地が広がるいい形になっています。ただ市場は「宴」状態となっていますので、この水準から積極買いに転じるわけにはいきません。いまは先行きを見極めるときではないかとみています。決算発表期間中に「トランプ・ショック」と「トランプ狂想曲」を経験しましたので、市場はカオス状態となっています。買い上げられたものと売られたもの、そして取り残されたもの、この3パターンがあります。先駆して上げた銘柄には上昇一服感も見られるので、この局面では出遅れ株が狙い目ではないかとみています。

2016年12月5日号

 「宴」の後を見据えたスタンスが必要

堅調な動きが続いています。先週、日経平均株価は前日比87円安の18426円で引けましたが、12月1日には204円高の18513円と約11か月ぶりに年初来高値を更新しました。6月のBrexit時の安値からは3474円(23.2%)の上昇となります。トランプラリーで動きが一変しており、東証1部の売買代金は活況の目安とされる2兆円を連日で上回っています。積極的な財政政策が実施されるとの期待から米金利が上昇。これを受け、国内でも金利高、株高、ドル高の流れが続いています。円相場は一時1㌦=114円台まで下落、米大統領選の結果次第では100円割れもとの予想とは真逆の結果となっています。
市場は「トランプ狂想曲」ともいえる様相を呈していますが、こんな派手な動きがいつまでも続くとは思えません。ザラ場ベースで見た12月1日までの16日間の上げ幅は2635円(16.34%)にもなります。騰落レシオは123.40%と買われすぎとされる120%を12日連続で上回っています。売り方の買い戻しで上げている面もありますが、期待先行で上げている感じです。トランプ氏が大統領に就任したら流れが変わる可能性もありますので、いまは「宴」の後を見据えたスタンスが必要ではないかと考えています。現に1日は大きく上げた後、上げ幅を縮小、日経平均チャートは長い上ヒゲを引いて終わっています。それを受けた2日も、相場は流れが変わったのではと思わせる動きになっていました。

 出遅れ銘柄が狙い目

2日の米国株は高安まちまちの動きでした。NYダウは前日比21ドル(0.1%)安の19710ドルとなり、ハイテク株比率の高いナスダック指数は同4㌽(0.1%)高の5255で引けています。11月の雇用統計で非農業部門の雇用者数が前月比17万8000人増と市場予想(18万人)に近い結果となり、失業率も横ばいを見込んでいた市場に反して0.3㌽低い4.6%と、2007年8月以来9年3カ月ぶりの低水準となりました。ただ10月の雇用者数の伸びが下方修正されたほか、11月の平均時給が約1年ぶりに減少。強弱入り交じる内容だったため、長期金利の上昇が一服。4日にはイタリアで憲法改正の是非を問う国民投票が投開票されるため、投票前に投資家がリスク回避姿勢を強めたことが響きました。アジアに続き欧州主要国の株価指数が軒並み下げたことも重荷となったようです。これを受けたCMEの日経平均先物は日経平均終値比71円安の18355円で引けています。
外国人は11月第4週(21~25日)も日本株を大幅に買い越しました。買越額は3027億円と大規模で、この3週間の累計買越額は1兆1930億円超にのぼります。トランプ次期政権の政策への期待から円安が進んだ結果、業績改善効果が無視できないものになるとして買いを入れているようです。今後も買いが継続するかは分かりませんが、トランプ次期大統領の政策で米景気が一段と好転すれば日本株にはプラスとなりますので、期待したいところです。
日経平均株価は13週線と26週線がゴールデンクロスを形成している中、日経平均の日足が52週線の上方に抜けており、チャート上は上昇余地が広がるいい形になっています。ただ市場は「宴」状態となっていますので、この水準から積極買いに転じるわけにもいきません。いまは先行きを見極めるときではないかとみています。決算発表期間中に「トランプ・ショック」と「トランプ狂想曲」を経験しましたので、市場はカオス状態となっています。買い上げられたものと売られたもの、そして取り残されたもの、この3パターンがあります。先駆して上げた銘柄には上昇一服感も見られるので、この局面では出遅れ株が狙い目ではないかとみています。

2016年11月28日号

 「宴」の後を見据えたスタンスが必要

先週、日経平均株価は7日続伸し、1月4日に付けた年初来高値(18450円)を一時上回る場面がありました。終値は18381円で今年2番目の水準。週間の上昇幅は414円(2.3%)となっています。トランプラリーで動きが一変しており、東証1部の売買代金は活況の目安とされる2兆円を上回る高水準となっています。積極的な財政政策が実施されるとの期待から米金利が上昇。これを受け、国内でも金利が上昇し、株高、ドル高の流れが続いています。円相場は1㌦=113円台まで下落、米大統領選の結果次第では100円割れもとの予想とは真逆の結果となっています。
市場は「トランプ狂想曲」ともいえる大幅高を演じていますが、こんな派手な動きがいつまでも続くとは思えません。ザラ場ベースで見たこの11日間の上げ幅は1371円(14.7%)にもなります。騰落レシオは133.58%と買われすぎとされる120%を7日連続で上回っています。長期金利がプラス圏に転じたことで物色の圏外に置かれていたメガバンク株も大きく上昇。売り方の買い戻しで上げている面も大きいとは思いますが、期待先行で上げている感じです。トランプ氏が大統領に就任したら流れが変わる可能性もありますので、いまは「宴」の後を見据えたスタンスが必要ではないかと考えています。

 今は相場の把握に努めるとき

25日の米国株は上昇しました。NYダウは前日比68ドル(0.4%)高の19152ドルと4日続けて過去最高値を更新したほか、ハイテク株比率の高いナスダック指数も同18㌽(0.3%)高の5398と2営業日ぶりに最高値で引けています。トランプ次期政権で予想される大規模な減税やインフラ投資などの政策が景気を押し上げるとの期待が根強く、買いが続く構図になっています。24日のオンライン売上高が好調な滑り出しになったことも相場を支えたようです。これを受けたCMEの日経平均先物は25日の日経平均終値比3円高の18385円で引けています。
外国人は11月第3週(14~18日)も日本株を大幅に買い越しました。買越額は4903億円と前週(4006億円)より膨らんでいます。トランプ次期政権の政策への期待から円安が進んだ結果、業績改善効果が無視できないものになるとして買いを入れているようです。今後も買いが継続するかは分かりませんが、トランプ次期大統領の政策で米景気が一段と好転すれば日本株にはプラスとなりますので、期待したいところです。
13週線と26週線がゴールデンクロスを形成している中、日経平均の日足が52週線の上方に抜けており、チャート上は上昇余地が広がるいい形になっています。ただ市場は「宴」状態となっていますので、この水準から積極買いに転じるわけにはいきません。いまは先行きを見極めるときではないかとみています。決算発表期間中に「トランプ・ショック」と「トランプ狂想曲」を経験しましたので、市場はカオス状態となっています。買い上げられたものと売られたもの、そして取り残されたもの、この3パターンがあると思います。相場の動きの把握ができていないので、今はその把握に努めるときでしょう。無理に動く必要はないと考えています。

2016年11月21日号

 「宴」の後を見据えた準備が必要

トランプ・ラリーで日経平均株価は1月6日以来、約10カ月ぶりの高値に進んできました。18日の終値は17967円。週間では593円(3.4%)の上昇となっています。積極的な財政政策が実施されるとの期待から金利が上昇し、株高、ドル高の流れが続いています。円相場は1㌦=110円台まで下落、米大統領選の結果次第では100円割れもとの予想とは真逆の結果となっています。
東京市場は「トランプ狂想曲」ともいえる大幅高を演じましたが、こんな派手な動きがいつまでも続くとは思えません。ザラ場ベースで見たこの7日間の上昇幅は1932円(12.0%)にもなります。騰落レシオは134.15%と買われすぎとされる120%を3日連続で上回っています。長期金利がプラス圏に転じてきたことで物色の圏外に置かれていたメガバンク株まで大きく上昇しています。売り方の買い戻しで上げている面も大きいと思いますが、トランプ氏の具体的政策はまだはっきりしません。期待先行で上げている面が大きいとみられるため、いまは「宴」の後を見据えた準備をする時ではないかと考えています。

 市場はカオス状態に

18日の米国株は下落しました。NYダウは前日比35ドル(0.2%)安の18867ドルとなり、ハイテク株比率の高いナスダック指数は同12㌽(0.2%)安の5321で引けています。主な株価指数が過去最高値圏で推移している中、週末とあって利益確定の売りが優勢となりました。長期金利の上昇で主要通貨に対してドル高が続いていることも市場心理を冷やしたようです。ただ景気の底堅さなどを好感した買いも入りやすく、下値は堅かったとのことです。これを受けたCME日経平均先物は日経平均終値比32円高の18000円で引けています。
外国人は11月第2週(7~11日)に日本株を大幅に買い越しました。買い越しは2週ぶりで、買越額は4006億円と4月第3週(5320億円)以来、7カ月ぶりの大きさとなっています。トランプ次期大統領の政策への期待から海外マネーが戻ったようです。9日はトランプ・ショックで急落していましたので、10、11日の2日間で猛烈な買いを入れたようです。今後も買いが継続するかは不明ですが、トランプ新大統領の政策で米景気が一段と好転すれば日本株にはプラスとなりますので、期待したいところです。
13週線と26週線が7週連続でゴールデンクロスを維持するなどテクニカル面からは上にいきそうな状況ですが、市場は前述のような「宴」状態となっていますので、いまは先行きを見極めるときではないかとみています。決算発表期間中に「トランプ・ショック」と「トランプ狂想曲」を経験しましたので、市場はカオス状態となっています。買い上げられたもの、取り残されたもの、そして売られたもの、この3パターンがあると思います。相場の動きの把握ができていないので、今はその把握に努めるときでしょう。無理に動く必要はないと考えています。

2016年10月31日号

 半年ぶりの高値に進む

日経平均株価はレンジ内の往来相場を抜け出し、半年ぶりの高値に進んできました。先週は5営業日中、4営業日で上昇、週間では262円(1.5%)の上昇となりました。米大統領選で民主党のクリントン氏が優勢と伝わったほか、為替の円安傾向を受け、業績懸念が後退、外国人買いを支えに上昇する動きとなっています。
日経平均株価は13週線と26週線がゴールデンクロスを形成している中、三角保ち合いを上抜ける形となっています。フシ目の52週線の上方に抜けたことでチャート上は上昇余地が広がるいい形になっています。 日銀のETF買いで下値不安が後退したことが背後にありますが、ファンダメンタルズや外部環境を考えたらチャートどおり上に行くも言いにくい状況です。7~9月期決算発表が本格化しましたので、その内容次第ではないかとみています。

 好決算発表銘柄が狙い目も、高値圏にある銘柄は避けた方が無難

21日の米国株は下落しました。NYダウは前日比8ドル(0.0%)安の18161ドルとなり、ハイテク株比率の高いナスダック指数は同25㌽(0.5%)安の5190で引けています。7~9月期の実質GDPが2.9%増と予想を上回ったことを受け、買い先行の始まりとなりましたが、午後に入り下げに転じました。大統領選の民主党候補クリントン氏が国務長官時代に私用メールを公務に利用していた問題を巡りFBIが再捜査することが明らかとなり、大統領選の混迷が深まるとの見方からリスクを避ける動きが強まりました。これを受けたCMEの日経平均先物は17390円と日経平均終値比56円安で引けています。
外国人は10月第3週(17~21日)も日本株を買い越しました。3週連続の買い越しで、累計買越額は4667億円に達しています。3週連続の買い越しは今年4月1~3週以来です。米大統領選での不安後退や円高懸念が後退したことで買いに動いたようです。外国人は今年に入って6兆1000億円超も売り越していただけに、買い戻しに転じた可能性は十分あります。 期待したいところです。
日経平均が三角保ち合いを突破し半年ぶりの高値に進んだことで、市場の雰囲気は良くなっています。これまで「今は今後の動きを見極めるとき」だとしていましたが、決算発表が始まりましたので、ここは動くときでしょう。決算発表期間中は決算だけが株価材料となりますので、その見極めが重要となります。好決算発表銘柄が狙い目となりますが、これまでのところ好決算を発表しても売られるケースが目立ちましたので、銘柄選定には細心の注意が必要です。高値圏まで上昇している銘柄は避けた方が良さそうです。
なお11月7日号、14日号はお休みとします。

2016年10月24日号

 13週線と26週線がGCを形成している中、三角保ち合いを上抜ける

日経平均株価はレンジ内の往来相場になっていましたが、先週、その上限を突破し、17000円台を回復しました。約半年ぶりの高値で、週間では328円(1.9%)の上昇となっています。米大統領選のテレビ討論会で民主党のクリントン氏が優勢と伝わり、先行き不安が後退するとみた海外短期筋が買いを入れ、先物主導で上昇する展開となりました。ただ翌21日は心理的フシ目の17000円を回復したことで短期的な過熱感が意識され、利益確定売りなどに押される動きとなっています。
先週の上昇で、13週線と26週線が5週連続でゴールデンクロスを形成している中、日経平均は三角保ち合いを上抜ける形となりました。株価がフシ目の52週線の上方に出たことで、チャート上は上昇余地が広がるいい形になっています。
背後には日銀のETF買いで下値不安が後退したことがありますが、かといってファンダメンタルズや外部環境を考えれば、チャートどおりに上に行くとも言いにくい状況です。今週から決算発表が本格化しますので、その内容にかかっているように思います。

 好決算発表銘柄が狙い目

21日の米国株はまちまちの動きでした。NYダウは前日比16ドル(0.1%)安の18145ドルとなり、ハイテク株比率の高いナスダック指数は同15㌽(0.3%)高の5257で取引を終えています。朝方はGEやベライゾン・コミュニケーションズ、トラベラーズなど決算が振るわなかった銘柄が大幅に下げ、指数を押し下げましたが、マイクロソフトやマクドナルドが市場予想を上回る決算を手掛かりに大幅に上昇し、相場を支えました。ダウ平均は一時下げ幅が110ドルを超える場面がありましたが、次第に下げ幅を縮小し、小幅高に転じる場面もありました。これを受けたCMEの日経平均先物は17235円と日経平均終値比50円高で引けています。
外国人は10月第2週(11~14日)も日本株を買い越しました。2週連続の買い越しで、買越額は1131億円。前週の2805億円からは減少していますが、そこそこの金額です。買い越しに転じたとはまだ云えませんが、今年に入って6兆1000億円超も売り越していただけに、買い戻しに転じた可能性は十分あります。 期待したいところです。
外部環境が不透明で先行きは読みにくくなっていますが、日経平均が三角保ち合いを突破するなど市場の雰囲気は良くなりつつあるように思います。いまは今後の動きを見極めるときだとみていますが、今週後半からは上場企業の7~9月期決算発表が本格化します。決算発表期間中は決算だけが株価材料となりますので、その見極めが重要となります。好決算発表銘柄が狙い目となりますが、これまでのところ好決算を発表しても売られるケースも目に付きますので、銘柄選定には細心の注意が必要です。

2016年10月17日号

 レンジ内の往来相場に

日経平均株価はレンジ内の往来相場になっています。7月29日の日銀の追加緩和でETFの買い入れ額を年3.3兆円→6兆円に増やすことが決まって以降、2カ月以上もこうした動きが続いています。週足チャートや月足チャートを見れば上に行きそうな形になっていますが、ファンダメンタルズや外部環境を考えればそれは無理ではとの見方が出てきても否定できない、そういう状況になっています。ただ下がった局面では日銀のETF買いが入る可能性が強く、下押しするような雰囲気ではありません。結果として往来相場が続かざるを得ない状況になっています。
7月の日銀金融政策決定会合で、長期金利を0%程度で推移するように国債の買い入れを調整することが決まりました。長期金利が上がるということは銀行の収益にはプラスで、生保など機関投資家には運用環境の好転となりますが、マイナス圏にあった金利がゼロ近辺まで上昇することは金融引き締めを意味します。日銀のETF購入がTOPIX連動型にも広がったことで歪な相場形成は和らいではいますが、相場のダイナミズムはなくなり先行きは相当読みにくくなっています。

 好決算発表銘柄が狙い目

14日の米国株は上昇しました。NYダウは前日比39ドル(0.2%)高の18138ドルとなり、ハイテク株比率の高いナスダック指数は同0.828㌽(0.0%)高の5214で取引を終えています。JPモルガン・チェースやウェルズ・ファーゴ、シティグループなど米銀大手の7~9月期決算が市場予想を上回ったことから、これから本格化する主要企業の決算への期待が高まり、買いが広がる形となりました。ただ取引終盤にかけてはNY連銀のダドリー総裁が、ウォール・ストリート・ジャーナルとのインタビューで利上げは「年内を予想する」と述べたと伝わり、上げ幅を縮小。上値の重い動きとなりました。これを受けたCMEの日経平均先物は16880円と日経平均終値比23円高で引けています。
外国人は10月第1週(3~7日)に日本株を6週ぶりに買い越しました。買越額は2805億円と約3か月ぶりの大きさでした。前の週は1887億円売り越しでしたから大幅な買い越しとなります。これで売り越しが終わったとはみていませんが、上場企業の業績見通しが見えてきたら運用スタンスも定まり、動きは変わってくるのではとみています。
相場には方向性がなく買い手掛かり材料も乏しくなっています。先行きは読みにくくなっていますが、市場の雰囲気は悪化してはいません。いまは今後の動きを見極めるときだとみていますが、今週後半からは上場企業の7~9月期決算発表が始まります。決算発表期間中は決算だけが株価材料となりますので、見極めが重要となります。好決算発表銘柄が狙い目となりますが、好決算を発表しても売られる銘柄が目に付きますので、銘柄選定は細心の注意が必要です。

2016年10月3日号

相場のダイナミズムが失せる形に

東京市場は方向感のない動きになっています。前日に大幅高したかと思えば翌日は大幅下落となるなど、海外発の材料に振り回される展開が続いています。先週、日経平均株価は3営業日で下落、2営業日で上昇、終値は16449円と週間で305円(1.8%)下落しました。為替相場やドイツ銀行の経営悪化問題に振り回される動きになっています。ただ日銀のETF買いが継続的に入っているため、底割れするような雰囲気ではありません。9月12日~30日までの13日間で、日銀のETF買いは10回にも及んでいます(購入額は各733億円)。これでは底割れする雰囲気が出ないのも当然です。 ただこれが相場のダイナミズムを失わせ、方向感のない相場になっている一因にもなっています。
9月20~21日の日銀金融政策決定会合で、長期金利を0%程度で推移するように国債の買い入れを調整することが決まりました。長期金利が上がるということは銀行の収益にはプラスで、生保など機関投資家には運用環境の好転となりますが、マイナス圏にあった金利がゼロ近辺まで上昇することは金融引き締めを意味します。日銀のETF購入がTOPIX連動型にも広がったことでいびつな相場形成は和らぐことにはなりますが、相場の先行きは相当読みにくくなったように思います。

方向性が見えてくるまでは様子見も一法

30日の米国株は大幅に上昇しました。NYダウは前日比164ドル(0.9%)高の18308ドルとなり、ハイテク株比率の高いナスダック指数も同42㌽(0.8%)高の5312で取引を終えています。 欧州系通信社が、ドイツ銀行が米司法省に支払う和解金が約54億ドルで決着すると報じたことを受け、米市場に上場するドイツ銀行株が急伸、同行の経営に対する過度な不安が後退する形になりました。司法省が当初140億ドルの和解金を要求していたため、負担軽減への思惑がドイツ銀株を始め、買い戻しを誘う形となりました。原油先物相場の上昇が続いてことも買い安心感を誘ったようです。これを受けたCMEの日経平均先物は16550円と日経平均終値比100円高で引けています。今週はこれにサヤ寄せする形で堅調な始まりとなりそうです。
外国人は9月第3週(12~16日)も日本株を売り越しました。売越額は1019億円。このところ10週連続で売り越しと買い越しを繰り返していましたが、それが3週連続売り越しとなっています。しかし売り越しに転じたとは見ていません。売越額は前週の4805億円から大きく減少しています。日本株に対する明確な運用スタンスが定まっていないからだと見ています。上場企業の業績見通しが見えてきたら動きは変わってくるはずです。
相場には方向性が見えず買い手掛かり材料も乏しくなっています。先行きも読みにくくなっていますが、市場の雰囲気は悪化してはいません。いまは今後の動きを見極めるときではないかとみています。物色難の状態も変わっていないので、方向性が見えてくるまでは様子見も一法とみています。
なお次週10月11日号はお休みします。

2016年9月26日号

 相場は先行きが読みにくくなる

日経平均株価は3か月ぶりに17000円台を回復した後、調整し、再び方向感の定まらない動きになっています。日経平均は先週、3営業日中、2営業日で下落、終値は16754円と前週末比235円(1.4%)高で引けました。営業日数が少なかったことや日米の金融政策発表を21日に控えていたこともあって、方向性は感じられません。
日銀金融政策決定会合ではマイナス金利の深掘りを見送り、長期金利を0%程度で推移するように国債を買い入れることを決めたほか、ETF買い入れでは6兆円の購入枠のうち日経平均型だけでなくTOPIX型の購入も3兆円にすることが決められました。その後、開かれた米FOMCでは金融政策の現状維持が決まりました。
この決定を受け、21日には日経平均が315円(1.9%)と急伸し、円相場も1㌦=102円台まで円安・ドル高が進みましたが、FOMCの結果発表後は逆の動きとなり、相場を読みにくくしています。マイナス金利の深掘りがなく長期金利が上がるということは銀行の収益にはプラスで、生保など機関投資家には運用環境の好転となりますが、マイナス圏にあった長期金利がゼロ近辺まで上昇するのは金融引き締めということになります。TOPIX型ETFの購入でいびつな相場形成は和らぐことにはなりますが、評価困難な内容で、相場の先行きは相当読みにくくなったように思います。といって下に行く雰囲気ではありません。

 方向性が見えてくるまでは様子見も一法

23日の米国株は下落しました。NYダウは前日比131ドル(0.7%)安の18261ドルとなり、ハイテク株比率の高いナスダック指数も同33㌽(0.6%)安の5305で取引を終えています。新規の買い材料が乏しい中、主要な株価指数が過去最高値圏で推移していたため、利益を確定する売りが優勢となりました。原油先物相場が下落したことも投資家心理を冷やしたようです。これを受けたCMEの日経平均先物は16570円と日経平均終値比184円安で引けています。今週はこれにサヤ寄せする形で軟調な始まりとなりそうです。
外国人は9月第1週(5~9日)も日本株を売り越しました。売越額は3338億円と大きくなっています。このところ10週連続で売り越しと買い越しを繰り返していましたが、それが途切れました。しかし売り越しに転じたとは見ていません。日本株に対する明確な運用スタンスが定まっていないからだと見ています。上場企業の業績見通しが見えてきたら動きは変わってくるはずです。
相場には方向性が見えず買い手掛かり材料も乏しくなっています。先行きも読みにくくなっていますが、市場の雰囲気は悪化してはいません。いまは動きを見極めるときではないかとみています。物色難の状態も変わっていません。方向性が見えてくるまでは様子見も一法とみています。

2016年9月12日号

 潮目が変わる可能性も

日経平均株価は3か月ぶりに17000円台を回復した後、再び方向感の定まらない動きになっています。日経平均は先週、5営業日中、3営業日上昇、週間では40円上昇して引けました。市場の雰囲気は良くなっていますが、日経平均の日中値幅は縮小傾向にあり、商いも盛り上がりに欠ける展開となっています。
物色面からみれば手詰まり状態に陥っていますが、下に行くような感じはありません。日銀のETF買いの思惑が指数を支えているためですが、上に行くような相場付きでもありません。ただ日経平均の日足チャートは三角保ち合いの最終局面に近づいています。週足や月足チャートは叩かれても叩かれても下げなくなっています。想定される悪材料をほとんど織り込んだため、下には行きたくないかのような動きになっています。
「強気相場は悲観の中で生まれる」と云われます。先々週までの市場は 悲観とまではいきませんが、雰囲気はそれに近いものではなかったかと思います。しかし相場は大衆の見方とは逆の方向に動きます。膠着相場の潮目が変わる可能性も出てきたのではとみています。期待したいところです。

 方向性が見えてくるまでは様子見も一法

9日の米国株は大幅に下落しました。NYダウは前日比394ドル(2.1%)安の18085ドルとなり、ハイテク株比率の高いナスダック指数も同133㌽(2.5%)安の5125となっています。 NYダウの下落幅は約2カ月半ぶりの大きさ。金利上昇懸念が響きました。ECBが8日の理事会で量的緩和の延長に踏み切らなかったうえ、FOMCで投票権を持つボストン連銀のローゼングレン総裁が9日の講演で、金融政策の正常化を続けることに前向きな姿勢を示したことで、欧米主要国の国債利回りが上昇、投資心理が悪化しました。これを受けたCMEの日経平均先物は日経平均終値比310円安の16655円で引けています。今週はこれにサヤ寄せする形で大幅安で始まりそうです。
外国人は8月第5週(29~9月2日)に2週ぶりに日本株を売り越しました。売越額は642億円。このところ10週連続で売り越しと買い越しを繰り返しています。日本株に対する運用スタンスが定まっていないからだと思われますが、上場企業の業績見通しがはっきりしてくるまではこうした動きが続く可能性があります。
決算発表が一巡したことで買い手掛かり材料は乏しくなっていますが、市場の雰囲気は良くなっています。潮目が変わった可能性もありますので、ここは動きをしっかりと見極めるときでしょう。物色難の状況は変わっていません。米国株が急落していることもあり、方向性が見えてくるまでは様子見も一法とみています。相場の流れが変わったら銘柄はどんどん出て来ます。
なお9月20日号はお休みさせていただきます。

2016年9月5日号

 潮目が変わる可能性も

方向感の定まらない動きになっていましたが、日経平均株価は先週、5営業日中、3営業日上昇し、3か月ぶりの高値に進んで来ました。終値は16925円で週間の上昇幅は188円(1.12%)。心理的フシ目の17000円にあと少しとなっています。
物色面からみれば手詰まり状態になっていますが、高値を取ってくる不思議な相場となっています。日銀のETF購入枠拡大以降、よく分からない相場付きになっていますが、意外なことに相場の地合いは良くなっています。週足や月足チャートを見れば分かりますが、チャートは叩かれても叩かれても下げなくなっています。想定される悪材料をほとんど織り込んだため、上に行きたがっているかのようです。
「上昇相場は悲観の中で生まれる」と云われます。 悲観とまではいきませんが、先週までの市場の雰囲気はそれに近いものではなかったかと思います。しかし相場は大衆の見方とは逆の方向に動きます。膠着相場の潮目が変わる可能性も出てきたように思います。

 いまは動きをしっかりと見極めるとき

2日の米国株は上昇しました。NYダウは前日比72ドル(0.4%)高の18491ドルとなり、ハイテク株比率の高いナスダック指数も同22㌽(0.4%)高の5249で引けています。 8月の雇用統計で非農業部門の雇用者数が前月から15万1000人増えたものの、市場予想の平均値(18万人)を下回ったため、FRBによる9月の追加利上げ観測が後退し、買いが優勢となりました。FRBは追加利上げを急がないとの見方に加え、重要イベントを波乱なく終えたことも買い安心感につながったようです。これを受けたCMEの日経平均先物は2日の日経平均終値比204円高の17130円と心理的フシ目の17000円を回復して引けています。今週はこれにサヤ寄せする形で堅調な始まりとなりそうです。
外国人は8月第4週(22~26日)に2週ぶりに日本株を買い越しました。買越額は1713億円。このところ9週連続で買い越しと売り越しと繰り返しています。日本株に対する運用スタンスが定まっていないからだと思われます。上場企業の業績見通しがはっきりしてくるまでは、こうした動きが続く可能性があります。
決算発表が一巡したことで買い手掛かり材料は乏しくなっていますが、前述したように相場の地合いは良くなっています。潮目が変わった可能性もありますので、ここは動きをしっかりと見極めるときでしょう。ただ物色難の状況は変わっていないので、方向性が見えてくるまでは様子見も一法とみています。相場の流れが変わったら銘柄はどんどん出て来ますので、いまの物色難を気にする必要はありません。

2016年8月29日号

 歪みが増し難しい局面に

東京市場は方向感の定まらない動きになっています。先週、日経平均株価は5営業日中、3営業日下落、終値は16360円と前週末比185円(1.1%)安で引けました。26日が前日比195円安となったため1%以上の下落となっていますが、25日終値は16555円で、前週末比ではわずか10円高と凪のような相場付きでした。
26日の195円安もよく分からない下げでした。米ジャクソンホールでのイエレンFRB議長の講演を控えていたとはいえ、為替相場から見ても1%以上も下げるような雰囲気ではありませんでした。それが下げたのは日銀のETF買いへの失望があったからかもしれません。日銀は7月29日の金融政策決定会合でETF購入額を年3.3兆円から6兆円に増額すると発表、その後、2回、ETFを707億円ずつ買いました。25日も3回目として707億円買ったのですが、同日の日経平均株価は前日比41円安と安く引けていました。
日銀のETF買いが分かったのは同日引け後です。707億円の大量買いを入れたものの、下げたということが事前に買っていた向きを含め、失望売りを誘ったのではないかとみています。PKO的相場になっている面もあるため、何を基準に売買したらいいのか分からなくなっていますと指摘してきましたが、日銀のETF買いをきっかけに投資家の悩みは深まっています。株価の歪みが増しているこの環境下でどう対処するか。難しい局面に来ているように思います。

 物色の方向性が見えてくるまでは様子見も一法

19日の米国株はまちまちの動きでした。NYダウは3日続落し前日比53ドル(0.3%)安の18395ドルとなり、ハイテク株比率が高いナスダック指数は3日ぶりに反発し、同6㌽(0.1%)高の5218で引けています。 イエレンFRB議長がジャクソンホールで追加利上げの具体的な時期の言及は避けたものの、金融政策の引き締めを支持する「タカ派」の姿勢をにじませたことで、市場は「緩やかな利上げ政策は米経済の力強さを背景にしている」と受け止め、ダウ平均は一時上げ幅を123㌦まで拡大する場面がありました。しかし、フィッシャーFRB副議長が年内に2回の利上げの可能性に言及したことを受け、市場の想定より速いペースで政策金利を引き上げるシナリオも浮上。低金利が相場の追い風になっていたこともあり、一転して売り優勢となり、一時下げ幅を113ドルまで広げる場面がありました。ただ来週末には9月の利上げを占ううえで重要な雇用統計(8月)の発表が控えていることもあり、売り一巡後は下げ幅を縮小する動きとなりました。これを受けたCMEの日経平均先物は26日の日経平均終値比219円高の16580円で引けています。
外国人は8月第3週(15~19日)に2週ぶりに日本株を売り越しました。売越額は1667億円。このところ8週連続で売り越しと買い越しを繰り返しています。日本株に対する運用スタンスが定まっていないからだと思われます。上場企業の業績見通しがはっきりしてくるまでは、こうした動きが続く可能性があります。
決算発表が一巡したことで買い手掛かり材料は乏しくなっています。相場には方向性も見られません。物色の方向性が見えてくるまでは様子見も一法とみています。ただこうした局面で狙うとしたら好決算ながら売られた銘柄ではないかとみています。

2016年8月22日号

 投資家の悩みは深まる

東京市場は方向感の定まらない動きになっています。先週、日経平均株価は5営業日中、3営業日で下落、終値は16545円と前週末比374円(2.2%)安で引けました。下落率は小さくありませんが、円相場の1㌦=100円割れを受けて大幅安した16、18日を除くと方向感のない動きとなっています。日銀のETF買いへの思惑から日中の相場が乱高下しやすくなっているためです。長期投資家の買いが入りにくい中、市場はETF買いが入らないとみた短期筋の売り仕掛けや買いを見越した思惑買いで上下に振られる動きになっているのです。
マーケットが自然体の相場から逸脱しつつあることで不安定な動きになってきた感じです。何を基準に売買したらいいのか分からなくなりつつあることがこういう相場を現出しています。先週号でも指摘しましたが、日銀の大規模なETF買いをきっかけに投資家の悩みは深まっています。株価の歪みが増しているこの環境下でどう対処するか。投資家はいま考え時に来ているように思います。

 物色の方向性が見えてくるまでは様子見も一法

19日の米国株は小幅安。NYダウは前日比45ドル(0.2%)安の18552ドルとなり、ハイテク株比率が高いナスダック指数も同1㌽(0.0%)安の5238で引けています。重要な経済指標の発表が少ないなか、利上げに前向きな金融当局者の発言が相次いだことで、近い時期の利上げを警戒した売りが優勢となったようです。市場の想定よりも早い9月利上げの可能性も意識されたようですが、積極的に売り込む動きは限られたとのことです。これを受けたCMEの日経平均先物は19日の日経平均終値比45円安の16500円で引けています。
外国人は8月第2週(8~12日)に2週ぶりに日本株を買い越しました。買越額は484億円。このところずっと買い越しと売り越した繰り返しています。日本株に対する運用スタンスが定まっていないからだと思われます。上場企業の業績見通しがはっきりしてくるまではこうした動きが続く可能性があります。
上場企業の4~6月期決算発表は一巡しました。買い手掛かり材料が乏しくなりましたが、今回の決算発表では好決算ながら売られた銘柄も目に付きました。日銀のETF買いが相場を分からなくしている面もあり、物色の方向性が見えてくるまでは様子見も一法とみていますが、好決算ながら売られた銘柄のうち下げ止まったのは狙い目ではないかとも見ています。

2016年8月15日号

 官製相場で株価の歪みが増す展開に

東京市場は堅調な動きになってきました。先週、日経平均株価は4営業日中、3営業日上昇、終値は16919円と前週末比665円(4.1%)上昇して引けました。6月1日以来、約2カ月半ぶりの高値です。それまでの方向感のない動きが嘘のような動きです。ただ商いは盛り上がりに欠けています。
夏枯れ相場と言える中での予想を超えた相場上昇。こうした中、市場は日銀のETF買いにどう対処したらいいか迷っています。日経平均をTOPIXで割って算出するNT倍率はこのところ上昇が目立ち、12日は12.78倍と1999年3月以来の水準になっています。ITバブル以来、17年ぶりの出来事です。
日銀が7月29日にETFの買い入れ額を年6兆円に倍増すると決めて以来、指数を構成する225銘柄に資金が向かいやすくなっています。これまでNT倍率が12倍に近づくと割高感から日経平均が売られるケースが一般的でした。日銀の異次元緩和が始まった2013年以降はそれが12倍台に変わりましたが、12日はさらにその上方に上がっています。日銀がETFを買えば相場が上がることは分かりますが、個別企業の実態とかけ離れた水準まで買い上げられているものもあるため、投資家の悩みは深まっています。官製相場で株価の歪みが増しているこの環境下でどう対処するか。投資家はいま考え時に来ているように思います。

 様子見も一法だが、好決算で下げた銘柄で下げ止まりが確認できたのも狙い目

12日の米国株は高安まちまちの動きでした。NYダウは前日比37ドル(0.2%)安の18576ドルと反落しましたが、ハイテク株比率が高いナスダック指数は続伸し、同4㌽(0.1%)高の5232と連日で過去最高値を更新しています。NYダウは7月の小売売上高が前月比横ばいと市場予想(0.5%程度のプラス)に届かなかったうえ、8月の消費者態度指数(速報値、ミシガン大学調べ)が市場予想を下回ったことが響きました。NYダウなど主要な株価指数が前日に揃って過去最高値を更新していたため、ひとまず利益を確定しようという売りが優勢になったようです。これを受けたCMEの日経平均先物は16825円と日経平均終値比94円安で引けています。
外国人は8月第1週(1~5日)に2週ぶりに日本株を売り越しました。売越額は4586億円。このところずっと売り越したり買い越したりを繰り返しています。日本株に対する運用スタンスが定まっていないからだと見られます。上場企業の業績見通しがはっきりしてくるまではこうした動きが続く可能性があります。
上場企業の4~6月期決算発表は先週で一巡しました。買い手掛かり材料がなくなった感じですが、今回の決算発表では好決算ながら売られた銘柄も目に付きました。日銀のETF買いが相場を分からなくしており、物色の流れが見えてくるまでは様子見も一法とみていますが、好決算で下げた銘柄のうち下げ止まったのも狙い目ではないかとみています。

2016年8月8日号

 ETF買い入れ額増額は相場のメカニズムを壊す可能性も

東京市場は方向感のない動きになっています。先週、日経平均株価は前週末比315円(1.9%)安の16254円で引けましたが、これだけ下落しても相場の方向性は感じられません。円高進行を受けて下落した後は、ほぼその水準を挟んだ動きに終始しています。特に5日は米雇用統計の発表を前に様子見姿勢が強まったとはいえ、日経平均は前日比44銭安と全くの無風状態。決算発表がヤマ場に差し掛かり好決算ものには買いが入るものの、買いが一巡すると次第に伸び悩むケースが多くなっています。円高の進行が輸出関連株を中心に利益確定売りを誘発していますが、物色意欲にもクエスチョンマークが付くような相場付きになっています。
日銀の追加緩和でETF買い入れ額が年3.3兆円から6兆円に増額されたことが原因ではないかとも考えられます。4日は日経平均が前日比171円高しましたが、これは日銀が後場からETFを707億円買ったためです。買いが入る前は150円安水準で推移していました。
ETF購入額の大幅増額が相場の下値不安を大きく後退させました。しかしこれが相場を分からなくしています。相場は下がれば新たな買い需要を呼び込んで上げてきますが、このメカニズムが働くなっているように思うからです。今週からは個人投資家に人気がある新興銘柄の決算発表が本格化します。これが資金を呼び込む動きになるか注目したいと思います。

 好決算銘柄が狙い目

5日の米国株は上昇しました。NYダウは前日比191ドル(1.0%)高4の18543ドルと2週間ぶりの高値となり、ハイテク株比率が高いナスダック指数は3日続伸し、同54㌽(1.1%)高の5221と約1年ぶりに過去最高値を更新しました。7月の雇用統計で非農業部門の雇用者数が前月比25万5000人増と市場予想(18万人程度)を大きく上回ったため、景気や個人消費の先行きに対する楽観が広がり、金融株などを中心に幅広い銘柄に買いが広がりました。多くの機関投資家が運用の指標とするS&P500種株価指数も7月22日以来、2週ぶりに過去最高値を更新しています。これを受けたCMEの日経平均先物は16410円と日経平均終値比155円高で引けています。
外国人は7月第4週(25~29日)に2週ぶりに日本株を買い越しました。買越額は788億円。このところ買い越したり売り越したりと動きは定まっていません。日本株に対する運用スタンスが定まっていないからだと思われます。上場企業の業績見通しがはっきりしてくるまではこうした動きが続く可能性があります。
今週まで上場企業の4~6月期決算発表が続きます。決算発表期間中は決算だけが株価材料となるため、内容の見極めは重要です。これまで内需関連は好決算でも売られる銘柄が目立っていましたが、外需関連は減益決算でも思ったほど悪くないという理由で買われるケースが目に付きました。今週は個人投資家に人気のある新興銘柄の発表が中心となります。当然、好決算銘柄が狙い目となりますが、今回は業績悪化懸念から売り込まれた銘柄にも目を向ける必要があるように思います。

2016年8月1日号

 暫くは方向感のない展開か

7月29日の日銀金融政策決定会合の結果発表を前に動きにくい相場展開となっていましたが、先週、日経平均株価は前週末比58円(0.34%)安の16569円で取引を終えました。為替相場の乱高下を受け、上昇したり下落したりでしたが、終わってみれば方向感に欠ける動きだったように思います。日銀は同会合で追加緩和を決めたものの、予想外の内容だったため、最初は結果を受けて株価が急落しました。しかしその後はマイナス金利は現状を維持するとの決定が次第に評価され、引けにかけて買い戻され、結局は前日比プラス引け。マイナス金利の深掘りがなくなったことで銀行の業績悪化懸念が後退し、金融株中心に戻す展開となりました。
追加緩和ではETFの買い入れ額を年3.3兆円→6兆円に増やすことが目立った程度。今回は小幅な緩和にとどめ、本格緩和は次回に温存したのではと捉えられるような内容ではなかったかと思います。このため外為市場では円高・ドル安が進行し株安が進んだものの、その後は日銀のETF購入倍増による相場下支えが意識される展開となりました。ただ発表からまだ間がなく消化不良の感じもします。暫くは方向感のない相場になるのではとみています。

 好決算銘柄が狙い目

29日の米国株はまちまちの動きでした。NYダウは5日続落し、前日比24ドル(0.1%)安の18432ドル引け。一方、ナスダック指数は4日続伸し、同7㌽(0.1%)高の5162と年初来高値で引けています。4~6月期の実質GDP(速報値)が前期比年率1.2%増と市場予想(2.6%程度)を大幅に下回り、1~3月期成長率も下方修正したことが相場の重荷になりました。ただこれにより早期の利上げが後退したとの見方も広がり、下値も限られました。発表が佳境を迎えた主要企業の4~6月期決算では業績が市場予想を上回る例も目立ち、悲観的な見方はありません。
同日のCMEの日経平均先物は16320円と日経平均終値比249円安。日銀が決めた追加金融緩和が小規模にとどまったとの見方から円高が進み、売られる展開になりました。4~6月期の米実質GDP成長率が市場予想を下回ったのも重荷となったようです。
外国人は7月第3週(19~22日)に2週ぶりに日本株を売り越しました。売越額は1261億円。このところ買い越したり売り越したりと動きは定まっていません。日本株に対する運用スタンスが定まっていないからだと思われます。上場企業の業績見通しがはっきりしてくるまでは方向性は出ない可能性もあります。
先週から4~6月期の決算発表が始まりました。決算発表期間中は決算だけが株価材料となるため、内容の見極めは重要です。これまでは内需関連は好決算でも売られる銘柄が目立っていましたが、外需関連は減益決算でも思ったほど悪くないという理由で買われるケースが目に付きました。当面は好決算銘柄が狙い目となりますが、今回は業績悪化懸念から売り込まれた銘柄にも目を向ける必要があるように思います。

2016年7月25日号

 海外勢が戻ってきた可能性も

東京市場は為替相場に振られる動きになっています。先々週以降、日経平均株価は順調に戻して来ましたが、22日は日銀の黒田総裁の発言などで円高・ドル安が進んだため、前日比182円(1.09%)安の16627円と久々に下げたと云えるような下げになりました。ただ積極的に売り込む動きは見られず、意外にも底堅さが感じられる動きでした。1㌦=105円台に振れたといっても一時の100円を割れそうな時期からは円安になっており、業績悪化懸念が和らいだからでないかと思います。
週間の上昇幅は130円(0.79%)と方向感は出ていませんが、決算発表前で動きにくいということを考えればしっかりした動きともいえます。相場の世界では売りの需要(お金の必要な人)は常にありますが、買いの需要はそうではありません。自然体なら下がっておかしくない相場が底堅く推移しているのは、海外勢が戻ってきているからではないかと考えています。

 業績悪化懸念から売り込まれた銘柄にも目を向ける必要も

22日の米国株は上昇しました。NYダウは前日比53ドル(0.29%)高の18570ドルとなり、4週続けての上昇となったほか、ナスダック指数も同26㌽(0.52%)高の5100と年初来高値で引けています。多くの機関投資家が運用の参考指標とするS&P500種株価指数も反発、過去最高値引けとなっています。主要企業の決算は強弱入り交じるものになっているものの、年後半に向けた業績回復期待は根強く、これが相場を支えたようです。なお同日のCMEの日経平均先物は16635円と日経平均終値比7円高で引けています。
外国人は7月第2週(11~15日)に2週ぶりに日本株を買い越しました。買越額は3511億円。この週は円安進行を背景に日経平均が1400円近く上昇した週で、裁定買い残も2060億円超増加しています。裁定買い残は7月8日時点で5764億円(期近物)と記録的水準まで減少していましたので、増加基調に転じたのではと捉えています。裁定買いは先物高から発生しますので、その背後には外国人の先物買いがあるとみられます。その後、これが現物買いにつながります。先週の意外な底堅さはそれを映したものではないかとみているわけです。
今週から上場企業の4~6月期決算発表が始まります。決算発表期間中は決算だけが株価材料となるため、内容の見極めが重要となります。これまでの動きから内需関連は好決算でも売られる銘柄が目立っていますが、外需関連は減益決算でも思ったほど悪くないということで買われるケースが目立ちます。好決算銘柄が狙い目とはなりますが、今回は業績悪化懸念から売り込まれた銘柄にも目を向ける必要があるように思います。

2016年7月19日号

 当面は為替睨みの動きか

先週、日経平均株価は円高修正の動きを受けて5日続伸し、6月10日以来、約1カ月ぶりの高値を回復しました。週間の上昇幅は1391円(9.2%)で、これは1997年11月以来、およそ19年ぶりの大きさ。予想を上回る雇用統計を受け米経済を巡る不安感が大きく後退、円が対ドルで5円強下落したことが歴史的な株高につながりました。
振り返ってみればBrexitを受けたあの下げは何だったのだろうということになります。6月27日号で「楽観ムードから悪夢のシナリオに変わったことで、過剰に反応したのではないかとみています」と指摘しましたが、それが正解だったようです。また先週号では「この流れが変わるには為替が円安に振れるとか何らかのきっかけが必要になった感じがします」と指摘しましたが、これも指摘通りの動きとなっています。
ただ円高修正がいつまで続くかは不明。背後には10兆円規模の経済対策や月末の日銀金融決定会合での追加緩和期待がありますが、リスク回避の資金が安全資産とされる円に向かっているので、この水準から更に円安が進むとも思えません。当面は為替睨みの動きになりそうです。

 今週は「様子見」でいいと思います

15日の米国株はまちまちの動きでした。NYダウは前日比10ドル(0.1%)高の18516ドルとなり4日続けて過去最高値を更新しました。ただハイテク株比率の高いナスダック指数は同4㌽(0.1%)安の5029で引けています。買い優勢の動きでしたが、最高値圏での推移が続いた反動から上値も重く、前日終値を挟んだもみ合った後、引けたら10ドル高だったという感じの引け方です。NYダウはこのところ3週続けて上昇、この間1115ドルも上昇していたので、短期的な過熱感も出やすい水準にあったということでしょう。CMEの日経平均先物は16400円と日経平均終値比97円安で引けています。途中まで堅調に推移していましたが、トルコでのクーデター報道から為替が円高に振れ、引けにかけ大きく売られる展開となっています。なおトルコでのクーデターの詳細は伝わっていません。
外国人は7月第1週(4~8日)に2週ぶりに日本株を売り越しました。売越額は1748億円。この週はイタリアの銀行で不良債権問題が浮上したため、リスク回避姿勢が強まったことが響いたとみています。Brexitに絡んだリスク資産外しは一巡したと考えています。投資主体別売買動向で注目されるのは年金基金などの動向示す信託銀行が10週続けて買い越しとなっている点。第1週の買越額は1525億円(その前は2282億円)に上ります。株価下落を受けてGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が基本ポートフォリオ(国内株式比率25%)のリバランスに動きだした可能性があります。6月末の国内株比率が21%台に低下したとの指摘もあるだけにマーケットにはプラスです。
6月27日号から投資スタンスをそれまでの「様子見」から「ここは動くとき」に変えましたが、今週は再び「様子見」に変えます。日経平均が短期間で大きく上昇したため、その反動が懸念されること、来週から4~6月期決算発表が始まるため、動くのは来週からでいいと考えていることが理由です。

2016年7月11日号

 足元はきっかけ待ちの状態

東京市場は再び不安定な動きになってきました。先週、日経平均株価は4日続落し、前週末比669円(3.7%)安の15106円で引けました。6月24日以来、2週間ぶりの安値で、年初来安値の14952円まであと154円となっています。地合いが一気に悪化した感じです。英国のEU離脱決定を筆頭に悪材料に事欠かず、割安な銘柄に押し目買いを入れるにも勇気がいるような状況になっています。
ただ売られている感じはしません。買いが入らないことがこうした軟調相場を現出しています。円高進行が背景にありますが、重要イベントの米雇用統計(8日)や参院選(10日)を前に、投資家が様子見姿勢を強めていることも影響しています。この流れが変わるには為替が円安に振れるとか、何らかのきっかけが必要になった感じがします。

 狙い目となるのは内需関連で売られすぎた銘柄

8日の米国株は大幅高。NYダウは前日比250ドル(1.4%)高の18146ドルとなり、ハイテク株比率の高いナスダック指数も同79㌽(1.6%)高の4956で引けています。6月の雇用統計で、非農業部門の雇用者数が前月比28.7万人増と市場予想(同17万人)を大きく上回る伸びになったことで、労働市場の減速に対する過度の懸念が後退しました。5月分は1.1万人増に下方修正されましたが、年後半にかけて景気が持ち直すとの見方が強まり、買いが優勢となったようです。NYダウは英・国民投票前の水準を上回り、2015年5月以来、約1年2か月ぶりの高値引け。多くの機関投資家が運用の指標とするS&P500種株価指数も大幅に反発し、終値は2129.90と過去最高値(2130.82)を付けた2015年5月以来の水準で引けています。これを受けたCMEの日経平均先物は15380円と日経平均終値比273円高で引けています。
外国人は6月第5週(6/27~7/1)に3週ぶりに日本株を買い越しました。買越額は105億円と多くはありませんが、Brexitに絡んだリスク資産外しの動きは一巡したように思います。注目されるのは年金基金などの動向示す信託銀行が9週連続で買い越しとなり、前の週に比べ買越額が2282億円と83%増えたこと。株価下落でGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が基本ポートフォリオ(国内株式比率25%)のリバランスに動きだした可能性があります。6月末の国内株比率が21%台に低下したとの指摘もあるだけにマーケットにはプラスです。
これまで様子見も一法としてきましたが、先々週から「ここは動くとき」とスタンスを変えています。市場は再び不安定な動きになっていますが、このスタンスは基本的に変わっていません。売られすぎの銘柄がごろごろしており、指数面から見てもここから一段安する可能性は乏しいと考えているからです。ただ銘柄選別には注意が必要です。当面は輸出関連株や世界景気敏感株は避け、内需関連で売られすぎた銘柄に絞った方がいいように思います。

2016年7月4日号

 市場は徐々に落ち着きを取り戻す

英国のEC離脱を問う国民投票の結果を受けて急落したものの、東京市場は徐々に落ち着いてきました。先週、日経平均株価は5日続伸し、15682円で引けました。週間の上昇幅は730円(4.9%)で、24日に下落した分の56%強を取り戻したことになります。24日の下げはやはり過剰反応だったように思いす。
当事国の英国株は国民投票前の株価をいち早く回復しており、米国株も投票前の株価の99.6%まで戻しています。準当事国と云えるドイツ株は95.3%の水準にあるものの、EU残留派が勝ちそうだとのニュースを受けて前日に大きく上昇したことを考えると、それなりの戻りは見せています。
Brexit(英国のEU離脱)による今回の株価下落はリーマン・ショックとは全く違います。離脱するのは早くて2年後であり、それまでに離脱に向けた準備も進みます。EUとの貿易依存度が大きいのにEUに加盟していないスイスやノルウェーは健全な経済を維持しています。市場は第2、第3の英国が出てEU、ユーロ崩壊を懸念しているとの見方もありますが、そうなるかは分かりませんし、またそうなったとしてもそれは大分先のことです。時間の経過とともに市場は落ち着きを取り戻してくるとみています。

 この水準では買いが優位

1日の米国株は上昇しました。NYダウは前日比19ドル(0.1%)高の17949ドルとなり、ハイテク株比率の高いナスダック指数も同19㌽(0.4%)高の4862で引けました。アジアや欧州の株式相場が軒並み上昇したことで投資家心理の改善が続きました。朝方発表された6月のISM製造業景況感指数が市場予想を大幅に上回ったことも追い風となりました。英・国民投票の結果が判明する前の23日の株価(18011ド)まであと60ドルとなり、離脱決定以降の下落分をほぼ取り戻した形となりました。これを受けたCMEの日経平均先物は日経平均終値比92円安の15590円で引けています。為替がやや円高に振れたことが響いたのでしょうか。
外国人は6月第4週(20~24日)も2週続けて日本株を売り越しました。売越額は1301億円。前の週は2208億円の売り越しだったので、それよりは減っています。この週は英国のEU離脱が決まり、リスク回避の動きが一気に強まったので、その影響だろうとみられます。株価指数先物(日経平均先物+TOPIX先物)では逆に1909億円買い越しています。買い戻しや下値狙いの買いも結構あったということです。裁定買い残が8803億円と2012年1月13日以来の水準まで減少していることから見て、売り越しが続くとは見ていません。
これまでずっと様子見も一法としてきましたが、先週から「ここは動くとき」とスタンスを変えました。市場の動揺はまだ収まっていませんが、ここからの一段安はないと考えているからです。日経平均は1年8か月ぶりの安値にはなりましたが、2月12日に付けた安値14952円を59銭下回っただけです。先週の上昇でダブルボトム形成となる可能性は十分あります。積極的とは言えないまでも、この水準では買い優位とみます。

2016年6月27日号

 先週の下げは過剰反応ではなかったかとみています

先週の東京市場は凄い衝撃に見舞われました。英国のEC離脱を問う国民投票で離脱派の勝利が確定的になり、パニック的な売りで急落する展開となりました。予想外の結果から外為市場では円相場が一時1ドル=99円ちょうどと7円強も急騰、対ユーロや対ポンドでも円が急伸する大荒れの一日となりました。

24日の日経平均株価は前日比1286円(7.92%)安の14952円で引け、1年8か月ぶりの安値を付けました。ITバブルが崩壊した2000年4月の以来の急落で、下落幅は過去8番目の大きさ。東証1部で上昇した銘柄はわずか6銘柄でした。1987年10月の「ブラックマンデー」(下落幅は3836円で下落率は14.90%)時の7銘柄より少ないものでした。市場では残留見通しが多かったため、離脱派優勢が伝えられるにつれショックが広がる形になりました。
市場の不安心理は極限まで高まった感じですが、この水準では悲観する必要はありません。

マスコミやメディアの論調は不安を煽るようなものになっていますが、今回のEU離脱派はあのリーマン・ショックとは全く違います。英国が離脱するのは2年後であり、それまでに離脱に向けた準備が進みます。EUとの貿易依存度が大きいのにEUに加盟していないスイスやノルウェーは健全な経済を維持しています。市場は第2、第3の英国が出てEU、延いてはユーロが崩壊することを懸念しているとの見方も考えられますが、そうなったとしてもそれは大分先のことです。楽観ムードから「悪夢」のシナリオに変わったことで、過剰に反応したのではないかとみています。

英国の世論調査で離脱派が残留派を上回ったと伝えられたのが13日。これを受け、世界の市場は離脱が決定したかのような動きに変わり、東京市場でも売りが売りを呼ぶ相場展開となっていました。英国の残留支持派議員が射殺された事件で離脱懸念が後退していたとはいえ、EU離脱は相当程度織り込まれていたはずです。

当事国の英国の株価は23日まで5日続伸し戻り高値を更新していましたが、24日の下落率は3.15%にすぎません。ドイツ株も5日続伸し戻り高値を更新中でしたが、24日の下落率は6.82%です。英国との貿易依存度が極端に小さい日本の下げが大きくなっているのは理解に苦しむところです。

 この水準では買いスタンスが優位

24日の米国株は急落しました。NYダウは前日比610ドル(3.4%)安の17400ドルとなり、ハイテク株比率の高いナスダック指数も同202㌽(4.1%)安の4707で引けています。英国のEU離脱が決まったことを受けたものですが、前日まで堅調な動きが続いていただけにびっくりする下げではありません。どこで底入れするかまだ分かりませんが、年初来安値は大きく上回っていますので、早めの底入れ確認を期待したいところです。米株が急落している中でもCMEの日経平均先物は日経平均終値比162円高の15115円で引けています。先につながる動きです。

これまでずっと様子見も一法としてきましたが、ここは動くときではないかとみています。市場の動揺は収まっておらず投資家心理は委縮したままですが、この水準からの一段安はないと考えているからです。
日経平均は1年8か月ぶりの安値にはなりましたが、2月12日に付けた安値14952円を59銭下回っただけです。
CMEの日経平均先物が上昇しているので、今週、反転すれば、チャートはダブルボトム形成となる可能性が十分あります。
積極的とまでは言えませんが、この水準は買い優位とみます。
逆の結果になったとはいえ、市場を覆っていた不透明感が払拭されたことはプラスではないかとみています。

2016年6月20日号

 英国民投票までは動けない状態

膠着感の強い動きが続いていましたが、東京市場は先週、下に抜けてきました。5営業日中、3営業日下落、週間で1002円(6.0%)下落しました。終値は15599円。5月末の直近高値からは1635円(9.5%)下落しており、景色があっという間に変わった感じです。
崩れたのはEU離脱を問う英国の世論調査で、離脱派が残留派を上回ったと伝えられた13日からです。これをきっかけに市場は一気に離脱が決定したかのような動きになり、売りが売りを呼ぶような相場展開となりました。とりわけ下げがきつかったのが新興市場で、マザーズ指数は1日で10%以上下落する日もありました。英国のEU離脱はないとの楽観的見方が支配していたため、慌てた投資家が一斉にリスク資産外しに動いたのが原因です。
英国民投票の結果が分かるまでこの件についての結論は出てきません。仮に残留となれば大幅に調整した分、値上がりも大きくなりますが、離脱となった場合は前例がないだけに、その後の動きは読めません。日経平均株価は当事国の英国株やドイツ株より下げが大きく、すでに売られすぎとされる水準まで下げています。英国民投票が23日に迫っている中、残留の可能性を考慮すると、ここからの売り崩しは困難です。結果判明後は市場を覆う不透明感が薄らぐため動きやすくなりますが、それまでは様子見の強い動きではないかとみています。

当面は様子見も一法


17日の米国株は下落しました。NYダウは前日比57ドル(0.3%)安の17675ドルとなり、ハイテク株比率の高いナスダック指数は同44㌽(0.9%)安の4800で引けています。EU離脱を問う英国民投票への不透明感が強く、週末を前に持ち高調整の売りが出たようです。新規の買い材料に乏しことが改めて意識され、利益を確定する売りに押された感じです。これを受けたCMEの日経平均先物は15550円と日経平均終値比44円安で引けています。
外国人は6月第2週(6~10日)に3週ぶりに日本株を買い越しました。買越額は2235億円。この週はメージャーSQ算出に伴う売買があった週です。外国人の多くが様子見姿勢を強めている中での買い越しは、日本株の割安感に着目した長期投資家の買いではないかとみられます。
米FOMC、日銀政策決定会合の2大イベントは通過しましたが、23日の最大のイベント、英国民投票を前に動くに動けなくなっています。通過したら市場を覆っていた不透明感は晴れます。それまでは様子見も一法とみています

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